182 / 230
起転承[乱]結Λ
41話 我に在るは我欲のみ。
しおりを挟む
ゲオルク宙域では、残骸を巻き取るデブリイレイザーが、惑星重力圏より脱していないデブリの回収に勤しんでいた。
艦艇の残骸であれ、刀剣であれ、人体であれ、全てが再生処理施設に運ばれていくのだ。
そんな侘びた光景に見入る総司令官の胸中を慮り、ケヴィン・カウフマン中将は何も言わず傍に立っていた。
──さすがに、閣下とて思うところはあるのだろう……。
トールを軍神と仰ぐ将兵達も心中に一抹の不安と迷いが生じていた。教理局や天秤衆からの報復を怖れての事ではなく、幼少期から植え付けられた信仰心に拠るものだ。
──やはり、この御方にも……。
というケヴィンの憶測は、あながち的外れというわけでもなかった。
敵と定めた相手とはいえ、一方的な殺戮という点が心の重荷となったのだ。グノーシス船団国首船崩落の記憶も彼の心に陰りを生んでいたのだろう。
──仮に夢だとしても、手に着いたこの血は拭えない。
己の好悪と目的に従い選択し続けてきた今がある。
だが、力の行使が許された世界で専制的な権力を持つ者は、他者を蹂躙し奪う選択肢を排除してはならない。
人の世は冷徹な一つの理に立脚しているからである。
古典文明から寓話を借りるならば、その理はカインが弟アベルを殺した時より定まっていた。
即ち、奪わぬ者は奪われる。
──ならば、せめて、
元よりそのつもりだったが、改めて自らの胸に彼は刻んだ。
──ボクは正義を作らない。
必要となれば騙りはするだろう。だが、それを己が信じてはならない。
古今東西、独善的な正義が全ての不幸を招来したのである。
──だから、ボクの道標は我欲のみだ。
艦隊戦への憧憬や原理主義者に対する忌避感、そして家臣から領民までを豊かにしたい──という牧歌的な欲求までが含まれる。
──ん? って事は……。
「ケヴィン中将」
「は、はい」
「あれから──ジャンヌ大佐が降りてから何時間ぐらい経ちました?」
ジャンヌ・バルバストル大佐率いる第五戦隊は、揚陸部隊五千名と共に邦都へ降り立っていた。
「二時間と三十分ですな」
「そっか、それでなんですね」
「何がでしょうか?」
トールは腹を撫でながらシートを立ちあがった。
「お腹がすいたなと思ってたんですよ」
己の道標を我欲と定めた時、彼は気付きを得たのだ。
つまりは──、
「ジャンヌ大佐から連絡が来る前に、軽食だけでも取っておきましょう。一緒に食堂へ行きませんか?」
これまで通りで良いのである。
◇
ロマン・クルノフ男爵は、選択を誤ったと悔やんでいた。
「やはり、太上帝に与するべきであったかもしれん」
と、空になったグラスを見詰めながら呟いた。
──いっかな邦都へ訪れる気配がないと思えば、我が宙域で天秤衆方々に砲撃するとは……。
完全な濡れ衣である異端審問も怖ろしいが、文字通り天秤衆を葬り去った男はさらに怖ろしい。
定石と常識が通じない相手は、先の行動が全く読めないからだ。
──おまけに一晩でインフィニティ・モルディブは伯の物に……。
トールに恩を売って新生派中枢に喰い込むつもりだったが今となっては完全な悪手に思えた。
──とはいえ、今さら引き返せんしな。
他人を誰も信じないロマン男爵は、重用事とて自問自答を繰り返して決するほかなかった。
同じ古傷を持つヴィルヘルムには何度か相談もしてきたのだが、行方が杳として知れず連絡も取れていない。
──私が奴の隠し財産を伯に漏らしたと恨んでおるのか……。
殺人鬼と共にミネルヴァ・レギオンへ旅立ったとは想像の埒外だろう。
──そもそも未だ通信障害が発生しているようだしな……。
眼前の照射モニタには広域障害復旧中と表示されていた。
二時間ほど前からEPR通信が利用できなくなっている為メディアで状況を確認する事も叶わない。閉域EPR通信により使用人達との連絡は不自由しないのだが──。
