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第九話 ドラゴンちんぽをぶちこまれたい 後編
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クロエが通りすがりの冒険者から便器扱いを受けているその頃、ルドヴィカは特段に強い魔力が漂う坑道の最奥へと向かっていた。
恐らく古代竜が発しているのであろうそれは、スレミーのような他の魔物のものとも、ルドヴィカのような人間のものとも全く違う、酷く重苦しい魔力であった。
「こんな重たい魔力、今まで感じたことがない…。これは期待以上のとんでもないデカチン、もといデカブツに違いないわね…♡」
飢えた獣のように口から涎、下の口から愛液を垂らしながら、ルドヴィカが先へと急ぐ。
クロエはスレミーが足止めしてくれているものの、それがいつまで保つかもわからないうえ、いつ他の冒険者が討伐に来るともしれない。
いくらルドヴィカが淫獣そのものの変態とはいえ、自分の痴態を他の人間に見られることは絶対に避けたいのだ。
「それにしても無駄に広い坑道…。ここまで歩き通しだとさすがに疲れてきちゃったわ」
【ならば疾く逃げ帰るがよい、人間よ】
「え…!?」
ふとルドヴィカが独り言で呟いた言葉に、突如何者かの声が返ってきた。
驚いたルドヴィカは咄嗟に周りを光魔法で照らすが、辺りには人はおろか、魔物の影も形もない。
恐らくここから遠く離れた場所から心伝魔法で話しかけられているのだろうが、国内随一の魔導の天才であるルドヴィカをもってしても、心伝魔法で意思疎通ができる対象との距離は半径5m以内が限度だ。
即ちこの声の主は、ルドヴィカより遥かに膨大で高純度の魔力を持つ者であるということに相違ないのであろう。
「…そう、あんたが古代竜ね」
【ほう、知っておったか。儂の正体を知って尚ここまで来るとは、相当腕に自信のある自惚れか、恐れ知らずの大間抜けか…】
ルドヴィカの予想通り、声の主はこの坑道の奥に潜む古代竜で間違いないようだ。
ようやくお目当ての魔物との接触が叶ったルドヴィカであったが、実のところを言うとこの段階で8割ほど意気消沈していた。
何故ならばこの時点で、古代竜がルドヴィカの最大の地雷である“喋る竿”であることが確定してしまったからである。
(うげぇ~っ…。古代竜ともなるとスレミーより知能高そうだし、もしかするとと思って覚悟はしてたけど…。やっぱりこいつも喋るんかい…)
この時、ルドヴィカの脳内にはふたつの選択肢が浮かびあがってきた。
このまま素直に踵を返して逃げ帰るか、地雷であることに目を瞑って古代竜のドラゴンちんぽを堪能するかの二択である。
(今まで大体の魔物は瞬殺できてたけど、さすがに古代竜相手にひとりで挑んで勝てるとは思えないし…。でもこいつ以外に現存する古代竜いないし、ここを逃したら二度と本物のドラゴンちんぽを味わえないんだよなぁ…。う~ん、迷う~~~!)
