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ふっと意識が浮上する。
重い瞼を開けば、あたりはすっかり暗くなっていた。
「‥っ」
いつまで気を失っていたのだろうか。
腕をついて体を起こすと、打ち付けた体があちこち痛んだ。
「‥‥おはよう。」
カロクは柔らかく微笑む。
ずっとついててくれたのか、そばには7つの光がピッタリとカロクに寄り添っていた。
痛む体を引きずり、鏡の前に立つ。
「転生、したんだ‥。」
鏡の中の見慣れぬ姿に、呆然と呟く。
突然蘇った前世の記憶。
しかしカロクがカロクとして過ごした日々も確かにその胸の中にあった。
前世の記憶に、カロクの人生が上書きされた形だ。
そのため、逆に思考はクリアになった。
前世の記憶に引きずられがちであったカロクの人格。その不一致が解消されたおかげだ。思考は少しばかり大人びてしまったが、この屋敷で生きていくには都合がいい。
カロクは今までの記憶を整理する。
冷遇された子供。
だが、与えられた屋敷は十分に大きい。となれば、かなり裕福な家の子供である事が伺える。
乳母や執事がいることからも、貴族で間違いはないと思う。
とはいえ、いつ死んでも構わないくらいには思われているのだろう。その証に、この家で乳母とローレンス以外の人を見たことがない。
「ローレンスも、本当はここへ来ることを禁止されているのかも‥。」
そう考えれば、彼が夜遅くにしか来ない理由の説明がつく。
それでも気にかけてくれているのだと思うと、カロクの心がじわりと暖かくなった。
「魔法は、あるのかも。」
光のひとつを両手で包みながら、カロクは言う。暖かな温度を伝えてくれる、赤い光だ。
しかし乳母にこの光は見えない。
恐らくローレンスにも。
7つの光をつけたカロクを見ても、ローレンスは何も言わなかったから。
「‥妖精?」
カロクは呟く。
光達はその問いに答えることはない。ただ淡く光りながらカロクに寄り添うだけ。
しかしカロクは自分自身で放ったその言葉に、妙な違和感を感じた。
その時、前世の妹の言葉がフラッシュバックする。
『見て、ここの分岐がー‥』
『そのキャラの名前はねー‥』
『この7つの光は実はー‥』
『私、魔王ルートが1番好きなんだよね!!』
バチン、と弾けるようにカロクは顔を上げた。長い髪の毛をかき分け、鏡を覗き込むと、痩せていても分かる程整った顔がこちらを見つめ返していた。
「‥‥なんて事だ。」
カロクが呟く。
金糸雀の髪。透き通るようなサファイアの瞳。容姿だけ見れば、絶世の美少年。
だがその瞳だけが異様な光を放っている。
遠目から見れば、宝石のような美しい瞳であろう。だがよくよく見ると、その瞳はまるでモルフォ蝶の羽のように7つの光を弾いていた。
記憶の中で妹が笑う。
『7色の光を弾くその瞳はね、魔王の器である証なんだよ。』
重い瞼を開けば、あたりはすっかり暗くなっていた。
「‥っ」
いつまで気を失っていたのだろうか。
腕をついて体を起こすと、打ち付けた体があちこち痛んだ。
「‥‥おはよう。」
カロクは柔らかく微笑む。
ずっとついててくれたのか、そばには7つの光がピッタリとカロクに寄り添っていた。
痛む体を引きずり、鏡の前に立つ。
「転生、したんだ‥。」
鏡の中の見慣れぬ姿に、呆然と呟く。
突然蘇った前世の記憶。
しかしカロクがカロクとして過ごした日々も確かにその胸の中にあった。
前世の記憶に、カロクの人生が上書きされた形だ。
そのため、逆に思考はクリアになった。
前世の記憶に引きずられがちであったカロクの人格。その不一致が解消されたおかげだ。思考は少しばかり大人びてしまったが、この屋敷で生きていくには都合がいい。
カロクは今までの記憶を整理する。
冷遇された子供。
だが、与えられた屋敷は十分に大きい。となれば、かなり裕福な家の子供である事が伺える。
乳母や執事がいることからも、貴族で間違いはないと思う。
とはいえ、いつ死んでも構わないくらいには思われているのだろう。その証に、この家で乳母とローレンス以外の人を見たことがない。
「ローレンスも、本当はここへ来ることを禁止されているのかも‥。」
そう考えれば、彼が夜遅くにしか来ない理由の説明がつく。
それでも気にかけてくれているのだと思うと、カロクの心がじわりと暖かくなった。
「魔法は、あるのかも。」
光のひとつを両手で包みながら、カロクは言う。暖かな温度を伝えてくれる、赤い光だ。
しかし乳母にこの光は見えない。
恐らくローレンスにも。
7つの光をつけたカロクを見ても、ローレンスは何も言わなかったから。
「‥妖精?」
カロクは呟く。
光達はその問いに答えることはない。ただ淡く光りながらカロクに寄り添うだけ。
しかしカロクは自分自身で放ったその言葉に、妙な違和感を感じた。
その時、前世の妹の言葉がフラッシュバックする。
『見て、ここの分岐がー‥』
『そのキャラの名前はねー‥』
『この7つの光は実はー‥』
『私、魔王ルートが1番好きなんだよね!!』
バチン、と弾けるようにカロクは顔を上げた。長い髪の毛をかき分け、鏡を覗き込むと、痩せていても分かる程整った顔がこちらを見つめ返していた。
「‥‥なんて事だ。」
カロクが呟く。
金糸雀の髪。透き通るようなサファイアの瞳。容姿だけ見れば、絶世の美少年。
だがその瞳だけが異様な光を放っている。
遠目から見れば、宝石のような美しい瞳であろう。だがよくよく見ると、その瞳はまるでモルフォ蝶の羽のように7つの光を弾いていた。
記憶の中で妹が笑う。
『7色の光を弾くその瞳はね、魔王の器である証なんだよ。』
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