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恩師の死
2
しおりを挟む2月
ある日の放課後、突如田代の奥さんから涼に電話があり、田代が危篤だと言われた・・・・・。
直ぐに俺等はまた大和の親父さんの病院に向かった。
ぞろぞろと凄い人数で押しかけてしまい、最初は病院の人に止められたが・・・・大和の親父さんが俺ら全員を田代の病室があるフロアーに入れてくれた。
俺等が駆けつけた時には、もう田代は・・・・殆ど意識がない状態で、奥さんとお嬢さんが手を握って見守っていた・・・・。
すると、
「上地君と・・・上原君」
奥さんに呼ばれたが・・・最初は足が動かなかった・・・・・。
でも、皆に背中を押され・・・田代の直ぐ近くに行った。
涙が・・・・。
堪えられず、凄い勢いで俺の目からこぼれた・・・・・・・。
田代は薄っすらと目を開けて、俺等の方に手を向け・・・・・
涼が少し近付くと、俺にも来るよう手を伸ばした。
そして、
「正義を・・・・守れ」
そう言ったんだ。
正義を・・・守れ。
その言葉は俺の頭にずっと残ってる。
そのまま田代は目を閉じ、俺等が見守る中・・・・・・息を引き取った。
俺のすぐ後ろに居た琢磨や半次・・・大和もその場にしゃがみ込み・・・・ワンワン泣いた・・・・・。
俺もその時・・・・久しぶりに人前で泣いた気がした・・・。
病室の外にいるFの奴等も皆・・・子供みたいに声を上げて泣いたんだ。
俺等は、いつも田代を煙たがってるように見えたかもしれないけど・・・・そうじゃない。
恥ずかしいから言わなかっただけ・・・・。
皆、凄い信頼していたんだ。
田代は入院中、俺等F組の皆全員に手紙を書いてくれていた・・・・。
それは告別式の時に奥さんから渡されたんだ。
俺の手紙には
『上原淳殿 お前は好きな子の為なら何でもできるいい男だな!結婚したら教えてくれ、OHに入って沢山稼いだら俺に恩返ししろよ』
と・・・・・・・・。
なんなんだよ。
告別式が終わり俺と涼が帰ろうとした時・・・・・後ろから誰かが走ってきた・・・・・。
「上地さんと上原さん?!」
聞いたことがない幼い声だった・・・・・。
ゆっくり振り返ると、そこに立っていたのは・・・・田代の娘さんだった。
病院で何度か見て・・・でも話すことはなかった。
が・・・、彼女は俺等を見てニッコリ笑うと
「お父さんがね・・・貴方たち2人の話・・・良くしてた・・・・」
そう言ってきたんだ。
俺も涼もビックリして顔を見合わせ、またその娘さんを見た。
「普段からよく聞いてたよ、凄い格好いい奴等が居るって・・・・」
え・・・・・・。
「あー・・・そうなんだー・・・・・」
田代そんな事言ってたんだ?!
ちょっと照れ臭くて涼と一緒に笑った。
すると、
「1人は、彼女の事ばっか考えてる恐ろしいくらい一途バカでー・・・・」
ハッ?!
「もう1人は、直ぐに女の子に手を出してー・・・手が早い尻軽男だって!」
「はぁぁぁっ?!」
俺と涼が口をそろえて娘さんを見ると、娘さんはケタケタ笑って・・・・・。
「でもねー・・・すっごいカリスマ性があって2人ともいい男なんだよな~ッて言ってたよ!!じゃーね!!!」
娘さんはそう言って笑いながら手を振って行ってしまった・・・・・・。
俺と涼は顔を見合わせ、
「なんだあれー・・・・・・」
そう言って笑った。
田代は1年の時、俺等の担任として教室に入ってきて・・・・・。
入学式から遅刻した俺と涼を・・・ゲンコツしてきやがった!!!
その日から、しょっちゅうやり合ったけど~・・・・・でも何処か親父のような存在だった。
『正義を大事に』かー・・・・・・・。
別に俺達正義の味方じゃねーんだけどな・・・・・・・。
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