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第二十六話 合法ショタで男の娘なクソガキに振り回されたい
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「でもね、ボクがルドヴィカ嬢を王都に呼んだのは、何もクロエ殿下の件の引継ぎのためだけじゃないよぉ」
芸術品のようなケーキを口に運びながらそう言ったミハイルに、命の危機を脱したと安心しきっていたルドヴィカの表情が再び強張る。
「ヴェイグから聞いたんだけど、キミの魔物の研究は実に面白いよね! 魔導士が魔物に魔力を与えることで、契約という形で共生関係を築くだなんて!」
「…はぁ……」
「ヴェイグはキミの研究成果を魔道軍に売りたがっていたけどね、それはさすがに時期尚早だけれど、キミの研究に投資をする価値は大いにある。そんなワケだから今度からこのボクが個人的に、ルドヴィカ嬢の研究に出資してあげるからね♡」
「えっ…はぁ…はい……」
クロエの一件で殺されることを危惧していたのから一転、まさかのミハイルからのスポンサー宣言を受けたルドヴィカは、表情に出さないながらもかなり驚いていた。
基本的にルドヴィカをはじめ、ヴェイグやエレクトラといった魔導学士たちの研究費は、貴族や商人ギルドからの出資で賄われる。
王家が助成金を与える制度も存在はするものの、その研究が国益に直結すると判断されない限りは認可が下りず、国王への発言力を持つ貴族階級が制度を独占しているのが実情だ(何を隠そうその助成金を独占している貴族のひとりがヴェイグである)。
ルドヴィカの異種姦探求、もとい魔物の研究は、これまで実父ヴェイグが研究費(主にルドヴィカの生活費)を出資してくれていたが、今度からはそこに魔道軍総帥であるミハイルが加わるのならば、ルドヴィカの今後は安泰と言い切っていい。
緊張からの緩和ですっかり警戒心が緩んだルドヴィカは、ミハイルの申し出に馬鹿正直に「ありがとうございます」と礼を言いそうになったが、ミハイルの傍に控える姉ソフィアの凄まじい渋面を目にした瞬間、慌てて思い直した。
(いや待て待て、本当にこの合法ショタを信用していいのか…? ミハイル総帥個人的にと言ってるとはいえ、魔道軍総帥からの出資なんて受けた日には軍の都合のいいように使われるかもしれないし…)
(そうだ、思いとどまれルドヴィカ…! 総帥は見た目こそ天使のような美少女だが、中身はただの腹黒狸ジジイだ…! この出資には何かしらのよくない思惑があるに決まってる…!)
ソフィアからの声なきメッセージを受け取ってか、生物的な本能が察してか、ルドヴィカがミハイルの申し出に対して二の足を踏み始める。
この短いやり取りの中でもミハイルの性格の捻くれっぷりは否応にも理解できる、ルドヴィカへの出資が単なる好意によるものだとは到底思えない。
何よりルドヴィカは極度の人間嫌いかつ魔物とのドスケベ交尾を愛好する変態、他人ましてや王国随一の権力者と深く関わりすぎるのは、将来己の身を滅ぼすことになるかもしれない。
鉄面皮のまま心中で深く葛藤するルドヴィカに、ミハイルは全てを見透かしたような老獪な笑み(見た目は美少女だけれど)を浮かべているのが猶のこと不気味だった。
「うふふ、ヴェイグの娘だけあってカンは鋭いねぇ! そこで即刻『よろしくお願いします』なんて言った日には、ボク心底がっかりしちゃうところだったよ~」
「え…いや…その……」
「でも…忘れないでね? キミは他ならぬこのボクに、最大級の弱みを握られてるってこと。クロエ殿下の件、ボクが王子殿下たちにポロッと本当のことを言ったりしたら、キミは即刻不敬罪で斬首刑だよぉ? こればかりはさすがのヴェイグも庇えないだろうからね~♡」
「うっ…!? ぐっ、ぐぅぅ…!」
「学校を出たてのお嬢さんに、キミの倍近く生きてる人生の先輩からアドバイス♡ 長いものには大人しく巻かれてないと、いつかキミの首をキュッと締めちゃうから気を付けてねぇ~♡」
(な、なんつーパワハラ…! この男の娘、中身は間違いなく四十路の男だ…!)
流石はあの冷酷非道の父、ヴェイグの親友といったところか、ミハイルは天使のような見た目に反して相当なパワハラクソ野郎であった。
自身はクロエを庇護している王子ふたりの認可を得ていることをいいことに、ルドヴィカと全く同じ魔法をクロエに施している身でありながら、いざとなればルドヴィカを破滅させることができるのだとこれ見よがしにちらつかせるとは。
しかしこうなっては圧倒的に分が悪いのはルドヴィカの方であり、ミハイルの申し出を断ることなどできるはずもない。
「わ…わかりました…。その話、お受けします…」
「はぁ~い♡ ボク、物わかりのいい子はだーい好き♡ これからよろしくね、ルドヴィカ嬢♡」
(うぅ~…!よりにもよってこんなめんどくさそうな奴に弱みを握られるなんて~…! 合法ショタ要素と男の娘要素に加えて、クソガキ要素まで兼ね備えてるとか、属性オンパレードすぎてワケわかんないわよ~…!)
【な、なんだかわからないでしけど、このミハイルっていう人間がとんでもなく強い属性の魔法を使える魔導士ってことは理解したでし…! ゴウホウショタ・オトコノコ・クソガキ属性の魔法とは如何なるものでしか…!?】
スレミーが盛大な勘違いをしていることはさておき、ルドヴィカは心中で深く嘆きながらも、ミハイルの都合のいい駒になる気など更々なかった。
そもそもルドヴィカの望みとは魔物の研究に従事することではなく、古今東西のありとあらゆる魔物にひたすら犯されまくることなどである。
せいぜい軍が喜びそうな研究成果のみを適当に明け渡し、あとはいつも通りの快楽に満ちた生活を送ればいいのだ。
「…そ、それじゃあわたしはこれで…。お茶、ごちそうさまでした…」
「あ、待って待って! 話はまだ終わりじゃないよ!」
そそくさと席を立とうとしたルドヴィカを、ミハイルがあざとさMAXの可愛らしい慌て顔で引き留める。
本性が知れているだけに「あざとすぎて吐きそうだわ狸ジジイ」などという本音がつい漏れそうになったものの、ぎゅっと口を一文字に結んで堪え、ルドヴィカは再び席へと戻った。
「実はね、ある魔物についての研究をルドヴィカ嬢に頼みたいんだ」
「ある魔物…?」
「うん。正確に言えば、その魔物の討伐方法を突き止めてほしいんだよね」
「…総帥! それは機密事項のはずです!」
ある魔物、というミハイルの言葉に興味を示したルドヴィカとは対照的に、ソフィアの表情が強張り始める。
しかしミハイルは平然とした様子で、直立不動のままのソフィアに微笑みかけた。
「ソフィアは本当に堅いよねぇ! このボクがルドヴィカ嬢に任せるって決めたんだからいーの!」
「しかしっ、ルドヴィカは軍属の魔導士ではありません! こんなことに妹を巻き込むなど私は…!」
「いい加減に口を慎めよ、ソフィア将軍。魔道軍において上官の命令は絶対だと教えてやったのを忘れたか?」
「っ…! …も、申し訳ありませんでした、総帥」
「わかればよろしい♡ 女の子は素直なのが一番だよ、ソフィア♡」
凄まじく高圧的な本性を甘ったるいぶりっこ仕草で包むミハイルの言動に、さすがのルドヴィカもドン引きしてしまう。
これらの言動が本物の美少女のものならばともかく、美少女に見えるだけの46歳の中年男性のものであるので、あまりのちぐはぐぶりに脳が混乱しそうだった。
圧力に屈したソフィアが大人しくなると、ミハイルは上機嫌そうにルドヴィカへと向き直った。
「ルドヴィカ嬢にはねぇ、世間的には“夢魔”と呼ばれる魔物について研究してほしいんだよね♡」
天使のような悪魔もとい、美少女の姿かたちをした46歳の腹黒パワハラクソ野郎は、そう言ってルドヴィカに微笑みかけた。
* * *
ぶぢゅぶぢゅぶぢゅぶぢゅぶぢゅ♡♡♡♡♡
「いぎゃあァァァァァッ!!! お゛やめ…お゛やめぐだざい゛ッ、閣下ア゛ァァァァァッ!!!」
喘ぎ声というよりは悲鳴に近しい叫び声をあげる幼い少年に対し、少年の小さな菊門を蹂躙している“閣下”ことゴードン・マイクラン公爵は、にちゃあっ…と愉悦の表情を浮かべた。
ばぢゅばぢゅばぢゅばぢゅばぢゅ♡♡♡♡♡
「あ゛がぁぁぁぁーーーッ!!! ゆるじっ、ゆるじでぐだざいッ!! お゛じりがい゛だい゛よおォォォォッ!!」
「まだだ、まだ足りん! もっと叫べ、もっと泣け! 死に物狂いで俺に許しを乞えッ!」
「ごべんなしゃいッ、ごべんなしゃいィィィッ!! お゛ねがいでずがらぁっ、もおや゛めでぇぇぇぇぇッ!! もうお゛じりレイプいやらぁぁぁーーーーッ!!」
ボロボロと涙を零しながら必死に泣き叫ぶ少年に、更に興奮を煽られたゴードンは暴行をやめるどころか、よりいっそう激しく腰を動かし始める。
ろくに慣らされていないままに挿入されたのか、裂けた尻穴から流れる赤い血がゴードンの陰茎に纏わりつき、ただでさえグロテスクな欲の象徴を更に悍ましく彩っている。
常人であれば目を背けたくなるような地獄絵図が繰り広げられている中、部屋の外ではゴードンの息子である王国騎士軍の将軍、ジュード・マイクランが眉を顰めていた。
「ウッ、なんて酷い匂いだ…! 父上め、男娼遊びも大概にしてほしいものだ…」
精液と糞、それから血の匂いが入り混じった悪臭が部屋の外にまで漏れ出て、ジュードの鼻腔へと匂ってくる。
ローゼリア王国でも一二を争う名家、マイクラン公爵家の当主であるゴードンが、少年の男娼を犯して悦んでいるなどという事実がよほど嘆かわしいのか、それとも単に悪臭が不快なのか、ジュードの表情は酷く険しい。
「しかし父上は一体どうされたのか…。ある時を境に少年の男娼ばかりを連れて帰り、日がな一日あのようなことを…。かつて騎士の鑑と謳われた父上が、いったい何故…?」
マイクラン公爵家は建国の英雄ドラガン・マイクランを祖に持つ、王国一の騎士の名家である。
当主ミハイルが魔道軍総帥を務めるハンネベルク公爵家とは対照的に、マイクラン公爵家当主であるゴードンは騎士軍総帥を務め、いずれはその座をジュードに明け渡すものだとされていた。
しかし最近のゴードンは総帥としての軍務もそぞろに、王都に構える豪奢な屋敷に閉じこもっては少女のような見た目の男娼ばかりを連れ帰り、拷問じみた性行為に興じる日々を送っていた。
ゴードンに犯され続けた男娼の少年たちは激しい苦痛と恐怖のあまり、その殆どが正気を失って廃人となり、ジュードが人知れず後処理を行っている始末であった。
「このクソガキがッ、こうしてやるッ!! 貴様のようなクソガキは、このゴードンが犯し殺してやるからなッ!!」
「ヒィッ…!! や…やだ…やだぁっ…!!」
「ウガアァァァァァッ!! オ゛ォォォォォォッ!!」
ごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅ♡♡♡♡♡
「ぎゃあああああああッ!!! だれかぁーーーッ!! だずげでえぇぇぇーーーーッ!!」
「ハハハッ!! もっとだ、もっと泣き叫べ!! アーッハッハッハッハ!!」
少年の悲痛な叫び声と、誇り高かったはずの父の狂気じみた笑い声に、ジュードは耳を閉ざして聞こえないふりをした。
芸術品のようなケーキを口に運びながらそう言ったミハイルに、命の危機を脱したと安心しきっていたルドヴィカの表情が再び強張る。
