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38.しばらくはおとなしく。
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11月。
マキノは、遊に自分のバイクを貸してあげることにした。ようやく諦めがついた。
自分は当分乗れないし、乗らないとバイクが傷んでしまうし、春樹さんに車の2台はまだしも、バイク2台の管理までしてもらうのが大変すぎる。
遊にはさんざん恩に着せて、さんざん安全運転を念押しして許しを出した。
それでも、マキノは、遊が自分のバイクに乗るたびに、いちいち文句を言った。
「あげるんじゃないからね!私のだからね!」
「わかってますってばー。」
遊は、マキノのバイクを運転する許しを得ただけでなく、両親から免許所得のための費用を勝ち取ったようで、先月から自動車の教習所に通っている。バイクのことも車のことも、楽しくて仕方がないようだ。
マキノの不満げな顔を見ても遊はニヤニヤと笑っていた。
遊は、マキノのバイクに乗って学校まで通い、時間と電車代と駐輪代を浮かせて、近場での配達や買い物などは原付を利用し、上手に使い分けている。またそれがマキノにとっては、なんとなく癪だった。
いや、本気で腹を立てているわけではないけれど。
今日は主婦組はいなくて、厨房はヒロト、カウンターと接客を、遊が担当していた。
ランチタイムの山を越えて、厨房の中を簡単に掃除しているヒロトにマキノは声をかけた。
「ねーヒロト君。」
「はい。」
「うちって、厨房が狭いと思わない?」
「思います。」
「やっぱり・・・。」
「ランチの時間帯とお弁当の時間帯が重なるから、メリットでもあるけど、スペース的には辛いですね。」
「そこはねぇ・・。」
厨房を早く空けるには、お弁当を早めに作ると良いのだけれども、できるだけ出来立ての温かいものを食べてもらいたいという相互相反するむずかしい課題があった。
「たくさんの量をデリバリーするには絶対的に場所が必要ですからね。」
「そうなんだよねぇ・・・。」
じゃあ時間の対策が無理なら、物理的対策。厨房を広げるとなると・・。
今、カウンター厨房VS座敷テラスで、需要と供給・生産と消費が絶妙にちょうどいいのに、席数をつぶすなんて、もってのほか・・。
じゃあ厨房を外側に増設は?・・古民家なのに雰囲気が台無し、そもそも改装しちゃうと費用が発生する。せっかく減ってきている借金をまた増やすことになるのはいやだ。
とりあえず、下の部屋で盛り付けだけしたらどうだろう?遊のプライベート空間は少し侵食するかもだけど、奥の部屋さえ死守してもらえばいいか。
とにかく盛り付けるのが一番場所をとるのだから、パック類も全部下に置いておいて、できあがったお料理だけを運ぶようにすれば・・・。
頭の中で問題定義をしてアイディアを並べ、それに対する答えを出していく。するとまた新たな問題点が出てきて・・。マキノは一人で考えて独り言のように時折一人でぶつぶつと繰り返した。
「あっ!!」
「なっ・・なんですか?」
「ちょっといいこと思いついたかも。」
「突然叫ぶとびっくりするじゃないですか。」
「ごめんごめん。・・あーちょっと要調整。敏ちゃんの力が必要だ。いや・・あっそうか。」
またマキノが黙り込んだ。
ヒロトと遊が遠巻きにマキノの様子を眺めた。
「マキノさんが,なんか考えてますね。」
「うん。いやな予感がするね・・。」
戦々恐々としている2人に気づいて、マキノはにっと笑った。
「朝市のおばちゃんのみたらし工房とコラボしたらどうかなって思ったんだ。うまくいけば楽になるかもしんないでしょ?」
「へえ・・。」
