恋文～everlasting love

撃沈昌也

３

─湊side



龍と話し合い、兄貴と凛さんへのお祝い金を連名で持ってきた。
兄貴は金なんて要らねーって分かってるけど、凛さんとどこかに旅行にでも行ってほしいって思った。


吉田さんは慌てた様子で俺を端っこに連れて来て、
「お兄様は今さっきホテルを出られました・・・・今、竹芝のインターコンチに行かれました」
そう言ったんだ。

エッ？！
今っ？？？

「今ですかっ？」
俺が聞き返すと、吉田さんは声を小さくし俺の耳に近づいてきた。
そして、
「アソコに居る片腕がない男・・・お兄様を訪ねていらっしゃったんですが、自分が湊さんだと仰ってます。おそらくお兄様を追っている宮里ではないかと・・・・・」

・・・・・・・・・。
あの男が？

あの・・・兄貴を刺した、・・・・あの男が？

振り返り、その男の後姿を見ると・・・ソワソワしながら座る小さな男。
アイツか・・・・。



—昌也side



随分おせーーな。

なんか・・・落ち着かない。
変な汗をかきながら周りをキョロキョロ・・・・・。

俺が淳に会って何を言う気？？？？
別に何をする気はない。

淳に、俺がここまで追って来れるという事実を突きつけたい。
俺なんか東京に来れないと思ってたろ？そんな事はない！

俺はお前を何処まででも追いかけるんだ・・・そうだ・・・・。
そう・・・言ってやりたい。

すると、
「お待たせ！」
背後からそんな声がして、俺は・・・・つい笑ってしまいながら・・・・勢いよく振り返った。
言ってやる・・・・。

「俺から逃げれると・・・・・・・」
そう言いながら・・・・・・。

んっ？！
コイツ・・・・・・。
淳？

そう思った瞬間、そのスーツを着た・・・淳そっくりな男は・・・ニカッと笑って・・・・。

凄い勢いで俺の胸ぐらを掴み、

「お前俺を名乗ったんだって？」
ハッ？！
こ・・・・・コイツーーーーー・・・・まさか・・・・・・・

おっ・・・・
弟ッ？？？？？

「あわわっ！！！違う・・・・俺はアイツの友達で！」
そう言うと弟は俺をそのまま持ち上げ・・・・ホテルの出口へ・・・・。

「まてぇっ・・放せ！！！俺を放せ！！！」

バタバタ足を揺らすと、ホテルの外の芝生に投げられた・・・・・・・。

「いってぇ・・・・・・」
片腕がないと・・・起きるのも結構大変なのに・・・・。
くっそぉ・・・。

すると直ぐにまた俺をグイッと掴み、
「おいお前・・・俺の兄貴の腹刺しておいて・・・友達とか言ってんじゃねーぞ・・・・」
淳と同じ顔だーーーーー！！！！！
でもアイツより相当荒っぽいぞ！！
「うるせぇ！俺だって腕を・・・」
言い返そうとしたら・・・・・ガンッ・・・・・と・・・頭突き・・・・。

な・・・何なんだこの弟！人の話、全く聞かねぇじゃねぇか！

「腕無くしたのはお前の不注意、全部お前が招いた・・・人のせいにするな」
ま・・・・全く表情を変えず話す弟・・・・・・。
「俺はっ・・・」
口を挟もうとするとまた直ぐ・・・・
ガンッ・・・
な・・・・何だこの・・・石頭野郎！！！！
「おい、耳かっぽじってよく聞けよ・・・東京うろつくのは自由だけどな、・・・東京には俺がいる事を忘れるな・・・・」

なっ・・・・・・・・。
何なんだこの弟野郎ーーーーー！！！！！

すると直ぐにホテルの係員が来て、俺ではなくこのクソ弟野郎に
「湊様、警察呼びますか？」

って・・・・・・。
被害者は俺だぞ！！！！！！

湊は立ち上がって、スーツを直し・・・・。
「いや、コイツがまた中に入ったら俺に連絡を・・・・」


う・・・・上原クソ兄弟ーーーーーーーーっ/////////////////
一体何なんだぁぁぁぁーーーー！！！