この世界と引き換えに愛を乞う

seto

文字の大きさ
24 / 82

24

しおりを挟む
そしてついに、魔法の授業が始まった。
キースはスキンシップの多い先生だった。ことあるごとにカロクを褒め、その頭を撫でてくれる。気恥ずかしい気持ちもあったけれど、カロクはその手を心地よくも感じていた。

授業はつつがなく進んだ。普段カロクの側を離れない双子も、ここ最近大きな問題も起きなかったおかげか、カロクの元を離れることも多くなった。そのため、こうしてキースと2人きりで授業をすることも必然的に増えていった。

「‥カロク様の髪は、まるで絹糸のようですね。」

そう言ってキースはカロクの柔らかな髪に、その指先を絡める。癖のないカロクの髪は、するりと指先を通り抜けてはらりと落ちた。それを追うようにキースの指先がカロクの首筋を撫でれば、ビクリとカロクはその体を跳ねさせた。

「そう、でしょうか‥?」

その指先に不穏な気配を感じながらも、カロクは曖昧に微笑んだ。

「えぇ、こうしてずっと指を絡めていたいくらい。」

クスリと耳元で笑みを零され、ゾワリと肌が粟立った。

「‥あぁ、その術式は間違っていますよ。正しくはー‥」

そう言ってキースはカロクを後ろから抱きしめる様に、ペンを持つ手に自らの手を重ねた。キースの長い髪がはらりとカロクの首筋に落ち、くすぐったいような感覚が肌をかけた。

「ここをこうしてー‥」

耳に息を吹き込まれ、たまらずカロクは目を閉じた。
吹き込まれる息に意識を持っていかれ、キースの言葉が脳内を滑っていく。そんなカロクの様子に、キースはにやりと笑みを深めた。

「‥聞いていらっしゃいますか?」
「‥は、ぃ。」

カロクは語尾が少し震えた。
与えられる刺激に、体が喜んでいるのだろうか?
否応なく顔に熱がたまるような気がして、カロクは思わず顔を伏せた。

「どこか、具合でも‥?」

そう言って、キースの指先がカロクの太ももへと落ちた。
短いズボンの隙間からわずかに内側へと入られて、びくびくと体が震えた。
あぁ、いやだ。
カロクは思う。
でも、こんな刺激に反応してしまっているこの体がもっといやだ。
その昔、乳母に触られた時は嫌悪感しかなかった。しかし今はどうだ。嫌だと思う気持ちはあるものの、体は如実にその刺激を喜んでいる。

いやだ、離れてほしい。
でももっと触って欲しい。

相反する気持ちがカロクの中で交錯する。
その瞬間、パッとキースが離れた。

「具合がよくなさそうなので、今日はこのあたりで終わりにしましょう。」
「はぃ‥、ありがとう、ございました‥。」

そう言って微かに潤む瞳でキースを見上げれば、キースはいつもの愛想のいい笑みを浮かべた。
この時カロクは、8歳の誕生日を迎えようとしていた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!

ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。 「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」 なんだか義兄の様子がおかしいのですが…? このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ! ファンタジーラブコメBLです。 平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。   ※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました! えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。   ※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです! ※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡ 【登場人物】 攻→ヴィルヘルム 完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが… 受→レイナード 和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

処理中です...