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第十話 古代竜を仲間にしたい
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「…さて。問題はあんたを今後どうするかよ」
先祖リントヴルムの変態エピソード、もとい逸話を一通り聞いたルドヴィカは、改めて目の前に鎮座する古代竜モードの巨躯を見上げた。
モードが自分を見逃すと言ったことはルドヴィカにとって都合のいい話であったが、古代竜の討伐を目的とする冒険者はルドヴィカに限った話ではない。
今こうしているうちにもギルドに所属する五つ星ランク級の戦士や魔導士が、モードの討伐を果たさんと坑道に詰め寄せているのだ。
【生まれて10年も経たぬ幼体とはいえ、たかが人間ごときに遅れをとる儂ではないわ。ひとり残らず灰塵にしてくれる】
「まあ古代竜ともあればそれくらいお茶の子さいさいでしょうけど、さすがに善良な冒険者たちをむざむざ犬死にさせるのもね…。ギルドで片が付かなければ軍が出てこざるを得ないでしょうし…」
【ふむ…儂とて好き好んでリントヴルムの同族を殺しているわけではない。儂の目的はただひとつ…今生に生まれ出づったリントヴルムの魂と再び相まみえることじゃからのう】
リントヴルムの名を口にするたび、赤い瞳をうるうると潤ませるモードの姿はまるで恋する乙女のようで、ルドヴィカは砂を吐きそうな思いがした。
人間の男と雌ドラゴンの異種姦というだけでもなかなかに特異な代物だというのにそれに純愛要素まで加わるとは、異種姦レイプものばかり好んで摂取していたルドヴィカもさすがにお手上げである。
ここだけの話、異種姦もので尚且つ和姦ものというのはルドヴィカの数多い地雷のひとつだったりするのだが、他人(竜だけど)の性事情に口を出すような無粋な真似はさすがにしなかった。
【とはいえ、あと数年ばかりは力を蓄えることに専念したいのは確かよ。人間の脅威を気にせず静かに暮らせるのであれば、それに越したことはない】
「静かに暮らすったって、こんなデカっ尻ドラゴンどこに身を隠せば…あっ」
モードの巨大な尻、というよりは尾の付け根をぺしぺしと叩きながら、ルドヴィカがあることを思い出す。
先ほどの惚気話、もとい祖先リントヴルムとの関係を語っている最中、モードは「人型を取ることなど容易い」と口にしていたのだ。
「ねえモード、あんた人型になれたりする?」
【儂を誰と思うておる? 古代より蘇りし偉大なるドラゴンぞ、それしきのこと息をするより容易いわ】
「やりぃ! ねえあんた、わたしと一緒に来ない? ちょうど人型になれる人外を探してたのよね」
【ぴえっ!? ご主人様、スレミーともあろうものがいるというのに、モード様まで使い魔にするでしか!?】
「古代竜みたいなトンデモ魔物を使い魔なんかにできるわけないでしょ。ただちょっと、わたしの代わりにギルドの手続きとか、他人とのやり取りとか全部ぶん投げようってだけよ」
【使い魔どころか使い走りではないか。リントヴルムの子孫でなければ今ここで八つ裂きにしてやっていたぞ】
ただでさえ誇り高い気質の竜種であることに加え、よりにもよってルドヴィカの使い走りを命じられそうになったモードは不満げに鼻を鳴らした。
しかし他人との交流がとにかく嫌いなルドヴィカにとっては本気も本気、死活問題と言ってもいいほどのことなのである。
「あんたの伴侶が興したアールノート家は、国王陛下の信も厚い国内随一の名家なの。しかも当主であるお父様は古代魔法の研究家だから、千年の時を越えて蘇った古代竜のあんたを失いたくないはず。わたしが頼めば、あんたが身を隠せる場所も手配してくれるはずよ」
【そのかわりにその男の研究に協力し、ついでにぬしの使い走りをしろということか】
「ま、ぶっちゃけるとそうね。それでも足りないっていうんなら、定期的にわたしの魔力をあんたにあげるわ。さすがに同性におまんこ舐められるのはアレだから、血とかその辺になると思うけど」
【…ふむ、それは悪くない。リントヴルムほどではないとはいえ、ぬしの魔力はなかなか上質じゃからな】
ルドヴィカの提案に対しモードはしばらく真剣に考えこんでいたが、やがて意を決したのが首を下ろしてルドヴィカに視線を合わせた。
【よかろう。儂が力を蓄え終わる数年の間、ぬしに力を貸してやる】
「よし、交渉成立ね! わたしの代わりに手続きやら何やら頼んだわよ!」
【ではさっそく人型を取るとしよう】
モードはそう言うと、黒鱗に覆われた巨躯を丸ませて魔力を練り始めた。
するとみるみるうちにモードの身体が光を放ち始め、段々と明るさを増す反面、光の面積そのものは小さくなっていく。
やがて光が完全に収まると、おおよそ10歳ほどであろう黒髪に赤い瞳の少女の姿が現れた。
「人型を取ったのは実に数千年ぶりだが、まあこんなものじゃろう」
「はえー。やっぱり雌で幼体ともなると、ちゃんとロリの姿になるのね」
「ロリ?」
「こっちの話よ、こっちの話。それじゃあさっさとここから出ましょう、クロエ様も迎えに行かないと…」
【あ、ご主人様! そのことなんでしけど、さっき別の人間が来てでしね…】
ようやく外に出れると思ったのも束の間、スレミーからクロエの顛末を聞かされたルドヴィカは、途端に顔を真っ青にしてその場に崩れ落ちたのだった。
* * *
「素晴らしい、よくやったなルドヴィカ。民草を古代竜の脅威から救っただけでなく、こうして生きた状態で私のもとへ連れてきてくれるとは。つくづく私はよい娘に恵まれたものだ」
「……」
「はぁ…(エレクトラ姉様の目が痛い…。相変わらずのファザコンだな…)」
モーディフォード鉱山を後にしたルドヴィカは、さっそく少女の姿をしたモードを連れて王都の実家へと戻ると、父ヴェイグと姉エレクトラにモードのことを打ち明けた。
目の前の少女が恐ろしい古代竜と知ったエレクトラは最初こそ恐れ慄いていたものの、ヴェイグが古代竜に深く関心を寄せ始めるや否や、「余計なモノを連れてきやがって」というような目でルドヴィカのことを睨みつけてくる。
とにもかくにも父親第一のエレクトラのことだ、ルドヴィカが”よい娘”扱いを受けていることも、父の関心がぽっと出のモードに向いていることも許せないのだろう。
「ふむ、やはりリントヴルムの子孫じゃの。この男などは耳の形があやつに瓜二つよ」
「ぐぅぅっ、下賤な魔物の分際でお父様を”この男”だなんて…!」
「おやめ、エレクトラ。彼女は我が一族とも縁深い存在だ、妹がひとり増えたと思いなさい」
(お父様、それ逆効果…。この人のことだから絶対わかってやってるけど…)
「他の姉妹にも挨拶をさせたいところだが、生憎ソフィアは軍事演習に出ているし、ミーシャは体調を崩していてね。また別で機会を設けるとしよう」
「構わぬ、時間だけはたっぷりとある故な。それより、先ほどルドヴィカが申したことじゃが…」
「ああ、わかっているとも。ローゼリアの北東、ハインツの街から少し離れた山道に、私の父が使っていた研究用の家屋があってね。もう何十年も無人のまま誰も使っていない場所だ、そこを自由に使うといい」
「ありがとうございます、お父様」
案の定、モードという絶好の研究対象の存在にすっかり上機嫌になったヴェイグは、あっさりとルドヴィカの「研究用の本拠地が欲しい」という頼みを承諾してくれた。
これでひとり(と魔物2匹)で静かに暮らせる家を手に入れたうえ、屋根とベッドを得るために宿屋へ立ち寄る必要もなくなったというわけである。
表情こそ仏頂面でありながらもルドヴィカが人知れず喜んでいると、ふとヴェイグが思い出したように有頂天気分から引きずり下ろす発言を放った。
「そういえばルドヴィカ、クロエ王女殿下のことだが」
その名を耳にした途端、ルドヴィカの仏頂面が硬直した。
というのもモードを仲間にした後、とんでもない報告をしてきたスレミーをしこたま怒鳴りつけてから慌ててクロエのもとへ向かったところ、「お゛へっ♡ あ゛はっ♡」などとアヘっている精液まみれのクロエを見つけてしまったからである。
二度も処女を喪失するという元エロ漫画家的には非情においしい経験をしたクロエに、本音を言えば「羨ましい」などと思ったりしたものの、今回クロエを犯したのは妊娠の心配がない異種族のオークではなく、よりにもよって人間である。
慌ててかつてオークに犯されたときと同様に、忘却魔法で記憶を抹消、時間逆行魔法で身体のみ処女喪失前に時を戻して証拠隠滅を図ったものの、その前の時点で受精していようものならその後妊娠しないとも限らない。
「く…クロエ様がどうかしましたか…?」
