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第十七章 三作品目のヒロインの想い人
僕は最低な人間です【ノエル視点】
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僕は、人としてやっていはいけないことをしてしまいました。
一人、自室のベッドで仰向けになり、手の甲を目元に当て深いため息をつく。
怒りたくはなかった。寧ろ、悲しくてとても寂しかった。
僕はいつもそうだ。姉上を守りたいと思うのに、見守ることしか出来ない自分がとても惨めで情けない。
姉上は言葉にしなくても影で色々な葛藤をしてるのをなんとなく理解している。
僕は頼りないから姉上は話してくれないんだと、か弱い姉上が自分で決断しているのに、僕はどうなんだろうってずっと思ってた。
でも姉上が言わないなら、僕は見守ろうと……。でも、本当はわかってたはずなんです。
姉上はか弱くなんてないことを。頼ってほしいと願っているのに、心の奥底では見守りたい自分がいる。
第三者からすれば『優しさ』からだと思う人達が多いと思う。
違うんです。僕は……『守りたい』という決意が無いんです。言葉だけなんです。
見守ると決めたのは僕ですが、それでも不満はありますし、だからといって、相談されてもちゃんと姉上の力になれるか分からない。
姉上の周りには助けてくれる人達がいます。それを考えてしまうと、自分なんて……居なくても良いんじゃないかなって不安になるんです。
姉上のために家を離れ、剣術を教えて貰うためにクリスタ家に行ったというのに。それも全部無駄だったんじゃないかって……そう思うととても悲しい。
それを言ってしまえば姉上はきっと困った顔をする。僕は姉上の困った顔を見たいわけじゃない。ずっと笑顔でいてほしいんです。
だからずっと、黒い感情をしまいこんでいたんです。
それなのに、感情が上手くコントロール出来なくなって子供みたいに怒ってしまった。
僕は最低な人間です。
コンコンっと扉を叩く音が聞こえる。姉上の声も聞こえてきたけど、今は会いたくないし、話したくもないから無視した。
しばらくしてから、静かになったので諦めてくれたんだと思っていたら、扉からガタッと音がした。
その後、「……あっ」と、姉上の苦しそうだけど気持ち良さそうに言葉を発している声が聞こえ、僕は飛び起きた。
何が起こってるんでしょうと、考えを巡らせると途端に恥ずかしくなった。
令嬢と騎士で、身分差がありすぎる。……姉上、押しに弱そうだし、もし押し負けして流されてしまったら……。
そう考えると恐怖した。止めないと!!! と、勢いよく扉を開ける。
僕は扉の近くにいる姉上の肩を抱き、自分の方に引き寄せたた。
「何をやっているんですか!?」
怒り任せに僕は護衛騎士のキースさんを睨む。
キースさんはこれ以上手を出さないとでも言うように手を前に出した。
「何って、肩もみ」
「わかり易い嘘つかないでください。そんなわけ」
「ノエル、それ……本当なの」
あまりにもふてぶてしい態度にさらに腹を立てたのだが、姉上が『肩もみ』に同意したので、本当のことなんだなと理解した。
僕の考えは間違っていた訳で……。恥ずかしくなって口元を抑えた。
一人、自室のベッドで仰向けになり、手の甲を目元に当て深いため息をつく。
怒りたくはなかった。寧ろ、悲しくてとても寂しかった。
僕はいつもそうだ。姉上を守りたいと思うのに、見守ることしか出来ない自分がとても惨めで情けない。
姉上は言葉にしなくても影で色々な葛藤をしてるのをなんとなく理解している。
僕は頼りないから姉上は話してくれないんだと、か弱い姉上が自分で決断しているのに、僕はどうなんだろうってずっと思ってた。
でも姉上が言わないなら、僕は見守ろうと……。でも、本当はわかってたはずなんです。
姉上はか弱くなんてないことを。頼ってほしいと願っているのに、心の奥底では見守りたい自分がいる。
第三者からすれば『優しさ』からだと思う人達が多いと思う。
違うんです。僕は……『守りたい』という決意が無いんです。言葉だけなんです。
見守ると決めたのは僕ですが、それでも不満はありますし、だからといって、相談されてもちゃんと姉上の力になれるか分からない。
姉上の周りには助けてくれる人達がいます。それを考えてしまうと、自分なんて……居なくても良いんじゃないかなって不安になるんです。
姉上のために家を離れ、剣術を教えて貰うためにクリスタ家に行ったというのに。それも全部無駄だったんじゃないかって……そう思うととても悲しい。
それを言ってしまえば姉上はきっと困った顔をする。僕は姉上の困った顔を見たいわけじゃない。ずっと笑顔でいてほしいんです。
だからずっと、黒い感情をしまいこんでいたんです。
それなのに、感情が上手くコントロール出来なくなって子供みたいに怒ってしまった。
僕は最低な人間です。
コンコンっと扉を叩く音が聞こえる。姉上の声も聞こえてきたけど、今は会いたくないし、話したくもないから無視した。
しばらくしてから、静かになったので諦めてくれたんだと思っていたら、扉からガタッと音がした。
その後、「……あっ」と、姉上の苦しそうだけど気持ち良さそうに言葉を発している声が聞こえ、僕は飛び起きた。
何が起こってるんでしょうと、考えを巡らせると途端に恥ずかしくなった。
令嬢と騎士で、身分差がありすぎる。……姉上、押しに弱そうだし、もし押し負けして流されてしまったら……。
そう考えると恐怖した。止めないと!!! と、勢いよく扉を開ける。
僕は扉の近くにいる姉上の肩を抱き、自分の方に引き寄せたた。
「何をやっているんですか!?」
怒り任せに僕は護衛騎士のキースさんを睨む。
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「何って、肩もみ」
「わかり易い嘘つかないでください。そんなわけ」
「ノエル、それ……本当なの」
あまりにもふてぶてしい態度にさらに腹を立てたのだが、姉上が『肩もみ』に同意したので、本当のことなんだなと理解した。
僕の考えは間違っていた訳で……。恥ずかしくなって口元を抑えた。
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