恋文~everlasting love

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あの男

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3月


—淳side



「淳--・・・シーツ持ってきてーーー!!」

朝からそんな声が庭から聞こえ、俺は着替えながら洗濯機の方に行って、洗濯機の中から洗い立てのシーツを出し庭先へ持って行った。

庭では髪の毛が肩近くまで伸びてきた凛が物干し竿に洗濯物を干していた。

「ありがとうー・・・」
「後は俺がやっておくから、お前も準備しちゃいな・・・・」
俺がそう言うと凛は笑って、俺の腕に手を添え・・・・俺の頬にチュッ・・とキスをして家の中に入って行った・・・・//////////


俺は広い庭の物干しにシーツをバッと広げ干す。

小笠原は今日も晴天!!

海が綺麗に光って、気持ちが良い・・・・。


俺と凛はあの嵐の直後に権爺の所に行き、奥様のあの店の件で色々話し合い。
そして・・・本格的に材料の仕入れや今まで奥様が作っていた料理のレシピなどを完全コピーし試作を重ね、3日前にリニューアルオープンした。

「淳~・・・今日お奥様来れるって~????」
凛は軽く化粧をしてテラスに出てきてそう言った。
「朝メール来てて、今日は来れないって」

奥様は足腰の調子が良い時、病院に行かない日等は店に遊びに来るが・・・・来ない日も多い。

その店があるのは、海沿いの商店街の一番奥。
宏太のアパートに異様に近く、
「宏太が手伝いに来るってさ!」

近すぎて、ウザい位に宏太が手伝いに来る。


営業時間は短く、10時から17時。
少し早めに行ってランチの仕込みをするため家を8時半に出る。

「今日は忙しいかな?」
凛は笑って言う・・・・。
「どーーかな~?」

店は、凛が看板娘だという噂を島中の人が聞いて・・・・オープン初日は長蛇の列になった。
その為、役場の人達が整理券を配ったりと手伝いに来てくれた。

もう春休みになる為、また忙しくなる。

「もう少ししたらきっと観光客も増えるから気合い入れないとーーー!」
凛は料理も好きだし、島の人達とのコミュニケーションは・・・楽しそうだ。



—凛side


店の奥に従業員用の駐車スペース。
車を底に止め車を降りると・・・そこからも海が前面に見える。

ハァァー・・・・気持ちいい!!!

「凛、今日の日替わり何だっけ~?」
淳が店の鍵を開け言った。
「今日はハンバーグ!」

奥様のレシピは凄く分かりやすく、それに私のオリジナルを考案したりして・・・私結構楽しい!!
いつかこうやって淳と一緒にお店やるの・・・夢だった。
だから凄く嬉しかった。

店はカウンターが少しあり、テーブル席は結構広く10テーブル程。
私は基本お料理担当で、淳は飲み物とウェイター。


すると、直ぐに食材を持ってきたのは農協と漁協の人達。
「今日このマグロサービスね!2人ででも食べて!」
真っ黒に焼けた漁師のオジサンは笑って言った。

淳はそれを見て、
「あーー・・・凄いですねー・・・綺麗な刺身・・・・」
「だろう???また良いの持ってくるね!」


この島の人達は・・・皆優しい。

淳がその箱を厨房に持ってきてくれて、
「これランチで出す?それとも夕飯に使う?賄いとか・・・・」
中には綺麗なマグロのお刺身・・・。

「どうしようかなー・・・でもこの量だと数人分だから・・・賄いで食べようか?」
そう言って冷蔵庫にマグロをしまった。

届いた野菜を出し、冷凍庫からひき肉を出し準備を始めると、淳は私の隣に立って

「凛、・・・・結婚式~・・・・する???」

結婚式???////////////
でも、久江ママもああいう風に言ってくれてたしな・・・・。
実はお兄ちゃんも・・・ちょっと楽しみにしてくれてるっぽい。

でも今は・・・難しいよね???




—淳side



ずっと考えていた事。
入籍は先月したが、結婚指輪も・・・結婚式も何もしてやってない。


凛はひき肉の塊を持って・・・じーーー・・・・っと・・・。
??????

すると、
「まぁ・・んー・・・・出来たらでいいよ!ママとか楽しみにしてたし!でもさー・・・今は我慢じゃない?その内出来そうだったらって感じで大丈夫ー・・・」
そう言った。

まぁ、正直言うと・・・・俺がドレス姿見たいだけなんだけど!!!

凛はニッコリ笑って、
「気使わないでーー!!・・・今はー・・・ここの生活楽しもう!!」
って・・・そう言って俺の腕に絡みついてきた。

「いやー??・・・ただ俺がお前のドレス姿見たいなってそう思ったのーー!!」
俺がそう言うと凛は顔を上げて・・笑った・・・。
「うん・・ありがとう・・・・・。」









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