苛とした思いで、ロマン男爵は空となったグラスを、再び琥珀色の液体で満たした。
──うむ、こうなると、あのお方の力添えもやはり必要となるな。
ロマン・クルノフは常に保険を用意しておく男なのだ。
「か、閣下」
執務室で黙考する彼の元へ、怯えた様子の秘書官が訪れた。
「ベルニクの方々が屋敷に参られております」
「おお!」
当初よりゲオルク基地への着艦は許可していたし、歓迎の意思を表明してもいたのだ。
客人としてベルニクの訪問を受け入れ、高らかに女帝ウルドへの忠誠を誓うという体裁を取るつもりだったのである。
「遂に来たか」
ようやく彼の想定した展開になりつつあると、少しばかり安堵する心持ちになった。
──天秤衆の件には触れぬ方が後々も安全だろうな。
──話がどう転ぶやら見当もつかん。
──ともあれ、恭順の意を示して、ベルニクには一旦兵を引いてもらえれば良い。
「方々を歓待せよ」
その為の準備は使用人達に言い含めてある。
「はあ──その──ですが──」
「どうした? いや──」
煮え切らぬ秘書の口調に、ロマン男爵は苛立ちを感じ始めている。
「ベルニクからは誰が参ったのだ?」
互いの格と状況を考えるなら、トールに次ぐ立場の者であっても文句は言えない。
「第五戦隊、戦隊長ジャンヌ・バルバストル大佐と名乗っております」
「何っ!?」
格下扱いが過ぎるのではないかと怒鳴ろうとした時の事である。
執務室の外から大人数の足音と使用人達の悲鳴が響いた。
ロマン男爵が腰を浮かせたところで、豪奢な両開きの扉が開け放たれる。
「失礼する」
パワードスーツを纏うジャンヌ・バルバストルだった。
同時、彼女の手勢が室内へ整然となだれ込み、出入り口と窓を封鎖するようにして立った後、ツヴァイヘンダーを両の手で握り自身の眼前に立てた。
微動だにしないその姿は彫像の様にも見えたが、容易に人を殺すべく訓練と経験を積んだ兵卒である。
「貴卿の屋敷と敷地は、我が方にて制圧済である」
ゲオルク基地へ降り立ったジャンヌは、工作部隊を先行させ屋敷のEPR通信を阻害し情報を遮断した。
その後、旗下揚陸部隊五千名は輸送機にてロマン男爵の屋敷へと直行し、些かの抵抗を受ける事もなく蟻の子一匹逃さぬ監獄とせしめたのだ。
「せ、制圧?我々は貴方等を歓迎すると──」
「無用」
ジャンヌは言下に退けた。
「銀獅子権元帥にして、ベルニク家当主トール・ベルニク伯爵閣下より、卿への言伝を授かっている」
トールはロマン男爵の申し出を全て断り、これまで恭順の意を示す機会すら与えてこなかった。
さらに、公の場で借財を帳消しにする事で、後に己が取る行動が私欲との誹りを招く懸念も払拭しておいたのだ。
「我トール・ベルニクは、女神の天秤を弄ぶ輩を宙域の藻屑へ帰した。之即ち、貴君の我に対する義に応えた次第である。否か応か?」
「お、応」
と、返すほかにない。
「翻って、貴君の義は未だ我の仕える女帝陛下には示されておらぬ。否か応か?」
「い、いや、だから、私は何度も──」
「否か応か?」
「──応」
ロマンの言質を得たジャンヌは大きく頷いた。
「故に幾つか質したき疑義有り。よって我の招待を受けられたし」
「しょ、招待──?」
周囲の兵卒達を見れば、いかなる種類の招待かは自ずと知れよう。
「個人としての恩義を忘れぬ閣下からは極力穏便にお連れするよう言われている。無論、卿次第となるのだが──」
「あいや、分かった。良く分かった」
だが、自分を連れ去る意図は解せなかった。腹を見せ、尾を振っているのだ。
「大人しく付いてゆくと誓おう。しかし──な、なぜなのだ?」
「閣下の御心を臣下が語るは不敬となる。ゆえに一般論となるが──」
当然ながら軍人としての彼女は下された命令の理由など尋ねていない。
とはいえ、忠誠や愛では言い尽くせぬ相手の抱く想いは手に取るように分かっていた。
「輩を二度も裏切る男を信じるなど、愚かが過ぎよう」
