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恋愛感情

第7話

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「ごめんなさい」

「いや全然全然。可愛いから許します」

「やったー」

「だから可愛すぎますって、もう速く選びましょう(笑)」

お互いでそう言いながらも西君は照れながらそう言う。私はここぞとばかりに可愛い仕草を見せ、西君もここぞとばかりに可愛いを連呼する。

普段言い慣れている筈のこの『可愛い』。なんで西君の場合はこんなにも嬉しい気持ちになるのか。もっと言われたいしもっと好きになって欲しいという気持ちになっている。


何これ普通のカップル感。幸せなんだけど


「そうですね、折角なんで好みのあります?それを着ますよ」

「マジで?ただでさえこの運命的な出会いで夢みたいな話なのに、まだ夢見せてくれますの!?やばいよ今日!運使い果たしている感じで逆に今後が怖い!」

私がファンならばという何気なしに言ったつもりがよくよく考えれば、確かに西君からすれば大ファンのアイドルと運命的な出会いに式場パンフレットの仕事でまさかの新郎新婦のモデル。その新婦役からの好きなドレスを選べってこんな夢心地な事はない。逆の立場で私の好きな漫画キャラが目の前に居て同じ状況だったら倒れるレベル。

「大袈裟ですよ。こういう機会、今後絶対にないと思うんで。どれでもいいですよ、なんならこういう胸元が出たセクシーのでも(笑)」

私は興奮している西君に落ち着かせる為にそう言いうと西君は

「実は…それが個人的に気になってて…」

「まさかのこれですか!?(笑)」

冗談で言っていたドレス。その1つのウェディング衣装をハンガーから取って西君に見せる。
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