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仮面を被った私達
第17話
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「フフ、なんかプロポーズされてるみたーい、手も握っちゃってるし(笑)」
「え?あ、すみません!つい調子に乗っちゃって…ちゃんと…順番に…守ります」
我に返ったのか、急に手を放して日本語が可笑しくなる西君。やっぱりこういう所が堪らない。私の心は決まった。
「フフフ、やっぱり面白いし嬉しいですよ。その肝心な私の気持ちですけど、その責任に乗っかっていいですか?」
「それはつまり…?」
私のオッケーっぽい私の反応を見て、にやけながら聞いて来た。
「西君のその覚悟、充分に伝わりましたし、私も西君の事が好きです。是非、私とお付き合いをお願いします」
と、私は椅子に座りながらではあるが深々と頭を下げた。
「マジで?かなり嬉しいんですけど!え、本当に?」
凄くテンションが上がる西君。私自身も嬉しい筈だが、ただこれまでアイドル一本で来ていただけに、何処か罪悪感がある。
あー道を外しちゃった。でも今は考えなくていいや。
取り敢えずそういう気持ちでいるしかなかった。
「あの…早速と言いますか、折角なんでお付き合いの証として、チューとかしませんか?」
「まぁ積極的ですね、私の初チューを早速奪う気ですか(笑)?」
「え?初めてなんですか?」
西君は驚いていた。それに対して
「当たり前ですよ?10歳からこの世界に居るんですよ?そもそも恋愛禁止なんで、西君が初彼氏なんですからね。西君自体はどうなんです?さぞモテていた事でしょう?」
何故かムキになって話してしまう私。その言葉に西君は
「俺は高校時代に1人居たくらいで、卒業と同時に別れたって感じです」
って事は童貞じゃないって事か…。まぁそうだよね、このルックスだからモテる筈だもん…ってなに考えてるんだよ私!。
ソッチ系を考えてしまって嫉妬している自分が居た。西君にそれがバレない様に余裕を見せながら、
「あー、じゃー経験者ですね、あ、色んな意味で」
何故か考えていた事を口に出してしまった事に気付き慌ててオブラートに言った。
「ブフッ!まぁ、ある意味はい(笑)。ていうか今変な事考えたでしょ?絶対後付けしなければわかんなかったのに、言ったせぃで逆に何の事が分かっちゃいましたよ?」
どうやら意味が分かった様子で、ていうかオブラートに言ったつもりが返って分かりやすくさせてしまったらしく、凄く恥ずかしくて思わず顔を隠す。
「本当ですか?うー恥ずかしい…御免なさい、初めてですから変な事考えちゃって」
すると西君は再び手を握り
「いいですよ全然。むしろ彼氏としては、そうやって考えて下さる事ってのは嬉しい限りですから」
私は確認をする様に”ほんと?”と言うと二つ返事で帰ってきた。その言葉かけはとても優しく、胸に飛び込みたい感じがした。
「んて事はこれから先は初めてだらけって訳ですね?手取り足取り教えます(笑)」
そう西君は言った。今回初めて向こうからからかわれた感じとなった。
「ちょっとー、急に私が初めてだと分かったら調子に乗ってー」
「すみません冗談です(笑)」
その一言後に急に静かになり、お互い見つめ合う。この時間。私は今からキスをするんだっていうのが一瞬で理解できた。そう理解した瞬間に緊張で相手に伝わるんじゃないかってなくらい、心臓の鼓動が速くなっていた。そして、体感で20秒程したくらいだろうか。
”チュッ”
そう口づけの音が私たちの周りに鳴り響いた。とても柔らかく、初めての筈なのにこのまま押し倒されたい。そう思ってしまうくらいキスの魔法の凄さを一瞬だったのにも関わらず感じてしまった。キスの寸前、向こうの吐息が聞こえ、恐らく西君も緊張していたんだと感じた。