毎週、朝市でおばちゃん達が売っているみたらしは、お団子を丸めるところから彼女らの手作りなのだが、その仕込みをするための工房として、朝市の広場のすこし山手にある空き家を利用しているのだ。
そこは、ちゃんと保健所から菓子製造の許可が降りているのだ。
「月曜から木曜日まで,現状ほぼ使ってないでしょ?お家賃を払えば借りられると思わない?それに、朝市のおばちゃん達に時給を出せば働いてもらうこともできるかもしれないし。製造する態勢が整えば、たくさん注文も取れるし。山菜ごはんや、おはぎやサンドイッチなんて誰でも作れるんだから、やりたい人にやらせてあげればいいじゃない。」
「マキノさん。何を言ってるのかよくわかんないですよ・・・。今、大変な時なのに・・。」
遊は、怪しげな空気を感じ取って、はっきりと警戒モード。
「いや、楽をしようと思ったんだよ?わたし。」
「そう・・かな?」
ヒロトも何かを感じ取っているのか不安げだ。
「自分がいなくても回るように・・って。」
「逆に・・ますますマキノさんがいないと回らなくなりそうな気がする。」
「ことの運びようと交渉次第よね。朝市の責任者の乃木坂さんに相談だね。おだんご以外の物を作るとなると器具や道具も揃えないといけないし。その辺の管理や、初期費用をどうするか・・。ちょっと細かい事はゆっくり考えないと。」
「あのー・・・そんなこと、勝手に先走っていいの?」
「いや。まだやるってきまったわけじゃないよ。細かなところまで考えてるのは、こういう時どうしようって聞かれた時に返事できるようにね・・・。でもそうなんだ。勝手に動くな決めるなって春樹さんに言われたんだよね~。」
「そりゃ・・そうだろね。」
ほらね。と,ヒロトと遊は肩をすくめた。
でも、これ本当にいいアイディアだと思うんだけどな。
いろいろ手を伸ばして、することが増えているのに厨房が狭い現状と、この辺りのお客さんのニーズと、朝市のおばちゃん達の労働力とパワー。・・・それを我々だけが利益をひとり占めするんじゃなくて、地域のみんなに還元できたら一番うまく回るんじゃないかしら。
しかし、うちのスタッフがかぶる負担がどうなるかってこともある。利益の分担もむずかしそうだ。
「やっぱり、敏ちゃんの力がいるな。こりゃ。」
マキノがあれこれ考えている時にヒロトがぼそぼそと話しかけてきた。
「マキノさんマキノさん。」
「なあに?」
「いろいろ考えるのはいいけれど、せめて挙式と披露宴の後にした方がいいと思いますよ。」
「あ。そうだね。てへへ。」
ヒロトと遊は顔を見合わせて肩をすくめた。
ー ― ― ― ― ― ― ―
初めて病院を訪れた日からちょうど2週間経った。
マキノは、2回目の検診にやってきた。
最初に診察を受けに行った日が木曜日で、医師が女性ということもあって、そのまま同じ先生にかかることにした。
今はもう、お店のスタッフ全員にカミングアウトしてあって、毎週ではないけれども木曜日に検診が入る日があって、ときどき休むということをインプットしてもらってある。
保健センターでもらった母子手帳を持って行く。
待合室にはおなかの大きなママさんたちがたくさん座っている。なんだか皆さんたくましい。
「佐藤マキノさん。」
「はい。」
まだ呼ばれ慣れていない名前にどきっとする。
マキノは立ち上がり、待合室の隣りの問診スペースへ移動し、看護士の問診を受ける。
「母子手帳を出してくださいね。採尿はまだ?そちらのトイレの棚にあるコップに名前を書いて、奥の窓から出しておいてくださいな。何か変わったことはありますか?おなかが張ったりとか。つわりはどう?」
人数が多いからか、看護師さんは少々早口だ。質問には「はい。はい。」と短く返答をする。
体重を測るように指示される。いつもと変わりない。
血圧もいつもぐらい。
今日で8週目。3カ月に入ったらしい。
トコトコという小さな心音が確認できた。初めて聞く赤ちゃんの心臓の音だ。
