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竜親、町興し編
七十四話、無毒化②
しおりを挟むガントに先導されて着いたダークエルフたちの村は本当に酷かったわ。
毒の霧は強いし、土の汚染も酷いし、何より木々が毒で朽ちかけていたわ。
こんなのドライアドじゃなくても許せなくなるわ。
≪ここまで酷いとは人族とはなんと愚かなのじゃ≫
ええ、こんなの許せないわ。
私は『吸収』を使ってみた。
結果として樹木の毒は吸い取ることが出来た。
しかし、毒に侵されていたので樹木は衰弱していた。
これって回復薬でどうにか出来るかしら?
≪ティアの回復薬は体内で生産されておるからのぅ。余分なものが入っていない分性能がよいから効く可能性はある筈じゃよ≫
わかった、試してみるわ。
私は樹木に回復薬をかけた。
すると弱っていた樹木は元気になった。
「おお!」
「さすが、ティア様!」
「樹木が元気になった。これでこの地も元に戻るな」
「ええ、あとは様子見ね。元気になってくれたら嬉しいわ」
「「ああ」」
私たちはすべての村の無毒化を行った。
最後の村を無毒化した時にある存在が現れた。
「はじめまして、毒を取り除いてくれた方」
「……貴女は?」
「私はドライアド。名はありません」
「ドライアド」
まさか、本当にドライアドが出てくるなんて。
いったい、何のつもりなの?
「そう身構えないでください。私は貴女に感謝の意を伝えに来たのです」
「感謝?」
「私たちドライアドは樹木に繋がっています。なので、今回の事は理解しました。私たちから何かすることはありません」
「そうですか」
「はい。なので、貴女に感謝の意を伝えに来たのです」
「これが人族の行いだと言うことも分かっていると?」
「はい。ですが、私たちではどうにも出来なくて困っていたのです。勿論、貴女が心配されているダークエルフ族に手を下すつもりは全くありません」
「そう」
私が思っていたよりドライアドは話がわかる相手だったってことなのかしら?
もっとこう、森に手を出すものは何人たりとも許さないって感じだと思ったわ。
でも、人族にも手を出されると困るのよね。
あれは一応捕虜なんだから。
「ドライアドさん、感謝しているのなら1つ話があるのだけど」
「なんでしょうか?」
「今回捕まえてた人族は私たちが対処するから手を出さないで貰いたいんだけど」
「……理由を聞いても?」
「あれは捕虜よ。あれを使って他の人族と取引をするの。手を出されては困るわ」
「なるほど……では、今回の1件全て貴女に任せると言うことですね」
「ええ、何もしていないのに手を出されては困るわ」
「それもそうですね。では、今回の件お任せします」
「ええ」
「では、私はこれで」
そう言い残すとドライアドは来た時同様去っていった。
私はとりあえず、すぐに帰らなくてはいけない気がしてソーガに飛び乗った。
「ソーガ、ガント、急いで帰りましょ」
「リオ様?」
「なんだか悪い予感がするの」
「わかりました」
二人は大急ぎで街まで向かってくれた。
何だか引き際がよすぎるのよね。
あと、1人で来たのも気になるわ。
もし、もし、別行動しているのがいたら厄介だわ。
さっきも言ったけど、何もしてないのに手を出されては困るわ。
あの人族は交渉に使うんだから。
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