【…何やら邪なことを企んでいるようだが、はよう逃げ帰るのがぬしの為ぞ】
「!? えっ、よ、邪って…! まさかわたしの心読んだ!?」
【いや、妙な気配を察したまでよ。だが当たらずも遠からず、といったところのようだな】
危うく「ドラゴンのクソでかちんぽをぶちこまれておまんこ壊されたい」などと考えていることを見抜かれたのかと思って慌てたものの、単に勘が鋭いだけだとわかってルドヴィカはホッと胸を撫で下ろした。
古代竜の言う通り、身の安全を第一に考えるのであれば、今ここで踵を返すのが得策だということはルドヴィカにも理解できる。
とはいえ当の相手からここまで逃げ帰ることを推奨されてしまうと、なんだか負けたような気がして癪というのも本音であった。
「…そうね。やらない後悔よりやる後悔、っていうものね」
【?】
「わたしはあんたの討伐なんか、大して興味はない。けれどわたしの目的だけは果たさせてもらうわ!」
もうこの際、地雷案件であることには目を瞑ろう。
せっかく前の世では果たせなかった欲望が全て叶う世界に転生を果たしたのだ。
二度目の人生は、たとえ後悔することがあろうが何だろうが、とにかく思いっきりヤりまくる。
ルドヴィカはそう決意を固めると、強い魔力に導かれるように坑道の奥に向かって走り出した。
【ふむ…どうやら大間抜けの方であったようだな。この儂に戦いを挑むとは、命知らずの愚か者よ…】
走れば走るほど、重苦しく密度の濃い魔力が全身にのしかかってきて、息苦しささえ感じるほどだった。
しかしこの息苦しさこそが、古代竜の居場所まであと少しで辿り着けるという証でもある。
もうすぐだ、もうすぐ古代竜のもとまで辿り着ける。
はやくはやく、挿入しただけでボテ腹になっちゃいそうな超絶巨根をぶちこんで、まんひだこそげ落ちて子宮口が潰れちゃうほど暴力的なピストンをかまして♡♡♡
二重の意味で息を切らしながら暗い坑道を走り抜け、ルドヴィカはとうとう最奥へと辿りつく。
「覚悟しなさいよ、古代竜! あんたのその馬鹿でかちんぽは、このルドヴィカ・アールノートがいただくからね!」
ルドヴィカの光魔法が暗闇を照らすと、闇の中に溶け込んでいた黒い鱗が現れた。
幼体とだけあってその身は決して大きくはなく、前世の世界でいうところの普通自動車程度の大きさであったが、バジリスクと誤認したという経緯を考えれば納得のいく大きさだ。
だが魔物にしては精悍な顔立ちに、鋭く光る牙と爪、そして何よりその身に纏う圧倒的な魔力は、バジリスクなどとは比べ物にならないほどに強大なものであった。
(んんーっ♡ イイ感じにちんぽデカそう♡ 個人的には絶対入らないってサイズのやつをぶち込まれるのもアリだったけど♡)
戦闘態勢に入った古代竜そっちのけで、ルドヴィカの脳内をピンク色の妄想が駆け巡る。
しかしひとたび古代竜の前に立ってしまった以上は、中途半端な油断は死へと直結する。
ルドヴィカはかぶりを振って我に返ると、さっそく事前に組み立ててきた作戦を実行することにした。
「我が祖、我が血、我が名のもと命じる! 汝、その身を焦がせ!」
ルドヴィカは瞬時に魔力を練ると、魅了魔法と活性魔法をかけ合わせた独自の魔法を古代竜へと放った。
魅了魔法とはその名の通り、相手の精神に作用して術者に魅了される状態を作り上げる魔法。
そして活性魔法は、相手の能力に作用して半強制的に能力を高めることができる魔法だ。
これを組み合わせると、相手を即刻発情状態にすることはもちろんのこと、相手が術者のことを犯したくて仕方がなくなるようにできるという、エロにおいて都合がよすぎる最強の魔法になるというわけだ。
【なっ…!? なんじゃ、この魔法は!?】
攻撃魔法でも何でもない、生まれてはじめてといっても過言ではない魔法をその身に浴びた古代竜が、俄かに驚いた声を発する。
この魔法そのものは昔から考案していたものの、魔物相手に使うのはこれが生まれてはじめてのであったが、どうやら上手くいったようだ。
【か、身体が、熱いっ…♡】
「きたきたきたーっ♡ こっちは準備万端だからねっ♡」
まるで媚薬を盛られたエロ漫画の登場人物みたいな台詞を吐く古代竜に、ルドヴィカの性欲ボルテージが急上昇していく。