艦艇の残骸であれ、刀剣であれ、人体であれ、全てが再生処理施設に運ばれていくのだ。
そんな侘びた光景に見入る総司令官の胸中を慮り、ケヴィン・カウフマン中将は何も言わず傍に立っていた。
──さすがに、閣下とて思うところはあるのだろう……。
トールを軍神と仰ぐ将兵達も心中に一抹の不安と迷いが生じていた。教理局や天秤衆からの報復を怖れての事ではなく、幼少期から植え付けられた信仰心に拠るものだ。
──やはり、この御方にも……。
というケヴィンの憶測は、あながち的外れというわけでもなかった。
敵と定めた相手とはいえ、一方的な殺戮という点が心の重荷となったのだ。グノーシス船団国首船崩落の記憶も彼の心に陰りを生んでいたのだろう。
──仮に夢だとしても、手に着いたこの血は拭えない。
己の好悪と目的に従い選択し続けてきた今がある。
だが、力の行使が許された世界で専制的な権力を持つ者は、他者を蹂躙し奪う選択肢を排除してはならない。
人の世は冷徹な一つの理に立脚しているからである。
古典文明から寓話を借りるならば、その理はカインが弟アベルを殺した時より定まっていた。
即ち、奪わぬ者は奪われる。
──ならば、せめて、
元よりそのつもりだったが、改めて自らの胸に彼は刻んだ。
──ボクは正義を作らない。
必要となれば騙りはするだろう。だが、それを己が信じてはならない。
古今東西、独善的な正義が全ての不幸を招来したのである。
──だから、ボクの道標は我欲のみだ。
艦隊戦への憧憬や原理主義者に対する忌避感、そして家臣から領民までを豊かにしたい──という牧歌的な欲求までが含まれる。
──ん? って事は……。
「ケヴィン中将」
「は、はい」
「あれから──ジャンヌ大佐が降りてから何時間ぐらい経ちました?」
ジャンヌ・バルバストル大佐率いる第五戦隊は、揚陸部隊五千名と共に邦都へ降り立っていた。
「二時間と三十分ですな」
「そっか、それでなんですね」
「何がでしょうか?」
トールは腹を撫でながらシートを立ちあがった。
「お腹がすいたなと思ってたんですよ」
己の道標を我欲と定めた時、彼は気付きを得たのだ。
つまりは──、
「ジャンヌ大佐から連絡が来る前に、軽食だけでも取っておきましょう。一緒に食堂へ行きませんか?」
これまで通りで良いのである。
◇
ロマン・クルノフ男爵は、選択を誤ったと悔やんでいた。
「やはり、太上帝に与するべきであったかもしれん」
と、空になったグラスを見詰めながら呟いた。
──いっかな邦都へ訪れる気配がないと思えば、我が宙域で天秤衆方々に砲撃するとは……。
完全な濡れ衣である異端審問も怖ろしいが、文字通り天秤衆を葬り去った男はさらに怖ろしい。
定石と常識が通じない相手は、先の行動が全く読めないからだ。
──おまけに一晩でインフィニティ・モルディブは伯の物に……。
トールに恩を売って新生派中枢に喰い込むつもりだったが今となっては完全な悪手に思えた。
──とはいえ、今さら引き返せんしな。
他人を誰も信じないロマン男爵は、重用事とて自問自答を繰り返して決するほかなかった。
同じ古傷を持つヴィルヘルムには何度か相談もしてきたのだが、行方が杳として知れず連絡も取れていない。
──私が奴の隠し財産を伯に漏らしたと恨んでおるのか……。
殺人鬼と共にミネルヴァ・レギオンへ旅立ったとは想像の埒外だろう。
──そもそも未だ通信障害が発生しているようだしな……。
眼前の照射モニタには広域障害復旧中と表示されていた。
二時間ほど前からEPR通信が利用できなくなっている為メディアで状況を確認する事も叶わない。閉域EPR通信により使用人達との連絡は不自由しないのだが──。
苛とした思いで、ロマン男爵は空となったグラスを、再び琥珀色の液体で満たした。
──うむ、こうなると、あのお方の力添えもやはり必要となるな。
ロマン・クルノフは常に保険を用意しておく男なのだ。
「か、閣下」
執務室で黙考する彼の元へ、怯えた様子の秘書官が訪れた。