大きさは2cmぐらい。
予定は6月。
順調。と告げられた。
今日もエコーの画像をプリントアウトしてくれた。
空洞の中に小さい物体が何かある。というぐらいのぼやっとした画像だ。
ふむふむと、一つ一つの情報をしっかり胸に刻む。
春樹の笑顔を思い浮かべてほっこりとする。帰ったら全部教えてあげなくては。
結婚式はあと10日後に迫っている。
運転も気をつけなくちゃ。
ゆっくり動いて。
休息をとって。
今日は店には寄らずに自宅に帰った。
相変わらず夕方になると気分が悪い。
その気分の悪さに慣れてきたのか、お米は洗って炊飯器にセットして、ふつふつと焚けて匂いがしてくるまでにお料理の下ごしらえのようなことをして、あと魚を焼くだけまで、用意が出来た。
そのまま春樹が帰るまで寝室で休んでしまうことにした。
まだ、まったく目立たないお腹をさすりながら思う。
世の中のお母さんたちって、みんなえらい・・。
自分の体がどんどん変っていくのに、順応して受け入れて、不自由や苦痛に耐えて、子どもを守る覚悟を育てていくんだもの。
わたしにも、できるのかしら。
うれしさはもちろんあるけど、不安やとまどうことばかりが多い。
ベッドの中でおなかを守るように丸くなった。この中に幸せの素が育ってる。
「サンマ焼けたよ。」と、春樹さんが呼ぶ声が聞こえた。
また、ウトウトと眠ってしまっていたようだ。
今日は春樹さんが帰ってきたことすら気づかなかった。
いくらでも寝られる気がする。
「ふあい。」
マキノがふわふわと眠い目をこすりながら台所へ出てくると「検診どうだった?」と、やっぱりさっそく聞いてきた。
食卓には、トン汁とサンマと、ほうれん草のおひたしが並んでいた。
マキノがさきに作ってあったものだけど、春樹さんがサンマを焼いて、トン汁を温めて、ごはんをお茶碗に盛くれてあった。
マキノは、かいがいしく働く春樹さんに、えへへと笑いかけ「いただきます。」と言った。
今日、病院で聞いてきたことを、一つ一つ報告をした。
マキノは、遊に自分のバイクを貸してあげることにした。ようやく諦めがついた。
自分は当分乗れないし、乗らないとバイクが傷んでしまうし、春樹さんに車の2台はまだしも、バイク2台の管理までしてもらうのが大変すぎる。
遊にはさんざん恩に着せて、さんざん安全運転を念押しして許しを出した。
それでも、マキノは、遊が自分のバイクに乗るたびに、いちいち文句を言った。
「あげるんじゃないからね!私のだからね!」
「わかってますってばー。」
遊は、マキノのバイクを運転する許しを得ただけでなく、両親から免許所得のための費用を勝ち取ったようで、先月から自動車の教習所に通っている。バイクのことも車のことも、楽しくて仕方がないようだ。
マキノの不満げな顔を見ても遊はニヤニヤと笑っていた。
遊は、マキノのバイクに乗って学校まで通い、時間と電車代と駐輪代を浮かせて、近場での配達や買い物などは原付を利用し、上手に使い分けている。またそれがマキノにとっては、なんとなく癪だった。
いや、本気で腹を立てているわけではないけれど。
今日は主婦組はいなくて、厨房はヒロト、カウンターと接客を、遊が担当していた。
ランチタイムの山を越えて、厨房の中を簡単に掃除しているヒロトにマキノは声をかけた。
「ねーヒロト君。」
「はい。」
「うちって、厨房が狭いと思わない?」
「思います。」
「やっぱり・・・。」
「ランチの時間帯とお弁当の時間帯が重なるから、メリットでもあるけど、スペース的には辛いですね。」
「そこはねぇ・・。」
厨房を早く空けるには、お弁当を早めに作ると良いのだけれども、できるだけ出来立ての温かいものを食べてもらいたいという相互相反するむずかしい課題があった。
「たくさんの量をデリバリーするには絶対的に場所が必要ですからね。」
「そうなんだよねぇ・・・。」
