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カフェ開業へ
春樹さんのバイク
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「お、おお、おめでとうございます。ば、バイクに乗ってるんですか?」
ちょっと上ずった声になったかもしれない。
春樹さんはにっこり笑顔になった。
「うん。見る?」
「あ、はい。」
表に出ると、自分の薄汚れたバイクの隣に、ピカピカのビッグバイクが停まっていた。
春樹さんのバイクはカワサキのニンジャ900だ。
バイクを見ると、余分なドキドキが収まった。
「わあ・・男カワサキ。900じゃないですか。大型かぁ。かっこいい・・。自分には無理と思って無難なバイクを選んじゃったけど,私、カワサキ好きなんですよ。」
「ほぅ。男のロマンが理解できるんだ。」
「いや・・、好きだけど、詳しくはないです。きれいですね。私の埃だらけではずかしいなぁ。」
「マキノちゃんはVTRだったんだね。」
「無難でしょ。」
「そうかな。」
「春樹さんは、この寒いのに、これからどこか行くの?」
「いや・・これといったあては・・、マキノちゃんは、これで実家から戻ってきたの?」
「はい。」
「この寒いのに・・。」
という言葉が自分と春樹さんの両方の声が重なった。
思わず顔を見合わせて、あはは・・と笑った。自然に話ができるのは、バイクのおかげだ
「たまに乗ってやらないと、バイクもすねるからね。」
「はい。うちの子、半年もほったらかしてたから・・、だけどちゃんと動きました。」
「それは運がいい。バッテリーなんて半年放置したらからっぽになるでしょう。」
「しかし、春樹さんのバイク、ホントにきれいだなぁ・・私も掃除しようと思うんだけど、なんか水をかけるのが不安で。バイクって機械がむき出しだから水がかかるといけない部分があるんじゃないかと思って。」
「ああ、その気持ちはわかるね。」
「あ、そうだ。年末は、机をありがとうございました。これ使わせてもらってますよ。」
「うんいい感じになったね。葛蔓も上手に巻いてある。」
「ところで、あの・・今日は、なんの御用でここへ・・?」
「・・ご用って。この店の前に見慣れないバイクがあったから、停まってよく見ようと思っただけなんだよ。そしたら、オープンってプレートがあって。マキノちゃんが看板出したんでしょう?まさか元旦にやってるのか?と思って、玄関開けちゃった。」
「ああ・・あっ?、もしかしてお客様になってもらえるの!?」
「なってもいいなら、ね。」
「いやいや、どうぞどうぞ。」
マキノは、春樹さんを店の中へと招いた。
マキノは厨房側からカウンターの中に入り、春樹さんはカウンターの前に置いてある背もたれのない椅子に座って向かい合った。
春樹さんが座ると同時に、マキノは温かいおしぼりと水をだした。
「いい匂いだね。」
「さっき豆を挽いたばかりだから。」
春樹はグローブを脱いで、大きな手でおしぼりを広げた。
指が長くてかっこいい。
「それにしても、元旦にOPEN?」
「メニューも何もないけど、コーヒー出すだけならできるかなと思って・・。」
「イズミさんが言ってたもんな。開業する日を告知しなくていいって。」
「そうなんですよ。それで気負いが無くなりました。」
「じゃあ、コーヒーお願い。」
「はい。当店第一号のお客様。ブレンドのホットコーヒーですね。ご注文承りました。」
お湯をサイフォンのフラスコに入れて火にかけて、ロートにフィルターをセットし、さっき挽いたばかりのコーヒー豆の缶を開けた。
うーんいい香り・・。
マキノは、丁寧に丁寧にと心がけながら、粉を1人前入れて、フラスコのお湯が沸騰する頃を見計らってロートを差し込んだ。お湯がロートをゆっくりと登って行き、全部あがりきったところを手早くへらでかき混ぜ、抽出を待つ。
春樹さんは、座ったままあちこち見渡している。
「夜とはまた雰囲気が変るね・・落ち着く。」
そう言われて、マキノはにっこり笑顔になった。落ち着く・・欲しかった言葉だ。
「ありがとうございます。」
フラスコがポコポコとかわいらしい音を立てる。40秒で火を消し、もう一度ロートの中のコーヒーをクルクルクルっとかき混ぜてフラスコに落ちるのを待った。温めてあったカップにコーヒーを注ぎソーサーにのせ、スプーンをつけてカウンターごしに進めた。
「どうぞ。ミルクとお砂糖は?」
「いや、ブラックで。」
白いカップからゆらりと湯気が舞う。自作のフィナンシェも勧めてみた。
