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第一章
50、チーム結成②
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話し合いからしばらく、俺は相変わらず討伐・採取と一日に三件ずつ行っている。
そうしていると以前より視線を感じるようになった。仕方ないのでアキラさんに相談すると苦笑された。
なぜ?
「前にも話しましたように、マコトさんは今注目の冒険者なんですよ。見られていても仕方ないかと」
「そうは言っても」
「前みたいにつけられたりしていますか?」
「それはないですね。こうやってギルドなんかに来ると見られていますが、付けてくることはないです」
「そうでしょうね」
「え?」
「前のことで『ガーディアンズ』のリュウイチさんたちが忠告してくれたので一時的ですがみなさん静観しているんです」
なんてこんなだ、まさかこんな形でリュウイチさんたちに迷惑かけるとは?!
現状、何とかしないとこれは迷惑かけたまんまになってしまう。そうなったらまともに一緒にいれない。
これは早めに優良株に帰ってきてもらいたいところだよ。
俺がちょっと後ろめたく思っていたらアキラさんが思い出したように話してくれた。
「そう言えば、この間話したAランク冒険者なんですが」
「え?あ、はい」
「さっき戻ってきたんですよ」
「え?」
「今は報告のためギルマスの所にいますので、しばらく酒場で待っていて貰えますか?」
「分かりました」
俺が返事をして酒場に向かうとアキラさんは二階のギルマスの部屋に向かった。
早く帰ってきてほしいとは思ったけど、なんてタイムリーな人だ。
俺はユキを膝に乗せて、その背中をなぜていた。
≪マコト、だれか来るの?≫
「ああ、人に会うんだ」
≪いい人?≫
「いい人だと思うぞ、アキラさんたちが薦めてくるぐらいだからな」
≪そうなんだ!≫
「だけど、会えば分かるって言ってもなぁ」
≪何か問題?≫
「一部に嫌われる種族ってなんだろうな」
≪知らない≫
「だよなぁ」
俺はユキとそんな会話をしている。
実際、俺はここのことには疎い自覚はあるし、ユキも産まれてそんなに経っていないからわからないことは多い。
そんな俺たちだけで考えていても仕方ないだろうからゆっくり待つことにした。
だが、そこに鑑定カウンターにいるはずのアリアさんがこっちに来た。
「マコトさん、どうかしたんですか?今日は飲むでもなくジッとして」
「アリアさん、いえ、今日はアキラさんにある人と引き合わせてもらうことになりまして」
「ああ、アキラさんやギルマスたちが話していたあの人ですね」
「たぶんそうです」
「何か心配ごとでも?」
「いえ、前に種族的な問題でチームに入れずソロでやっているって聞いたので」
「ああ、そうなんですよ。とくに何かが悪いってわけじゃないんですけどね。仕事として一時的に一緒に行動するのはいいけど、チームとしてずっと一緒にいるのは無理って言われてねぇ」
「そんなに?」
「ごく一部なんですけど、そういうことでもめ事にならないようにギルド側も彼にはソロでやって貰っていたんです」
「ああ」
なるほど、揉め事にならないようにの予防な。
まぁ、そうだよな。そいつが我慢すれば多くのもめ事が起こらないんならそうするよな。
なんとまぁ、悲しいことだ。種族なんて変えようもないことで線引きされるなんて。
「いい人なんですけどね」
「アキラさんもリュウイチさんも言ってましたね」
「人柄は保証しますよ。面倒見もいいし、まじめですし」
「結構、推してきますね」
「まぁ、マコトさんとなら問題なく一緒にいれる気がするので」
「そうですか?まぁ、本人を見てみないと分かりませんけど」
「そうですね、しっかりと見てあげてください」
「はい」
そういうとアリアさんは鑑定カウンターに戻っていった。
ギルドの職員からも信頼されているのなら本当に性格的な問題はないんだろうなぁ。
そんなことを考えながらいるとアキラさんが戻ってきた。
「話が終わりましたので、ギルマスの部屋に来てください」
「え?ギルマスの部屋に?」
「ええ、彼は基本的に用事が終わるとすぐに問題が起きないようにギルドを出て行ってしまうので」
「あ、ああ」
「それにギルマスの部屋なら人眼を気にせず、ちゃんと話が出来ますから」
「分かりました」
「では、案内します」
俺はアキラさんの話に納得して、ユキを抱えて立ち上がった。これから会う人物は問題が起きないようにそれだけ注意しているのだ。なら俺もその配慮をするべきなんだろうと思った。
そして、アキラさんに案内され、俺たちはギルマスの部屋に向かった。
そうしていると以前より視線を感じるようになった。仕方ないのでアキラさんに相談すると苦笑された。
なぜ?