その反応こそまさに、ルドヴィカが開発した“催淫魔法”とでも言うべき掛け合わせの魔法がうまく機能している証だ。
きっとそのうち、古代竜のドラゴンちんぽが大量の我慢汁を垂らしながら、みるみる勃起して―――
【あ、あああ…っ♡ ナカが、ナカが熱いぃっ…!♡】
「……え?」
【うぁっ、ひぁんっ…♡ 胎が、胎が切なくてたまらん…♡】
古代竜があられもない喘ぎ声をあげながら、その場に仰向けにひっくり返った。
ルドヴィカはまさかと思いつつも、恐る恐る古代竜の下腹部を光魔法で照らす。
するとそこには、どくどくと大量の粘液を垂れながらす、大きな割れ目があった。
「……いやいやいやいやいや。これはアレよ、スリットってやつよ。中にちんぽが収納されてる爬虫類特有のアレよ。そういえば昔、というより前世の時、ケモショタ好きの読者から『スリット姦を描いてくれ』ってDMが毎日のように来てた時期あったわね。懐かしいわ、アハハー」
【はぁっ、はぁっ♡ 欲しいっ♡ 何でもいいから早くナカに何か挿入れてほしいっ♡】
「……違う違う違う、そんなワケないない。アレよほら、アナル開発済みの雄ドラゴンなのよ多分。お尻の中に挿入れてほしいーって意味よ、きっと。幼体のくせにトコロテンとかしちゃうド淫乱ケツマンコの雄ドラゴンってだけよ、うん」
【あぁぁっ♡ リントヴルムっ、助けてくれっ♡ お前が欲しい♡ あの時みたいにお前の魔力をココに注いでくれっ♡ 儂を孕ませてぇっ♡】
ルドヴィカが現実逃避をする一方、完全に発情状態の古代竜は腰らしき箇所をへこへこと動かしていた。
膣に見えなくもない割れ目はぱくぱくと大口を開けて、小刻みに潮に見えなくもない液体を噴出している。
ここまで現実を突きつけられてしまうと、流石のルドヴィカも信じたくない事実に向き合うしかなかった。
「…お前、メスの古代竜だったんかーーーーーいっ!!!!!」
ルドヴィカの渾身の叫びは、坑道内はおろか鉱山の外にまで響いていたという。
* * *
【はぁ、はぁ…。なんという魔法をかけてくれたのだ、ぬしは! 危うく狂うかと思ったぞ!】
「文句を言いたいのはこっちの方よ!! なんで現存する唯一の古代竜がよりにもよってメスなのよ! わたしのドラゴンちんぽ返しなさいよ!」
【さすがご主人様、あの古代竜相手に一歩も引いてないでし! スレミーは一生ついていきますでし!】
数十分後、絶賛レイプ中のクロエを置いてきたスレミーと合流したルドヴィカは、二度目の人生史上最大級の怒りを古代竜モードにぶつけていた。
勝手に雄だと勘違いされた上、わけのわからない魔法で強制的に発情状態にされたモードは、ルドヴィカに怒鳴られる筋合いなどないと言いたげに炎が混じった鼻息を吹く。
【ちんぽちんぽと何を訳の分からないことをと思えば、まさか陰茎のこととは…。仮に儂が陰茎を生やしてたとて、ぬしのようなか弱い人間が受け入れられるはずがなかろう。阿呆にも程があるぞ】
「うるさーい! 人のセックスを笑うな! こちとら異種姦ものでしかヌけない立派な性倒錯者様だぞ!」
【倒錯していることを誇らしげに語ってどうする。…しかし、好き好んで竜と交尾をしようとする人間が、まさか他にもいようとはな】
「は? 他にもって、まさか…」
やけに含みのある言い方をしたモードに、ルドヴィカが食い付いた。
まるで、古代竜との異種姦セックスを遂げようとした人間が、ルドヴィカの他にもいるかのような言い方ではないか。
するとモードは、心なしか潤んだ瞳で遠くの方を見つめながら、しみじみと語り始めた。
【竜は数千年の時を生き、死ぬ直前に卵を産む。千年の後、卵の中から再び転生を遂げられるようにな】
【ということは、モード様はちょうど転生を遂げたばっかりってことでし?】
【左様。しかし卵を産むには、膨大な魔力を胎内に取り込む必要がある。他者の種と魔力を取り込まねば己が種は残せぬのが、生物の当然の摂理ゆえ】
「じれったい言い方ね。要するにドラゴンだろうがなんだろうが、中出しセックスしなきゃ孕めないってことでしょ。それが結局なんなのよ」
身も蓋もないことを言うルドヴィカに、モードが呆れたような視線を返す。
