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97.ヒロトなりの、人生の設計
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旅行から帰った翌日から、遊のいない日常の始まりだ。
モーニングはおよそ10時半までやっているが、早い時間帯に朝食を欲する人の為の毎朝9時までの時間が、マキノ一人の仕事に戻った。
遊がいたことで、やっぱりずいぶん助かっていたという事を痛感してしまう。
常連客はちらほらとあって、込み合うほどのことはないが、コンスタントに出入りする。
カランカラン
「いらっしゃいませー。」
サラダはまとめて用意してあるので、コーヒーとベーコンエッグとトーストを同時進行する。
今日は主婦3人そろってお休みなので、工房から佳子さんが来てくれる。
千尋さんも配達が終われば来てくれるだろう。
「おはようございまーす。」
佳子さんも、指定もしていないのに黒のパンツに白いシャツで出勤してきた。
「みんな、この格好にしたいんですか?ユニフォームにして支給のほうがいいですかね?」
「ううん。みんなちょっとずつ好みがあるから自由でいいんじゃない?今いるスタッフはまだ順応性が高いらしいから黒白になってるけど、どうしても揃えたくない天邪鬼も出てくるかもしれないよ。今だってスラックスかスパッツにするかジーンズにするか、微妙に自己主張する人もいるもの。」
「そうですか・・。お店から指定したこともないんだけどな。さあて、佳子さんコーヒーにしましょうか?」
「さっそくいいの?」
「うん。佳子さんが淹れてください。」
「なるほど練習ね。私、工房も楽しいけど、こっちへ来るのすごく楽しみなのよね。」
「豆の量は覚えてます?」
「もう一度教えて。」
「了解。」
マキノは久しぶりの生徒にコーヒーの淹れ方をレクチャーする。
「ええとね、1杯分だとこれだけ。今私も欲しいから、2杯分で。」
「これ一杯と~、2杯目はこれぐらいだっけ。」
「OKです。」
「フラスコにお湯を入れて沸かして・・・。差し込む。」
「そうそう。」
「その間にカップ温めて・・。」
「上がってきたら、時間に集中してくださいね。」
「はあいっ。」
ロートを上がっていくお湯を見ながら、佳子さんがつぶやいた。
「私のお友達も、こういうことしたいって言ってたのよね・・・。」
お湯が上がりきったところで一度目の撹拌。
「前に来てくれた時から日が開いてるのになかなかよく覚えてますね。」
ポコポコとフラスコが音をたてて40秒。時間ピッタリに佳子さんが2度目の撹拌をした。
火からおろすとしゅるるとコーヒーが落ちていく。
「この瞬間がたまらないわー。」
と佳子さんが喜んだ。
そして、フラスコから、カップに注ぎ、それをソーサーに置いた。
マキノは一口飲んで「いいですね~。」
と笑った。
「佳子さんのお友達って、どんな感じでお仕事したいのかな?」
「あっ?考えてくれるの?」
「人数が増えると、シフトが細かくなるかもしれないけど、今来てくれてる主婦のみなさんは短い時間で入れるのがいいようなので、そういうのでも良かったら組めると思いますよ。」
「じゃあ、声をかけてみようかな。」
「佳子さんも、こっちと工房と両方でもいいんですか?」
「いいよ。どっちも楽しいから。」
「オールマイティな方はありがたいんですよね。実は。あ、そのお友達さんも工房とこっちと掛け持ちでもいいのかな?」
「マキノちゃんが聞いてあげて。きっと興味持つと思うから。」
「じゃあ・・・ええとわたしがここにいる時ならいつでもいいので、来てもらってくださいよ。」
「わかったわ。」
「お願いします。」
次の水曜日。カフェの定休日。マキノはヒロトの出勤時間に合わせて朝から工房に顔を出した。
「量は増えても、そんなに時間は変わらないんだね。」
「前日に用意できるし、最近はあんまりカフェで仕事してないから、楽させてもらってます。」
「して、売り上げは順調かな?」
「はぁ。たまに欲を出してたくさん持って行くと残ったりしますね。でもだいたい順調。」
「今日は美緒ちゃんは?」
「ちょっと遅れてくるって。」
「じゃあちょうどいいや。」
「・・・なんすか・・。」
「なんすかじゃないでしょが、ヒロト君。もう4月になっちゃってるのよ?美緒ちゃんももう以前の仕事やめちゃったんでしょ?」
「はぁ・・」
「・・・。ヒロト君、腹はくくりましたか?」
「はぁ。ほぼ・・。」
「美緒ちゃんはどうしてるの?」
「なんか・・・失業保険の手続きだとか、ハローワークだとかなんかよく知らないけど・・・。」
「何言ってんの。そういうことじゃなくてさ。ヒロトは何か言ってあげたの?」
「えと・・・えと・・・。言いました。」
「なにっ?なんてっ?」
「うぐっ・・」
マキノに勢いよくくいつかれて、ヒロトがひるんだ。
「ほら、なんて言ったのよ。報告もせずに。」
「いや・・こんな田舎で生活はできるか?って聞いただけですよ。」
「・・で、返事は?」
「実家も田舎だから、平気だよって・・。」
「それで、大事なのはその次よ。」
「いや、そのまま・・何も・・。」
「もぅ、これだから・・詰めが甘すぎる。」
「・・実は、当分結婚は待ってくれって言ったんですよ。」
「ほぉ・・・。」
「でももう、これからは一緒にいようかってことになってて・・。」
「それでいいんじゃない?ヒロトにしたら上出来かな。婚約しちゃって一緒にいれば?おめでとうヒロト。」
「えっ?おめでとう?」
「結婚をすることを前提に、一緒に住むってことでしょう?それって婚約じゃない。」
「でも、まだどこに住むかも・・・。」
「そうねぇ。1年ぐらいで・・一応来年中にどんな形であれ何とかするって目標にしようよ。でないと美緒ちゃんのご両親が心配されるでしょう?」
「そうなんすけど・・。」
「さて、じゃあ、そうと決まれば・・。」
マキノがヒロトの肩をバシッと叩いた。
「形なんて、どうとでもなるから、とにかく新しい工房にお引っ越し考えよう。よく聞いたら、あそこを仮住まいにできそうだったんだよ!」
「今からですか?」
「うん。5月までにしないと、美緒ちゃんの今のおうちの家賃ももったいないし。」
マキノはしばらく空中を睨んで考えた。
「ええとね、私の名前でお店として借りて、ヒロトと美緒ちゃんが仕事をしてそれに付随して宿直するってのでよくない?ほらほら考えてよヒロト。お金に余裕ができれば新居も考えていいけど、それまでは、できるだけ節約したいでしょ?」
「うん。一緒に住めるなら・・、今は無駄なカネ使いたくはないですね。」
「契約する前に、いずれ独立するかもしれない旨を大家さんに告知しておこうか。」
「独立・・?」
「経営者が私からヒロトにうつるってことだけど?」
「いや・・それはもう、マキノさんのまんまでもいいんじゃないかと・・。」
「・・・あー、ええとね~順番逆になっちゃったな・・。あのさヒロト。この際はっきり聞いておきたいんだけどね、正直に言って。ヒロト自身はこの先こんな片田舎で一生仕事するなんてイヤだって考えは、ない?」
「そういうことは、ないですよ。ここの厨房だったら、このままじゃやりづらいけど、環境で言えば、生活するなら快適だなって、わりと思ってます。」
「ほんとに?」
「いや、ホントですよ。」
「ヒロト・・・。」
「なんですか?」
「わたしね、ヒロトにいつもちょっと強引に言ってるのだけど、私の意見で自分の人生を振り回される必要はないのよ?」
「いや、感謝してますよ。かなり優遇してもらってるし・・。」
「そうじゃなくてね、ご両親のこともそうだけど、回りに振り回されてないのかな?私の示した道だけしか道がないわけじゃないのよ?」
