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特別、とは言ったものの、フィオニスはどうすべきかと考えあぐねていた。フィオニスは決して経験が豊富な訳ではない。前世でも好意を寄せた人数はせいぜい2,3人。それもみな異性で、同性をそういう意味で愛した事は無い。
ディルムッドの顔は確かに整ってはいるが、その逞しい体から異性に対するような好意を抱くというのは少し無理があった。
「‥‥っ!!」
そんなフィオニスの葛藤を察してか、ディルムッドはその体を横抱きに持ち上げる。そのままベッドへと向かうと、丁寧にフィオニスの体を横たえた。
「難しく考える必要はありません。ただ、貴方の中に私が入るのだと考えて頂ければ。」
そう言ってディルムッドが笑う。
お手本のような綺麗な笑みだったが、その瞳の奥に確かな熱が宿っていることに気づいて、フィオニスは息を飲んだ。
ギシリ、とベッドを軋ませて、ディルムッドがフィオニスに覆い被さる。自身を組み敷くディルムッドの内側に、凶暴な雄の気配を感じてブワッとフィオニスはその頬を紅潮させた。そんなフィオニスの様子に、ディルムッドはクスリと妖艶に微笑んだ。
「いじらしいですね‥。」
そう言ってディルムッドは、触れるだけのキスを落とす。この男に抱かれるのだと、そう自覚するだけで羞恥心と共にもどかしい熱がフィオニスの内側を巡った。
ゆっくりと落ちてきたディルムッドの唇が、フィオニスのそれとしっとりと重なる。フィオニスより低い熱を持つその唇が心地よい。
チュ、チュ、と2、3回合わせるだけの口付けを繰り返すと、閉じたその唇を押し開くようにディルムッドの舌が触れた。
「‥‥ん‥」
唇とは違い、焼けるような熱を持つその舌に、フィオニスは抑えていた欲が煽られる。促されるままに薄く唇を開くも、直ぐにディルムッドの舌が侵入することはなかった。焦らすようにヌルヌルと下唇を這う粘膜に、ジンッとうなじが甘く疼く。
もどかしい刺激に咎めるような視線をディルムッドへ投げれば、紫紺の瞳が楽しげに細められた。
「ディル‥‥ん、ぅ‥」
文句を言おうと開いた唇の隙間から、ディルムッドの舌が侵入する。ディルムッドはそのまま言葉ごと奪うように深く唇を合わせると、フィオニスの頭を支えるように手を回した。
「ッ‥‥ふ‥」
鼻から抜けるような吐息が、フィオニスの唇から漏れる。フィオニスの口腔内は、ディルムッドのそれと同じくらい熱く、クチリと粘膜が擦れる度に、痺れるような甘い疼きが背へと落ちた。
「んぅ‥‥っ‥」
ディルムッドのしなやかな指先が、滑らかなフィオニスの黒髪を撫でながら襟足へと落ちる。そのまま口腔内を犯す舌先と合わせるようにツツ、とうなじを擽ればフィオニスから甘い嬌声があがった。
ディルムッドは深くフィオニスの口腔内を犯しながら、その頭をそっとベッドへと下ろす。飲み下せなかった唾液がフィオニスの口角をしだり、快楽と酸欠にその紅玉の瞳がじわりと濡れた。
睫毛すら触れそうな距離で甘く濡れる瞳を見つめながら、ディルムッドはその指先をフィオニスの下肢へと下ろした。
ひたりとディルムッドの指先がフィオニスの中心に触れた瞬間、ビクリとその体が大きく震えた。
「‥‥おや?」
ディルムッドはその奥が泥濘んでいる事に気づき、ポツリと漏らす。そのまま確かめるように中心を握り込めば、クチリと湿った音が響いた。
「‥‥そ、れはッ」
その事実に、フィオニスが焦ったように言葉を紡ぐ。クルースニクが応急処置として発散させた欲が、そのままそこに留まっていたのだ。
「フィオニス様‥?」
ディルムッドの問うような視線に、フィオニスは観念したように口を開く。
「‥‥クルースニクが一時的に発散させてくれたのだ。」
耳を微かに赤く染めながらそう落とせば、ディルムッドの唇が形の良い弧を描いた。
「‥‥へぇ?」
そう低く落とされて、ビクリとフィオニスの肩が震える。慌てて視線を上げれば、ディルムッドの紫紺の虹彩がじわりと赤みを帯びる所だった。
「‥それは、妬けますね。」
クスリとディルムッドが笑う。
その妖艶で、どこか凶暴性を滲ませるその笑みにフィオニスはヒクリと喉を上下させた。
ディルムッドの顔は確かに整ってはいるが、その逞しい体から異性に対するような好意を抱くというのは少し無理があった。
「‥‥っ!!」
そんなフィオニスの葛藤を察してか、ディルムッドはその体を横抱きに持ち上げる。そのままベッドへと向かうと、丁寧にフィオニスの体を横たえた。
「難しく考える必要はありません。ただ、貴方の中に私が入るのだと考えて頂ければ。」
そう言ってディルムッドが笑う。
お手本のような綺麗な笑みだったが、その瞳の奥に確かな熱が宿っていることに気づいて、フィオニスは息を飲んだ。
ギシリ、とベッドを軋ませて、ディルムッドがフィオニスに覆い被さる。自身を組み敷くディルムッドの内側に、凶暴な雄の気配を感じてブワッとフィオニスはその頬を紅潮させた。そんなフィオニスの様子に、ディルムッドはクスリと妖艶に微笑んだ。
「いじらしいですね‥。」
そう言ってディルムッドは、触れるだけのキスを落とす。この男に抱かれるのだと、そう自覚するだけで羞恥心と共にもどかしい熱がフィオニスの内側を巡った。
ゆっくりと落ちてきたディルムッドの唇が、フィオニスのそれとしっとりと重なる。フィオニスより低い熱を持つその唇が心地よい。
チュ、チュ、と2、3回合わせるだけの口付けを繰り返すと、閉じたその唇を押し開くようにディルムッドの舌が触れた。
「‥‥ん‥」
唇とは違い、焼けるような熱を持つその舌に、フィオニスは抑えていた欲が煽られる。促されるままに薄く唇を開くも、直ぐにディルムッドの舌が侵入することはなかった。焦らすようにヌルヌルと下唇を這う粘膜に、ジンッとうなじが甘く疼く。
もどかしい刺激に咎めるような視線をディルムッドへ投げれば、紫紺の瞳が楽しげに細められた。
「ディル‥‥ん、ぅ‥」
文句を言おうと開いた唇の隙間から、ディルムッドの舌が侵入する。ディルムッドはそのまま言葉ごと奪うように深く唇を合わせると、フィオニスの頭を支えるように手を回した。
「ッ‥‥ふ‥」
鼻から抜けるような吐息が、フィオニスの唇から漏れる。フィオニスの口腔内は、ディルムッドのそれと同じくらい熱く、クチリと粘膜が擦れる度に、痺れるような甘い疼きが背へと落ちた。
「んぅ‥‥っ‥」
ディルムッドのしなやかな指先が、滑らかなフィオニスの黒髪を撫でながら襟足へと落ちる。そのまま口腔内を犯す舌先と合わせるようにツツ、とうなじを擽ればフィオニスから甘い嬌声があがった。
ディルムッドは深くフィオニスの口腔内を犯しながら、その頭をそっとベッドへと下ろす。飲み下せなかった唾液がフィオニスの口角をしだり、快楽と酸欠にその紅玉の瞳がじわりと濡れた。
睫毛すら触れそうな距離で甘く濡れる瞳を見つめながら、ディルムッドはその指先をフィオニスの下肢へと下ろした。
ひたりとディルムッドの指先がフィオニスの中心に触れた瞬間、ビクリとその体が大きく震えた。
「‥‥おや?」
ディルムッドはその奥が泥濘んでいる事に気づき、ポツリと漏らす。そのまま確かめるように中心を握り込めば、クチリと湿った音が響いた。
「‥‥そ、れはッ」
その事実に、フィオニスが焦ったように言葉を紡ぐ。クルースニクが応急処置として発散させた欲が、そのままそこに留まっていたのだ。
「フィオニス様‥?」
ディルムッドの問うような視線に、フィオニスは観念したように口を開く。
「‥‥クルースニクが一時的に発散させてくれたのだ。」
耳を微かに赤く染めながらそう落とせば、ディルムッドの唇が形の良い弧を描いた。
「‥‥へぇ?」
そう低く落とされて、ビクリとフィオニスの肩が震える。慌てて視線を上げれば、ディルムッドの紫紺の虹彩がじわりと赤みを帯びる所だった。
「‥それは、妬けますね。」
クスリとディルムッドが笑う。
その妖艶で、どこか凶暴性を滲ませるその笑みにフィオニスはヒクリと喉を上下させた。
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