ところがこの後、モードが発した一言に、ルドヴィカは唖然とせざるを得なかった。
【リントヴルム・アールノート。儂の友にして、主にして、半身にも等しい男…。そして転生前の儂の伴侶にして、今生の儂の父でもある】
「…え?」
【アールノートって…ご主人様の姓と同じでし!?】
その名前に、ルドヴィカは聞き覚えがあった。
最初にその名前を聞いたのは、ルドヴィカが前世の記憶を取り戻すよりも遥か前、物心ついて間もなくといった時分のことだ。
リントヴルム・アールノート。
ローゼリア王国の建国記にも登場する英雄にして、“時の番人”の異名を誇った大魔導士。
アールノート伯爵家の初代当主にして、ルドヴィカの祖先にあたる人物である。
【リントヴルムの子孫ということは、儂の姉妹も同然じゃからのう。あやつに免じて、ぬしの命だけは取らんでおいてやろう】
「……」
【しかし血は争えぬものよなぁ。その気になれば人型を取ることなど容易かったというのに、あやつは「そのままのお前と繋がりたい」などと言って、竜の姿のままの儂を抱きよったわ…♡ 転生用の卵を産むための交尾に快楽など必要ないというのに、事あるごとに儂に「気持ちいいか?」と聞いてきたりしてな…♡ リントヴルムとの交わりは、同種と交わるよりもずっと心が満たされて、胎の奥から快感を感じたものよ…♡】
「…その、アレね。ご先祖様、なかなかの上級者ね」
異種姦作家の端くれとして当然“竿が人間、穴が異種”のパターンも履修しているとはいえ、先祖のなかなかの性癖上級者っぷりに、子孫として畏敬の念を覚えたルドヴィカなのであった。
恐らく古代竜が発しているのであろうそれは、スレミーのような他の魔物のものとも、ルドヴィカのような人間のものとも全く違う、酷く重苦しい魔力であった。
「こんな重たい魔力、今まで感じたことがない…。これは期待以上のとんでもないデカチン、もといデカブツに違いないわね…♡」
飢えた獣のように口から涎、下の口から愛液を垂らしながら、ルドヴィカが先へと急ぐ。
クロエはスレミーが足止めしてくれているものの、それがいつまで保つかもわからないうえ、いつ他の冒険者が討伐に来るともしれない。
いくらルドヴィカが淫獣そのものの変態とはいえ、自分の痴態を他の人間に見られることは絶対に避けたいのだ。
「それにしても無駄に広い坑道…。ここまで歩き通しだとさすがに疲れてきちゃったわ」
【ならば疾く逃げ帰るがよい、人間よ】
「え…!?」
ふとルドヴィカが独り言で呟いた言葉に、突如何者かの声が返ってきた。
驚いたルドヴィカは咄嗟に周りを光魔法で照らすが、辺りには人はおろか、魔物の影も形もない。
恐らくここから遠く離れた場所から心伝魔法で話しかけられているのだろうが、国内随一の魔導の天才であるルドヴィカをもってしても、心伝魔法で意思疎通ができる対象との距離は半径5m以内が限度だ。
即ちこの声の主は、ルドヴィカより遥かに膨大で高純度の魔力を持つ者であるということに相違ないのであろう。
「…そう、あんたが古代竜ね」
【ほう、知っておったか。儂の正体を知って尚ここまで来るとは、相当腕に自信のある自惚れか、恐れ知らずの大間抜けか…】
ルドヴィカの予想通り、声の主はこの坑道の奥に潜む古代竜で間違いないようだ。
ようやくお目当ての魔物との接触が叶ったルドヴィカであったが、実のところを言うとこの段階で8割ほど意気消沈していた。
何故ならばこの時点で、古代竜がルドヴィカの最大の地雷である“喋る竿”であることが確定してしまったからである。
(うげぇ~っ…。古代竜ともなるとスレミーより知能高そうだし、もしかするとと思って覚悟はしてたけど…。やっぱりこいつも喋るんかい…)
この時、ルドヴィカの脳内にはふたつの選択肢が浮かびあがってきた。
このまま素直に踵を返して逃げ帰るか、地雷であることに目を瞑って古代竜のドラゴンちんぽを堪能するかの二択である。
(今まで大体の魔物は瞬殺できてたけど、さすがに古代竜相手にひとりで挑んで勝てるとは思えないし…。でもこいつ以外に現存する古代竜いないし、ここを逃したら二度と本物のドラゴンちんぽを味わえないんだよなぁ…。う~ん、迷う~~~!)
