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39.すべてのことに感謝する日
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結婚式と披露宴は、なるべくシンプルにと2人は話し合っていた。
キャンドルサービスもなし、白無垢もなし、お色直しもなし。
スライドもなし、ケーキ入刀すらなし。
マキノはウエディングドレスを選び、春樹さんはタキシードを着ることになった。
マキノが選んだ白いドレスはプリンセスラインで、肩も背中も開いていてサテンでドレープを作ってあるクラッシックなデザインだ。締め付けないのが第一条件だったけれど、裾の長いドレスを引きずって歩けば、こんな私でも女性らしく見えるかもしれない。今日ぐらいは「きれい?」と聞いてみてもいいかな。
春樹さんは、仕事の時はトレーニングウエア。普段はジーンズ。いつもの春樹さんも好きだけど、フォーマルもきりっとしてて素敵。今日はダークグレーのタキシードだ。
お似合いのカップルに見えるといいな・・。
式の直前に、控室でドレスに着替えてから、母さんと万里子姉に挨拶をした。
「今までありがとうございました。わたし、父さんと母さんの子として生まれてきてよかったよ。」
ずっと一人暮らしをしてもともと家にいなかったのに、今生のお別れでもないのに、改めてお礼を言うとなると、なんだか涙腺がおかしくなってしまうらしい。
「せっかくのメイクが台無しだよ?」と万里子がメイクを直してくれた。
本当は、今日のセットは全部、万里子姉にしてもらいたかった。
でも、短い時間の為に万里子姉に負担をかけるのが申し訳なくて、お願いできなかったのだ。
日取りが決まってからは髪を伸ばして、今日は、少しウエーブをつけてふわりとした印象になっていた。首から肩のあたりにゆれるのが嬉しくなる。
サテンの手袋をして、白いバラのブーケを持った。
母さんがヴェールを降ろしてくれて視界が白くなると、急に凛とした気持ちになった。
春樹側の受け付けは学生時代のお友達だ。
子ども達と接しているところは時々見たけれど、春樹さんが男友達とふざけたり話をしているところは初めて見た。楽しそうになつかしそうに話をしている。いいな。最近はあまりつきあいがなかったようだけれども、たまにはお友達と遊んでもいいのにな。
新しい春樹さんを見ると、好きって気持ちがまたひとつ、またひとつと増えていく。
これからもずっと、こんなふうに、おばあさんとおじいさんになっても、こんな気持ちでいたいな。
マキノ側の受付は元同僚のサクラが立候補してくれた。
まりちゃんとミーコは小学校以来の友達。ハニーとクララは中学のときいつも一緒にいた。ちづるんとアッコは高校の時の部活の仲間。アンジーとすずは大学の時の。遠くて来れなかったけど九州のムーちゃんも祝電をくれた。ずっと・・疎遠になってたのに,お祝いに来てくれてありがとう。
式場のチャペルにて行われた挙式に、全員が参列してくれる。
フルートとバイオリンの演奏が始まって入場。
バージンロードは亡くなった父さんのかわりに母さんと歩いた。
教会の真ん中で母さんの手を離れ、待ってくれていた春樹さんの腕を取り、そこからは共に歩く。
牧師様の前で愛を誓う。
誓約書にサイン。
指輪を交換。
春樹さんがヴェールをあげる。
そして、誓いのキス。
披露宴は静かな拍手で始まり、春樹さんの友人の司会で進む。
2人で腕を組んで、テーブルの一つ一つを回ってお辞儀をして挨拶する。
春樹さんの身内のテーブルには達彦さんとイズミさん、寛菜ちゃん奈々ちゃん。
マキノの身内のテーブルには母さんと万里子姉夫婦。
新しく家族になりました。よろしくお願いします。
春樹さんの勤め先の校長先生と同僚の先生方のテーブル。
サプライズで,春樹さんのクラスの子ども達からのプレゼントと寄せ書きを校長先生がもって来てくれていた。校長先生がクラス代表のメッセージを読むと、目頭を押さえる春樹さんを見ることができた。
そして双方の学生時代の友人たちのテーブルを回る。
ひやかされたり、祝福されたりしながら、笑顔を配り歩く。
今日は、すべてのことに、すべての人に、感謝をする日。
この時代に、この場所に生まれてきてよかった。