「これも自分で焼いたの?」
「そう。自分でもうまくできたと思ってるの。」
「ほぉ。」
もっと何か話をしたいけど、話題が思いつかない。
もどかしくてくすぐったいような時間がゆっくり過ぎて行く。
「おいしいね。」
「ありがとうございます。」
カウンターに肘をついてコーヒーを味わいながら、春樹のほうから話しかけてきた。
「マキノちゃんってさ・・そもそも、どうして御芳にやって来たの?」
そう問われてマキノは、はて?と首をかしげた。
「ここに・・カフェを開いたことではなくて場所ですよね。えーと、なんとなくです。」
「なんとなく?それだけ?」
「今思えば、ここじゃなくてもよかったかもしれません。」
カフェをするきっかけは、小旅行のことだったり、病院で甲状腺癌かもと脅されて焦ったこととか、いろいろあったけれども、この土地に執着する必要はなかった。
「でも他じゃなくて、ここにしようと思ったのは、えーと。たまたまこの物件の話も舞い込んだし、以前来たときの印象が良かったし、縁があるような気がしたから。」
「ふうん。」
「じゃあ、聞きますよ。春樹さんはどうして教師になったんですか?」
「えー、オレ?・・そうだな。なんでだろ・・。なんとなくなってたな。」
「その答え、わたしのさっきの答えと同じ・・。」
「はは、言われてみればそうだったか。ところで、マキノちゃん、もう一つ聞いてもいい?」
「何ですか?」
「今、何才?」
「えっ・・先に言ってくださいよ。春樹さんこそ何才ですか?」
「オレ二十九歳、独身。もうすぐ三十歳。」
「私、二十六。独身。・・バイクに乗るような年ではないですよね。」
「いや・・あれは年齢には関係ないよ。最近の若い子ってバイクに興味もたないし。」
「でも、体力はいりますよ。」
「そうだね。暑さ寒さも厳しいしね。」
「春樹さんのバイクも、山本モータースさんで整備するんですか?」
「そうだよ。いい人だ。兄貴も昔乗ってて、世話になってた。」
「山本さんの旦那さんとお兄さん、仲がよさそうですよね。」
「うん。歳は少し違うのに、なんか気が合うんだろうね。」
「あ、春樹さんって、お兄さん達のご家族と仲良しだけど、同居ですか?」
「いや違うよ。200mぐらい離れてる・・いや、そんなにないかな。」
「200m?」
「兄貴が結婚して、実家の近所に自分達の家を建てたんだよ。その後、オレは大学で一人暮らししてて地元に帰って来た。その頃はまだ親がいたんだけどね。両親は、それぞれ病気で亡くなって、今は一人で暮らしてる。」
「そうかぁ・・ひとりなのかぁ。」
一人か・・寂しくないのかな?・・私は一人暮らしを寂しいと思った事はないけど。
春樹さんのことが、少しずつ分かってくるのは新鮮だ。そして春樹さんの静かな声が心地いい。もうすこし、もうすこしおしゃべりしていたいと思ったけれど・・、今日は、車を取りに実家へ帰るべきか、このままおしゃべりしていようか、迷いはじめた。
こうして二人でいられる時間が終わるのが名残惜しい。
最終のバスは何時だったか、時計をちらりと見てしまった。
その様子に気づいたのか「何か予定があったの?」と春樹から尋ねられた。
「ううん。予定と言うほどのことではなくて、今日バイクでこっちに来て車を実家に置いてきたから、電車で一度帰って取ってこようと思ってて。・・明日でもいいんですけどね。」
「なーるほど。じゃあ、駅までオレが乗せて行ってあげようか?」
「えっ?いいんですか?」
「バイクの後ろは無理?」
「いえ、いえいえ。ありがたいです。じゃあ今、電車の時間調べます。あったかい格好してくるから、ちょっと待ってて。ニンジャのタンデム乗ってみたい!」
一瞬でマキノの意識はニンジャのタンデムに飛んでしまった。
バイクウェアで電車に乗るのは嫌だから、Gパンの下にあったかいインナーを履いて上着はダウンで・・。駅までの十五分ぐらいなら耐えられるはず。耐える。
春樹さんが立ち上がり待ってくれている間に、パタパタと出かける支度をする。ヒーターはタイマーにして、あちこちつけたストーブ類は全部消して、玄関と入口の灯りはつけたままで。来る時と同じリュック型のバッグを背負いヘルメットを抱えた。
「お待たせしました!」
「お勘定忘れてるよ?」
「そんなの、いいですよ。」
「ダメだなぁ、最初なんだから、縁起をかつがなくちゃ。」
春樹さんがレジの横に五百円玉を置いた。
「そっか・・。じゃあ、ありがたくいただきます。今後とも当店をよろしく!」
マキノはレジをカシャンと開けて、おつりを二百円渡した。
そして玄関の鍵をかけOPENのプレートをひっくり返した。