【…何やら邪なことを企んでいるようだが、はよう逃げ帰るのがぬしの為ぞ】
「!? えっ、よ、邪って…! まさかわたしの心読んだ!?」
【いや、妙な気配を察したまでよ。だが当たらずも遠からず、といったところのようだな】
危うく「ドラゴンのクソでかちんぽをぶちこまれておまんこ壊されたい」などと考えていることを見抜かれたのかと思って慌てたものの、単に勘が鋭いだけだとわかってルドヴィカはホッと胸を撫で下ろした。
古代竜の言う通り、身の安全を第一に考えるのであれば、今ここで踵を返すのが得策だということはルドヴィカにも理解できる。
とはいえ当の相手からここまで逃げ帰ることを推奨されてしまうと、なんだか負けたような気がして癪というのも本音であった。
「…そうね。やらない後悔よりやる後悔、っていうものね」
【?】
「わたしはあんたの討伐なんか、大して興味はない。けれどわたしの目的だけは果たさせてもらうわ!」
もうこの際、地雷案件であることには目を瞑ろう。
せっかく前の世では果たせなかった欲望が全て叶う世界に転生を果たしたのだ。
二度目の人生は、たとえ後悔することがあろうが何だろうが、とにかく思いっきりヤりまくる。
ルドヴィカはそう決意を固めると、強い魔力に導かれるように坑道の奥に向かって走り出した。
【ふむ…どうやら大間抜けの方であったようだな。この儂に戦いを挑むとは、命知らずの愚か者よ…】
走れば走るほど、重苦しく密度の濃い魔力が全身にのしかかってきて、息苦しささえ感じるほどだった。
しかしこの息苦しさこそが、古代竜の居場所まであと少しで辿り着けるという証でもある。
もうすぐだ、もうすぐ古代竜のもとまで辿り着ける。
はやくはやく、挿入しただけでボテ腹になっちゃいそうな超絶巨根をぶちこんで、まんひだこそげ落ちて子宮口が潰れちゃうほど暴力的なピストンをかまして♡♡♡
二重の意味で息を切らしながら暗い坑道を走り抜け、ルドヴィカはとうとう最奥へと辿りつく。
「覚悟しなさいよ、古代竜! あんたのその馬鹿でかちんぽは、このルドヴィカ・アールノートがいただくからね!」
ルドヴィカの光魔法が暗闇を照らすと、闇の中に溶け込んでいた黒い鱗が現れた。
幼体とだけあってその身は決して大きくはなく、前世の世界でいうところの普通自動車程度の大きさであったが、バジリスクと誤認したという経緯を考えれば納得のいく大きさだ。
だが魔物にしては精悍な顔立ちに、鋭く光る牙と爪、そして何よりその身に纏う圧倒的な魔力は、バジリスクなどとは比べ物にならないほどに強大なものであった。
(んんーっ♡ イイ感じにちんぽデカそう♡ 個人的には絶対入らないってサイズのやつをぶち込まれるのもアリだったけど♡)
戦闘態勢に入った古代竜そっちのけで、ルドヴィカの脳内をピンク色の妄想が駆け巡る。
しかしひとたび古代竜の前に立ってしまった以上は、中途半端な油断は死へと直結する。
ルドヴィカはかぶりを振って我に返ると、さっそく事前に組み立ててきた作戦を実行することにした。
「我が祖、我が血、我が名のもと命じる! 汝、その身を焦がせ!」
ルドヴィカは瞬時に魔力を練ると、魅了魔法と活性魔法をかけ合わせた独自の魔法を古代竜へと放った。
魅了魔法とはその名の通り、相手の精神に作用して術者に魅了される状態を作り上げる魔法。
そして活性魔法は、相手の能力に作用して半強制的に能力を高めることができる魔法だ。
