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第一章
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今度は人族の方だな。
なんと言うか、こっちは簡単でいいかな。
俺が人族の方を見ると二人で視線を会わせてから1人が自己紹介を始めた。
どっちが先にするか考えたようだ。
「俺は人族のハグリ、大工だった」
「俺も人族でタナト、大工をしていた」
「よろしく」
「「はい」」
この2人は借金奴隷なので、返済できれば自由だから簡単でいい。
まぁ、力量によっては再雇用してもいいんだけど、大工だしなぁ。
他に出来ることがないなら職業斡旋一択だな。
さて、次の紹介はドワーフ族にして貰うか。
俺がドワーフ族の方を見るとすぐに一人が紹介を始めてくれた。
「俺はドワーフ族のドドスだ。建築士兼大工だった」
「俺はドワーフ族のババト。建築物を建てる関係の事は殆ど出来る」
「俺はドワーフ族のパズラ。ドドスの弟だ。俺も建築物関係なら殆ど出来る」
「なるほど、助かるな」
獣人族の方は力がある者たちを集めてくれて、ドワーフ族の方はしっかりと建築関係の者たちを集めてくれたんだな。
ザマスに感謝だな。
ついでに兄弟揃ってはザマスの奴隷たちに対する思いやりだな。
仲の良さそうな兄弟だからな、別々に離す必要はないか。
それに二人とも建築関係の者だからな。
そういうのを求める俺みたいなのにはちょうど良いもんな。
さて、最後は魔族の負傷戦敗奴隷だな。
彼も分かっていたから普通に筆談で自己紹介をしてくれた。
無理に喋らないように俺が書く物を渡し、書いている内容を俺が見ながら読んだ。
周りにも分かるように。
「僕は魔族のヨークです。元は……諜報員でした、新人ですけど」
「あ、ああ……そう言うことか」
「はい。初任務が嫌な相手でして……捕まりました…………先輩たちとも仲が悪くて、上司も僕の事を毛嫌いしていまして……」
「うん。それ以上言わなくて良いよ」
「…………はい」
何?
ルーフに続いてヨークまで話の内容が重い。
ヨークはがっつり落ち込んでいる。
いや、新人に何やらしてんだよ!
駄目だろ、無理させちゃ!
と言うか、当て付けだな。
こんな状態になるなんて本気で嫌な相手をあてられたんだろうな。
何が気に入らなかったのやら、俺には分からないが。
新人を潰すなんて有り得ないだろ。
しかも戦時中なら人材が必要なはずなんだから。
ヨークは本当に環境に恵まれなかったんだろうな。
ルーフとヨークは本当に幸せにしてやらないといけないな!
ちょっとザマスに聞かないとな。
ヨークをはめた面々がどうしているか。
ザマスで分からなければ、パルマから情報を貰おう。
ヨークに対して何かしらされたら腹が立つしな。
だって、ヨークたちはもう我が家の使用人なんだ。
手出しなんかさせない。
「ヨーク、お前たちはもう我が家の使用人なんだ。必ず俺が守るよ」
「っ?!……はい、ありがとうございます」
うん。
俺の言葉に驚いたようだが、嬉しそうに答えてくれた。
そうこうしているとバルトとノアがやって来た。
どうやら双方の準備が終わったようだ。
「カイト様、部屋の準備が整いました」
「カイト様、治療準備が出来ました」
「ご苦労様。それではバルトについて自室に向かってくれ。必要なものがあればバルトに伝えてくれ」
「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」
「治療組はそのまま向かうぞ。ノア、エルツ」
「「はい」」
俺はヨークの車椅子を押し、ノアはパルスを支え、エルツはアサギの車椅子を押して治療用の部屋に連れていった。
まぁ、治療と言ってもじい様に作って貰った『完全回復薬』を飲まして、寝ている間の世話をするだけなんだよなぁ。
だけど、寝ている間は無防備だからな。
サンディーやウォルトを側につけて守らせよう。
下手な人間が側にいるより安全だからな。
絶対の信頼もあるんだよなぁ。
サンディーたちとは。
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一部修正しました。
なんと言うか、こっちは簡単でいいかな。
俺が人族の方を見ると二人で視線を会わせてから1人が自己紹介を始めた。
どっちが先にするか考えたようだ。
「俺は人族のハグリ、大工だった」
「俺も人族でタナト、大工をしていた」
「よろしく」
「「はい」」
この2人は借金奴隷なので、返済できれば自由だから簡単でいい。
まぁ、力量によっては再雇用してもいいんだけど、大工だしなぁ。
他に出来ることがないなら職業斡旋一択だな。
さて、次の紹介はドワーフ族にして貰うか。
俺がドワーフ族の方を見るとすぐに一人が紹介を始めてくれた。
「俺はドワーフ族のドドスだ。建築士兼大工だった」
「俺はドワーフ族のババト。建築物を建てる関係の事は殆ど出来る」
「俺はドワーフ族のパズラ。ドドスの弟だ。俺も建築物関係なら殆ど出来る」
「なるほど、助かるな」
獣人族の方は力がある者たちを集めてくれて、ドワーフ族の方はしっかりと建築関係の者たちを集めてくれたんだな。
ザマスに感謝だな。
ついでに兄弟揃ってはザマスの奴隷たちに対する思いやりだな。
仲の良さそうな兄弟だからな、別々に離す必要はないか。
それに二人とも建築関係の者だからな。
そういうのを求める俺みたいなのにはちょうど良いもんな。
さて、最後は魔族の負傷戦敗奴隷だな。
彼も分かっていたから普通に筆談で自己紹介をしてくれた。
無理に喋らないように俺が書く物を渡し、書いている内容を俺が見ながら読んだ。
周りにも分かるように。
「僕は魔族のヨークです。元は……諜報員でした、新人ですけど」
「あ、ああ……そう言うことか」
「はい。初任務が嫌な相手でして……捕まりました…………先輩たちとも仲が悪くて、上司も僕の事を毛嫌いしていまして……」
「うん。それ以上言わなくて良いよ」
「…………はい」
何?
ルーフに続いてヨークまで話の内容が重い。
ヨークはがっつり落ち込んでいる。
いや、新人に何やらしてんだよ!
駄目だろ、無理させちゃ!
と言うか、当て付けだな。
こんな状態になるなんて本気で嫌な相手をあてられたんだろうな。
何が気に入らなかったのやら、俺には分からないが。
新人を潰すなんて有り得ないだろ。
しかも戦時中なら人材が必要なはずなんだから。
ヨークは本当に環境に恵まれなかったんだろうな。
ルーフとヨークは本当に幸せにしてやらないといけないな!
ちょっとザマスに聞かないとな。
ヨークをはめた面々がどうしているか。
ザマスで分からなければ、パルマから情報を貰おう。
ヨークに対して何かしらされたら腹が立つしな。
だって、ヨークたちはもう我が家の使用人なんだ。
手出しなんかさせない。
「ヨーク、お前たちはもう我が家の使用人なんだ。必ず俺が守るよ」
「っ?!……はい、ありがとうございます」
うん。
俺の言葉に驚いたようだが、嬉しそうに答えてくれた。
そうこうしているとバルトとノアがやって来た。
どうやら双方の準備が終わったようだ。
「カイト様、部屋の準備が整いました」
「カイト様、治療準備が出来ました」
「ご苦労様。それではバルトについて自室に向かってくれ。必要なものがあればバルトに伝えてくれ」
「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」
「治療組はそのまま向かうぞ。ノア、エルツ」
「「はい」」
俺はヨークの車椅子を押し、ノアはパルスを支え、エルツはアサギの車椅子を押して治療用の部屋に連れていった。
まぁ、治療と言ってもじい様に作って貰った『完全回復薬』を飲まして、寝ている間の世話をするだけなんだよなぁ。
だけど、寝ている間は無防備だからな。
サンディーやウォルトを側につけて守らせよう。
下手な人間が側にいるより安全だからな。
絶対の信頼もあるんだよなぁ。
サンディーたちとは。
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一部修正しました。
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