「ヴェイグから聞いたんだけど、キミの魔物の研究は実に面白いよね! 魔導士が魔物に魔力を与えることで、契約という形で共生関係を築くだなんて!」
「…はぁ……」
「ヴェイグはキミの研究成果を魔道軍に売りたがっていたけどね、それはさすがに時期尚早だけれど、キミの研究に投資をする価値は大いにある。そんなワケだから今度からこのボクが個人的に、ルドヴィカ嬢の研究に出資してあげるからね♡」
「えっ…はぁ…はい……」
クロエの一件で殺されることを危惧していたのから一転、まさかのミハイルからのスポンサー宣言を受けたルドヴィカは、表情に出さないながらもかなり驚いていた。
基本的にルドヴィカをはじめ、ヴェイグやエレクトラといった魔導学士たちの研究費は、貴族や商人ギルドからの出資で賄われる。
王家が助成金を与える制度も存在はするものの、その研究が国益に直結すると判断されない限りは認可が下りず、国王への発言力を持つ貴族階級が制度を独占しているのが実情だ(何を隠そうその助成金を独占している貴族のひとりがヴェイグである)。
ルドヴィカの異種姦探求、もとい魔物の研究は、これまで実父ヴェイグが研究費(主にルドヴィカの生活費)を出資してくれていたが、今度からはそこに魔道軍総帥であるミハイルが加わるのならば、ルドヴィカの今後は安泰と言い切っていい。
緊張からの緩和ですっかり警戒心が緩んだルドヴィカは、ミハイルの申し出に馬鹿正直に「ありがとうございます」と礼を言いそうになったが、ミハイルの傍に控える姉ソフィアの凄まじい渋面を目にした瞬間、慌てて思い直した。
(いや待て待て、本当にこの合法ショタを信用していいのか…? ミハイル総帥個人的にと言ってるとはいえ、魔道軍総帥からの出資なんて受けた日には軍の都合のいいように使われるかもしれないし…)
(そうだ、思いとどまれルドヴィカ…! 総帥は見た目こそ天使のような美少女だが、中身はただの腹黒狸ジジイだ…! この出資には何かしらのよくない思惑があるに決まってる…!)
ソフィアからの声なきメッセージを受け取ってか、生物的な本能が察してか、ルドヴィカがミハイルの申し出に対して二の足を踏み始める。
この短いやり取りの中でもミハイルの性格の捻くれっぷりは否応にも理解できる、ルドヴィカへの出資が単なる好意によるものだとは到底思えない。
何よりルドヴィカは極度の人間嫌いかつ魔物とのドスケベ交尾を愛好する変態、他人ましてや王国随一の権力者と深く関わりすぎるのは、将来己の身を滅ぼすことになるかもしれない。
鉄面皮のまま心中で深く葛藤するルドヴィカに、ミハイルは全てを見透かしたような老獪な笑み(見た目は美少女だけれど)を浮かべているのが猶のこと不気味だった。
「うふふ、ヴェイグの娘だけあってカンは鋭いねぇ! そこで即刻『よろしくお願いします』なんて言った日には、ボク心底がっかりしちゃうところだったよ~」
「え…いや…その……」
「でも…忘れないでね? キミは他ならぬこのボクに、最大級の弱みを握られてるってこと。クロエ殿下の件、ボクが王子殿下たちにポロッと本当のことを言ったりしたら、キミは即刻不敬罪で斬首刑だよぉ? こればかりはさすがのヴェイグも庇えないだろうからね~♡」
「うっ…!? ぐっ、ぐぅぅ…!」
「学校を出たてのお嬢さんに、キミの倍近く生きてる人生の先輩からアドバイス♡ 長いものには大人しく巻かれてないと、いつかキミの首をキュッと締めちゃうから気を付けてねぇ~♡」
(な、なんつーパワハラ…! この男の娘、中身は間違いなく四十路の男だ…!)
流石はあの冷酷非道の父、ヴェイグの親友といったところか、ミハイルは天使のような見た目に反して相当なパワハラクソ野郎であった。
自身はクロエを庇護している王子ふたりの認可を得ていることをいいことに、ルドヴィカと全く同じ魔法をクロエに施している身でありながら、いざとなればルドヴィカを破滅させることができるのだとこれ見よがしにちらつかせるとは。
しかしこうなっては圧倒的に分が悪いのはルドヴィカの方であり、ミハイルの申し出を断ることなどできるはずもない。
「わ…わかりました…。その話、お受けします…」
「はぁ~い♡ ボク、物わかりのいい子はだーい好き♡ これからよろしくね、ルドヴィカ嬢♡」
(うぅ~…!よりにもよってこんなめんどくさそうな奴に弱みを握られるなんて~…! 合法ショタ要素と男の娘要素に加えて、クソガキ要素まで兼ね備えてるとか、属性オンパレードすぎてワケわかんないわよ~…!)
【な、なんだかわからないでしけど、このミハイルっていう人間がとんでもなく強い属性の魔法を使える魔導士ってことは理解したでし…! ゴウホウショタ・オトコノコ・クソガキ属性の魔法とは如何なるものでしか…!?】
スレミーが盛大な勘違いをしていることはさておき、ルドヴィカは心中で深く嘆きながらも、ミハイルの都合のいい駒になる気など更々なかった。
そもそもルドヴィカの望みとは魔物の研究に従事することではなく、古今東西のありとあらゆる魔物にひたすら犯されまくることなどである。
せいぜい軍が喜びそうな研究成果のみを適当に明け渡し、あとはいつも通りの快楽に満ちた生活を送ればいいのだ。
「…そ、それじゃあわたしはこれで…。お茶、ごちそうさまでした…」
「あ、待って待って! 話はまだ終わりじゃないよ!」
そそくさと席を立とうとしたルドヴィカを、ミハイルがあざとさMAXの可愛らしい慌て顔で引き留める。
本性が知れているだけに「あざとすぎて吐きそうだわ狸ジジイ」などという本音がつい漏れそうになったものの、ぎゅっと口を一文字に結んで堪え、ルドヴィカは再び席へと戻った。
「実はね、ある魔物についての研究をルドヴィカ嬢に頼みたいんだ」
「ある魔物…?」
「うん。正確に言えば、その魔物の討伐方法を突き止めてほしいんだよね」
「…総帥! それは機密事項のはずです!」
ある魔物、というミハイルの言葉に興味を示したルドヴィカとは対照的に、ソフィアの表情が強張り始める。
しかしミハイルは平然とした様子で、直立不動のままのソフィアに微笑みかけた。
「ソフィアは本当に堅いよねぇ! このボクがルドヴィカ嬢に任せるって決めたんだからいーの!」
「しかしっ、ルドヴィカは軍属の魔導士ではありません! こんなことに妹を巻き込むなど私は…!」
「いい加減に口を慎めよ、ソフィア将軍。魔道軍において上官の命令は絶対だと教えてやったのを忘れたか?」
「っ…! …も、申し訳ありませんでした、総帥」
「わかればよろしい♡ 女の子は素直なのが一番だよ、ソフィア♡」
凄まじく高圧的な本性を甘ったるいぶりっこ仕草で包むミハイルの言動に、さすがのルドヴィカもドン引きしてしまう。
これらの言動が本物の美少女のものならばともかく、美少女に見えるだけの46歳の中年男性のものであるので、あまりのちぐはぐぶりに脳が混乱しそうだった。
圧力に屈したソフィアが大人しくなると、ミハイルは上機嫌そうにルドヴィカへと向き直った。
「ルドヴィカ嬢にはねぇ、世間的には“夢魔”と呼ばれる魔物について研究してほしいんだよね♡」
天使のような悪魔もとい、美少女の姿かたちをした46歳の腹黒パワハラクソ野郎は、そう言ってルドヴィカに微笑みかけた。
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ぶぢゅぶぢゅぶぢゅぶぢゅぶぢゅ♡♡♡♡♡
「いぎゃあァァァァァッ!!! お゛やめ…お゛やめぐだざい゛ッ、閣下ア゛ァァァァァッ!!!」
喘ぎ声というよりは悲鳴に近しい叫び声をあげる幼い少年に対し、少年の小さな菊門を蹂躙している“閣下”ことゴードン・マイクラン公爵は、にちゃあっ…と愉悦の表情を浮かべた。
ばぢゅばぢゅばぢゅばぢゅばぢゅ♡♡♡♡♡
「あ゛がぁぁぁぁーーーッ!!! ゆるじっ、ゆるじでぐだざいッ!! お゛じりがい゛だい゛よおォォォォッ!!」
「まだだ、まだ足りん! もっと叫べ、もっと泣け! 死に物狂いで俺に許しを乞えッ!」
「ごべんなしゃいッ、ごべんなしゃいィィィッ!! お゛ねがいでずがらぁっ、もおや゛めでぇぇぇぇぇッ!! もうお゛じりレイプいやらぁぁぁーーーーッ!!」
ボロボロと涙を零しながら必死に泣き叫ぶ少年に、更に興奮を煽られたゴードンは暴行をやめるどころか、よりいっそう激しく腰を動かし始める。
ろくに慣らされていないままに挿入されたのか、裂けた尻穴から流れる赤い血がゴードンの陰茎に纏わりつき、ただでさえグロテスクな欲の象徴を更に悍ましく彩っている。
常人であれば目を背けたくなるような地獄絵図が繰り広げられている中、部屋の外ではゴードンの息子である王国騎士軍の将軍、ジュード・マイクランが眉を顰めていた。
「ウッ、なんて酷い匂いだ…! 父上め、男娼遊びも大概にしてほしいものだ…」
精液と糞、それから血の匂いが入り混じった悪臭が部屋の外にまで漏れ出て、ジュードの鼻腔へと匂ってくる。
ローゼリア王国でも一二を争う名家、マイクラン公爵家の当主であるゴードンが、少年の男娼を犯して悦んでいるなどという事実がよほど嘆かわしいのか、それとも単に悪臭が不快なのか、ジュードの表情は酷く険しい。
「しかし父上は一体どうされたのか…。ある時を境に少年の男娼ばかりを連れて帰り、日がな一日あのようなことを…。かつて騎士の鑑と謳われた父上が、いったい何故…?」
マイクラン公爵家は建国の英雄ドラガン・マイクランを祖に持つ、王国一の騎士の名家である。
当主ミハイルが魔道軍総帥を務めるハンネベルク公爵家とは対照的に、マイクラン公爵家当主であるゴードンは騎士軍総帥を務め、いずれはその座をジュードに明け渡すものだとされていた。
しかし最近のゴードンは総帥としての軍務もそぞろに、王都に構える豪奢な屋敷に閉じこもっては少女のような見た目の男娼ばかりを連れ帰り、拷問じみた性行為に興じる日々を送っていた。
ゴードンに犯され続けた男娼の少年たちは激しい苦痛と恐怖のあまり、その殆どが正気を失って廃人となり、ジュードが人知れず後処理を行っている始末であった。
「このクソガキがッ、こうしてやるッ!! 貴様のようなクソガキは、このゴードンが犯し殺してやるからなッ!!」
「ヒィッ…!! や…やだ…やだぁっ…!!」
「ウガアァァァァァッ!! オ゛ォォォォォォッ!!」
ごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅごちゅ♡♡♡♡♡
「ぎゃあああああああッ!!! だれかぁーーーッ!! だずげでえぇぇぇーーーーッ!!」
「ハハハッ!! もっとだ、もっと泣き叫べ!! アーッハッハッハッハ!!」
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