これを組み合わせると、相手を即刻発情状態にすることはもちろんのこと、相手が術者のことを犯したくて仕方がなくなるようにできるという、エロにおいて都合がよすぎる最強の魔法になるというわけだ。
【なっ…!? なんじゃ、この魔法は!?】
攻撃魔法でも何でもない、生まれてはじめてといっても過言ではない魔法をその身に浴びた古代竜が、俄かに驚いた声を発する。
この魔法そのものは昔から考案していたものの、魔物相手に使うのはこれが生まれてはじめてのであったが、どうやら上手くいったようだ。
【か、身体が、熱いっ…♡】
「きたきたきたーっ♡ こっちは準備万端だからねっ♡」
まるで媚薬を盛られたエロ漫画の登場人物みたいな台詞を吐く古代竜に、ルドヴィカの性欲ボルテージが急上昇していく。
その反応こそまさに、ルドヴィカが開発した“催淫魔法”とでも言うべき掛け合わせの魔法がうまく機能している証だ。
きっとそのうち、古代竜のドラゴンちんぽが大量の我慢汁を垂らしながら、みるみる勃起して―――
【あ、あああ…っ♡ ナカが、ナカが熱いぃっ…!♡】
「……え?」
【うぁっ、ひぁんっ…♡ 胎が、胎が切なくてたまらん…♡】
古代竜があられもない喘ぎ声をあげながら、その場に仰向けにひっくり返った。
ルドヴィカはまさかと思いつつも、恐る恐る古代竜の下腹部を光魔法で照らす。
するとそこには、どくどくと大量の粘液を垂れながらす、大きな割れ目があった。
「……いやいやいやいやいや。これはアレよ、スリットってやつよ。中にちんぽが収納されてる爬虫類特有のアレよ。そういえば昔、というより前世の時、ケモショタ好きの読者から『スリット姦を描いてくれ』ってDMが毎日のように来てた時期あったわね。懐かしいわ、アハハー」
【はぁっ、はぁっ♡ 欲しいっ♡ 何でもいいから早くナカに何か挿入れてほしいっ♡】
「……違う違う違う、そんなワケないない。アレよほら、アナル開発済みの雄ドラゴンなのよ多分。お尻の中に挿入れてほしいーって意味よ、きっと。幼体のくせにトコロテンとかしちゃうド淫乱ケツマンコの雄ドラゴンってだけよ、うん」
【あぁぁっ♡ リントヴルムっ、助けてくれっ♡ お前が欲しい♡ あの時みたいにお前の魔力をココに注いでくれっ♡ 儂を孕ませてぇっ♡】
ルドヴィカが現実逃避をする一方、完全に発情状態の古代竜は腰らしき箇所をへこへこと動かしていた。
膣に見えなくもない割れ目はぱくぱくと大口を開けて、小刻みに潮に見えなくもない液体を噴出している。
ここまで現実を突きつけられてしまうと、流石のルドヴィカも信じたくない事実に向き合うしかなかった。
「…お前、メスの古代竜だったんかーーーーーいっ!!!!!」
ルドヴィカの渾身の叫びは、坑道内はおろか鉱山の外にまで響いていたという。
* * *
【はぁ、はぁ…。なんという魔法をかけてくれたのだ、ぬしは! 危うく狂うかと思ったぞ!】
「文句を言いたいのはこっちの方よ!! なんで現存する唯一の古代竜がよりにもよってメスなのよ! わたしのドラゴンちんぽ返しなさいよ!」
【さすがご主人様、あの古代竜相手に一歩も引いてないでし! スレミーは一生ついていきますでし!】
数十分後、絶賛レイプ中のクロエを置いてきたスレミーと合流したルドヴィカは、二度目の人生史上最大級の怒りを古代竜モードにぶつけていた。
