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第一話
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「おねーちゃん、空揚げばっか食わないでよ」
「早い者勝ちでしょ。そんなこと言ってるうちに、ほらまた一個」
そういって菫は箸でから揚げをつまみ上げる。
「もー。かーさん、おねーちゃんが空揚げばっか食べる」
「こぉら、菫、きちんとバランスよく食べなさい。ほら、おひたしあるんだから」
「私の分のおひたしは母さんにあげる」
「いらないわよ。さっさとおひたし食べなさい」
母親と菫がおひたしのことで論争している間、父親はおひたしに箸を伸ばしている。それを素知らぬ顔で口に運んだ。菫の方を見ることもなかった。どうやら、菫がおひたしを食べようと食べまいと知らん顔をするつもりのようである。
と、父親が立ち上がった。しかし菫に何かをするためではない。父親は席を立ちあがると、どこかへ行ってしまった。
「おねーちゃん、空揚げばっか食べてるとチキンになるんだよ。チキンはね、臆病者なんだよ」
「おひたしばっか食べても顔が青くなるんだよ」
「なんないもん!」
「どうかな?美咲、おひたし食って実験台になって見なよ」
正和は箸でおひたしを示す。
「馬鹿言ってるんじゃないの、二人とも。おひたし食べたって顔は青くならないし、空揚げ食べたってチキンになんかならないの」
「やーい、美咲の嘘つき―」
「菫は早くおひたし食べなさい」
「むー」
トイレの水を流す音がした。そして扉の開く音。父親が食卓に現れた。
(父さん、トイレから帰ってきたのに手を洗ってない。ばっちい)
菫はそう思った。
父親が席に座る。その父親の鼻からは鼻血が出ていた。そのうえ頭を俯けて、机の上を見ている。そのため鼻血が机の上に垂れてしまっている。それなのに父親は血をぬぐおうともしなかった。
「あなた、鼻血が出ているわよ」
「ああ」
父親はいった。
「あなた、大丈夫?」
「ああ……」
「今日はもう寝たほうがいいわ。ほら、鼻血も何とかしなきゃ」
そういって母親はティッシュを夫の鼻へと詰める。そして居間から連れ出した。
寝室では、窓の側から菫、父親、妹、母親の順で寝ていた。父親も母親も妹も、みんな寝息を立てている。
しかし菫は寝付けなかった。夜中の二時だが、その時になってもなお、目が開いていた。彼女の意識はずっと興奮していて、とても寝付くどころの話ではなかった。
その時、横で父親が起き上がった。父親と体と布団とがこすれてもぞもぞという音が聞こえる。
父親は上半身を起こすと、そのまま立ち上がることなく、体を俯けた。そしてはいはいをしているときのように、膝と手を床に着いた。そして這って動き出した。
父親の行きついた先は母親のところであったように思われた。一番端っこには母親が眠っているし、父親はその端っこまで移動したように思えたからだ。父親は母親に覆いかぶさった。父親は母の胸か頭のあたりに腕を移動させた。そしてそのままじっとしていた。部屋の中は闇に包まれたように暗く、妹の体も視界の邪魔になっていて、菫には父親が何をしているのかわからなかった。
足で床をたたいた時のような音が聞こえてくる。それと一緒に、何かうなり声のような声が聞こえてくる。
菫の頭にある不吉な想像が浮かんだ。それは父が母の上に覆いかぶさり、首を絞めている様子だった。浮かんだそれはどうしても離れなくなっていた。
菫は布団から跳ね起きると、部屋を駆け足で横切っていく。部屋の中のあらゆるものの配置は大体覚えているから、急いでもつまづくことなく、戸惑うことなく移動できた。そして菫は勘で電灯のあると思しきところへ手をやった。そこにスイッチのようなものを見つけたので、菫はそれを押した。
部屋が明るくなった。そして菫は父の方を向いた。父親は母親の首を絞めていた。母の首を絞めている父親は菫の方を見ていた。歯をむき出しにして、口の端からはよだれが垂れている。
首を絞められている母親は白目を剥いている。口はぽかんと開き、空気を求めてあえぐ声が聞こえた。口の端からはよだれが垂れていた。
父親が菫にとびかかった。菫は棚に体をぶつけた。父親はそのまま、菫の首を絞め始めた。父親の顔が間近くにやってくる。歯をむき出しにして、怒りの表情に顔をゆがめた顔。無精ひげが黒々と砂鉄のように生えているのが見えた。