いろんな偶然が重なって、春樹さんに出逢えて、よかった。
わたしのこと、好きになってくれてありがとう。
そして、おなかの中の命をありがとう。
みんな、みんな、祝福してくれてありがとう。
わたしも、わたしも、この世界を祝福するよ。
ずっとずっと、大事にするよ。
新郎挨拶。
本日は私たちの結婚式に出席していただき、ありがとうございます。
私たちはちょうど1年前に知り合い、互いを思いやり支えあえる伴侶として、これからの人生を2人で歩むことを決意しました。
皆様から頂きました祝福と激励を胸に、困難を乗り越え、いつも明るく、笑顔の絶えない温かい家庭を築いていきます。
未熟で至らぬ点も多い私たちですが、これまでと同様皆様方には私たちを温かく見守っていただき、ご指導お力沿えを賜りたくお願い申し上げます。
最後になりましたが、皆様のご健康とご多幸をお祈りいたしまして、私達2人のお礼の挨拶に代えさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
― ― ― ― ―
披露宴が終わり並んでみなさんをお見送りをしているときに春樹さんがヒソヒソと話しかけてくる。
「マキノ大丈夫か?」
「うん。なんとか。」
式と披露宴の間中、春樹がマキノのことばかり気にしていたのを知っている。
笑顔を絶やすわけにいかず、挨拶の間は座るわけにもいかず。
反対側にいる母さんも話しかけてくる。
「具合はどう?」
「いまいちだけど、大丈夫。」
サクラには2次会がない事を残念がられはしたが、皆を見送り家族で自分のお店へと移動した。
店では、座敷の真中にはテーブルが全部寄せてあって、大皿料理が並びパーティーの用意ができていて、スタッフ達が出迎えてくれた。
「おお、すごいなー。」
春樹さんが、第一声をあげた。
「その声で、まずは報われますー。」
とヒロトが言った。
「今日のお料理の主な材料は、我々スタッフの自腹です!」
と敏ちゃんが宣言して、笑いが起こった。ヒロトと遊と仁美さんが中心になって用意してくれたのだ。
真ん中には花束が飾られていて、そのそばにお刺身の盛り合わせが存在感を出していた。お刺身なのに純和風じゃなくて、レタスや海藻やプチトマトと香草でうまく飾られていておしゃれな感じ。カルパッチョか魚介サラダみたい。
その両脇に、揚げ物中心のオードブルがあったが、これもお弁当のような家庭料理風じゃなくて、クラッカーやチーズ・野菜やフルーツを使ってメルヘンのような演出がされている。
それに、お寿司の盛り合わせもすごい。マグロやハマチのお魚を使いながらも、アボカドやハーブを使ってアレンジしてあって、カフェ風におしゃれに仕上がっていた。ヒロト頑張ったなぁ。
「ありがとう。本当にすばらしいよ。ヒロトってすごいね。」
「いやいや・・でも、頑張りましたよ。」
「うん。感心した・・。ほんとにみんなありがとう。」
マキノがみんなの頑張りを労った。
千尋さんが「マキノちゃんたちは、ここ。」と座椅子をふたつ用意してくれた。
2人で並んで座らされるとお雛様になったみたい。
でも、お姫様らしからぬお行儀で、遠慮なく足を投げ出して座った。
春樹さんが、たびたび気にかけて様子をうかがってくる。
「これだけ気をつけているんだから、大丈夫だよ。」
だって自分のお店だもの。ここにさえ帰ってくればリラックスできるのだ。
飲み物が配られて、乾杯の音頭は達彦さんがとってくれて、みんなでごちそうを食べた。
いつもの試食会と、あまり変わらない雰囲気だ。
「いい材料使ってるんだから、おいしいに決まってるわよね。」
と仁美さんから言われて、ヒロトはまた顔をひきつらせている。
「お兄さんどうぞどうぞ。」と敏ちゃんが万里子姉の旦那さんにお酒を勧めている。
わたしでもあんまりしゃべったことがないのに。
万里子姉夫婦と母さんは、メンバーとはほとんど初対面なのに、なんだか馴染んでいておかしかった。
普段ちっともしゃべらない達彦さんも、スタッフの男子メンバーとおしゃべりして笑っている。
イズミさんが「達彦さん今日はごきげんね。」とクスクス笑った。
「マキノ。体に気をつけてね。頑張りすぎないように。」
母さんはそう言って早めに帰ると言い出した。姉夫婦と母さんを、イズミさんが駅まで送ってくれることになり、それを潮時に、宴は解散となった。
その4日後の検診で、ベビーの無事は確認できた。
今、10週目。3.6cm
そろそろ安定してくるらしい。次の検診は、1か月後だ。
キャンドルサービスもなし、白無垢もなし、お色直しもなし。
スライドもなし、ケーキ入刀すらなし。
マキノはウエディングドレスを選び、春樹さんはタキシードを着ることになった。
マキノが選んだ白いドレスはプリンセスラインで、肩も背中も開いていてサテンでドレープを作ってあるクラッシックなデザインだ。締め付けないのが第一条件だったけれど、裾の長いドレスを引きずって歩けば、こんな私でも女性らしく見えるかもしれない。今日ぐらいは「きれい?」と聞いてみてもいいかな。
春樹さんは、仕事の時はトレーニングウエア。普段はジーンズ。いつもの春樹さんも好きだけど、フォーマルもきりっとしてて素敵。今日はダークグレーのタキシードだ。
お似合いのカップルに見えるといいな・・。
式の直前に、控室でドレスに着替えてから、母さんと万里子姉に挨拶をした。
「今までありがとうございました。わたし、父さんと母さんの子として生まれてきてよかったよ。」
ずっと一人暮らしをしてもともと家にいなかったのに、今生のお別れでもないのに、改めてお礼を言うとなると、なんだか涙腺がおかしくなってしまうらしい。
「せっかくのメイクが台無しだよ?」と万里子がメイクを直してくれた。
本当は、今日のセットは全部、万里子姉にしてもらいたかった。
でも、短い時間の為に万里子姉に負担をかけるのが申し訳なくて、お願いできなかったのだ。
日取りが決まってからは髪を伸ばして、今日は、少しウエーブをつけてふわりとした印象になっていた。首から肩のあたりにゆれるのが嬉しくなる。
サテンの手袋をして、白いバラのブーケを持った。
母さんがヴェールを降ろしてくれて視界が白くなると、急に凛とした気持ちになった。
春樹側の受け付けは学生時代のお友達だ。
子ども達と接しているところは時々見たけれど、春樹さんが男友達とふざけたり話をしているところは初めて見た。楽しそうになつかしそうに話をしている。いいな。最近はあまりつきあいがなかったようだけれども、たまにはお友達と遊んでもいいのにな。
新しい春樹さんを見ると、好きって気持ちがまたひとつ、またひとつと増えていく。
これからもずっと、こんなふうに、おばあさんとおじいさんになっても、こんな気持ちでいたいな。
マキノ側の受付は元同僚のサクラが立候補してくれた。
まりちゃんとミーコは小学校以来の友達。ハニーとクララは中学のときいつも一緒にいた。ちづるんとアッコは高校の時の部活の仲間。アンジーとすずは大学の時の。遠くて来れなかったけど九州のムーちゃんも祝電をくれた。ずっと・・疎遠になってたのに,お祝いに来てくれてありがとう。
式場のチャペルにて行われた挙式に、全員が参列してくれる。
フルートとバイオリンの演奏が始まって入場。
バージンロードは亡くなった父さんのかわりに母さんと歩いた。
教会の真ん中で母さんの手を離れ、待ってくれていた春樹さんの腕を取り、そこからは共に歩く。
牧師様の前で愛を誓う。
誓約書にサイン。
指輪を交換。
春樹さんがヴェールをあげる。
そして、誓いのキス。
披露宴は静かな拍手で始まり、春樹さんの友人の司会で進む。
2人で腕を組んで、テーブルの一つ一つを回ってお辞儀をして挨拶する。
春樹さんの身内のテーブルには達彦さんとイズミさん、寛菜ちゃん奈々ちゃん。
マキノの身内のテーブルには母さんと万里子姉夫婦。
新しく家族になりました。よろしくお願いします。
春樹さんの勤め先の校長先生と同僚の先生方のテーブル。
サプライズで,春樹さんのクラスの子ども達からのプレゼントと寄せ書きを校長先生がもって来てくれていた。校長先生がクラス代表のメッセージを読むと、目頭を押さえる春樹さんを見ることができた。
そして双方の学生時代の友人たちのテーブルを回る。
ひやかされたり、祝福されたりしながら、笑顔を配り歩く。
今日は、すべてのことに、すべての人に、感謝をする日。
この時代に、この場所に生まれてきてよかった。
いろんな偶然が重なって、春樹さんに出逢えて、よかった。
わたしのこと、好きになってくれてありがとう。
そして、おなかの中の命をありがとう。
みんな、みんな、祝福してくれてありがとう。
わたしも、わたしも、この世界を祝福するよ。
ずっとずっと、大事にするよ。
新郎挨拶。
本日は私たちの結婚式に出席していただき、ありがとうございます。
私たちはちょうど1年前に知り合い、互いを思いやり支えあえる伴侶として、これからの人生を2人で歩むことを決意しました。
皆様から頂きました祝福と激励を胸に、困難を乗り越え、いつも明るく、笑顔の絶えない温かい家庭を築いていきます。
未熟で至らぬ点も多い私たちですが、これまでと同様皆様方には私たちを温かく見守っていただき、ご指導お力沿えを賜りたくお願い申し上げます。
最後になりましたが、皆様のご健康とご多幸をお祈りいたしまして、私達2人のお礼の挨拶に代えさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
― ― ― ― ―
披露宴が終わり並んでみなさんをお見送りをしているときに春樹さんがヒソヒソと話しかけてくる。
「マキノ大丈夫か?」
「うん。なんとか。」
式と披露宴の間中、春樹がマキノのことばかり気にしていたのを知っている。
笑顔を絶やすわけにいかず、挨拶の間は座るわけにもいかず。
反対側にいる母さんも話しかけてくる。
「具合はどう?」
「いまいちだけど、大丈夫。」
サクラには2次会がない事を残念がられはしたが、皆を見送り家族で自分のお店へと移動した。
店では、座敷の真中にはテーブルが全部寄せてあって、大皿料理が並びパーティーの用意ができていて、スタッフ達が出迎えてくれた。
「おお、すごいなー。」
春樹さんが、第一声をあげた。
「その声で、まずは報われますー。」
とヒロトが言った。
「今日のお料理の主な材料は、我々スタッフの自腹です!」
と敏ちゃんが宣言して、笑いが起こった。ヒロトと遊と仁美さんが中心になって用意してくれたのだ。
真ん中には花束が飾られていて、そのそばにお刺身の盛り合わせが存在感を出していた。お刺身なのに純和風じゃなくて、レタスや海藻やプチトマトと香草でうまく飾られていておしゃれな感じ。カルパッチョか魚介サラダみたい。
その両脇に、揚げ物中心のオードブルがあったが、これもお弁当のような家庭料理風じゃなくて、クラッカーやチーズ・野菜やフルーツを使ってメルヘンのような演出がされている。
それに、お寿司の盛り合わせもすごい。マグロやハマチのお魚を使いながらも、アボカドやハーブを使ってアレンジしてあって、カフェ風におしゃれに仕上がっていた。ヒロト頑張ったなぁ。
「ありがとう。本当にすばらしいよ。ヒロトってすごいね。」
「いやいや・・でも、頑張りましたよ。」
「うん。感心した・・。ほんとにみんなありがとう。」
マキノがみんなの頑張りを労った。
千尋さんが「マキノちゃんたちは、ここ。」と座椅子をふたつ用意してくれた。
2人で並んで座らされるとお雛様になったみたい。
でも、お姫様らしからぬお行儀で、遠慮なく足を投げ出して座った。
春樹さんが、たびたび気にかけて様子をうかがってくる。
「これだけ気をつけているんだから、大丈夫だよ。」
だって自分のお店だもの。ここにさえ帰ってくればリラックスできるのだ。
飲み物が配られて、乾杯の音頭は達彦さんがとってくれて、みんなでごちそうを食べた。
いつもの試食会と、あまり変わらない雰囲気だ。
「いい材料使ってるんだから、おいしいに決まってるわよね。」
と仁美さんから言われて、ヒロトはまた顔をひきつらせている。
「お兄さんどうぞどうぞ。」と敏ちゃんが万里子姉の旦那さんにお酒を勧めている。
わたしでもあんまりしゃべったことがないのに。
万里子姉夫婦と母さんは、メンバーとはほとんど初対面なのに、なんだか馴染んでいておかしかった。
普段ちっともしゃべらない達彦さんも、スタッフの男子メンバーとおしゃべりして笑っている。
イズミさんが「達彦さん今日はごきげんね。」とクスクス笑った。
「マキノ。体に気をつけてね。頑張りすぎないように。」
母さんはそう言って早めに帰ると言い出した。姉夫婦と母さんを、イズミさんが駅まで送ってくれることになり、それを潮時に、宴は解散となった。
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