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カロクは椅子に深く腰掛け、学園長の話をぼんやりと聞いていた。
今日は入学式。ゲームのオープニングだ。平民から男爵令嬢へと転身した主人公が、希望を胸に入学式へと望む。
学園長の挨拶の後、新入生代表である第二王子、エルネストが壇上に上がるのだ。それをキラキラした目で主人公が見つめるといった映像が流れていたのを薄ぼんやりと覚えている。
学園に上がるにあたり、カロクは度の入っていないメガネをかける事にした。瞳の色の反射を少しでも抑えるためだ。実は魔族の力が強くなるにあたり、瞳の色もより濃く鮮やかに変化ていったのだ。それに気づいたのはサイラスだった。
形はオーバル型で銀縁のシンプルなデザインだ。普段メガネをかける事がなかったため、違和感が拭えない。
またカロクは入学と同時に入寮する事が決まった。自宅からの通学を希望したのだが、叶うことはなかった。オーヴァンからは、何事も経験だとの言葉を貰ったので、交友関係の狭いカロクを思っての事だと思われる。その代わり、特別に一人部屋を与えられた。ゲームの中では確か公爵の息子と同室だったはずだ。サイラスの甥となる公爵子息だが、カロクは未だに会った事がなかった。
またそれと同時に、兄クラウスも再び寮へと戻る事になった。何かあれば頼るように、と頼もしい言葉を貰っている。部屋も隣で、いつでも訪ねて行ける距離だ。
学園長の話が終わり、エルネストが壇上へと上がった。ゆったりと視線を上げれば、パチリとエルネストと視線が合った。
その瞬間、エルネストの口角が緩やかに上がった。
カロクは以前のパーティーでエルネストと挨拶を交わしている。その際にカロクが魔王の器だと言うことも明かしてある。エルネストはそのうえで、友人になろうと提案して来たのだ。さすがは攻略対象、器の大きさが違うなとカロクは思った。形式上それを受け入れたカロクだが、もちろんある程度距離は取るつもりだ。
入学式が終わり、カロク達は教室へと移動した。特進クラスには、錚々たるメンバーが揃っていた。
まずは第二王子のエルネスト。騎士団総督の息子であるアウグスト。公爵子息であるシルヴェストに、同じく公爵令嬢のディアドラ。そして侯爵子息のカロク。そこに主人公である男爵令嬢が加わる。
男爵令嬢は主人公らしく、極めて珍しい聖魔法の使い手で、持ち前の明るさと健気さで攻略対象達と仲を深めていくのだ。
初日はクラス全体の顔合わせで終わる。
それぞれ簡単な自己紹介をして、名前と顔を覚えてもらうのだ。と言っても貴族のほとんどは顔見知りなので、形骸化している。今回例外があるとするなら、男爵令嬢とカロクだ。男爵令嬢は貴族に召し上げられたばかりで、カロクは社交界どころか学園にも通っていない。そのため、この2人にはクラスの値踏みするような視線が集中する。
カロクはダルそうに立ち上がると、その名を名乗った。
「私はカロク=エインズワース。短い間ですが、よろしくお願いします。」
簡単に済ませ席に座ると、教室がさざめいた。主に噂をしているのはパーティーでのカロクを知っている貴族達だ。
パーティーでこそ愛想を振りまいてたカロクだったが、初日で疲れてしまい取り繕う事をやめたのだ。カロク自身彼らとよろしくするつもりもないので、これで取っ付き難い印象を与えられれば上々だ。
席に着きながらカロクは、ゲームでのカロクはどう挨拶をしていたっけか、と考える。もはや別人なのでゲームに沿う必要はないのだが、どうしても頭の隅に過ぎってしまう。
まぁいいか、と息をついて窓の外を眺める。しかしその時、カロクは気づいていなかった。好奇な視線が集中する中、まるで質の違う視線が2つ混じっているという事に。
今日は入学式。ゲームのオープニングだ。平民から男爵令嬢へと転身した主人公が、希望を胸に入学式へと望む。
学園長の挨拶の後、新入生代表である第二王子、エルネストが壇上に上がるのだ。それをキラキラした目で主人公が見つめるといった映像が流れていたのを薄ぼんやりと覚えている。
学園に上がるにあたり、カロクは度の入っていないメガネをかける事にした。瞳の色の反射を少しでも抑えるためだ。実は魔族の力が強くなるにあたり、瞳の色もより濃く鮮やかに変化ていったのだ。それに気づいたのはサイラスだった。
形はオーバル型で銀縁のシンプルなデザインだ。普段メガネをかける事がなかったため、違和感が拭えない。
またカロクは入学と同時に入寮する事が決まった。自宅からの通学を希望したのだが、叶うことはなかった。オーヴァンからは、何事も経験だとの言葉を貰ったので、交友関係の狭いカロクを思っての事だと思われる。その代わり、特別に一人部屋を与えられた。ゲームの中では確か公爵の息子と同室だったはずだ。サイラスの甥となる公爵子息だが、カロクは未だに会った事がなかった。
またそれと同時に、兄クラウスも再び寮へと戻る事になった。何かあれば頼るように、と頼もしい言葉を貰っている。部屋も隣で、いつでも訪ねて行ける距離だ。
学園長の話が終わり、エルネストが壇上へと上がった。ゆったりと視線を上げれば、パチリとエルネストと視線が合った。
その瞬間、エルネストの口角が緩やかに上がった。
カロクは以前のパーティーでエルネストと挨拶を交わしている。その際にカロクが魔王の器だと言うことも明かしてある。エルネストはそのうえで、友人になろうと提案して来たのだ。さすがは攻略対象、器の大きさが違うなとカロクは思った。形式上それを受け入れたカロクだが、もちろんある程度距離は取るつもりだ。
入学式が終わり、カロク達は教室へと移動した。特進クラスには、錚々たるメンバーが揃っていた。
まずは第二王子のエルネスト。騎士団総督の息子であるアウグスト。公爵子息であるシルヴェストに、同じく公爵令嬢のディアドラ。そして侯爵子息のカロク。そこに主人公である男爵令嬢が加わる。
男爵令嬢は主人公らしく、極めて珍しい聖魔法の使い手で、持ち前の明るさと健気さで攻略対象達と仲を深めていくのだ。
初日はクラス全体の顔合わせで終わる。
それぞれ簡単な自己紹介をして、名前と顔を覚えてもらうのだ。と言っても貴族のほとんどは顔見知りなので、形骸化している。今回例外があるとするなら、男爵令嬢とカロクだ。男爵令嬢は貴族に召し上げられたばかりで、カロクは社交界どころか学園にも通っていない。そのため、この2人にはクラスの値踏みするような視線が集中する。
カロクはダルそうに立ち上がると、その名を名乗った。
「私はカロク=エインズワース。短い間ですが、よろしくお願いします。」
簡単に済ませ席に座ると、教室がさざめいた。主に噂をしているのはパーティーでのカロクを知っている貴族達だ。
パーティーでこそ愛想を振りまいてたカロクだったが、初日で疲れてしまい取り繕う事をやめたのだ。カロク自身彼らとよろしくするつもりもないので、これで取っ付き難い印象を与えられれば上々だ。
席に着きながらカロクは、ゲームでのカロクはどう挨拶をしていたっけか、と考える。もはや別人なのでゲームに沿う必要はないのだが、どうしても頭の隅に過ぎってしまう。
まぁいいか、と息をついて窓の外を眺める。しかしその時、カロクは気づいていなかった。好奇な視線が集中する中、まるで質の違う視線が2つ混じっているという事に。
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