呼吸をしようとしても、思うように空気が喉を通らない。菫はとっさに自分の手で父の手を外そうとするが、できない。呼吸はできないままだ。苦しいという思いは感じられない。それよりも、驚きと、私はここで死ぬのかもしれないという思いばかりがある。視界が闇に包まれていく。目の前に白い光のようなものが見える。それは次第に闇を覆い隠していく……。
唐突に、首から父の手が離れた。菫は呼吸ができるようになったのを感じた。勢いよく空気を吸い込み、そしてせき込む。
「あなたお願い、止めて!」
母親のそんな声が聞こえた。菫は父親を見る。父親は叫びながら暴れている。その父親は母が後ろから羽交い絞めにしているのだ。
菫はこの機に乗じて、窓側へと逃げ込んだ。妹が窓側にいるのが、その時わかった。この騒ぎで、さすがに妹も起き出したのだ。
「逃げなさい!」
母が叫ぶ。
「できないよ!」
「いいから行きなさい!」
「でも……」
僕は辺りを見回した。どうにかして母を助けられないものかと思った。しかし手近に武器になりそうなものは一つもない。
「助けを呼んでくるの!外へ行って、助けを呼んできなさい」
菫には、もうそれしかするべきことが残されていないことが分かった。ここにいても母を助けることはできない。たとえ母親を置いていくことになったとしてもここから出て行くしか道がないのだ。
美咲が窓を開けた。
「行こう、早く!」
妹は言い、窓を出た。そしてかけだした。案外、こんな状況にあっても妹の方が冷静だったようだ。
菫は美咲についていった。その時後ろを振り返った。父親が母親の腹を肘で打ち付けているのが見えた。
菫と美咲がすぐ隣のおじさんを引き連れて家に戻った時には、すでに母親は倒れていた。寝室のところにいたままだった。頭から血を流していた。母親の血で、家族全員の布団が濡れていた。
隣のおじさんが父親と格闘する、ということはなかった。それというのも、父親は家から消えていたからである。
逃げていく父親の姿を見たものは、誰もいなかった。
○
僕は倉庫のドアを開いた。そしてそこから川の魚を取ったりするのに使う網をつかんだ。そしてバケツも取り出した。僕は倉庫の扉を閉めた。
僕がこの二つをもって向かった先は、小学校のすぐ近くにある川だ。そこは夫婦川という名前で呼ばれている。その川には夫婦岩というものがある。これは川の真ん中に二つ、大きな岩があり、それのことを言っているのである。看板まで立てられてあって、夫婦岩の説明書きが書いてある。
僕は夫婦川の看板を見つけると、その先へと進む。そして川のあるところへと通じる階段を降りていった。階段を降りたすぐそばには小さな川が流れている。その真ん中あたりに、僕の身長よりも大きな岩が二つあった。岩にはしめ縄が巻いてある。岩もしめ縄も苔むしていた。
川の周りは生い茂る木々で遮られている。木の枝が川の上にまで覆いかぶさって、暗くなっていた。
僕は川岸にしゃがむと、川の中に目を凝らした。しかし魚と思しきものは何にもいやしなかった。僕はさらに川の下流へと移動する。しかしそこにも魚は見当たらない。それ以上くだろうと思い、さらに下っていった。すると木々に囲まれているところを抜けた。そして草原になっているところへと出た。そこは片方に川が流れており、川の向こう側は林になっている。川の反対側は地面が急激にせりあがって、崖のようになっている。周りからはちょっとした死角となるようなところだった。
草原のところに出てから、一匹の小魚を見つけた。僕は網を差し入れた。網を入れてそのまま、じっと待ち続ける。やがて、魚が近づいてくる。そっと網を移動させる。網の中に魚が入っていく。僕は網を引き揚げた。魚が網の中に入っている。僕はバケツの水の中に魚を入れた。
魚がバケツの中を泳いだり、止まったりしている。そんな魚を見ていると、自分で一匹の魚を捕ることができたのだということが感じられてくる。
僕は新たな魚を探し求めて、さらに下流へと進んでいった。しばらく進むと、奥の方に誰かがいるのが見えた。大人の男だった。
その男はしゃがみ込んでいた。その男の前の方には子供が倒れているらしい。足がはみ出て見えていた。頭は男の体に隠れていた。僕のいるほうからでは、男が背を向けているのと、遠すぎるのとで、男が何をしているのかまでは明瞭にはわからなかった。それでも男が何をしているかなど、知ろうとは思ってもいなかったし、そもそも近づく気になれなかった。
ばりばりばり。何かを砕くような音がした。木の枝でも割っているような、そんな音だ。しかもその音はいやに大きかった。その音は男の方からした。
僕はその音に驚いて、動けないままでいた。その時、男がやおら立ち上がった。男がこちらを向く。男の顔は赤い何かで汚れていた。特にひどかったのは、口元から顎にかけてのところだった。胸元や腹のところ、足にまでも赤いものがこびりついていた。僕にはそれが血だとわかった。
「早い者勝ちでしょ。そんなこと言ってるうちに、ほらまた一個」
そういって菫は箸でから揚げをつまみ上げる。
「もー。かーさん、おねーちゃんが空揚げばっか食べる」
「こぉら、菫、きちんとバランスよく食べなさい。ほら、おひたしあるんだから」
「私の分のおひたしは母さんにあげる」
「いらないわよ。さっさとおひたし食べなさい」
母親と菫がおひたしのことで論争している間、父親はおひたしに箸を伸ばしている。それを素知らぬ顔で口に運んだ。菫の方を見ることもなかった。どうやら、菫がおひたしを食べようと食べまいと知らん顔をするつもりのようである。
と、父親が立ち上がった。しかし菫に何かをするためではない。父親は席を立ちあがると、どこかへ行ってしまった。
「おねーちゃん、空揚げばっか食べてるとチキンになるんだよ。チキンはね、臆病者なんだよ」
「おひたしばっか食べても顔が青くなるんだよ」
「なんないもん!」
「どうかな?美咲、おひたし食って実験台になって見なよ」
正和は箸でおひたしを示す。
「馬鹿言ってるんじゃないの、二人とも。おひたし食べたって顔は青くならないし、空揚げ食べたってチキンになんかならないの」
「やーい、美咲の嘘つき―」
「菫は早くおひたし食べなさい」
「むー」
トイレの水を流す音がした。そして扉の開く音。父親が食卓に現れた。
(父さん、トイレから帰ってきたのに手を洗ってない。ばっちい)
菫はそう思った。
父親が席に座る。その父親の鼻からは鼻血が出ていた。そのうえ頭を俯けて、机の上を見ている。そのため鼻血が机の上に垂れてしまっている。それなのに父親は血をぬぐおうともしなかった。
「あなた、鼻血が出ているわよ」
「ああ」
父親はいった。
「あなた、大丈夫?」
「ああ……」
「今日はもう寝たほうがいいわ。ほら、鼻血も何とかしなきゃ」
そういって母親はティッシュを夫の鼻へと詰める。そして居間から連れ出した。
寝室では、窓の側から菫、父親、妹、母親の順で寝ていた。父親も母親も妹も、みんな寝息を立てている。
しかし菫は寝付けなかった。夜中の二時だが、その時になってもなお、目が開いていた。彼女の意識はずっと興奮していて、とても寝付くどころの話ではなかった。
その時、横で父親が起き上がった。父親と体と布団とがこすれてもぞもぞという音が聞こえる。
父親は上半身を起こすと、そのまま立ち上がることなく、体を俯けた。そしてはいはいをしているときのように、膝と手を床に着いた。そして這って動き出した。
父親の行きついた先は母親のところであったように思われた。一番端っこには母親が眠っているし、父親はその端っこまで移動したように思えたからだ。父親は母親に覆いかぶさった。父親は母の胸か頭のあたりに腕を移動させた。そしてそのままじっとしていた。部屋の中は闇に包まれたように暗く、妹の体も視界の邪魔になっていて、菫には父親が何をしているのかわからなかった。
足で床をたたいた時のような音が聞こえてくる。それと一緒に、何かうなり声のような声が聞こえてくる。
菫の頭にある不吉な想像が浮かんだ。それは父が母の上に覆いかぶさり、首を絞めている様子だった。浮かんだそれはどうしても離れなくなっていた。
菫は布団から跳ね起きると、部屋を駆け足で横切っていく。部屋の中のあらゆるものの配置は大体覚えているから、急いでもつまづくことなく、戸惑うことなく移動できた。そして菫は勘で電灯のあると思しきところへ手をやった。そこにスイッチのようなものを見つけたので、菫はそれを押した。
部屋が明るくなった。そして菫は父の方を向いた。父親は母親の首を絞めていた。母の首を絞めている父親は菫の方を見ていた。歯をむき出しにして、口の端からはよだれが垂れている。
首を絞められている母親は白目を剥いている。口はぽかんと開き、空気を求めてあえぐ声が聞こえた。口の端からはよだれが垂れていた。
父親が菫にとびかかった。菫は棚に体をぶつけた。父親はそのまま、菫の首を絞め始めた。父親の顔が間近くにやってくる。歯をむき出しにして、怒りの表情に顔をゆがめた顔。無精ひげが黒々と砂鉄のように生えているのが見えた。
呼吸をしようとしても、思うように空気が喉を通らない。菫はとっさに自分の手で父の手を外そうとするが、できない。呼吸はできないままだ。苦しいという思いは感じられない。それよりも、驚きと、私はここで死ぬのかもしれないという思いばかりがある。視界が闇に包まれていく。目の前に白い光のようなものが見える。それは次第に闇を覆い隠していく……。