ちょっと上ずった声になったかもしれない。
春樹さんはにっこり笑顔になった。
「うん。見る?」
「あ、はい。」
表に出ると、自分の薄汚れたバイクの隣に、ピカピカのビッグバイクが停まっていた。
春樹さんのバイクはカワサキのニンジャ900だ。
バイクを見ると、余分なドキドキが収まった。
「わあ・・男カワサキ。900じゃないですか。大型かぁ。かっこいい・・。自分には無理と思って無難なバイクを選んじゃったけど,私、カワサキ好きなんですよ。」
「ほぅ。男のロマンが理解できるんだ。」
「いや・・、好きだけど、詳しくはないです。きれいですね。私の埃だらけではずかしいなぁ。」
「マキノちゃんはVTRだったんだね。」
「無難でしょ。」
「そうかな。」
「春樹さんは、この寒いのに、これからどこか行くの?」
「いや・・これといったあては・・、マキノちゃんは、これで実家から戻ってきたの?」
「はい。」
「この寒いのに・・。」
という言葉が自分と春樹さんの両方の声が重なった。
思わず顔を見合わせて、あはは・・と笑った。自然に話ができるのは、バイクのおかげだ
「たまに乗ってやらないと、バイクもすねるからね。」
「はい。うちの子、半年もほったらかしてたから・・、だけどちゃんと動きました。」
「それは運がいい。バッテリーなんて半年放置したらからっぽになるでしょう。」
「しかし、春樹さんのバイク、ホントにきれいだなぁ・・私も掃除しようと思うんだけど、なんか水をかけるのが不安で。バイクって機械がむき出しだから水がかかるといけない部分があるんじゃないかと思って。」
「ああ、その気持ちはわかるね。」
「あ、そうだ。年末は、机をありがとうございました。これ使わせてもらってますよ。」
「うんいい感じになったね。葛蔓も上手に巻いてある。」
「ところで、あの・・今日は、なんの御用でここへ・・?」
「・・ご用って。この店の前に見慣れないバイクがあったから、停まってよく見ようと思っただけなんだよ。そしたら、オープンってプレートがあって。マキノちゃんが看板出したんでしょう?まさか元旦にやってるのか?と思って、玄関開けちゃった。」
「ああ・・あっ?、もしかしてお客様になってもらえるの!?」
「なってもいいなら、ね。」
「いやいや、どうぞどうぞ。」
マキノは、春樹さんを店の中へと招いた。
マキノは厨房側からカウンターの中に入り、春樹さんはカウンターの前に置いてある背もたれのない椅子に座って向かい合った。
春樹さんが座ると同時に、マキノは温かいおしぼりと水をだした。
「いい匂いだね。」
「さっき豆を挽いたばかりだから。」
春樹はグローブを脱いで、大きな手でおしぼりを広げた。
指が長くてかっこいい。
「それにしても、元旦にOPEN?」
「メニューも何もないけど、コーヒー出すだけならできるかなと思って・・。」
「イズミさんが言ってたもんな。開業する日を告知しなくていいって。」
「そうなんですよ。それで気負いが無くなりました。」
「じゃあ、コーヒーお願い。」
「はい。当店第一号のお客様。ブレンドのホットコーヒーですね。ご注文承りました。」
お湯をサイフォンのフラスコに入れて火にかけて、ロートにフィルターをセットし、さっき挽いたばかりのコーヒー豆の缶を開けた。
うーんいい香り・・。
マキノは、丁寧に丁寧にと心がけながら、粉を1人前入れて、フラスコのお湯が沸騰する頃を見計らってロートを差し込んだ。お湯がロートをゆっくりと登って行き、全部あがりきったところを手早くへらでかき混ぜ、抽出を待つ。
春樹さんは、座ったままあちこち見渡している。
「夜とはまた雰囲気が変るね・・落ち着く。」
そう言われて、マキノはにっこり笑顔になった。落ち着く・・欲しかった言葉だ。
「ありがとうございます。」
フラスコがポコポコとかわいらしい音を立てる。40秒で火を消し、もう一度ロートの中のコーヒーをクルクルクルっとかき混ぜてフラスコに落ちるのを待った。温めてあったカップにコーヒーを注ぎソーサーにのせ、スプーンをつけてカウンターごしに進めた。
「どうぞ。ミルクとお砂糖は?」
「いや、ブラックで。」
白いカップからゆらりと湯気が舞う。自作のフィナンシェも勧めてみた。
「これも自分で焼いたの?」
「そう。自分でもうまくできたと思ってるの。」
「ほぉ。」
もっと何か話をしたいけど、話題が思いつかない。
もどかしくてくすぐったいような時間がゆっくり過ぎて行く。
「おいしいね。」
「ありがとうございます。」
カウンターに肘をついてコーヒーを味わいながら、春樹のほうから話しかけてきた。
