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観光撮影

第3話

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-茶水駅-
9時52分着の仕事場の最寄り駅に付いた。言い忘れてたけど、身バレをしたくない私は、縁無し眼鏡とマスクをし、普段用の髪を結んでいる。到着するとさっきまで繋いでいた手を解き、駅近くで待機している新高さんの車まで向かう。

「おはようございます、宜しくお願いします」

「2人共おはようございます、宜しくお願いします」

そう言って車内に入り、直ぐに出発して目的地に向かう。

「一緒に来たの?」

出発して間もなく、新高さんがそう聞いた。それに対して西君が答える。

「そうですね。待ち合わせというか、乗る時間帯を合わせてって感じで」

「おぉー良いねー、既にデートが始まってるじゃないですかー」

私は言われるまで気付かなかった。今日は仕事というつもりで来てたけど、そもそも撮影とはいえ、新高さんは撮影兼デートって言っていた。確かに電車での出来事はデートと言えばデートになる。

「「そう言えばそうですね」」

西君も気付いてなかったのか、言葉が私とハモる。

「あ、2人共今日は仕事気分で来てますね?確かに撮影という仕事は入りますが、デートがメインですから」

何故か新高さんが張り切っているのは別にしてそう言う。

「でも良いんですか?楽しんじゃって」

「良いんですよ。今回のテーマはデートスポットプランなので」

その言葉に私達はお礼を言って目的地に向かった。
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