これが私のファーストキスであり、同時に正式に付き合いが始まった事で、これから先は、お互いに仮面を被り続けないといけない事を意味する事になる。
「え?あ、すみません!つい調子に乗っちゃって…ちゃんと…順番に…守ります」
我に返ったのか、急に手を放して日本語が可笑しくなる西君。やっぱりこういう所が堪らない。私の心は決まった。
「フフフ、やっぱり面白いし嬉しいですよ。その肝心な私の気持ちですけど、その責任に乗っかっていいですか?」
「それはつまり…?」
私のオッケーっぽい私の反応を見て、にやけながら聞いて来た。
「西君のその覚悟、充分に伝わりましたし、私も西君の事が好きです。是非、私とお付き合いをお願いします」
と、私は椅子に座りながらではあるが深々と頭を下げた。
「マジで?かなり嬉しいんですけど!え、本当に?」
凄くテンションが上がる西君。私自身も嬉しい筈だが、ただこれまでアイドル一本で来ていただけに、何処か罪悪感がある。
あー道を外しちゃった。でも今は考えなくていいや。
取り敢えずそういう気持ちでいるしかなかった。
「あの…早速と言いますか、折角なんでお付き合いの証として、チューとかしませんか?」
「まぁ積極的ですね、私の初チューを早速奪う気ですか(笑)?」
「え?初めてなんですか?」
西君は驚いていた。それに対して
「当たり前ですよ?10歳からこの世界に居るんですよ?そもそも恋愛禁止なんで、西君が初彼氏なんですからね。西君自体はどうなんです?さぞモテていた事でしょう?」
何故かムキになって話してしまう私。その言葉に西君は
「俺は高校時代に1人居たくらいで、卒業と同時に別れたって感じです」
って事は童貞じゃないって事か…。まぁそうだよね、このルックスだからモテる筈だもん…ってなに考えてるんだよ私!。
ソッチ系を考えてしまって嫉妬している自分が居た。西君にそれがバレない様に余裕を見せながら、
「あー、じゃー経験者ですね、あ、色んな意味で」
何故か考えていた事を口に出してしまった事に気付き慌ててオブラートに言った。
「ブフッ!まぁ、ある意味はい(笑)。ていうか今変な事考えたでしょ?絶対後付けしなければわかんなかったのに、言ったせぃで逆に何の事が分かっちゃいましたよ?」
どうやら意味が分かった様子で、ていうかオブラートに言ったつもりが返って分かりやすくさせてしまったらしく、凄く恥ずかしくて思わず顔を隠す。
「本当ですか?うー恥ずかしい…御免なさい、初めてですから変な事考えちゃって」
すると西君は再び手を握り
「いいですよ全然。むしろ彼氏としては、そうやって考えて下さる事ってのは嬉しい限りですから」
私は確認をする様に”ほんと?”と言うと二つ返事で帰ってきた。その言葉かけはとても優しく、胸に飛び込みたい感じがした。
「んて事はこれから先は初めてだらけって訳ですね?手取り足取り教えます(笑)」
そう西君は言った。今回初めて向こうからからかわれた感じとなった。
「ちょっとー、急に私が初めてだと分かったら調子に乗ってー」
「すみません冗談です(笑)」
その一言後に急に静かになり、お互い見つめ合う。この時間。私は今からキスをするんだっていうのが一瞬で理解できた。そう理解した瞬間に緊張で相手に伝わるんじゃないかってなくらい、心臓の鼓動が速くなっていた。そして、体感で20秒程したくらいだろうか。
”チュッ”
そう口づけの音が私たちの周りに鳴り響いた。とても柔らかく、初めての筈なのにこのまま押し倒されたい。そう思ってしまうくらいキスの魔法の凄さを一瞬だったのにも関わらず感じてしまった。キスの寸前、向こうの吐息が聞こえ、恐らく西君も緊張していたんだと感じた。
これが私のファーストキスであり、同時に正式に付き合いが始まった事で、これから先は、お互いに仮面を被り続けないといけない事を意味する事になる。
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