156 / 230
起転承[乱]結Λ
15話 宴の準備。
しおりを挟む
軌道都市で暮らすオビタルが季節という概念を失って久しい。
故にロベニカ・カールセンの反応は当然だったのかもしれない。
「はあ?」
プールサイドでデッキブラシの柄に両腕を預けるトジバトルは落ち着き払った表情で立っている。
「プールパーティ? 今? どうしてですか?」
ロベニカは疑わしそうに目を細めた。
彼女とてトジバトルという男は認めている。野人のような外見とは裏腹にクレバーな人物だと理解していた。
――オリヴィア宮でも大活躍したそうだし……。
新生派帝国内のメディアが大々的に報じている。
突然の侵略者達に対して女帝ウルドが敢然と立ち上がり、憲兵司令ガウス・イーデンとトジバトル率いる剣闘士達の活躍、そして英雄トール・ベルニクにより敵を打ち負かし──と喧伝されていた。
統帥府報道官ソフィア・ムッチーノが得意とする情緒に偏重したナラティブである。
「どうしてって――」
話題の剣闘士兼プール清掃員は肩をすくめる。
「こんなに立派なプールがあるんです。使わないと勿体ないでしょう」
みゆうが外に出た時に備えてトールが家令セバスに設《しつら》えさせた設備だったのだが、本来目的を果たすには至っていない。
「わざわざプールでパーティなんて――エッチな事を――あ! ひょっとして、トール様が――」
「いや、あの御仁は知りませんよ。私が勝手に始めたんですから」
トールに対しては、「楽しいイベント」としか伝えていない。
「ロベニカさん」
交渉の基本は、自分で作った波に、自身が上手く乗る事だ。
声音を改めてから、トジバトルは言葉を続けた。
「蛮族の地でトール殿は心身共に――いや、主にこっちが――」
そう言いながら胸を叩いた。
「――疲れたに違いありません」
表面にこそ出していないが、実際にトジバトルの言う通りだった。
教皇アレクサンデルも危惧した通り、トール・ベルニクの魂には些かの疲労がある。
自らの手で数多の殺戮をし、尚且つ人類史上最悪であろう虐殺の目撃者ともなった。
例え悪魔に身を売った者であったとしても魂に揺らぎを感じただろう。
「ええ――そうでしょうね」
ロベニカの声音も、幾分か憂いを帯びた。
彼女にとって、いや、ベルニク領邦にとって得難い為政者へ育ちつつある男だが、過度な心労の蓄積が人柄を変える可能性に警戒しなければならない。
何があっても、呑気で、飄々とした男であり続けて欲しい――。
ロベニカだけでなく、彼に関わる全ての人物が内心でそう願っていた。
「だからこそ、パーティ。尚且つプールパーティである事が重要なのです」
「そ、そう──かしら?」
話を聞くうちにロベニカは、パーティ会場がプールというだけで警戒した自分が心の狭い人間なのでは──と感じ始めていた。
「プールパーティです! 皆さん水着となり実に開放的でしょう。堅苦しいのがお嫌いなトール殿に相応しいと思いませんか?」
「なるほど――え、いや、んんん?」
ここは勢いで押し切るしかない、とトジバトルは判断する。
「トール殿は――」
天を仰いで瞳を閉じた。
「女神ラムダのような胸を愛しているようですな」
「め、女神――」
「ええ。豊穣です。つまりは豊穣なのです」
◇
ベルニクで謎のプールパーティ準備が進んでいた頃、遠く離れた旧帝都エゼキエルでも宴の準備が進められていた。
女帝ウルドが去り、叛乱軍と戦った警護師団は壊滅し、多数の廷吏や女官達も姿を消している。
有体に言ってうら寂れた風情となったイリアム宮だが、謁見の間へ至る通路を急ぎ足で歩む男達がいた。
先頭を進むのは宰相エヴァン・グリフィス公爵である。
彼の後ろには、レオ・セントロマ枢機卿、そしてアダム・フォルツ選帝侯が続いていた。
「カドガンは口惜しいが、マクギガンは手に入った。が、却って良かったのかもしれませんな」
アダム・フォルツ選帝侯は、エヴァンに阿《おもね》るような口調で告げた。
「そうか」
エヴァンは短く応えるに止めた。
「奇病で消えゆく幼子など、何の役にも立ちますまい。ハハハ」
乾いた笑声が響く。
「ともあれ、これで帝都は盤石ですぞ。辺境のベルニクずれが攻め寄せて来る余地は無くなりました」
それは、どうだろうか――とエヴァンは考えていた。
未知ポータルの存在もあろうし、マクギガン領邦を守る傀儡としたジェラルドの能力にも疑問が残る。
他方のカドガン領邦については、敵とした場合に地勢とは別の問題があった。
――七つ目との接点――これが実に不味い。
――ヴィーナスがベルニクと結べば、大きな厄介事になろう。
――否、厄介どころか、アレが全ての秘蹟を手に入れかねんな……。
エヴァンの脳裏に浮かぶのは、ボウとした田舎領主の姿である。
女帝と玉璽を攫うだけでは飽き足らず、今度はグノーシス船団国の首船を陥としてきたと言う。
勢力圏内のメディアには報道管制を敷いているが、どうあっても噂とは流布していくものだ。
トール・ベルニクが、またも大きな事をやってのけたという話しは、幼年学校の生徒ですら耳にしていた。
――このままでは本当に飲まれかねん。
旗色を鮮明にしてこなかった諸侯の多くは、蛮族討伐を祝う使節をフェリクスへ派遣したと聞いている。
新生派帝国に対して恭順する意思を示したも同然の行動だ。
――急がねばな……。
「エヴァン」
謁見の間へ入る大扉の前に至ったところで、聖レオがエヴァンに呼びかけた。
「――どうした?」
大扉を押し開こうとした衛兵を止めた後に振り返る。
「此度の祝宴、本当に太上帝が望まれた事なのだな?」
昨夜、何度も説明しただろう、という言葉をエヴァンは飲み込んだ。
フォルツ選帝侯や衛兵達から不要な疑義を招かぬよう注意を払ったのだが、声音に含む苛立ちは隠し切れなかった。
「そうだ、レオ。我等の太上帝が望まれた」
太上帝《だいじょうてい》とはつまり、先の女帝へ贈られる尊号である。
ウルドの先代、イドゥン太上帝は、不治の病に冒されたとして自ら退位したのだ。
以来、イリアム宮の裏手にある太上宮にて療養中とされ、彼女と面会の叶う者は極一部に限られていた。
エヴァン、レオ、フォルツ選帝侯、アラゴン選帝侯、そして七つ目と連なる女──。
「これから会うのだ。自身で問えば良かろう」
「そ、それは――」
聖レオが口ごもる。
――結局のところ、レオは嫌なのだ。
外交や謀略で女帝ウルドを取り戻すのは、もはや不可能事であるとエヴァンは判断している。
さりとて、軍事的に全面衝突をした場合、現状では勝てる保証が無い。
残された道は一つだ。
――女帝の不在を理由として、太上帝の院政を敷く。
その為に、まずはイドゥン太上帝の快気を慶賀するのである。
――多くの嘘をつかねばならん。
――それが、この男を苛ませているのだろうが……。
太上帝が退位した原因と姿を現さなかった理由――何れも健康問題ではなかった。
また、帝国基本法の何処を調べても、院政を是とする解釈など出来ない。
――だが、レオ・セントロマ。お前には女神と聖教会の御名において、太上帝を祝福してもらうぞ。
「レオ」
苛立ちを抑え、エヴァンは己の虜となっている痩せた男を見下ろした。
「――頼む」
吸い込まれそうなエヴァンの眼差しに耐え切れず、レオはつと顔を落として小さく頷いた。
自然とエヴァンの口角も薄く上がる。
「良かった」
――お前が疎ましく思っている聖性は、偽りを糊塗するには都合が良い。
「フォルツ侯、枢機卿」
――だが、私が事を為した暁には、お前の望みを叶えてやるつもりだ。
――罪悪感の源泉たる聖性を剥ぎ取り、プルガトリウムの煉獄へ繋いでやろう。
「御前へ参る。平に慎まれよ」
――さすれば、もはや痩身を鞭で打つ必要もあるまい。
その日が来るのを、エヴァン・グリフィスは心待ちにしていた。
故にロベニカ・カールセンの反応は当然だったのかもしれない。
「はあ?」
プールサイドでデッキブラシの柄に両腕を預けるトジバトルは落ち着き払った表情で立っている。
「プールパーティ? 今? どうしてですか?」
ロベニカは疑わしそうに目を細めた。
彼女とてトジバトルという男は認めている。野人のような外見とは裏腹にクレバーな人物だと理解していた。
――オリヴィア宮でも大活躍したそうだし……。
新生派帝国内のメディアが大々的に報じている。
突然の侵略者達に対して女帝ウルドが敢然と立ち上がり、憲兵司令ガウス・イーデンとトジバトル率いる剣闘士達の活躍、そして英雄トール・ベルニクにより敵を打ち負かし──と喧伝されていた。
統帥府報道官ソフィア・ムッチーノが得意とする情緒に偏重したナラティブである。
「どうしてって――」
話題の剣闘士兼プール清掃員は肩をすくめる。
「こんなに立派なプールがあるんです。使わないと勿体ないでしょう」
みゆうが外に出た時に備えてトールが家令セバスに設《しつら》えさせた設備だったのだが、本来目的を果たすには至っていない。
「わざわざプールでパーティなんて――エッチな事を――あ! ひょっとして、トール様が――」
「いや、あの御仁は知りませんよ。私が勝手に始めたんですから」
トールに対しては、「楽しいイベント」としか伝えていない。
「ロベニカさん」
交渉の基本は、自分で作った波に、自身が上手く乗る事だ。
声音を改めてから、トジバトルは言葉を続けた。
「蛮族の地でトール殿は心身共に――いや、主にこっちが――」
そう言いながら胸を叩いた。
「――疲れたに違いありません」
表面にこそ出していないが、実際にトジバトルの言う通りだった。
教皇アレクサンデルも危惧した通り、トール・ベルニクの魂には些かの疲労がある。
自らの手で数多の殺戮をし、尚且つ人類史上最悪であろう虐殺の目撃者ともなった。
例え悪魔に身を売った者であったとしても魂に揺らぎを感じただろう。
「ええ――そうでしょうね」
ロベニカの声音も、幾分か憂いを帯びた。
彼女にとって、いや、ベルニク領邦にとって得難い為政者へ育ちつつある男だが、過度な心労の蓄積が人柄を変える可能性に警戒しなければならない。
何があっても、呑気で、飄々とした男であり続けて欲しい――。
ロベニカだけでなく、彼に関わる全ての人物が内心でそう願っていた。
「だからこそ、パーティ。尚且つプールパーティである事が重要なのです」
「そ、そう──かしら?」
話を聞くうちにロベニカは、パーティ会場がプールというだけで警戒した自分が心の狭い人間なのでは──と感じ始めていた。
「プールパーティです! 皆さん水着となり実に開放的でしょう。堅苦しいのがお嫌いなトール殿に相応しいと思いませんか?」
「なるほど――え、いや、んんん?」
ここは勢いで押し切るしかない、とトジバトルは判断する。
「トール殿は――」
天を仰いで瞳を閉じた。
「女神ラムダのような胸を愛しているようですな」
「め、女神――」
「ええ。豊穣です。つまりは豊穣なのです」
◇
ベルニクで謎のプールパーティ準備が進んでいた頃、遠く離れた旧帝都エゼキエルでも宴の準備が進められていた。
女帝ウルドが去り、叛乱軍と戦った警護師団は壊滅し、多数の廷吏や女官達も姿を消している。
有体に言ってうら寂れた風情となったイリアム宮だが、謁見の間へ至る通路を急ぎ足で歩む男達がいた。
先頭を進むのは宰相エヴァン・グリフィス公爵である。
彼の後ろには、レオ・セントロマ枢機卿、そしてアダム・フォルツ選帝侯が続いていた。
「カドガンは口惜しいが、マクギガンは手に入った。が、却って良かったのかもしれませんな」
アダム・フォルツ選帝侯は、エヴァンに阿《おもね》るような口調で告げた。
「そうか」
エヴァンは短く応えるに止めた。