「マキノちゃんってさ・・そもそも、どうして御芳にやって来たの?」
そう問われてマキノは、はて?と首をかしげた。
「ここに・・カフェを開いたことではなくて場所ですよね。えーと、なんとなくです。」
「なんとなく?それだけ?」
「今思えば、ここじゃなくてもよかったかもしれません。」
カフェをするきっかけは、小旅行のことだったり、病院で甲状腺癌かもと脅されて焦ったこととか、いろいろあったけれども、この土地に執着する必要はなかった。
「でも他じゃなくて、ここにしようと思ったのは、えーと。たまたまこの物件の話も舞い込んだし、以前来たときの印象が良かったし、縁があるような気がしたから。」
「ふうん。」
「じゃあ、聞きますよ。春樹さんはどうして教師になったんですか?」
「えー、オレ?・・そうだな。なんでだろ・・。なんとなくなってたな。」
「その答え、わたしのさっきの答えと同じ・・。」
「はは、言われてみればそうだったか。ところで、マキノちゃん、もう一つ聞いてもいい?」
「何ですか?」
「今、何才?」
「えっ・・先に言ってくださいよ。春樹さんこそ何才ですか?」
「オレ二十九歳、独身。もうすぐ三十歳。」
「私、二十六。独身。・・バイクに乗るような年ではないですよね。」
「いや・・あれは年齢には関係ないよ。最近の若い子ってバイクに興味もたないし。」
「でも、体力はいりますよ。」
「そうだね。暑さ寒さも厳しいしね。」
「春樹さんのバイクも、山本モータースさんで整備するんですか?」
「そうだよ。いい人だ。兄貴も昔乗ってて、世話になってた。」
「山本さんの旦那さんとお兄さん、仲がよさそうですよね。」
「うん。歳は少し違うのに、なんか気が合うんだろうね。」
「あ、春樹さんって、お兄さん達のご家族と仲良しだけど、同居ですか?」
「いや違うよ。200mぐらい離れてる・・いや、そんなにないかな。」
「200m?」
「兄貴が結婚して、実家の近所に自分達の家を建てたんだよ。その後、オレは大学で一人暮らししてて地元に帰って来た。その頃はまだ親がいたんだけどね。両親は、それぞれ病気で亡くなって、今は一人で暮らしてる。」
「そうかぁ・・ひとりなのかぁ。」
一人か・・寂しくないのかな?・・私は一人暮らしを寂しいと思った事はないけど。
春樹さんのことが、少しずつ分かってくるのは新鮮だ。そして春樹さんの静かな声が心地いい。もうすこし、もうすこしおしゃべりしていたいと思ったけれど・・、今日は、車を取りに実家へ帰るべきか、このままおしゃべりしていようか、迷いはじめた。
こうして二人でいられる時間が終わるのが名残惜しい。
最終のバスは何時だったか、時計をちらりと見てしまった。
その様子に気づいたのか「何か予定があったの?」と春樹から尋ねられた。
「ううん。予定と言うほどのことではなくて、今日バイクでこっちに来て車を実家に置いてきたから、電車で一度帰って取ってこようと思ってて。・・明日でもいいんですけどね。」
「なーるほど。じゃあ、駅までオレが乗せて行ってあげようか?」
「えっ?いいんですか?」
「バイクの後ろは無理?」
「いえ、いえいえ。ありがたいです。じゃあ今、電車の時間調べます。あったかい格好してくるから、ちょっと待ってて。ニンジャのタンデム乗ってみたい!」
一瞬でマキノの意識はニンジャのタンデムに飛んでしまった。
バイクウェアで電車に乗るのは嫌だから、Gパンの下にあったかいインナーを履いて上着はダウンで・・。駅までの十五分ぐらいなら耐えられるはず。耐える。
春樹さんが立ち上がり待ってくれている間に、パタパタと出かける支度をする。ヒーターはタイマーにして、あちこちつけたストーブ類は全部消して、玄関と入口の灯りはつけたままで。来る時と同じリュック型のバッグを背負いヘルメットを抱えた。
「お待たせしました!」
「お勘定忘れてるよ?」
「そんなの、いいですよ。」
「ダメだなぁ、最初なんだから、縁起をかつがなくちゃ。」
春樹さんがレジの横に五百円玉を置いた。
「そっか・・。じゃあ、ありがたくいただきます。今後とも当店をよろしく!」
マキノはレジをカシャンと開けて、おつりを二百円渡した。
そして玄関の鍵をかけOPENのプレートをひっくり返した。
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これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
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