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カフェをめぐる物語(1)
トラウマ
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春樹さんが、ご家族・・。
ここまで連れて来てくれたから、病院の人が勝手に勘違いしたんだな。
処置室に入ってきた春樹さんは、怖い顔をしていて何もしゃべらない。
私より春樹さんのほうが具合が悪いんじゃないかという顔をしてる。
「病室の用意ができましたよ。」
看護婦さんが車イスを押して案内してくれた。春樹さんも無言のままついてくる。
病室は個室だった。
ベッドに座らされて、入院に際しての説明をひととおり受けると看護婦さんが退室していった。
みんないなくなって、病室にふたりきり・・。
他に誰もいないよ?
春樹さんは突っ立ったままだ。
・・・しーん。
しゃべらないの?
おそるおそる、春樹さんに声をかけてみた。
「春樹さん?・・・」
「・・・。」
返事がない。
「ど・・どうしたの?」
「マキノ・・。」
やっと声を出した春樹さんのくちびるがわずかに震えていて、何かを言おうとしてる。
けれど声にならない。じっと、わたしを見てる。
少し苦しそうな顔をして、みるみる大粒の涙がふくらんできた。
・・あ・・・溢れる・・。
春樹さんは小学生がするように、袖口で涙を拭いた。
歯を食いしばっているのがわかった。
「あの・・ごめんなさ・・。」
春樹さんは声をださずにマキノを抱きすくめた。
抱きしめる・・というよりもしがみつくの方が近い気がした。
「わたし、大丈夫だよ?」
「・・・っ・・・。」
イズミさんが言ってたことを思い出した。この人は一度、大事な人を事故で失ってる。
自分が・・春樹さんのトラウマを刺激してしまったんだ。
しばしどうしたらいいかわからない時間が過ぎる。
マキノは春樹のその腕をゆっくりとほどいて立ち上がった。
「・・泣かないで・・。」
そして泣き顔を両手ではさんで、キスをした。
だんだん春樹から力が抜けていくのがわかった。
少し離れて顔を覗き込む。
春樹さんの表情が少し緩んだ。
そしてもう一度、マキノを抱きしめた。
マキノは春樹さんの背中に手を回して、とんとんしたり、背中をさすったり・・
頭もなでてあげたかったけれど、手が届かなかった。
コンコン。
病室のドアをノックする音が聞こえて、春樹さんがようやくマキノを離した。
「はぃ。」
マキノが返事をすると、イズミさんが入ってきた。
「マキノちゃん・・大丈夫・・?」
「はい。ホントすみません。私の不注意で・・。」
「朝市のおばちゃんが家まで呼びに来てくれてさ・・びっくりしたよ。警察にはマキノちゃんの電話番号言っておいたから。」
「バイクの子達はどうなりました?」
「さあ。私が現場に行ったら2人とも元気だったわよ。バイクはどうなったかまでは、よく知らないけど。」
「原付でしたよね?2人でしたっけ。」
「二人乗りの違反してたんだって。警察に怒られてたわ。」
「私の自転車は・・・あ、ジャガイモは・・あ、キャベツは・・あ、こんにゃく・・。」
「何を言うのかと思ったら。」
イズミさんが笑って、バッグからマキノがいつも持ち歩いているポーチを取り出しマキノに渡した。
「自転車はへの字に曲がっちゃったから、あれはもうダメだって。山本モータースさんに連絡して持って帰ってもらったけど、そう言ってた。マキノちゃんのお財布の入ったポーチと、野菜はおばちゃん達が拾ってくれてたの。」
「あっ、そうか・・。真央ちゃん未来ちゃんはどうしてました?今、お店は・・?」
「お留守番してもらってたけど、お昼のランチになると2人だけでは無理だと思って帰ってもらったよ。・・ポーチの中にあった鍵って、お店のだったでしょ。いろいろ勝手にしたけど、今日はわたしが閉めてきた。」
「いろいろすみません。」
「明日からはどうするの?」
「さすがにお休みで・・・ええと、まことにお手数ですが、休業中って貼っておいて欲しいんですけど・・・。」
「いいわよ。マキノちゃんもとうとう休憩しなきゃ仕方ないハメになったね。」
「一週間入院って言われたけど、長すぎると思うんです。」
「まぁそんなこと言わずにゆっくりしなさい。大事をとらないとダメよ。」
「はぁ、はぃ・・。」
「これ、必要かなと思うものもってきたから。」
タオルやティッシュ、ジャージ、マグカップ、下着まで。入院の準備物を見たわけでもないのに、適当に持って来てくれたようだ。
「ありがとうございます。すばらしい。」