「ベルニクの方々が屋敷に参られております」
「おお!」
当初よりゲオルク基地への着艦は許可していたし、歓迎の意思を表明してもいたのだ。
客人としてベルニクの訪問を受け入れ、高らかに女帝ウルドへの忠誠を誓うという体裁を取るつもりだったのである。
「遂に来たか」
ようやく彼の想定した展開になりつつあると、少しばかり安堵する心持ちになった。
──天秤衆の件には触れぬ方が後々も安全だろうな。
──話がどう転ぶやら見当もつかん。
──ともあれ、恭順の意を示して、ベルニクには一旦兵を引いてもらえれば良い。
「方々を歓待せよ」
その為の準備は使用人達に言い含めてある。
「はあ──その──ですが──」
「どうした? いや──」
煮え切らぬ秘書の口調に、ロマン男爵は苛立ちを感じ始めている。
「ベルニクからは誰が参ったのだ?」
互いの格と状況を考えるなら、トールに次ぐ立場の者であっても文句は言えない。
「第五戦隊、戦隊長ジャンヌ・バルバストル大佐と名乗っております」
「何っ!?」
格下扱いが過ぎるのではないかと怒鳴ろうとした時の事である。
執務室の外から大人数の足音と使用人達の悲鳴が響いた。
ロマン男爵が腰を浮かせたところで、豪奢な両開きの扉が開け放たれる。
「失礼する」
パワードスーツを纏うジャンヌ・バルバストルだった。
同時、彼女の手勢が室内へ整然となだれ込み、出入り口と窓を封鎖するようにして立った後、ツヴァイヘンダーを両の手で握り自身の眼前に立てた。
微動だにしないその姿は彫像の様にも見えたが、容易に人を殺すべく訓練と経験を積んだ兵卒である。
「貴卿の屋敷と敷地は、我が方にて制圧済である」
ゲオルク基地へ降り立ったジャンヌは、工作部隊を先行させ屋敷のEPR通信を阻害し情報を遮断した。
その後、旗下揚陸部隊五千名は輸送機にてロマン男爵の屋敷へと直行し、些かの抵抗を受ける事もなく蟻の子一匹逃さぬ監獄とせしめたのだ。
「せ、制圧?我々は貴方等を歓迎すると──」
「無用」
ジャンヌは言下に退けた。
「銀獅子権元帥にして、ベルニク家当主トール・ベルニク伯爵閣下より、卿への言伝を授かっている」
トールはロマン男爵の申し出を全て断り、これまで恭順の意を示す機会すら与えてこなかった。
さらに、公の場で借財を帳消しにする事で、後に己が取る行動が私欲との誹りを招く懸念も払拭しておいたのだ。
「我トール・ベルニクは、女神の天秤を弄ぶ輩を宙域の藻屑へ帰した。之即ち、貴君の我に対する義に応えた次第である。否か応か?」
「お、応」
と、返すほかにない。
「翻って、貴君の義は未だ我の仕える女帝陛下には示されておらぬ。否か応か?」
「い、いや、だから、私は何度も──」
「否か応か?」
「──応」
ロマンの言質を得たジャンヌは大きく頷いた。
「故に幾つか質したき疑義有り。よって我の招待を受けられたし」
「しょ、招待──?」
周囲の兵卒達を見れば、いかなる種類の招待かは自ずと知れよう。
「個人としての恩義を忘れぬ閣下からは極力穏便にお連れするよう言われている。無論、卿次第となるのだが──」
「あいや、分かった。良く分かった」
だが、自分を連れ去る意図は解せなかった。腹を見せ、尾を振っているのだ。
「大人しく付いてゆくと誓おう。しかし──な、なぜなのだ?」
「閣下の御心を臣下が語るは不敬となる。ゆえに一般論となるが──」
当然ながら軍人としての彼女は下された命令の理由など尋ねていない。
とはいえ、忠誠や愛では言い尽くせぬ相手の抱く想いは手に取るように分かっていた。
「輩を二度も裏切る男を信じるなど、愚かが過ぎよう」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
大東亜戦争を有利に
ゆみすけ
歴史・時代
日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる