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9.夜会
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夫婦として手を取り合い、皆の視線を集めてカーライルのリードでダンスを踊る。ずっと夢見てきたことが現実となりローズは幸せだった。
あんな辱めをうけも、ローズはカーライルを見れば心が高鳴る。
下着をつけない蜜口から馬車の中の行為の余韻で愛液が垂れるのを感じ、大公の仕打ちを思い出しながらも、今は妻として扱われて幸せだった。
大公がローズの耳元に口を近付け、何か言おうと息を吸うのを感じ、何か優しい言葉を、大公の中に秘めていたローズへの愛を打ち明けられるのではないかと淡い期待が生まれる。
「みな、そなたの背中に私がつけた跡を見て、私に抱かれて乱れるそなたを想像している。」
ローズは馬車の中でカーライルが背中に口づけたのを思い出した。はっとしてカーライルの顔を見上げる。期待は打ち砕かれた。
「このドレスを着るように命じたのも、髪をまとめさせたのも、そのため…?」
ローズは恥辱で体が熱くなり、頭に血がのぼってくらくらするのを感じた。大公とのダンスに幸せを感じていたというのに、またも大公に地獄に落とされる。護衛騎士だけでなく、この場にいる皆に妻である自分の恥辱を晒そうというのか。
ローズはふらふらとカーライルから離れた。
「ローズ!」
まともに歩けないローズをカーライルが追った。その声に、ローズに実家の両親と、兄夫婦が気づいて近づいてきた。
「ローズ?どうした、体調がわるいのか?」
兄がローズの肩を支えた。
「お兄様…!」
ローズはほっとして兄によりかかった。
「大公、娘は…どうしたのでしょう?体調が?」
「これは義父上。婚儀から間もなく、疲れているのでしょう。社交の場にも、まだ慣れていませんから。休ませればよかったのですが、私が新妻を見せびらかしたく、このような場に」
大公に娘が溺愛されているのを父公爵は満足に思った。
「しかし、ずいぶん大人っぽい感じだね。これまでのローズの好みとは違って。」
兄がローズの衣装に目を落とした。
ローズはいたたまれなくなった。カーライルが背中につけた跡を家族に気づかれたくなかった。
「せっかく皆様にお会いできたところですが、そろそろ、帰ってローズを休ませようと思います。改めて家族の席を設けましょう。」
「そうね、大公、ありがとう。ローズ、近々、伺わせてちょうだい。」
公爵夫人は娘の手を優しく握った。ローズにはその温かさにすがりたくなった。
「さあ、ローズ、行こう。」
大公が手を差しだした。ローズは一度手を伸ばしかけたが、ひっこめた。
大公の顔から笑顔が消えた。
「ローズ?どうした?大丈夫か?」
支えていた兄がローズを気遣う。
「お父様、お母様、このまま、家に帰りたいの…公爵邸へ。連れて行って」
うつむいて絞り出したローズの言葉に家族はお互い顔を見合わせた。
「大公、何があったのです?」
妹の体を支えていた兄が体の向きを変えてローズとを大公から離した。
大公は言葉を失った。
「今日は、娘を連れて帰りますわ。また、改めて」
母がその場で娘を守る決断をし、腰を下げて挨拶した。
立っているのもやっとのローズを兄が抱き上げて出口へ向かう。兄嫁があわてて大公に頭を下げてあとに続いた。
父公爵が大公の顔をしっかり見つめた。
「娘は、大公に嫁ぐ日を指折り数えて待っておりました。送り出さねばならない父としては寂しくなるほどに。それが・・・」
ローズが抱えられて公爵一家と出ていったことで会場の注目が集まっていた。大公も茫然自失の状態で、ここで話ができる状態ではなさそうだ。
「大公が幸せにしてくださらないのなら、私はこのまま娘を取り戻させていただきます。」
公爵もそのまま家族に続いて会場を去った。
あんな辱めをうけも、ローズはカーライルを見れば心が高鳴る。
下着をつけない蜜口から馬車の中の行為の余韻で愛液が垂れるのを感じ、大公の仕打ちを思い出しながらも、今は妻として扱われて幸せだった。
大公がローズの耳元に口を近付け、何か言おうと息を吸うのを感じ、何か優しい言葉を、大公の中に秘めていたローズへの愛を打ち明けられるのではないかと淡い期待が生まれる。
「みな、そなたの背中に私がつけた跡を見て、私に抱かれて乱れるそなたを想像している。」
ローズは馬車の中でカーライルが背中に口づけたのを思い出した。はっとしてカーライルの顔を見上げる。期待は打ち砕かれた。
「このドレスを着るように命じたのも、髪をまとめさせたのも、そのため…?」
ローズは恥辱で体が熱くなり、頭に血がのぼってくらくらするのを感じた。大公とのダンスに幸せを感じていたというのに、またも大公に地獄に落とされる。護衛騎士だけでなく、この場にいる皆に妻である自分の恥辱を晒そうというのか。
ローズはふらふらとカーライルから離れた。
「ローズ!」
まともに歩けないローズをカーライルが追った。その声に、ローズに実家の両親と、兄夫婦が気づいて近づいてきた。
「ローズ?どうした、体調がわるいのか?」
兄がローズの肩を支えた。
「お兄様…!」
ローズはほっとして兄によりかかった。
「大公、娘は…どうしたのでしょう?体調が?」
「これは義父上。婚儀から間もなく、疲れているのでしょう。社交の場にも、まだ慣れていませんから。休ませればよかったのですが、私が新妻を見せびらかしたく、このような場に」
大公に娘が溺愛されているのを父公爵は満足に思った。
「しかし、ずいぶん大人っぽい感じだね。これまでのローズの好みとは違って。」
兄がローズの衣装に目を落とした。
ローズはいたたまれなくなった。カーライルが背中につけた跡を家族に気づかれたくなかった。
「せっかく皆様にお会いできたところですが、そろそろ、帰ってローズを休ませようと思います。改めて家族の席を設けましょう。」
「そうね、大公、ありがとう。ローズ、近々、伺わせてちょうだい。」
公爵夫人は娘の手を優しく握った。ローズにはその温かさにすがりたくなった。
「さあ、ローズ、行こう。」
大公が手を差しだした。ローズは一度手を伸ばしかけたが、ひっこめた。
大公の顔から笑顔が消えた。
「ローズ?どうした?大丈夫か?」
支えていた兄がローズを気遣う。
「お父様、お母様、このまま、家に帰りたいの…公爵邸へ。連れて行って」
うつむいて絞り出したローズの言葉に家族はお互い顔を見合わせた。
「大公、何があったのです?」
妹の体を支えていた兄が体の向きを変えてローズとを大公から離した。
大公は言葉を失った。
「今日は、娘を連れて帰りますわ。また、改めて」
母がその場で娘を守る決断をし、腰を下げて挨拶した。
立っているのもやっとのローズを兄が抱き上げて出口へ向かう。兄嫁があわてて大公に頭を下げてあとに続いた。
父公爵が大公の顔をしっかり見つめた。
「娘は、大公に嫁ぐ日を指折り数えて待っておりました。送り出さねばならない父としては寂しくなるほどに。それが・・・」
ローズが抱えられて公爵一家と出ていったことで会場の注目が集まっていた。大公も茫然自失の状態で、ここで話ができる状態ではなさそうだ。
「大公が幸せにしてくださらないのなら、私はこのまま娘を取り戻させていただきます。」
公爵もそのまま家族に続いて会場を去った。
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