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出口のないトンネル
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しおりを挟む—凛side
「今日は・・・13時まで撮影、15時からロケ、20時からラジオ出演・・・・・」
移動車の中で今日のスケジュールを聞いていたが・・・・揺れが気持ちよくて・・・ウトウトしてしまう。
すると、ペチペチと頬を叩かれ目を開けた。
「ちゃんと聞いてるか?凛・・・・」
薄っすら目を開け、
「ごめんなさい・・・・・」
貴方の胸の中で眠ったあの日から・・・・5日が経ちました。
あの夢のような一時、私はあの日だけ・・・また貴方と戻れたような感覚に陥った。
でも・・・直ぐに現実に引き戻され、やっぱりあれは・・・夢だったのかもって思う・・・・。
こんな生活いつまで続くのかな・・・・。
終わりが見えない真っ暗なトンネルのような私の今の生活。
ゴトゴトと揺れる車内は誰も喋らず・・・私はずっと外を眺めていた。
すると、マネージャーの糸井さんはバックから茶色い封筒を出し、
「これ、今月分な・・・・無駄使いするなよ?」
そう言って私に封筒を渡してきた。
決して厚くないその封筒は・・・私のお給料。
「ありがとうございます・・・・」
何でこんな事になっちゃったんだろう・・・・。
その日、家に帰ったのは深夜1時過ぎ。
疲れ切って玄関に座り込んでしまうことは・・・結構毎日。
そこから立ち上がってベットの方に行くのが・・また辛い。
「ハァ・・・」
両手をついて力を振り絞って部屋に入ると、バックを下に落とし上着をその場で脱いで・・・・ベットに座り込んだ・・・・。
「疲れた・・・・・」
そう言っても誰もいないから誰も何も言わないんだけど・・・・ついつい出てしまう。
下に落ちてるバックに手を伸ばして、さっき貰った封筒を手に取って中身を確認。
中身は・・・・18万円。
沖縄
—淳side
凛とあのラウンジで別れてから5日が経った。
「お前今日から東京行って来いよ」
そう言われたのは・・・・上地家で朝食を食べていた時・・・涼が俺に言ってきた。
みそ汁を啜りながら顔を上げ涼を見ると、涼は俺に小さな紙を差し出し、
「これ、ナッツから蓮見の住所聞いておいたから・・・・」
そう言った。
その紙を受け取ると、そこには『東池袋』の住所が書かれていた。
東池袋に住んでるのか・・・・・・。
あまり治安が良さそうじゃないな・・・・。
すると、
「達也と一緒に東京行けよ、昌也も退院したらしくて・・・最近この辺うろついてるって聞いたし・・・」
半次もそう言って飯を食った。
「何で達也?」
俺がそう言うと、涼が笑って
「お前だって怪我完治してないし、誰かいた方が何かがあった時助けになるだろ?」
そう言った・・・・・。
俺は立ち上がって食器を片し、
「別に俺一人で大丈夫だよ・・・もう傷口だって痛くねーし・・・・何かあったら向こうで病院行くし・・・」
そう言ってリビングを出て行こうとすると、キッチンから結城が走って来て
「淳・・・ね・・・凛さん・・・連れて帰ってこれる?」
そう言ってきた。
「いや、それはー・・・アイツ次第だろ・・・・それは俺が決めることじゃねーよ」
すると、
「淳、・・・本当にhorseってヤバいからね・・・凛さんの意思とか・・・多分ないから!」
・・・・・・・・・。
「わかったよ・・・もう行くわ・・・・」
分ってる・・・分かっているけど・・・・どうしても気になる・・・・あの日、凛が俺に何度も・・・・。
『淳には言えない』
そう言った・・・・。
自分の部屋に戻り、スーツケースに荷物を詰めていると・・・・・ガチャッと、玄関の扉が開き・・・・
「淳ー・・・・ちょっと良いかー・・・・・」
そう言って入ってきたのは半次。
「なんだよ・・・・・・」
皆が言いたいことは分かってる。
半次の方を見ず荷物を詰めていると・・・・半次は俺の前に座り
「なぁ、・・・・無理にでも蓮見は今の事務所辞めさせて沖縄に連れてきた方が良いんじゃねーのか?」
・・・・・・・・・。
「あのさー・・・・、さっきも言ったけどそれはアイツが決める事だろ?俺が行っても、イヤだと言われたらそれまでだ!」
そうだ、この前だって・・・アイツは最後まで俺に何も言わなかった。
半次は俺の腕を掴んで、
「脅されてるとしたら?・・・・蓮見が誰にも言えないよう・・・何かを握られてるとか・・・もしそうだったらどうするんだ?」
脅し・・・・????
半次は俺の腕を両手でつかみ、
「あの痣・・・・暴力受けてるんじゃないのか?他にも・・・・・」
・・・・・・・っ?!
「うるせぇな・・・もうそれ以上言うな!!!!」
暴力・・・?
他にも・・・何かをされてるかもとでも言いたいのかっ???
「淳!!・・・・蓮見はお前の事好きだから言えねーんじゃないのか?お前に迷惑を掛けたくねーんだろ?昔からそういう子だったじゃねーか!!!!」
・・・・・・・・・・・。
半次は真剣な顔をして、
「な・・・俺はお前ら2人が幸せそうにしてるの見るの好きだったんだよ・・・・だから、お願いだからアイツを助けてやってくれよ・・・・」
そう言った・・・・・。
コイツー・・・昔から凛の事大好きだったもんなー・・・・・・。
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