じゃあ時間の対策が無理なら、物理的対策。厨房を広げるとなると・・。
今、カウンター厨房VS座敷テラスで、需要と供給・生産と消費が絶妙にちょうどいいのに、席数をつぶすなんて、もってのほか・・。
じゃあ厨房を外側に増設は?・・古民家なのに雰囲気が台無し、そもそも改装しちゃうと費用が発生する。せっかく減ってきている借金をまた増やすことになるのはいやだ。
とりあえず、下の部屋で盛り付けだけしたらどうだろう?遊のプライベート空間は少し侵食するかもだけど、奥の部屋さえ死守してもらえばいいか。
とにかく盛り付けるのが一番場所をとるのだから、パック類も全部下に置いておいて、できあがったお料理だけを運ぶようにすれば・・・。
頭の中で問題定義をしてアイディアを並べ、それに対する答えを出していく。するとまた新たな問題点が出てきて・・。マキノは一人で考えて独り言のように時折一人でぶつぶつと繰り返した。
「あっ!!」
「なっ・・なんですか?」
「ちょっといいこと思いついたかも。」
「突然叫ぶとびっくりするじゃないですか。」
「ごめんごめん。・・あーちょっと要調整。敏ちゃんの力が必要だ。いや・・あっそうか。」
またマキノが黙り込んだ。
ヒロトと遊が遠巻きにマキノの様子を眺めた。
「マキノさんが,なんか考えてますね。」
「うん。いやな予感がするね・・。」
戦々恐々としている2人に気づいて、マキノはにっと笑った。
「朝市のおばちゃんのみたらし工房とコラボしたらどうかなって思ったんだ。うまくいけば楽になるかもしんないでしょ?」
「へえ・・。」
毎週、朝市でおばちゃん達が売っているみたらしは、お団子を丸めるところから彼女らの手作りなのだが、その仕込みをするための工房として、朝市の広場のすこし山手にある空き家を利用しているのだ。
そこは、ちゃんと保健所から菓子製造の許可が降りているのだ。
「月曜から木曜日まで,現状ほぼ使ってないでしょ?お家賃を払えば借りられると思わない?それに、朝市のおばちゃん達に時給を出せば働いてもらうこともできるかもしれないし。製造する態勢が整えば、たくさん注文も取れるし。山菜ごはんや、おはぎやサンドイッチなんて誰でも作れるんだから、やりたい人にやらせてあげればいいじゃない。」
「マキノさん。何を言ってるのかよくわかんないですよ・・・。今、大変な時なのに・・。」
遊は、怪しげな空気を感じ取って、はっきりと警戒モード。
「いや、楽をしようと思ったんだよ?わたし。」
「そう・・かな?」
ヒロトも何かを感じ取っているのか不安げだ。
「自分がいなくても回るように・・って。」
「逆に・・ますますマキノさんがいないと回らなくなりそうな気がする。」
「ことの運びようと交渉次第よね。朝市の責任者の乃木坂さんに相談だね。おだんご以外の物を作るとなると器具や道具も揃えないといけないし。その辺の管理や、初期費用をどうするか・・。ちょっと細かい事はゆっくり考えないと。」
「あのー・・・そんなこと、勝手に先走っていいの?」
「いや。まだやるってきまったわけじゃないよ。細かなところまで考えてるのは、こういう時どうしようって聞かれた時に返事できるようにね・・・。でもそうなんだ。勝手に動くな決めるなって春樹さんに言われたんだよね~。」
「そりゃ・・そうだろね。」
ほらね。と,ヒロトと遊は肩をすくめた。
でも、これ本当にいいアイディアだと思うんだけどな。
いろいろ手を伸ばして、することが増えているのに厨房が狭い現状と、この辺りのお客さんのニーズと、朝市のおばちゃん達の労働力とパワー。・・・それを我々だけが利益をひとり占めするんじゃなくて、地域のみんなに還元できたら一番うまく回るんじゃないかしら。
しかし、うちのスタッフがかぶる負担がどうなるかってこともある。利益の分担もむずかしそうだ。
