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あの男
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しおりを挟む—淳side
ハッ・・・・・・・。
人の気配を感じ・・・体を起こすと、
そこには誰も居なかった。
「ん・・・淳・・・」
俺の胸にしがみついてる凛も起き、目を擦った。
「ごめんなー・・・・寝よう・・・」
そう言って真笑いを見ながらまた横になった・・・。
今誰かがいたような気がしたが・・・気のせいか。
凛の顔を撫でると、頬が柔らかい・・・・・。
唇を撫でて・・軽くキスをすると、凛の口元が少し笑って・・・俺の方に手を伸ばして抱き付いてきた。
「キスして・・・」
小声でそう言って・・・・俺はそのまま凛に被さって唇を重ねた。
音を立てないよう・・・宏太に見られないように。
「チュッ・・・チュッ・・・」
凛も嬉しそうに俺の首に手を回し・・・何度も何度も・・・・。
—宏太side
あ~・・・・・・・・
あったまいってぇ~・・・・・。
周りがバタバタ動き出し目を覚ます。
ん~・・・目を擦って体を起こすと、
うわっ!!!!
俺等の囲うように凄い人だかり!
ん???
その視線は~・・・俺達じゃなかった。
そう、皆の視線の先は・・・俺等の直ぐ近くで、凛ちゃんを大事そうに抱え凛ちゃんも嬉しそうにぴったりと抱き付いて寝る・・・・。
淳と凛ちゃん。
スースー・・・って・・・2人で寝息を立てて全く起きず!
「仲良いわねぇ~・・・・」
サワちゃんが笑って言った。
「だって新婚さんだもんねぇー・・」
カフェのオバちゃんが笑って言った。
にしても、コイツ等もう付き合って10年以上だろ???
良く飽きないね~・・・って凛ちゃんだったら飽きねぇか。
その日は小学校中学・・・全て休校になり、朝から皆で街の掃除だ。
淳と凛ちゃんは仲良く楽しそうにゴミ拾い。
俺は???
「ちょっとっ!!!ちゃんとゴミ袋持ってよッ!!!」
まち子が塵取りとほうきを持って目を吊り上げて怒るッ!!!
はいはい・・・
まち子に頭が上がらない俺。
なんせコイツはうちの店の一番の稼ぎ頭で、辞められても困るし・・・・。
「まち子~・・・・・。」
まち子はゴミ袋にゴミを入れながら、
「何よッ・・・・寝心地悪かったから頭痛いの・・・余計な事言わないでよ??」
「・・・・お前イビキ超うるさい・・・・・」
・・・・・・。
チラッとまち子を見ると、
バシバシッ!!!っと竹ぼうきで俺を叩いてきた!!!!
「いってぇな!!!止めろよッ!!」
「余計な事言うなって言ってんでしょッ???アンタマジ煩いのよっ!!!!」
と・・・・・。
朝から非常に賑やかで元気な小笠原・父島のゆかいな仲間達でした♡
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