勝手に雄だと勘違いされた上、わけのわからない魔法で強制的に発情状態にされたモードは、ルドヴィカに怒鳴られる筋合いなどないと言いたげに炎が混じった鼻息を吹く。
【ちんぽちんぽと何を訳の分からないことをと思えば、まさか陰茎のこととは…。仮に儂が陰茎を生やしてたとて、ぬしのようなか弱い人間が受け入れられるはずがなかろう。阿呆にも程があるぞ】
「うるさーい! 人のセックスを笑うな! こちとら異種姦ものでしかヌけない立派な性倒錯者様だぞ!」
【倒錯していることを誇らしげに語ってどうする。…しかし、好き好んで竜と交尾をしようとする人間が、まさか他にもいようとはな】
「は? 他にもって、まさか…」
やけに含みのある言い方をしたモードに、ルドヴィカが食い付いた。
まるで、古代竜との異種姦セックスを遂げようとした人間が、ルドヴィカの他にもいるかのような言い方ではないか。
するとモードは、心なしか潤んだ瞳で遠くの方を見つめながら、しみじみと語り始めた。
【竜は数千年の時を生き、死ぬ直前に卵を産む。千年の後、卵の中から再び転生を遂げられるようにな】
【ということは、モード様はちょうど転生を遂げたばっかりってことでし?】
【左様。しかし卵を産むには、膨大な魔力を胎内に取り込む必要がある。他者の種と魔力を取り込まねば己が種は残せぬのが、生物の当然の摂理ゆえ】
「じれったい言い方ね。要するにドラゴンだろうがなんだろうが、中出しセックスしなきゃ孕めないってことでしょ。それが結局なんなのよ」
身も蓋もないことを言うルドヴィカに、モードが呆れたような視線を返す。
ところがこの後、モードが発した一言に、ルドヴィカは唖然とせざるを得なかった。
【リントヴルム・アールノート。儂の友にして、主にして、半身にも等しい男…。そして転生前の儂の伴侶にして、今生の儂の父でもある】
「…え?」
【アールノートって…ご主人様の姓と同じでし!?】
その名前に、ルドヴィカは聞き覚えがあった。
最初にその名前を聞いたのは、ルドヴィカが前世の記憶を取り戻すよりも遥か前、物心ついて間もなくといった時分のことだ。
リントヴルム・アールノート。
ローゼリア王国の建国記にも登場する英雄にして、“時の番人”の異名を誇った大魔導士。
アールノート伯爵家の初代当主にして、ルドヴィカの祖先にあたる人物である。
【リントヴルムの子孫ということは、儂の姉妹も同然じゃからのう。あやつに免じて、ぬしの命だけは取らんでおいてやろう】
「……」
【しかし血は争えぬものよなぁ。その気になれば人型を取ることなど容易かったというのに、あやつは「そのままのお前と繋がりたい」などと言って、竜の姿のままの儂を抱きよったわ…♡ 転生用の卵を産むための交尾に快楽など必要ないというのに、事あるごとに儂に「気持ちいいか?」と聞いてきたりしてな…♡ リントヴルムとの交わりは、同種と交わるよりもずっと心が満たされて、胎の奥から快感を感じたものよ…♡】
「…その、アレね。ご先祖様、なかなかの上級者ね」
異種姦作家の端くれとして当然“竿が人間、穴が異種”のパターンも履修しているとはいえ、先祖のなかなかの性癖上級者っぷりに、子孫として畏敬の念を覚えたルドヴィカなのであった。
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