「奇病で消えゆく幼子など、何の役にも立ちますまい。ハハハ」
乾いた笑声が響く。
「ともあれ、これで帝都は盤石ですぞ。辺境のベルニクずれが攻め寄せて来る余地は無くなりました」
それは、どうだろうか――とエヴァンは考えていた。
未知ポータルの存在もあろうし、マクギガン領邦を守る傀儡としたジェラルドの能力にも疑問が残る。
他方のカドガン領邦については、敵とした場合に地勢とは別の問題があった。
――七つ目との接点――これが実に不味い。
――ヴィーナスがベルニクと結べば、大きな厄介事になろう。
――否、厄介どころか、アレが全ての秘蹟を手に入れかねんな……。
エヴァンの脳裏に浮かぶのは、ボウとした田舎領主の姿である。
女帝と玉璽を攫うだけでは飽き足らず、今度はグノーシス船団国の首船を陥としてきたと言う。
勢力圏内のメディアには報道管制を敷いているが、どうあっても噂とは流布していくものだ。
トール・ベルニクが、またも大きな事をやってのけたという話しは、幼年学校の生徒ですら耳にしていた。
――このままでは本当に飲まれかねん。
旗色を鮮明にしてこなかった諸侯の多くは、蛮族討伐を祝う使節をフェリクスへ派遣したと聞いている。
新生派帝国に対して恭順する意思を示したも同然の行動だ。
――急がねばな……。
「エヴァン」
謁見の間へ入る大扉の前に至ったところで、聖レオがエヴァンに呼びかけた。
「――どうした?」
大扉を押し開こうとした衛兵を止めた後に振り返る。
「此度の祝宴、本当に太上帝が望まれた事なのだな?」
昨夜、何度も説明しただろう、という言葉をエヴァンは飲み込んだ。
フォルツ選帝侯や衛兵達から不要な疑義を招かぬよう注意を払ったのだが、声音に含む苛立ちは隠し切れなかった。
「そうだ、レオ。我等の太上帝が望まれた」
太上帝《だいじょうてい》とはつまり、先の女帝へ贈られる尊号である。
ウルドの先代、イドゥン太上帝は、不治の病に冒されたとして自ら退位したのだ。
以来、イリアム宮の裏手にある太上宮にて療養中とされ、彼女と面会の叶う者は極一部に限られていた。
エヴァン、レオ、フォルツ選帝侯、アラゴン選帝侯、そして七つ目と連なる女──。
「これから会うのだ。自身で問えば良かろう」
「そ、それは――」
聖レオが口ごもる。
――結局のところ、レオは嫌なのだ。
外交や謀略で女帝ウルドを取り戻すのは、もはや不可能事であるとエヴァンは判断している。
さりとて、軍事的に全面衝突をした場合、現状では勝てる保証が無い。
残された道は一つだ。
――女帝の不在を理由として、太上帝の院政を敷く。
その為に、まずはイドゥン太上帝の快気を慶賀するのである。
――多くの嘘をつかねばならん。
――それが、この男を苛ませているのだろうが……。
太上帝が退位した原因と姿を現さなかった理由――何れも健康問題ではなかった。
また、帝国基本法の何処を調べても、院政を是とする解釈など出来ない。
――だが、レオ・セントロマ。お前には女神と聖教会の御名において、太上帝を祝福してもらうぞ。
「レオ」
苛立ちを抑え、エヴァンは己の虜となっている痩せた男を見下ろした。
「――頼む」
吸い込まれそうなエヴァンの眼差しに耐え切れず、レオはつと顔を落として小さく頷いた。
自然とエヴァンの口角も薄く上がる。
「良かった」
――お前が疎ましく思っている聖性は、偽りを糊塗するには都合が良い。
「フォルツ侯、枢機卿」
――だが、私が事を為した暁には、お前の望みを叶えてやるつもりだ。
――罪悪感の源泉たる聖性を剥ぎ取り、プルガトリウムの煉獄へ繋いでやろう。
「御前へ参る。平に慎まれよ」
――さすれば、もはや痩身を鞭で打つ必要もあるまい。
その日が来るのを、エヴァン・グリフィスは心待ちにしていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる