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「ねぇ、じぃ。僕っていくつ?」
カロクがそう問うと、ローレンスは驚いたようにその目を瞬かせた。
「いくつ、とは‥?」
「年齢。僕、何才になるの?」
その言葉にローレンスは息を飲んだ。
ローレンスは外の事を色々教えてくれてはいたが、年齢やカロク自身の事は一切触れていなかった。
ましてや年齢という概念は、幼い頃から人から問われ、初めて自分に年齢と言うものがあること。そして何才になるのかと言うことを学ぶ。
「それをどこでー‥。
いえ‥。カロク様は昔から聡いお方でしたね‥。」
そう言ってローレンスは困ったように眉尻を下げて笑うと、褒める意味を込めてもう一度カロクを撫でた。
「カロク様は現在5才になられます。
あと数週間もすれば、6才になるといった所でしょうか。」
「5才‥‥。」
そう言ってカロクは頭の中で計算する。
あと数週間で6才と言うことは、乳母に襲われるまであと2年と少し。少なくとも2年間は猶予がある。
カロクはホッと息をつくと、感心したように頷くローレンスを見上げた。
「カロク様‥。
僭越ながら、お誕生日の日は、いつもより早く来られるように致します。ですので、一緒にお祝いしましょう。」
「‥‥お祝い?」
「えぇ。カロク様が生まれてきた日を祝うのです。」
そう言ってローレンスは優しく微笑む。
しかしカロクの心は暗く陰った。誰にも望まれていないのに、お祝いなどして貰ってもいいのだろうか?
その疑問をカロクはそのまま口にする。
「お祝い、してもいいの?」
「えぇ、もちろんですとも。」
「本当に?」
「えぇ、是非ともお祝いさせて下さい。」
ローレンスは、何故か頑なに問い返すカロクが気になった。一抹の不安が胸を過ぎる。
まだ、理解出来る歳ではない。
まだ‥。まだ‥。
「誰にも望まれていないのに?」
カロクのその言葉に、ヒュッとローレンスは息を飲んだ。
あぁ、かの御方は理解しておられる。
ローレンスの胸に、例えようのない焦燥感が募った。しかしそれを悟られてはならぬと、奥歯をグッ噛んで表情を取り繕った。
それを見上げるコバルトブルーの瞳は、悲観するでもなく、ただ冷静に事実だけを受け止めているようだ。
ローレンスは慎重に言葉を選ぶ。
「‥いいえ、カロク様。」
そう言って、カロクの両手を握る。
「カロク様の母君、レティシア様。かの御方は、カロク様の誕生日をそれはそれは喜ばれました。」
「‥ははうえ?」
「はい。ご自分の命と引き換えにしてでも、あなた様を望まれたのです。
ご自身と同じ色を持つカロク様を、それはそれは愛おしげに抱き締めておられました。」
その言葉に、じわりとカロクの胸が熱くなる。もちろん、実際の所は分からない。
だけどそうだといいな、とカロクは思った。
「それに、カロク様の名をつけてくださったのも、レティシア様なのですよ‥?」
心が震える。
泣き出しそうになるのを堪えながら、カロクはローレンスの手を握り返した。
「‥‥なら、大切にしないとね?」
そう言ってカロクが笑うと、いつの間にか溢れた涙で視界が滲んだ。
カロクがそう問うと、ローレンスは驚いたようにその目を瞬かせた。
「いくつ、とは‥?」
「年齢。僕、何才になるの?」
その言葉にローレンスは息を飲んだ。
ローレンスは外の事を色々教えてくれてはいたが、年齢やカロク自身の事は一切触れていなかった。
ましてや年齢という概念は、幼い頃から人から問われ、初めて自分に年齢と言うものがあること。そして何才になるのかと言うことを学ぶ。
「それをどこでー‥。
いえ‥。カロク様は昔から聡いお方でしたね‥。」
そう言ってローレンスは困ったように眉尻を下げて笑うと、褒める意味を込めてもう一度カロクを撫でた。
「カロク様は現在5才になられます。
あと数週間もすれば、6才になるといった所でしょうか。」
「5才‥‥。」
そう言ってカロクは頭の中で計算する。
あと数週間で6才と言うことは、乳母に襲われるまであと2年と少し。少なくとも2年間は猶予がある。
カロクはホッと息をつくと、感心したように頷くローレンスを見上げた。
「カロク様‥。
僭越ながら、お誕生日の日は、いつもより早く来られるように致します。ですので、一緒にお祝いしましょう。」
「‥‥お祝い?」
「えぇ。カロク様が生まれてきた日を祝うのです。」
そう言ってローレンスは優しく微笑む。
しかしカロクの心は暗く陰った。誰にも望まれていないのに、お祝いなどして貰ってもいいのだろうか?
その疑問をカロクはそのまま口にする。
「お祝い、してもいいの?」
「えぇ、もちろんですとも。」
「本当に?」
「えぇ、是非ともお祝いさせて下さい。」
ローレンスは、何故か頑なに問い返すカロクが気になった。一抹の不安が胸を過ぎる。
まだ、理解出来る歳ではない。
まだ‥。まだ‥。
「誰にも望まれていないのに?」
カロクのその言葉に、ヒュッとローレンスは息を飲んだ。
あぁ、かの御方は理解しておられる。
ローレンスの胸に、例えようのない焦燥感が募った。しかしそれを悟られてはならぬと、奥歯をグッ噛んで表情を取り繕った。
それを見上げるコバルトブルーの瞳は、悲観するでもなく、ただ冷静に事実だけを受け止めているようだ。
ローレンスは慎重に言葉を選ぶ。
「‥いいえ、カロク様。」
そう言って、カロクの両手を握る。
「カロク様の母君、レティシア様。かの御方は、カロク様の誕生日をそれはそれは喜ばれました。」
「‥ははうえ?」
「はい。ご自分の命と引き換えにしてでも、あなた様を望まれたのです。
ご自身と同じ色を持つカロク様を、それはそれは愛おしげに抱き締めておられました。」
その言葉に、じわりとカロクの胸が熱くなる。もちろん、実際の所は分からない。
だけどそうだといいな、とカロクは思った。
「それに、カロク様の名をつけてくださったのも、レティシア様なのですよ‥?」
心が震える。
泣き出しそうになるのを堪えながら、カロクはローレンスの手を握り返した。
「‥‥なら、大切にしないとね?」
そう言ってカロクが笑うと、いつの間にか溢れた涙で視界が滲んだ。
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