「やっぱり、敏ちゃんの力がいるな。こりゃ。」
マキノがあれこれ考えている時にヒロトがぼそぼそと話しかけてきた。
「マキノさんマキノさん。」
「なあに?」
「いろいろ考えるのはいいけれど、せめて挙式と披露宴の後にした方がいいと思いますよ。」
「あ。そうだね。てへへ。」
ヒロトと遊は顔を見合わせて肩をすくめた。
ー ― ― ― ― ― ― ―
初めて病院を訪れた日からちょうど2週間経った。
マキノは、2回目の検診にやってきた。
最初に診察を受けに行った日が木曜日で、医師が女性ということもあって、そのまま同じ先生にかかることにした。
今はもう、お店のスタッフ全員にカミングアウトしてあって、毎週ではないけれども木曜日に検診が入る日があって、ときどき休むということをインプットしてもらってある。
保健センターでもらった母子手帳を持って行く。
待合室にはおなかの大きなママさんたちがたくさん座っている。なんだか皆さんたくましい。
「佐藤マキノさん。」
「はい。」
まだ呼ばれ慣れていない名前にどきっとする。
マキノは立ち上がり、待合室の隣りの問診スペースへ移動し、看護士の問診を受ける。
「母子手帳を出してくださいね。採尿はまだ?そちらのトイレの棚にあるコップに名前を書いて、奥の窓から出しておいてくださいな。何か変わったことはありますか?おなかが張ったりとか。つわりはどう?」
人数が多いからか、看護師さんは少々早口だ。質問には「はい。はい。」と短く返答をする。
体重を測るように指示される。いつもと変わりない。
血圧もいつもぐらい。
今日で8週目。3カ月に入ったらしい。
トコトコという小さな心音が確認できた。初めて聞く赤ちゃんの心臓の音だ。
大きさは2cmぐらい。
予定は6月。
順調。と告げられた。
今日もエコーの画像をプリントアウトしてくれた。
空洞の中に小さい物体が何かある。というぐらいのぼやっとした画像だ。
ふむふむと、一つ一つの情報をしっかり胸に刻む。
春樹の笑顔を思い浮かべてほっこりとする。帰ったら全部教えてあげなくては。
結婚式はあと10日後に迫っている。
運転も気をつけなくちゃ。
ゆっくり動いて。
休息をとって。
今日は店には寄らずに自宅に帰った。
相変わらず夕方になると気分が悪い。
その気分の悪さに慣れてきたのか、お米は洗って炊飯器にセットして、ふつふつと焚けて匂いがしてくるまでにお料理の下ごしらえのようなことをして、あと魚を焼くだけまで、用意が出来た。
そのまま春樹が帰るまで寝室で休んでしまうことにした。
まだ、まったく目立たないお腹をさすりながら思う。
世の中のお母さんたちって、みんなえらい・・。
自分の体がどんどん変っていくのに、順応して受け入れて、不自由や苦痛に耐えて、子どもを守る覚悟を育てていくんだもの。
わたしにも、できるのかしら。
うれしさはもちろんあるけど、不安やとまどうことばかりが多い。
ベッドの中でおなかを守るように丸くなった。この中に幸せの素が育ってる。
「サンマ焼けたよ。」と、春樹さんが呼ぶ声が聞こえた。
また、ウトウトと眠ってしまっていたようだ。
今日は春樹さんが帰ってきたことすら気づかなかった。
いくらでも寝られる気がする。
「ふあい。」
マキノがふわふわと眠い目をこすりながら台所へ出てくると「検診どうだった?」と、やっぱりさっそく聞いてきた。
食卓には、トン汁とサンマと、ほうれん草のおひたしが並んでいた。
マキノがさきに作ってあったものだけど、春樹さんがサンマを焼いて、トン汁を温めて、ごはんをお茶碗に盛くれてあった。
マキノは、かいがいしく働く春樹さんに、えへへと笑いかけ「いただきます。」と言った。
今日、病院で聞いてきたことを、一つ一つ報告をした。
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