唐突に、首から父の手が離れた。菫は呼吸ができるようになったのを感じた。勢いよく空気を吸い込み、そしてせき込む。
「あなたお願い、止めて!」
母親のそんな声が聞こえた。菫は父親を見る。父親は叫びながら暴れている。その父親は母が後ろから羽交い絞めにしているのだ。
菫はこの機に乗じて、窓側へと逃げ込んだ。妹が窓側にいるのが、その時わかった。この騒ぎで、さすがに妹も起き出したのだ。
「逃げなさい!」
母が叫ぶ。
「できないよ!」
「いいから行きなさい!」
「でも……」
僕は辺りを見回した。どうにかして母を助けられないものかと思った。しかし手近に武器になりそうなものは一つもない。
「助けを呼んでくるの!外へ行って、助けを呼んできなさい」
菫には、もうそれしかするべきことが残されていないことが分かった。ここにいても母を助けることはできない。たとえ母親を置いていくことになったとしてもここから出て行くしか道がないのだ。
美咲が窓を開けた。
「行こう、早く!」
妹は言い、窓を出た。そしてかけだした。案外、こんな状況にあっても妹の方が冷静だったようだ。
菫は美咲についていった。その時後ろを振り返った。父親が母親の腹を肘で打ち付けているのが見えた。
菫と美咲がすぐ隣のおじさんを引き連れて家に戻った時には、すでに母親は倒れていた。寝室のところにいたままだった。頭から血を流していた。母親の血で、家族全員の布団が濡れていた。
隣のおじさんが父親と格闘する、ということはなかった。それというのも、父親は家から消えていたからである。
逃げていく父親の姿を見たものは、誰もいなかった。
○
僕は倉庫のドアを開いた。そしてそこから川の魚を取ったりするのに使う網をつかんだ。そしてバケツも取り出した。僕は倉庫の扉を閉めた。
僕がこの二つをもって向かった先は、小学校のすぐ近くにある川だ。そこは夫婦川という名前で呼ばれている。その川には夫婦岩というものがある。これは川の真ん中に二つ、大きな岩があり、それのことを言っているのである。看板まで立てられてあって、夫婦岩の説明書きが書いてある。
僕は夫婦川の看板を見つけると、その先へと進む。そして川のあるところへと通じる階段を降りていった。階段を降りたすぐそばには小さな川が流れている。その真ん中あたりに、僕の身長よりも大きな岩が二つあった。岩にはしめ縄が巻いてある。岩もしめ縄も苔むしていた。
川の周りは生い茂る木々で遮られている。木の枝が川の上にまで覆いかぶさって、暗くなっていた。
僕は川岸にしゃがむと、川の中に目を凝らした。しかし魚と思しきものは何にもいやしなかった。僕はさらに川の下流へと移動する。しかしそこにも魚は見当たらない。それ以上くだろうと思い、さらに下っていった。すると木々に囲まれているところを抜けた。そして草原になっているところへと出た。そこは片方に川が流れており、川の向こう側は林になっている。川の反対側は地面が急激にせりあがって、崖のようになっている。周りからはちょっとした死角となるようなところだった。
草原のところに出てから、一匹の小魚を見つけた。僕は網を差し入れた。網を入れてそのまま、じっと待ち続ける。やがて、魚が近づいてくる。そっと網を移動させる。網の中に魚が入っていく。僕は網を引き揚げた。魚が網の中に入っている。僕はバケツの水の中に魚を入れた。
魚がバケツの中を泳いだり、止まったりしている。そんな魚を見ていると、自分で一匹の魚を捕ることができたのだということが感じられてくる。
僕は新たな魚を探し求めて、さらに下流へと進んでいった。しばらく進むと、奥の方に誰かがいるのが見えた。大人の男だった。
その男はしゃがみ込んでいた。その男の前の方には子供が倒れているらしい。足がはみ出て見えていた。頭は男の体に隠れていた。僕のいるほうからでは、男が背を向けているのと、遠すぎるのとで、男が何をしているのかまでは明瞭にはわからなかった。それでも男が何をしているかなど、知ろうとは思ってもいなかったし、そもそも近づく気になれなかった。
ばりばりばり。何かを砕くような音がした。木の枝でも割っているような、そんな音だ。しかもその音はいやに大きかった。その音は男の方からした。
僕はその音に驚いて、動けないままでいた。その時、男がやおら立ち上がった。男がこちらを向く。男の顔は赤い何かで汚れていた。特にひどかったのは、口元から顎にかけてのところだった。胸元や腹のところ、足にまでも赤いものがこびりついていた。僕にはそれが血だとわかった。
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