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助けて
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しおりを挟む—凛side
淳は少ししゃがんで、笑いながら私のスカートに付いた砂を叩いてくれた。
「お前はいつまでたってもよく転ぶなー???」
そう言って笑うの。
ぎゅっと握りしめた1万円札ともう大分くたびれたバック。
目の前に居る淳が、本当に・・・夢ではないのか実感するまで時間が掛かった。
これは・・・現実?
それとも私が幻覚を見てる?
何度も目を擦って目の前に居る淳を見ていた。
すると、淳はまた立ち上がって私の顔をジッと見て、
「飯食いに行かない?・・・夕飯にはまだ早いか・・・・」
って・・・喋った!
グッとバックを胸の前で持ち、
「えっとあの・・・えっと・・・・」
凄い・・・言葉が全く出ない。
淳はまた笑って、
「俺ー・・・朝コンビニのおにぎり食っただけで超腹減ってるんだよね?」
そう言って私の手を握った。
嘘っ・・・やっぱりこれって現実。
「あ・・・あの・・・・あの・・・・・でも、私明日も仕事だし・・・あの、凄く疲れてて・・・」
声を震わせて淳を見ると、
「だったら部屋で話そう」
淳????/////////
—淳side
凛は小さなバックを胸の前でぎゅっと抱え俺をジッと見つめた。
「あ・・でも・・部屋掃除してないし・・・」
「んじゃ、俺の部屋行こう!」
そう言って凛の手を掴んだ。
「あ・・・ダメ!・・あの・・急な呼び出しもあるかもしれないし・・・あの・・・」
「だったら俺送る!・・・良いから来い!」
少し強引かと思ったが・・・・手を引っ張って歩き出した。
「淳・・・・淳っ・・・・・俺の部屋って・・・あの・・・・」
「OH時代使ってた部屋ー・・・・ほら行くぞ!!!」
凛の手を引き、コインパーキングの方に向かって歩いた。
俺の少し後ろを歩く凛は・・・・歯をグッと食いしばって泣くのを我慢しているような・・・そんな顔。
子供みたいにそうやって我慢して、足元フラフラさせて・・・・。
こんなになるまで・・・・1人で・・・・・。
パーキングに到着すると、助手席の扉を開け凛を座らせた。
凛は車の中をキョロキョロして・・・
「この前と違う車・・・・」
そう言った。
「俺の車明日こっちに届くからー・・・それまで友達に借りたんだー・・・」
そう言って扉を閉めた。
運転席に回って俺も車に乗ると、凛はお腹をグッと抑え・・・少し前屈みに・・・。
???????
「腹痛いのか??」
俺が聞くと・・・・直ぐ・・・・・。
グルルルルルルルーーーーーー・・・・・って・・・・。
スゲー腹の音!
思わず俺がプッと吹き出すと・・・凛はお腹を押さえて、
「うっ・・・わっ・・・笑わないでー・・・・」
そう言って下を向いた。
・・・・・・・・・。
何でこんなになるまで我慢してるんだよ・・・・・・。
てか・・・、俺が・・・・こうなるまで気付かなかったのか・・・・。
凛の頭を撫で、
「ごめんなー・・・・・美味いもの食いに行こう!」
そう言って少し自分の方に寄せると・・・凛は・・・『うん、うん・・・』って、黙って頷いて・・・・俺の腕に顔を付け、俺に見えないように泣いてる。
時刻は16時前。
少し早いと思ったが、昔何度か凛を連れて行った銀座の焼き肉屋。
凛は移動中ずーーっと・・・・俺の肩にもたれてて、店の駐車場に車を止めると・・・やっと顔をこっちに向け・・・結構近くで俺の顔をジッと見つめてくる・・・///////////
俺はシートベルトを外し、・・・・結構近い・・・凛の顔を改めて見た・・・。
痩せてるのに・・・疲れからなのか少し瞼がむくんでて・・・目も充血して・・・。
体を凛の方に向け、
「お前明日・・・・朝早いの?」
そう言うと、凛は・・・・・
「後で・・・マネージャーさんから電話来る・・・・」
そっか・・・・・。
「そしたらさ、・・・・お前今夜ー・・・俺のマンション泊れよ、池袋のマンション・・・セキュリティしっかりしてないだろ?あぶねーよ・・・・」
チラッとしか見なかったが、凄く古そうな・・・誰でも入れるようなマンション。
凛は濡れた目で俺をジッと見て・・・・。
「ねぇ・・・・これは夢じゃない?・・・淳は・・・今私の前に居るよね?」
そう言ったんだ・・・・////////////
「どうしたら信じてくれる?」
俺がそう言うと・・・凛は・・・・。
・・・・・・・・・。
「抱きしめて・・・・・」
・・・・・・・//////////////////
俺は、なんで早く凛にもっと踏み込んで・・・・もっと知ろうとしなかったんだろう。
何で沖縄に帰る前に、無理にでも凛に会いに行かなかったんだろう。
「いいよ・・・・・」
体を起こし、凛のシートベルトを外し・・・・・そのまま凄く小さくなった凛を抱きしめた。
凛は俺の胸に顔を付けて、
「淳の・・・匂い・・・」
そう言った・・・・・///////////
俺も凛の耳元に鼻をつけ、
「凛の匂い・・・・・」
凄く懐かしく感じた・・・・。
そして、久々に・・・凄く・・・安心した・・・・。
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