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母の想い
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しおりを挟む—凛side
淳の家・・・・・、何年振りだろうか・・・・。
港からずっと道をまっすぐ・・・・右側は畑が広がって・・・・・少し行くと当初よく泊まっていた『グランヴィリオ』の看板。
「懐かしい・・・・・・」
家の前の駐車スペースに車を止めると、お隣さんの上地君の家から・・・・昔もよく聞いた三線の音色。
淳はエンジンを切り、
「涼の親父さんの三線懐かしいな~・・・・」
そう言って笑った。
すると、庭の方から・・・・知らないおばちゃん達が出たり入ったり!
皆こっちを見てニコニコ笑ってる。
淳は
「またー・・・あれ、近所のおばちゃん達!何かお祝い事があるとああやって皆で料理持ち合わせたりして集まってるんだー・・・・・」
へぇ・・・・///////////
車を降りると直ぐに、
「凛ちゃんッ!!!淳ッ・・・・・・・」
後ろの方から・・・・懐かしいこの声。
振り返ると、そこには・・・綺麗な花柄のエプロンをしたお母さん・・・・・。
「お母さん・・・///////////」
もう何年も会っていなかった・・・けど、全く変わらないお母さん・・・・。
相変わらず若くて綺麗・・・・・。
お母さんは直ぐに走って来て私の腕をギュッと掴むと・・・・直ぐにギュッと抱き締めてくれた。
「良かったぁ・・・・もう一緒に来てくれる事なんてないって・・・そう諦めていた・・・・・」
そう言ったの・・・/////////
私もこうやってまたお母さんに会える日が来るなんて・・・////////
「お母さん・・・//////////」
—淳side
俺と凛は親父の仏壇の前で手を合わせた。
すると、
「淳は~???もう体は平気なの~????」
お袋はノンアルのビールと凛用のジュースを持ってきて座った。
「あ~・・・、俺は平気!!!」
「そっかそっか・・・・だったらいいんだけどー・・・いったい今何処にいるの?東京?」
あー・・・・・・。
そうだよな・・・。
俺と凛は顔を見合わせて、
「あ・・・あのさ、お袋・・・・ちょっと食事の前に大事な話があるんだ・・・・・」
そう言って、自然と背筋を伸ばし・・・凛と2人で正座。
お袋も正座し直し、ゴクッと唾を飲み込む。
しかし・・・・。
庭先に居る・・・・近所のおばちゃん達とお婆達が・・・・気になる!!!!/////////
凛も庭を眺め、ニコニコ笑ってこっちを見て来るお婆達に会釈。
「あのさ・・・この状態で言った方がいい?」
俺がそう言うと、お袋は・・・・庭先を見て・・・・。
「まぁー・・・・洗礼って思って!!はい、どうぞ!!!!」
って・・・・・。
ニコニコしながら俺と凛にそう言ってきた。
ハァァ・・・。
仕方ないか・・・・。
プロポーズするわけじゃないし!!!
凛と顔を見合わせ・・・・凛の手をギュッと握った。
そして、
「凛と婚約しました」
そう言った。
お袋はジーーーっと俺と凛を見つめ、
目をパチパチ。
すると、
「あっちゃんおめでとぉーーーー!!!!!」
庭先に居た涼のお袋さんと・・・大量のお婆、近所のおばちゃん達が涼の親父さんの三線で踊りだした。
凛はそれを見てうれしそうに笑い・・・・お袋は・・・・・・。
スッゴイニッコリと笑い・・・・。
「良かった・・・・良かったね・・・本当に良かったね・・・」
そう言って俺の頭をグリグリと撫でてきた・・・・。
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