竜王の花嫁

桜月雪兎

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第二章

16、うれしい知らせ①

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 ラースたちがドラグーンに慣れた頃、アリシアに小さな異変が現れた。
 それに最初に気付いたのはラースだった。
 何人かが用事で席を外している午後、お茶をアリシアが楽しんでいると急に気持ち悪そうに口元を抑え、顔色が悪くなってきた。
「シア様?!」
「大丈夫ですか?!」
「まさか、お茶に何かが?」
「でも、お茶に異変はありませんよ?」
 リリアが背中をさすりながらお茶に疑問を持ったが、すぐにアリシアの飲みかけのお茶をカナリアが毒見するが何も異変はなかった。
 全員が首をかしげている中、ラースは一人考え事をしていた。
「大丈夫です、ご心配をかけました」
「アリシア様」
 アリシアは気持ち悪いのが落ち着くと心配してくれているみんなに笑顔を見せた。
 だが、顔色はよくない。
「アリシア様、横になりましょう」
「そうですね」
 アリシアは調子が良くないのですぐにカナリアの意見に賛同した。
 だが、一人で立てることが出来なかった。
 なので、カナリアとリリアが支えてアリシアをベッドに横にした。
 ラースはアリシアが苦しくないように、ドレスを緩めて、布団をかけた。
「アリシア様」
「はい」
「昨日、お魚を残されていましたね。匂いが気持ち悪かったのですか?」
「え、ええ。そうです」
「そうですか。最近、顔色が優れない時が多いようですね」
「少々、調子が整わなくて」
 ラースはアリシアの顔色や状態等を診た。
 そして、リリアのもとに向かい、小声であることを尋ねた。
 リリアは驚きながらも頷いた。
 ラースは合点がいった様でそのままリリアに医者を呼んで来るように頼んだ。
 リリアが医者を呼びに部屋を出るとアリシアは首を傾げた。
「リリアは?」
「今、お医者様を呼びに行かれました」
「お医者様?確かにあまり気分は優れないですが、お医者様をお呼びするほどでは」
「いえ、アリシア様。アリシア様の症状はあることが原因の可能性があるのです」
「あることですか?」
「はい」
 ラースは嬉しそうに微笑んでいる。
 そんな母親の姿を見てカナリアは理解したようでとても微笑ましそうな笑顔であるが、アリシア同様分からないエレナはアリシアと一緒に首をかしげていた。
 そうしていると医者を伴ったリリアが戻ってきた。
 医者はアリシアに問診していく。
 そして、聴診器等で検査してあることが判明した。
 それを聞いたアリシアは驚きながらも嬉しそうに微笑んだ。
 用事を終えて戻ってきたリンたちにもすぐに報告し、全員が嬉しそうに微笑んだ。
 そして、ルドワードの執務時間が終わるころを見計らってリンがルドワードを呼びに向かった。
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