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どうして
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よく分からないままに贈り物のドレスを着て、1日を過ごした。上質な生地は肌触りもよく、こんな品物初めてだった。少し気分が弾んでいた。このドレスを着れば、少しは旦那様も見てくれるかもしれない。ご帰宅の時間。使用人勢揃いで出迎える。私も頭を下げて、ドレスを広げる。
「お帰りなさいませ、旦那さ……」
「なぜお前がそれを着ている!!!」
突然だった。それまでこちらを見向きもしなかった旦那様が声を荒らげた。
「え……?」
「それは私がリサに贈ろうと思って用意していたものだ!!!なぜ勝手にお前が着ている!!!」
「ち、違います、旦那様。これは今朝、私宛に届いたドレスで……」
「そんなわけがあるか!!!大方私がいない隙に忍び込みでもしたんだろう!これは国を担うデザイナーにオーダーメイドで作らせた一級品だぞ、被るわけがあるか!!!」
手が、振り上げられた。あ、殴られる……やけに他人事のように思った。けれどいくら待っても痛みはやってこなくて。旦那様の驚く声で、ようやく私の目は開かれた。
目の前にいたのは、振り上げた手を握られた旦那様と、それを握っている、見知らぬ男性だった。
「お帰りなさいませ、旦那さ……」
「なぜお前がそれを着ている!!!」
突然だった。それまでこちらを見向きもしなかった旦那様が声を荒らげた。
「え……?」
「それは私がリサに贈ろうと思って用意していたものだ!!!なぜ勝手にお前が着ている!!!」
「ち、違います、旦那様。これは今朝、私宛に届いたドレスで……」
「そんなわけがあるか!!!大方私がいない隙に忍び込みでもしたんだろう!これは国を担うデザイナーにオーダーメイドで作らせた一級品だぞ、被るわけがあるか!!!」
手が、振り上げられた。あ、殴られる……やけに他人事のように思った。けれどいくら待っても痛みはやってこなくて。旦那様の驚く声で、ようやく私の目は開かれた。
目の前にいたのは、振り上げた手を握られた旦那様と、それを握っている、見知らぬ男性だった。
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