「そうですかね・・。」
「都会で頑張って、うまく花開くかもしれないし・・・。」
「はっきり思うけど、それはないですね。」
「なんでよ?」
「オレ、シェフ見習いとしてはまだ駆け出しな方だし、都会で自分の店なんて持てるわけがないですよ。」
「じゃあ、もっと修行してえらくなっていく道もあるでしょう?」
「今の状況では、修行も独立も考えにくいです・・修行じゃ給料は低すぎて借金返せないし、独立するにしても資金もないし融資も受けられないだろうし失敗もできない。借金これ以上増やすわけにはいかないですから。今一番ありがたい道をマキノさんが提示してくれてるから、それに乗ってるけど。だからって犠牲になったり我慢しているわけじゃないですよ。」
「そう?」
「オレ・・・今の仕事楽しいですよ。」
「・・そうなの?」
「オレ程度の実力でも・・、たかがスーパーだけど、最近は一目置いてもらってる感じだし、たまに特注なんかも入るんです。自分がちょっと考えて新製品どうかなっておばちゃんに試食してもらったり、マキノさんの知らない間に、いろいろ勝手なことしてますから。おばちゃん達すごく喜んでくれますよ。」
「ヒロト・・・人気があるはずだわ。エサ撒いてるんだ・・。」
「修行は・・自分のしたい勉強はここにいてもできます。知識とか技量が足りないと思えば、その時また考えます。一生と言われると、何があるかわかんないから確約できないけど、今のところは一生でもいいぐらいに思ってるし、当分この町に腰を据えて頑張ろうと、そう考えてますから。」
「わかった。」
マキノは、ひとつ膝を叩いてスマートフォンを取り出した。
「じゃ。良い機会だから、アポとってみるね。ちょっと前にもう、打診はしてあるんだ。」
「えっ?今ですか?」
「そう。今よ。」
「・・マキノさん・・仕事が早いっすね。」
「ヒロトのほうが、仕事の手は早いのにね。」
「う・・・。」
新しい工房になる予定のお店の家主さんの名前は、南田さんと言った。
さっそく連絡を取ると、午後から見せてもらえることになった。
モーニングはおよそ10時半までやっているが、早い時間帯に朝食を欲する人の為の毎朝9時までの時間が、マキノ一人の仕事に戻った。
遊がいたことで、やっぱりずいぶん助かっていたという事を痛感してしまう。
常連客はちらほらとあって、込み合うほどのことはないが、コンスタントに出入りする。
カランカラン
「いらっしゃいませー。」
サラダはまとめて用意してあるので、コーヒーとベーコンエッグとトーストを同時進行する。
今日は主婦3人そろってお休みなので、工房から佳子さんが来てくれる。
千尋さんも配達が終われば来てくれるだろう。
「おはようございまーす。」
佳子さんも、指定もしていないのに黒のパンツに白いシャツで出勤してきた。
「みんな、この格好にしたいんですか?ユニフォームにして支給のほうがいいですかね?」
「ううん。みんなちょっとずつ好みがあるから自由でいいんじゃない?今いるスタッフはまだ順応性が高いらしいから黒白になってるけど、どうしても揃えたくない天邪鬼も出てくるかもしれないよ。今だってスラックスかスパッツにするかジーンズにするか、微妙に自己主張する人もいるもの。」
「そうですか・・。お店から指定したこともないんだけどな。さあて、佳子さんコーヒーにしましょうか?」
「さっそくいいの?」
「うん。佳子さんが淹れてください。」
「なるほど練習ね。私、工房も楽しいけど、こっちへ来るのすごく楽しみなのよね。」
「豆の量は覚えてます?」
「もう一度教えて。」
「了解。」
マキノは久しぶりの生徒にコーヒーの淹れ方をレクチャーする。
「ええとね、1杯分だとこれだけ。今私も欲しいから、2杯分で。」
「これ一杯と~、2杯目はこれぐらいだっけ。」
「OKです。」
「フラスコにお湯を入れて沸かして・・・。差し込む。」
「そうそう。」
「その間にカップ温めて・・。」
「上がってきたら、時間に集中してくださいね。」
「はあいっ。」
ロートを上がっていくお湯を見ながら、佳子さんがつぶやいた。
「私のお友達も、こういうことしたいって言ってたのよね・・・。」
お湯が上がりきったところで一度目の撹拌。
「前に来てくれた時から日が開いてるのになかなかよく覚えてますね。」
ポコポコとフラスコが音をたてて40秒。時間ピッタリに佳子さんが2度目の撹拌をした。
火からおろすとしゅるるとコーヒーが落ちていく。
「この瞬間がたまらないわー。」
と佳子さんが喜んだ。
そして、フラスコから、カップに注ぎ、それをソーサーに置いた。
マキノは一口飲んで「いいですね~。」
と笑った。
「佳子さんのお友達って、どんな感じでお仕事したいのかな?」
「あっ?考えてくれるの?」
「人数が増えると、シフトが細かくなるかもしれないけど、今来てくれてる主婦のみなさんは短い時間で入れるのがいいようなので、そういうのでも良かったら組めると思いますよ。」
「じゃあ、声をかけてみようかな。」
「佳子さんも、こっちと工房と両方でもいいんですか?」
「いいよ。どっちも楽しいから。」
「オールマイティな方はありがたいんですよね。実は。あ、そのお友達さんも工房とこっちと掛け持ちでもいいのかな?」
「マキノちゃんが聞いてあげて。きっと興味持つと思うから。」
「じゃあ・・・ええとわたしがここにいる時ならいつでもいいので、来てもらってくださいよ。」
「わかったわ。」
「お願いします。」
次の水曜日。カフェの定休日。マキノはヒロトの出勤時間に合わせて朝から工房に顔を出した。
「量は増えても、そんなに時間は変わらないんだね。」
「前日に用意できるし、最近はあんまりカフェで仕事してないから、楽させてもらってます。」
「して、売り上げは順調かな?」
「はぁ。たまに欲を出してたくさん持って行くと残ったりしますね。でもだいたい順調。」
「今日は美緒ちゃんは?」
「ちょっと遅れてくるって。」
「じゃあちょうどいいや。」
「・・・なんすか・・。」
「なんすかじゃないでしょが、ヒロト君。もう4月になっちゃってるのよ?美緒ちゃんももう以前の仕事やめちゃったんでしょ?」
「はぁ・・」
「・・・。ヒロト君、腹はくくりましたか?」
「はぁ。ほぼ・・。」
「美緒ちゃんはどうしてるの?」
「なんか・・・失業保険の手続きだとか、ハローワークだとかなんかよく知らないけど・・・。」
「何言ってんの。そういうことじゃなくてさ。ヒロトは何か言ってあげたの?」
「えと・・・えと・・・。言いました。」
「なにっ?なんてっ?」
「うぐっ・・」
マキノに勢いよくくいつかれて、ヒロトがひるんだ。
「ほら、なんて言ったのよ。報告もせずに。」
「いや・・こんな田舎で生活はできるか?って聞いただけですよ。」
「・・で、返事は?」
「実家も田舎だから、平気だよって・・。」
「それで、大事なのはその次よ。」
「いや、そのまま・・何も・・。」
「もぅ、これだから・・詰めが甘すぎる。」
「・・実は、当分結婚は待ってくれって言ったんですよ。」
「ほぉ・・・。」
「でももう、これからは一緒にいようかってことになってて・・。」
「それでいいんじゃない?ヒロトにしたら上出来かな。婚約しちゃって一緒にいれば?おめでとうヒロト。」
「えっ?おめでとう?」
「結婚をすることを前提に、一緒に住むってことでしょう?それって婚約じゃない。」
「でも、まだどこに住むかも・・・。」
「そうねぇ。1年ぐらいで・・一応来年中にどんな形であれ何とかするって目標にしようよ。でないと美緒ちゃんのご両親が心配されるでしょう?」
「そうなんすけど・・。」
「さて、じゃあ、そうと決まれば・・。」
マキノがヒロトの肩をバシッと叩いた。
「形なんて、どうとでもなるから、とにかく新しい工房にお引っ越し考えよう。よく聞いたら、あそこを仮住まいにできそうだったんだよ!」
「今からですか?」
「うん。5月までにしないと、美緒ちゃんの今のおうちの家賃ももったいないし。」
マキノはしばらく空中を睨んで考えた。
「ええとね、私の名前でお店として借りて、ヒロトと美緒ちゃんが仕事をしてそれに付随して宿直するってのでよくない?ほらほら考えてよヒロト。お金に余裕ができれば新居も考えていいけど、それまでは、できるだけ節約したいでしょ?」
「うん。一緒に住めるなら・・、今は無駄なカネ使いたくはないですね。」
「契約する前に、いずれ独立するかもしれない旨を大家さんに告知しておこうか。」
「独立・・?」
「経営者が私からヒロトにうつるってことだけど?」
「いや・・それはもう、マキノさんのまんまでもいいんじゃないかと・・。」
「・・・あー、ええとね~順番逆になっちゃったな・・。あのさヒロト。この際はっきり聞いておきたいんだけどね、正直に言って。ヒロト自身はこの先こんな片田舎で一生仕事するなんてイヤだって考えは、ない?」
「そういうことは、ないですよ。ここの厨房だったら、このままじゃやりづらいけど、環境で言えば、生活するなら快適だなって、わりと思ってます。」
「ほんとに?」
「いや、ホントですよ。」
「ヒロト・・・。」
「なんですか?」
「わたしね、ヒロトにいつもちょっと強引に言ってるのだけど、私の意見で自分の人生を振り回される必要はないのよ?」
「いや、感謝してますよ。かなり優遇してもらってるし・・。」
「そうじゃなくてね、ご両親のこともそうだけど、回りに振り回されてないのかな?私の示した道だけしか道がないわけじゃないのよ?」
「そうですかね・・。」
「都会で頑張って、うまく花開くかもしれないし・・・。」
「はっきり思うけど、それはないですね。」
「なんでよ?」
「オレ、シェフ見習いとしてはまだ駆け出しな方だし、都会で自分の店なんて持てるわけがないですよ。」
「じゃあ、もっと修行してえらくなっていく道もあるでしょう?」
「今の状況では、修行も独立も考えにくいです・・修行じゃ給料は低すぎて借金返せないし、独立するにしても資金もないし融資も受けられないだろうし失敗もできない。借金これ以上増やすわけにはいかないですから。今一番ありがたい道をマキノさんが提示してくれてるから、それに乗ってるけど。だからって犠牲になったり我慢しているわけじゃないですよ。」
「そう?」
「オレ・・・今の仕事楽しいですよ。」
「・・そうなの?」
「オレ程度の実力でも・・、たかがスーパーだけど、最近は一目置いてもらってる感じだし、たまに特注なんかも入るんです。自分がちょっと考えて新製品どうかなっておばちゃんに試食してもらったり、マキノさんの知らない間に、いろいろ勝手なことしてますから。おばちゃん達すごく喜んでくれますよ。」
「ヒロト・・・人気があるはずだわ。エサ撒いてるんだ・・。」
「修行は・・自分のしたい勉強はここにいてもできます。知識とか技量が足りないと思えば、その時また考えます。一生と言われると、何があるかわかんないから確約できないけど、今のところは一生でもいいぐらいに思ってるし、当分この町に腰を据えて頑張ろうと、そう考えてますから。」
「わかった。」
マキノは、ひとつ膝を叩いてスマートフォンを取り出した。
「じゃ。良い機会だから、アポとってみるね。ちょっと前にもう、打診はしてあるんだ。」
「えっ?今ですか?」
「そう。今よ。」
「・・マキノさん・・仕事が早いっすね。」
「ヒロトのほうが、仕事の手は早いのにね。」
「う・・・。」
新しい工房になる予定のお店の家主さんの名前は、南田さんと言った。
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