「前にも話しましたように、マコトさんは今注目の冒険者なんですよ。見られていても仕方ないかと」
「そうは言っても」
「前みたいにつけられたりしていますか?」
「それはないですね。こうやってギルドなんかに来ると見られていますが、付けてくることはないです」
「そうでしょうね」
「え?」
「前のことで『ガーディアンズ』のリュウイチさんたちが忠告してくれたので一時的ですがみなさん静観しているんです」
なんてこんなだ、まさかこんな形でリュウイチさんたちに迷惑かけるとは?!
現状、何とかしないとこれは迷惑かけたまんまになってしまう。そうなったらまともに一緒にいれない。
これは早めに優良株に帰ってきてもらいたいところだよ。
俺がちょっと後ろめたく思っていたらアキラさんが思い出したように話してくれた。
「そう言えば、この間話したAランク冒険者なんですが」
「え?あ、はい」
「さっき戻ってきたんですよ」
「え?」
「今は報告のためギルマスの所にいますので、しばらく酒場で待っていて貰えますか?」
「分かりました」
俺が返事をして酒場に向かうとアキラさんは二階のギルマスの部屋に向かった。
早く帰ってきてほしいとは思ったけど、なんてタイムリーな人だ。
俺はユキを膝に乗せて、その背中をなぜていた。
≪マコト、だれか来るの?≫
「ああ、人に会うんだ」
≪いい人?≫
「いい人だと思うぞ、アキラさんたちが薦めてくるぐらいだからな」
≪そうなんだ!≫
「だけど、会えば分かるって言ってもなぁ」
≪何か問題?≫
「一部に嫌われる種族ってなんだろうな」
≪知らない≫
「だよなぁ」
俺はユキとそんな会話をしている。
実際、俺はここのことには疎い自覚はあるし、ユキも産まれてそんなに経っていないからわからないことは多い。
そんな俺たちだけで考えていても仕方ないだろうからゆっくり待つことにした。
だが、そこに鑑定カウンターにいるはずのアリアさんがこっちに来た。
「マコトさん、どうかしたんですか?今日は飲むでもなくジッとして」
「アリアさん、いえ、今日はアキラさんにある人と引き合わせてもらうことになりまして」
「ああ、アキラさんやギルマスたちが話していたあの人ですね」
「たぶんそうです」
「何か心配ごとでも?」
「いえ、前に種族的な問題でチームに入れずソロでやっているって聞いたので」
「ああ、そうなんですよ。とくに何かが悪いってわけじゃないんですけどね。仕事として一時的に一緒に行動するのはいいけど、チームとしてずっと一緒にいるのは無理って言われてねぇ」
「そんなに?」
「ごく一部なんですけど、そういうことでもめ事にならないようにギルド側も彼にはソロでやって貰っていたんです」
「ああ」
なるほど、揉め事にならないようにの予防な。
まぁ、そうだよな。そいつが我慢すれば多くのもめ事が起こらないんならそうするよな。
なんとまぁ、悲しいことだ。種族なんて変えようもないことで線引きされるなんて。
「いい人なんですけどね」
「アキラさんもリュウイチさんも言ってましたね」
「人柄は保証しますよ。面倒見もいいし、まじめですし」
「結構、推してきますね」
「まぁ、マコトさんとなら問題なく一緒にいれる気がするので」
「そうですか?まぁ、本人を見てみないと分かりませんけど」
「そうですね、しっかりと見てあげてください」
「はい」
そういうとアリアさんは鑑定カウンターに戻っていった。
ギルドの職員からも信頼されているのなら本当に性格的な問題はないんだろうなぁ。
そんなことを考えながらいるとアキラさんが戻ってきた。
「話が終わりましたので、ギルマスの部屋に来てください」
「え?ギルマスの部屋に?」
「ええ、彼は基本的に用事が終わるとすぐに問題が起きないようにギルドを出て行ってしまうので」
「あ、ああ」
「それにギルマスの部屋なら人眼を気にせず、ちゃんと話が出来ますから」
「分かりました」
「では、案内します」
俺はアキラさんの話に納得して、ユキを抱えて立ち上がった。これから会う人物は問題が起きないようにそれだけ注意しているのだ。なら俺もその配慮をするべきなんだろうと思った。
そして、アキラさんに案内され、俺たちはギルマスの部屋に向かった。
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