「出産で入院した時のこと思い出して適当に用意したの。新しいものを買ってきてあげようかとも思ったんだけど・・・、私、マキノちゃんの私物ひっくりかえしちゃった。下着とか勝手に引っ張り出したけど身内だと思って許してちょうだいね。」
「いやぁ・・散らかってて申し訳ないというか・・。」
「何を言いますか、きれいに片付いてたから手を出してもいいかなと思ったんだもの。保険証はもってるんだっけ?」
「いつもお財布に入れてるから、ポーチ持って来てくれた中にあると思います。」
イズミさんは、小さくうなずいた。
「じゃあ・・。私は帰るけど、春ちゃんはもう少しここにいる?」
春樹はコクリとうなずいた。
「ごはんしとくから、帰りにうちに寄ってね。」
「はい。」
「マキノちゃん、実家には連絡した?」
「してません。・・したくありません。・・しません。」
「そうお? 何か欲しいものとかあったら言ってね。」
「わがまま言ってすみません・・。ありがとうございます。」
イズミさんが帰って、入れ替わりに看護士さんが入ってきた。
「事故のあとすごく血圧高かったのよ。じきに落ち着いたけど。」
血圧と心拍数を測りながらそう言った。それで何度も何度も血圧を測ってるのか。自覚はまったくなし。
「頭を打って、一度もどしたでしょ?頭の中で内出血があるとおう吐することがあるの。内出血が脳を圧迫するから怖いのよ。頭を打ってすぐ後にはなんともなくても,1日2日たってから異常が現れる時もあるし。事故のあとは緊張してて痛いところすら気づかないこともあるから。脅かすようだけど、今日はホントに安静にしててね。」
「はい。」
「横になろうか。」
看護婦さんにそう言われて、、マキノはベッドにころがった。真上を向こうとしたら、後頭部が痛かった。
しばらく横向き寝るしかないな。
あ・・そういえば、ひじもが痛い。ようやく自覚が・・。
あれ、あちこち痛い。これは腰も打ってそう。
痛みを訴えると、頭にはネット、あちこちにシップや包帯がつけられ怪我人らしくなってしまった。
看護婦さんが出て行ったら、マキノはベッドから手を伸ばした。
「春樹さん・・。」
春樹さんは、もうすでに落ち着きを取り戻していた。
「取り乱してごめん。」
そう言ってマキノが伸ばした手をとった。
ずっとつきあってきた恋人同士みたい・・と思った。
でもちがう。・・・この人は、今、心の痛みに耐えていた人・・。
「春樹さん・・。私のせいで、辛いこと思い出した?」
「・・・。」
「昔のこと、事故で恋人が亡くなったんだって、イズミさんから教えてもらったんだ。」
「そっか・・。」
「あの・・ごめんね。」
「どうして謝るの?マキノちゃんは悪くないだろ。」
「そうかもしれないけど。」
「・・・引きずっては・・ないんだよ。」
「そうなの?」
「うん・・引きずってるわけじゃ・・ないんだ。」
「立ち直るのは簡単じゃなかったって、イズミさんが言ってた。春樹さんのこと強いって。」
春樹さんは、苦笑いを含みながら、頭を軽く振った。
「強くは、ないよ。」
ううん。強いよ。
・・・今日だって最初から冷静だった。的確な判断をして行動して、取り乱してなんか・・。
春樹さんは、横を向いて、静かに小さなため息をついた。
「ふぅ・・。」
「・・あの。」
「ん?」
「あのね。」
「どした?」
「私が、退院して、お店に戻ったら・・」
「うん。」
「うちに、夕ご飯食べにきて。」
「え? 夕ご飯?」
「うん。・・私が、毎日ごはんを作るよ。」
「毎日?」
「うん・・おいしいごはん食べると、元気がでるから・・。」
「・・・。」
「本当はね、昔の春樹さんにごはん作ってあげたいなって、過去に戻れるならって、そんなことを思ったんだけど。」
「・・・。」
「とにかく・・春樹さんに、ごはん食べてもらいたいんです。」
春樹さんは、ようやくくすっと笑った。
「じゃあ、たまには・・お店に行こうかな。・・毎日は無理だけどね。マキノちゃんも、今は無理しないで。」
「・・うん。」
病院食が、運ばれてきた。
おかなが減っていたことも忘れていた。
それをきっかけに、春樹さんが立ち上がった。
「1人で食べられる?」
「大丈夫ですよ。座れるし。元気だし。」
「じゃあオレ・・そろそろ、帰るね。」
「・・うん。」
ドアを開けて帰って行く春樹さんの後姿を見送って、ああ・・寂しいな。と思った。
・・今日は、随分長い時間、一緒にいてくれた。
恋人でもなんでもないのに、疑問にも思わなかった。
ハッ・・。
今日・・自分がしたことを、今頃、思い出した。
わたし・・なんであんなことしたのー!!
・・いろんな意味で・・、頭クラクラ目が回りそう・・だった。
ここまで連れて来てくれたから、病院の人が勝手に勘違いしたんだな。
処置室に入ってきた春樹さんは、怖い顔をしていて何もしゃべらない。
私より春樹さんのほうが具合が悪いんじゃないかという顔をしてる。
「病室の用意ができましたよ。」
看護婦さんが車イスを押して案内してくれた。春樹さんも無言のままついてくる。
病室は個室だった。
ベッドに座らされて、入院に際しての説明をひととおり受けると看護婦さんが退室していった。
みんないなくなって、病室にふたりきり・・。
他に誰もいないよ?
春樹さんは突っ立ったままだ。
・・・しーん。
しゃべらないの?
おそるおそる、春樹さんに声をかけてみた。
「春樹さん?・・・」
「・・・。」
返事がない。
「ど・・どうしたの?」
「マキノ・・。」
やっと声を出した春樹さんのくちびるがわずかに震えていて、何かを言おうとしてる。
けれど声にならない。じっと、わたしを見てる。
少し苦しそうな顔をして、みるみる大粒の涙がふくらんできた。
・・あ・・・溢れる・・。
春樹さんは小学生がするように、袖口で涙を拭いた。
歯を食いしばっているのがわかった。
「あの・・ごめんなさ・・。」
春樹さんは声をださずにマキノを抱きすくめた。
抱きしめる・・というよりもしがみつくの方が近い気がした。
「わたし、大丈夫だよ?」
「・・・っ・・・。」
イズミさんが言ってたことを思い出した。この人は一度、大事な人を事故で失ってる。
自分が・・春樹さんのトラウマを刺激してしまったんだ。
しばしどうしたらいいかわからない時間が過ぎる。
マキノは春樹のその腕をゆっくりとほどいて立ち上がった。
「・・泣かないで・・。」
そして泣き顔を両手ではさんで、キスをした。
だんだん春樹から力が抜けていくのがわかった。
少し離れて顔を覗き込む。
春樹さんの表情が少し緩んだ。
そしてもう一度、マキノを抱きしめた。
マキノは春樹さんの背中に手を回して、とんとんしたり、背中をさすったり・・
頭もなでてあげたかったけれど、手が届かなかった。
コンコン。
病室のドアをノックする音が聞こえて、春樹さんがようやくマキノを離した。
「はぃ。」
マキノが返事をすると、イズミさんが入ってきた。
「マキノちゃん・・大丈夫・・?」
「はい。ホントすみません。私の不注意で・・。」
「朝市のおばちゃんが家まで呼びに来てくれてさ・・びっくりしたよ。警察にはマキノちゃんの電話番号言っておいたから。」
「バイクの子達はどうなりました?」
「さあ。私が現場に行ったら2人とも元気だったわよ。バイクはどうなったかまでは、よく知らないけど。」
「原付でしたよね?2人でしたっけ。」
「二人乗りの違反してたんだって。警察に怒られてたわ。」
「私の自転車は・・・あ、ジャガイモは・・あ、キャベツは・・あ、こんにゃく・・。」
「何を言うのかと思ったら。」
イズミさんが笑って、バッグからマキノがいつも持ち歩いているポーチを取り出しマキノに渡した。
「自転車はへの字に曲がっちゃったから、あれはもうダメだって。山本モータースさんに連絡して持って帰ってもらったけど、そう言ってた。マキノちゃんのお財布の入ったポーチと、野菜はおばちゃん達が拾ってくれてたの。」
「あっ、そうか・・。真央ちゃん未来ちゃんはどうしてました?今、お店は・・?」
「お留守番してもらってたけど、お昼のランチになると2人だけでは無理だと思って帰ってもらったよ。・・ポーチの中にあった鍵って、お店のだったでしょ。いろいろ勝手にしたけど、今日はわたしが閉めてきた。」
「いろいろすみません。」
「明日からはどうするの?」
「さすがにお休みで・・・ええと、まことにお手数ですが、休業中って貼っておいて欲しいんですけど・・・。」
「いいわよ。マキノちゃんもとうとう休憩しなきゃ仕方ないハメになったね。」
「一週間入院って言われたけど、長すぎると思うんです。」
「まぁそんなこと言わずにゆっくりしなさい。大事をとらないとダメよ。」
「はぁ、はぃ・・。」
「これ、必要かなと思うものもってきたから。」
タオルやティッシュ、ジャージ、マグカップ、下着まで。入院の準備物を見たわけでもないのに、適当に持って来てくれたようだ。
「ありがとうございます。すばらしい。」
「出産で入院した時のこと思い出して適当に用意したの。新しいものを買ってきてあげようかとも思ったんだけど・・・、私、マキノちゃんの私物ひっくりかえしちゃった。下着とか勝手に引っ張り出したけど身内だと思って許してちょうだいね。」
「いやぁ・・散らかってて申し訳ないというか・・。」
「何を言いますか、きれいに片付いてたから手を出してもいいかなと思ったんだもの。保険証はもってるんだっけ?」
「いつもお財布に入れてるから、ポーチ持って来てくれた中にあると思います。」
イズミさんは、小さくうなずいた。
「じゃあ・・。私は帰るけど、春ちゃんはもう少しここにいる?」
春樹はコクリとうなずいた。
「ごはんしとくから、帰りにうちに寄ってね。」
「はい。」
「マキノちゃん、実家には連絡した?」
「してません。・・したくありません。・・しません。」
「そうお? 何か欲しいものとかあったら言ってね。」
「わがまま言ってすみません・・。ありがとうございます。」
イズミさんが帰って、入れ替わりに看護士さんが入ってきた。
「事故のあとすごく血圧高かったのよ。じきに落ち着いたけど。」
血圧と心拍数を測りながらそう言った。それで何度も何度も血圧を測ってるのか。自覚はまったくなし。
「頭を打って、一度もどしたでしょ?頭の中で内出血があるとおう吐することがあるの。内出血が脳を圧迫するから怖いのよ。頭を打ってすぐ後にはなんともなくても,1日2日たってから異常が現れる時もあるし。事故のあとは緊張してて痛いところすら気づかないこともあるから。脅かすようだけど、今日はホントに安静にしててね。」
「はい。」
「横になろうか。」
看護婦さんにそう言われて、、マキノはベッドにころがった。真上を向こうとしたら、後頭部が痛かった。
しばらく横向き寝るしかないな。
あ・・そういえば、ひじもが痛い。ようやく自覚が・・。
あれ、あちこち痛い。これは腰も打ってそう。
痛みを訴えると、頭にはネット、あちこちにシップや包帯がつけられ怪我人らしくなってしまった。
看護婦さんが出て行ったら、マキノはベッドから手を伸ばした。
「春樹さん・・。」
春樹さんは、もうすでに落ち着きを取り戻していた。
「取り乱してごめん。」
そう言ってマキノが伸ばした手をとった。
ずっとつきあってきた恋人同士みたい・・と思った。
でもちがう。・・・この人は、今、心の痛みに耐えていた人・・。
「春樹さん・・。私のせいで、辛いこと思い出した?」
「・・・。」
「昔のこと、事故で恋人が亡くなったんだって、イズミさんから教えてもらったんだ。」
「そっか・・。」
「あの・・ごめんね。」
「どうして謝るの?マキノちゃんは悪くないだろ。」
「そうかもしれないけど。」
「・・・引きずっては・・ないんだよ。」
「そうなの?」
「うん・・引きずってるわけじゃ・・ないんだ。」
「立ち直るのは簡単じゃなかったって、イズミさんが言ってた。春樹さんのこと強いって。」
春樹さんは、苦笑いを含みながら、頭を軽く振った。
「強くは、ないよ。」
ううん。強いよ。
・・・今日だって最初から冷静だった。的確な判断をして行動して、取り乱してなんか・・。
春樹さんは、横を向いて、静かに小さなため息をついた。
「ふぅ・・。」
「・・あの。」
「ん?」
「あのね。」
「どした?」
「私が、退院して、お店に戻ったら・・」
「うん。」
「うちに、夕ご飯食べにきて。」
「え? 夕ご飯?」
「うん。・・私が、毎日ごはんを作るよ。」
「毎日?」
「うん・・おいしいごはん食べると、元気がでるから・・。」
「・・・。」
「本当はね、昔の春樹さんにごはん作ってあげたいなって、過去に戻れるならって、そんなことを思ったんだけど。」
「・・・。」
「とにかく・・春樹さんに、ごはん食べてもらいたいんです。」
春樹さんは、ようやくくすっと笑った。
「じゃあ、たまには・・お店に行こうかな。・・毎日は無理だけどね。マキノちゃんも、今は無理しないで。」
「・・うん。」
病院食が、運ばれてきた。
おかなが減っていたことも忘れていた。
それをきっかけに、春樹さんが立ち上がった。
「1人で食べられる?」
「大丈夫ですよ。座れるし。元気だし。」
「じゃあオレ・・そろそろ、帰るね。」
「・・うん。」
ドアを開けて帰って行く春樹さんの後姿を見送って、ああ・・寂しいな。と思った。
・・今日は、随分長い時間、一緒にいてくれた。
恋人でもなんでもないのに、疑問にも思わなかった。
ハッ・・。
今日・・自分がしたことを、今頃、思い出した。
わたし・・なんであんなことしたのー!!
・・いろんな意味で・・、頭クラクラ目が回りそう・・だった。
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