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第二十二章 前を向く為にも
私の葬式
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真っ直ぐに下に下へと落ちていく。
勿論、私は気が気ではない。底が真っ暗で何も見えないし、穴に落ちた瞬間、死ぬって思った。
というか、今も思ってる。
内心パニック状態で、どうすればいいのか分からない状況で悲鳴も上げられないほどに状況の整理が出来ていない。
しばらく落下していたのに、急に身体中が軽くなったかのようにスピードが緩やかになり、宙に浮いている。
ゆっくりと足が地面についた瞬間に暗闇から色褪せた世界に変わる。
「……そう……しき……?」
暗闇から光ある場所に変わったので目を凝らしながらも周りを確認すると、そこは葬式会場だった。
しかもこれって……。
「私の……葬式だわ」
それも、前世で死んだ私の葬式。
目の前には大きな棺の中に血の気がない私が横たわっている。
死因は交通事故なので、引かれた時についた傷もあり、痛々しいというよりも見ていられないほどだった。
私は横たわっている私に触れようとしたが、すり抜けてしまった。透明になってたんだっけ。
きっと、葬式に参列している人たちには私の存在は分からない。そもそもお経を唱えている人の隣に立っているのに皆気付いてないんだもの。
ふと、母や姉が気になった。私が死んでどう思っただろう。
悲しんでいるのかな。
参列者の家族席を見る。そこには無表情な母と姉の姿。
何を考えているのか分からなかった。久しぶりに見た母と姉に恐怖を感じたが、首を左右に振る。
予想はついていた。でも、希望は持ちたかった。死を悲しんで、嘆いてくれてると思いたかった。
お経は終わり、次は焼香になる。
棺の前でお線香を炊く。最初が母からで、身構えてしまう。
母は席から立ち、歩き出す。その時に手に持っていたハンカチで目元を拭いて悲しい事を主張している。
でも私は見ていたから知っている。私が眠っている棺を冷ややかな目で見ていたことに。目も涙を流したようなうるっとしてないし、無表情だった。
やっぱり、世間体が気になる母だから悲しそうな演技はしとこうと思ったのかもしれない。
さっきまで、異世界にいて……悪魔と話してたのが嘘のように現実に引き戻される感覚がして嫌になる。
聞きたくない。目を逸らそうとしたが、私はさっき、悪魔に豪語しといて逃げるのは恥だと思った。
『おっ。逃げないんだ。偉い偉い』
肩に重さを感じたと思ったら子狐が私の肩に乗っていて、悲鳴を上げてしまった。
周りには私の声は聞こえないのは幸いだ。
子狐は鬱陶しそうに私を見る。
『耳に響くぞ』
「す、すみません……でも、これはどういう状況なのか。それに子狐が喋って」
『悪魔は何にでも慣れるんだよ。……これはきみが一度死んだ後の出来事だよ。きみの母や姉の本音を聞いて同じ事が言えるのか確かめるさ』
「…………」
『今、悪趣味だとでも思っただろ』
「い、いいえ。滅相も御座いません」
悪趣味だと内心思ってしまったのを見透かされてドキッとしてしまった。
子狐がジト目で私を見ている。諦めたように溜息をつかれた。
母が両手を合わせて目を瞑った。頭の中に母の声がし、映像としてイメージされる。
勿論、私は気が気ではない。底が真っ暗で何も見えないし、穴に落ちた瞬間、死ぬって思った。
というか、今も思ってる。
内心パニック状態で、どうすればいいのか分からない状況で悲鳴も上げられないほどに状況の整理が出来ていない。
しばらく落下していたのに、急に身体中が軽くなったかのようにスピードが緩やかになり、宙に浮いている。
ゆっくりと足が地面についた瞬間に暗闇から色褪せた世界に変わる。
「……そう……しき……?」
暗闇から光ある場所に変わったので目を凝らしながらも周りを確認すると、そこは葬式会場だった。
しかもこれって……。
「私の……葬式だわ」
それも、前世で死んだ私の葬式。
目の前には大きな棺の中に血の気がない私が横たわっている。
死因は交通事故なので、引かれた時についた傷もあり、痛々しいというよりも見ていられないほどだった。
私は横たわっている私に触れようとしたが、すり抜けてしまった。透明になってたんだっけ。
きっと、葬式に参列している人たちには私の存在は分からない。そもそもお経を唱えている人の隣に立っているのに皆気付いてないんだもの。
ふと、母や姉が気になった。私が死んでどう思っただろう。
悲しんでいるのかな。
参列者の家族席を見る。そこには無表情な母と姉の姿。
何を考えているのか分からなかった。久しぶりに見た母と姉に恐怖を感じたが、首を左右に振る。
予想はついていた。でも、希望は持ちたかった。死を悲しんで、嘆いてくれてると思いたかった。
お経は終わり、次は焼香になる。
棺の前でお線香を炊く。最初が母からで、身構えてしまう。
母は席から立ち、歩き出す。その時に手に持っていたハンカチで目元を拭いて悲しい事を主張している。
でも私は見ていたから知っている。私が眠っている棺を冷ややかな目で見ていたことに。目も涙を流したようなうるっとしてないし、無表情だった。
やっぱり、世間体が気になる母だから悲しそうな演技はしとこうと思ったのかもしれない。
さっきまで、異世界にいて……悪魔と話してたのが嘘のように現実に引き戻される感覚がして嫌になる。
聞きたくない。目を逸らそうとしたが、私はさっき、悪魔に豪語しといて逃げるのは恥だと思った。
『おっ。逃げないんだ。偉い偉い』
肩に重さを感じたと思ったら子狐が私の肩に乗っていて、悲鳴を上げてしまった。
周りには私の声は聞こえないのは幸いだ。
子狐は鬱陶しそうに私を見る。
『耳に響くぞ』
「す、すみません……でも、これはどういう状況なのか。それに子狐が喋って」
『悪魔は何にでも慣れるんだよ。……これはきみが一度死んだ後の出来事だよ。きみの母や姉の本音を聞いて同じ事が言えるのか確かめるさ』
「…………」
『今、悪趣味だとでも思っただろ』
「い、いいえ。滅相も御座いません」
悪趣味だと内心思ってしまったのを見透かされてドキッとしてしまった。
子狐がジト目で私を見ている。諦めたように溜息をつかれた。
母が両手を合わせて目を瞑った。頭の中に母の声がし、映像としてイメージされる。
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