恋文~everlasting love

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母の想い

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久江side


今日は朝から忙しい。
正月だけど、知り合いの漁師の家の奥さんに良い魚があったらお願いって・・・言っておいたら、今朝淳の為に漁に出てくれたとか。

びんちょう鮪と、まくぶ、みーばい、クルマエビ沢山届けてくださった!
隣の家のきーちゃん(上地涼・龍の母)が朝から手伝いに来てくれて、近所に住む人や淳を可愛がってくれたお婆も10時位から大量のお料理を運んできてくれて家の居間は大騒ぎ!

そんな中、東京から来た新田さんと言う記者さんが訪ねてきた。
30代前半くらいの、スラっとして爽やかな感じのその人はお兄ちゃんの話が聞きたいと言ってきた。

最初少し様子を見ていたけど、悪い人には感じなかったし私もついついペラペラとお兄ちゃんの話をしてしまったけどー・・・・まぁいっか!


「久江ー・・・・あっちゃん何時に着くって?もう来るのかな?」
きーちゃんは私に麦茶を入れて笑った。
「あー・・・もうそろそろ来ると思うよ!ね、そういえば湊たちは全く連絡してこないけど何してるのかね?」

そう・・・・。
上地家もお兄ちゃんが結婚して落ち着いた。
うちもやっと落ち着いた。

龍はー・・・一瞬落ち着いたのかって思ったらまた音信不通らしく、でもうちの湊なんか年中音信不通。

きーちゃんは漬物を摘み、
「龍はねー・・・電話しても出ないし、ラインなんてあれブロックしてるんじゃないかしら??警察から電話来てないだけましか!」
そう言って笑った。
「湊もそうねぇー・・・お兄ちゃんが病院運ばれた時は流石に頻繁に連絡とってたけど、最近無視よ無視!母親を何だと思ってるのかしら!」


上地家も、上原家も・・・・お兄ちゃん達のヤンチャさを超える弟達。
きーちゃんはケタケタ笑って、
「龍も湊もー・・・小学5年まで可愛かったよね?」
そう言った。

確かに・・・・。

「龍なんかお人形みたいな顔で女の子みたいだったよねぇ??細くて小さくて・・・・」
思い出すと面白くて・・・2人で昔の写真をスマホで見返しながら思い出話が始まる。
「そうそう!だって湊もさ、可愛かったじゃぁん・・・後ろ付けまわって来てさ、よく犬拾って来て駄々こねてたよねぇー・・・・」
そう言ってキーちゃんが笑った。

あー・・・懐かしい。
湊が2年生くらいの時に、港の方で捨てられていた子犬を拾ってきた。
でも・・・私も忙しいしペットを飼う余裕は・・・気持ち的に無かった。

すると湊は庭先でずっと泣いて泣いて・・・犬を離さなくてー・・・・結局うちは留守が多いからって上地家で飼ってくれた・・・・。
お兄ちゃんだって急に大人びたのは・・・お父さんが亡くなってから。

そしてあんな生意気に!!!!!

「でもさぁ、うちら女の子育ててないじゃん???お嫁さんってー・・・・上手くいかないとか言うけどさ、私結構結城ちゃん好きなんだよね!」
きーちゃんは笑ってそう言った。
「結城ちゃん良い子だよね???でもさ・・・この程よい距離が良いんじゃない??」

本当にそう思う。
沖縄の島だと、お嫁さんが実家に入り家業を継いでいるうちとかも多い。
そういう家も何となくうまくはやっているけど、私は今のこの距離が丁度良くも感じる。

息子が2人とも出て行き1人で暮らしているのは・・・たまに寂しいけど、たまにこうやって来てくれると嬉しいし!近くに居たらしょっちゅうお兄ちゃんとかと喧嘩しちゃいそうだしね・・・。

きーちゃんは
「本当・・・・大きくなったよねぇ・・・・・」
そう言って笑った。




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