「いや、どうやら今回の件で随分と自信を喪失してしまったようでね。古代竜はおろか正体不明の魔物に襲われて気絶した上、ヘンリー王子殿下に賜った鎧が跡形もなく破壊されていたとなると…。なんでも今一度己を鍛えるため、一兵士として軍に属することを決めたらしい。己を見つめ直す良いきっかけを与えてくれてお前に感謝していると、そう言っていたそうだよ」
「は…はは…さいですか…」
二度も処女レイプからの快楽堕ちを遂げておきながらどこまでもめげない人だなぁ、などとルドヴィカはそんなことを思った。
何はともあれこれを機に魔物討伐からは身を引いて、魔物や冒険者に比べれば規律正しく真っ当であるだろう兵士たちの中で、大人しくしてくれていればいいのだが。
(…ダメだ、結局エロい目に遭う未来しか見えない。快楽堕ちする星の元に生まれてきたとしか思えないもんな、クロエ様…)
もはやルドヴィカには関係のないことであるのだが、気の毒に思う心半分、羨ましいと思う心半分で、内心複雑なルドヴィカなのであった。
おまけ
「ちょっと待って!? 結局わたしお預け状態じゃない!? わたしのこの溢れんばかりのリビドーをいったいどうしろっていうわけ!?」
「ぬしは本当に末期の色情狂じゃな…。適当に手慰みでもしたらよかろう」
「同じ異種姦仲間のくせにわかってないわね、オナニーとセックスは全く別物なのよ! わたしは性欲を解消したいわけじゃなくて、とにかく馬鹿くそに犯されたいの!!」
「ぬしのように陰茎の生えた魔物であれば何でもいいなどという節操無しと同列に語るでない! 儂はリントヴルム以外の人間などまっぴらごめんじゃ!」
「何でもいいわけじゃないわよ、むしろこちとら拘りしかないわよ! あーおまんこイライラしてきた、スレミー奥までびっちり埋めて!」
【かしこまりましたでし~】
ジュプププッ
「あひゃんっ♡ さっそく子宮口まできたっ♡ このスライムちんぽほんとすき♡ でもやっぱりもっと太いのが欲しいのぉっ♡」
(うわっ…こやつスライムに犯されて悦んでおる…。儂には甚だ理解ができぬ…)
「次は絶対にクソでかちんぽぶちこまれて、おまんこズコバコしてもらうんだからっ♡ ミノタウロスとかの討伐依頼きてるといいなっ♡ んほぉぉぉぉぉっ♡♡♡」
先祖リントヴルムの変態エピソード、もとい逸話を一通り聞いたルドヴィカは、改めて目の前に鎮座する古代竜モードの巨躯を見上げた。
モードが自分を見逃すと言ったことはルドヴィカにとって都合のいい話であったが、古代竜の討伐を目的とする冒険者はルドヴィカに限った話ではない。
今こうしているうちにもギルドに所属する五つ星ランク級の戦士や魔導士が、モードの討伐を果たさんと坑道に詰め寄せているのだ。
【生まれて10年も経たぬ幼体とはいえ、たかが人間ごときに遅れをとる儂ではないわ。ひとり残らず灰塵にしてくれる】
「まあ古代竜ともあればそれくらいお茶の子さいさいでしょうけど、さすがに善良な冒険者たちをむざむざ犬死にさせるのもね…。ギルドで片が付かなければ軍が出てこざるを得ないでしょうし…」
【ふむ…儂とて好き好んでリントヴルムの同族を殺しているわけではない。儂の目的はただひとつ…今生に生まれ出づったリントヴルムの魂と再び相まみえることじゃからのう】
リントヴルムの名を口にするたび、赤い瞳をうるうると潤ませるモードの姿はまるで恋する乙女のようで、ルドヴィカは砂を吐きそうな思いがした。
人間の男と雌ドラゴンの異種姦というだけでもなかなかに特異な代物だというのにそれに純愛要素まで加わるとは、異種姦レイプものばかり好んで摂取していたルドヴィカもさすがにお手上げである。
ここだけの話、異種姦もので尚且つ和姦ものというのはルドヴィカの数多い地雷のひとつだったりするのだが、他人(竜だけど)の性事情に口を出すような無粋な真似はさすがにしなかった。
【とはいえ、あと数年ばかりは力を蓄えることに専念したいのは確かよ。人間の脅威を気にせず静かに暮らせるのであれば、それに越したことはない】
「静かに暮らすったって、こんなデカっ尻ドラゴンどこに身を隠せば…あっ」
モードの巨大な尻、というよりは尾の付け根をぺしぺしと叩きながら、ルドヴィカがあることを思い出す。
先ほどの惚気話、もとい祖先リントヴルムとの関係を語っている最中、モードは「人型を取ることなど容易い」と口にしていたのだ。
「ねえモード、あんた人型になれたりする?」
【儂を誰と思うておる? 古代より蘇りし偉大なるドラゴンぞ、それしきのこと息をするより容易いわ】
「やりぃ! ねえあんた、わたしと一緒に来ない? ちょうど人型になれる人外を探してたのよね」
【ぴえっ!? ご主人様、スレミーともあろうものがいるというのに、モード様まで使い魔にするでしか!?】
「古代竜みたいなトンデモ魔物を使い魔なんかにできるわけないでしょ。ただちょっと、わたしの代わりにギルドの手続きとか、他人とのやり取りとか全部ぶん投げようってだけよ」
【使い魔どころか使い走りではないか。リントヴルムの子孫でなければ今ここで八つ裂きにしてやっていたぞ】
ただでさえ誇り高い気質の竜種であることに加え、よりにもよってルドヴィカの使い走りを命じられそうになったモードは不満げに鼻を鳴らした。
しかし他人との交流がとにかく嫌いなルドヴィカにとっては本気も本気、死活問題と言ってもいいほどのことなのである。
「あんたの伴侶が興したアールノート家は、国王陛下の信も厚い国内随一の名家なの。しかも当主であるお父様は古代魔法の研究家だから、千年の時を越えて蘇った古代竜のあんたを失いたくないはず。わたしが頼めば、あんたが身を隠せる場所も手配してくれるはずよ」
【そのかわりにその男の研究に協力し、ついでにぬしの使い走りをしろということか】
「ま、ぶっちゃけるとそうね。それでも足りないっていうんなら、定期的にわたしの魔力をあんたにあげるわ。さすがに同性におまんこ舐められるのはアレだから、血とかその辺になると思うけど」
【…ふむ、それは悪くない。リントヴルムほどではないとはいえ、ぬしの魔力はなかなか上質じゃからな】
ルドヴィカの提案に対しモードはしばらく真剣に考えこんでいたが、やがて意を決したのが首を下ろしてルドヴィカに視線を合わせた。
【よかろう。儂が力を蓄え終わる数年の間、ぬしに力を貸してやる】
「よし、交渉成立ね! わたしの代わりに手続きやら何やら頼んだわよ!」
【ではさっそく人型を取るとしよう】
モードはそう言うと、黒鱗に覆われた巨躯を丸ませて魔力を練り始めた。
するとみるみるうちにモードの身体が光を放ち始め、段々と明るさを増す反面、光の面積そのものは小さくなっていく。
やがて光が完全に収まると、おおよそ10歳ほどであろう黒髪に赤い瞳の少女の姿が現れた。
「人型を取ったのは実に数千年ぶりだが、まあこんなものじゃろう」
「はえー。やっぱり雌で幼体ともなると、ちゃんとロリの姿になるのね」
「ロリ?」
「こっちの話よ、こっちの話。それじゃあさっさとここから出ましょう、クロエ様も迎えに行かないと…」
【あ、ご主人様! そのことなんでしけど、さっき別の人間が来てでしね…】
ようやく外に出れると思ったのも束の間、スレミーからクロエの顛末を聞かされたルドヴィカは、途端に顔を真っ青にしてその場に崩れ落ちたのだった。
* * *
「素晴らしい、よくやったなルドヴィカ。民草を古代竜の脅威から救っただけでなく、こうして生きた状態で私のもとへ連れてきてくれるとは。つくづく私はよい娘に恵まれたものだ」
「……」
「はぁ…(エレクトラ姉様の目が痛い…。相変わらずのファザコンだな…)」
モーディフォード鉱山を後にしたルドヴィカは、さっそく少女の姿をしたモードを連れて王都の実家へと戻ると、父ヴェイグと姉エレクトラにモードのことを打ち明けた。
目の前の少女が恐ろしい古代竜と知ったエレクトラは最初こそ恐れ慄いていたものの、ヴェイグが古代竜に深く関心を寄せ始めるや否や、「余計なモノを連れてきやがって」というような目でルドヴィカのことを睨みつけてくる。
とにもかくにも父親第一のエレクトラのことだ、ルドヴィカが”よい娘”扱いを受けていることも、父の関心がぽっと出のモードに向いていることも許せないのだろう。
「ふむ、やはりリントヴルムの子孫じゃの。この男などは耳の形があやつに瓜二つよ」
「ぐぅぅっ、下賤な魔物の分際でお父様を”この男”だなんて…!」
「おやめ、エレクトラ。彼女は我が一族とも縁深い存在だ、妹がひとり増えたと思いなさい」
(お父様、それ逆効果…。この人のことだから絶対わかってやってるけど…)
「他の姉妹にも挨拶をさせたいところだが、生憎ソフィアは軍事演習に出ているし、ミーシャは体調を崩していてね。また別で機会を設けるとしよう」
「構わぬ、時間だけはたっぷりとある故な。それより、先ほどルドヴィカが申したことじゃが…」
「ああ、わかっているとも。ローゼリアの北東、ハインツの街から少し離れた山道に、私の父が使っていた研究用の家屋があってね。もう何十年も無人のまま誰も使っていない場所だ、そこを自由に使うといい」
「ありがとうございます、お父様」
案の定、モードという絶好の研究対象の存在にすっかり上機嫌になったヴェイグは、あっさりとルドヴィカの「研究用の本拠地が欲しい」という頼みを承諾してくれた。
これでひとり(と魔物2匹)で静かに暮らせる家を手に入れたうえ、屋根とベッドを得るために宿屋へ立ち寄る必要もなくなったというわけである。
表情こそ仏頂面でありながらもルドヴィカが人知れず喜んでいると、ふとヴェイグが思い出したように有頂天気分から引きずり下ろす発言を放った。
「そういえばルドヴィカ、クロエ王女殿下のことだが」
その名を耳にした途端、ルドヴィカの仏頂面が硬直した。
というのもモードを仲間にした後、とんでもない報告をしてきたスレミーをしこたま怒鳴りつけてから慌ててクロエのもとへ向かったところ、「お゛へっ♡ あ゛はっ♡」などとアヘっている精液まみれのクロエを見つけてしまったからである。
二度も処女を喪失するという元エロ漫画家的には非情においしい経験をしたクロエに、本音を言えば「羨ましい」などと思ったりしたものの、今回クロエを犯したのは妊娠の心配がない異種族のオークではなく、よりにもよって人間である。
慌ててかつてオークに犯されたときと同様に、忘却魔法で記憶を抹消、時間逆行魔法で身体のみ処女喪失前に時を戻して証拠隠滅を図ったものの、その前の時点で受精していようものならその後妊娠しないとも限らない。
「く…クロエ様がどうかしましたか…?」
「いや、どうやら今回の件で随分と自信を喪失してしまったようでね。古代竜はおろか正体不明の魔物に襲われて気絶した上、ヘンリー王子殿下に賜った鎧が跡形もなく破壊されていたとなると…。なんでも今一度己を鍛えるため、一兵士として軍に属することを決めたらしい。己を見つめ直す良いきっかけを与えてくれてお前に感謝していると、そう言っていたそうだよ」
「は…はは…さいですか…」
二度も処女レイプからの快楽堕ちを遂げておきながらどこまでもめげない人だなぁ、などとルドヴィカはそんなことを思った。
何はともあれこれを機に魔物討伐からは身を引いて、魔物や冒険者に比べれば規律正しく真っ当であるだろう兵士たちの中で、大人しくしてくれていればいいのだが。
(…ダメだ、結局エロい目に遭う未来しか見えない。快楽堕ちする星の元に生まれてきたとしか思えないもんな、クロエ様…)
もはやルドヴィカには関係のないことであるのだが、気の毒に思う心半分、羨ましいと思う心半分で、内心複雑なルドヴィカなのであった。
おまけ
「ちょっと待って!? 結局わたしお預け状態じゃない!? わたしのこの溢れんばかりのリビドーをいったいどうしろっていうわけ!?」
「ぬしは本当に末期の色情狂じゃな…。適当に手慰みでもしたらよかろう」
「同じ異種姦仲間のくせにわかってないわね、オナニーとセックスは全く別物なのよ! わたしは性欲を解消したいわけじゃなくて、とにかく馬鹿くそに犯されたいの!!」
「ぬしのように陰茎の生えた魔物であれば何でもいいなどという節操無しと同列に語るでない! 儂はリントヴルム以外の人間などまっぴらごめんじゃ!」
「何でもいいわけじゃないわよ、むしろこちとら拘りしかないわよ! あーおまんこイライラしてきた、スレミー奥までびっちり埋めて!」
【かしこまりましたでし~】
ジュプププッ
「あひゃんっ♡ さっそく子宮口まできたっ♡ このスライムちんぽほんとすき♡ でもやっぱりもっと太いのが欲しいのぉっ♡」
(うわっ…こやつスライムに犯されて悦んでおる…。儂には甚だ理解ができぬ…)
「次は絶対にクソでかちんぽぶちこまれて、おまんこズコバコしてもらうんだからっ♡ ミノタウロスとかの討伐依頼きてるといいなっ♡ んほぉぉぉぉぉっ♡♡♡」
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