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どうか、キミの願いが叶いませんように
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死んでもいいって、思ったんだ。初めてお前と繋がれた時。ケツにちんぽ突っ込まれて、痛くて熱くて、思考なんてろくにまとまらなかった。でも、お前の満足げな、けど余裕なさげな顔だけはやけにはっきり見えて。自分よりずっと年上で、いつだって俺を気遣うお前が、初めて余裕を無くしたあの時、俺は心の底から幸せを感じた。初めて自分の中の何かが満たされた気がしたんだ。失ったパズルの最後のピースのように、お前の存在は俺にとって必要不可欠だって気づいたんだよ。
それからは、全てが色鮮やかで美しく見えた。今まで当たり前にあったものが、初めて視界に入ってきたみたいな新鮮さを持ってた。そうやってお前に話したら、お前はおかしそうに笑って、でも自分もだと、頬にキスしてくれた。覚えてる、全部、全部。
2人で流星群を見に山へ行った日。あの時俺はたいして寒くもないのに、寒いと言ってお前の上着に入り込んだ。それならしょうがないって、お前は言ってたけど、多分気づいてたよな。それで、流星に、2人でずっと一緒にいられますように、ってガキくさい願いをして。お前は、キミらしくて良いとかなんとか言ってたか。でも、お前はなかなか願いを教えてくれなくて。教えろ教えろって駄々をこねたら、最終的には折れて、正しい順番で時が進みますように、って願ったんだって教えてくれた。まあ、そんなわがままを通しておきながらも、俺は本命の願いは言わなかったけど。お前が先に逝ってしまいませんように、なんて縁起でもないこと、言えるわけないだろ? でも、お前はわかってたんだよな。覚えているよ、あの時のお前の痛々しい表情、繋いだ手の温もり。
なあ神様。そんなもんがいるなんて思ってもなかった。でも、今から信じるから、なんでもするから。お願いだ、お願いだ。俺からこの人を奪わないでくれ。沢山の人を傷つけてきた。沢山の罪を犯してきた。全部、これからちゃんと償うから。死んで償えって言うならもちろんそうするよ。俺ならどんな死に方だって構わないから。だから、だから……
「……どうか、この人だけは」
病室には2人の男がいた。ベッドに安らかな表情で横たわる男と、その傍で肩を震わす男。静かな室内に響くのは一方的な言葉。もう、この先一度だって、2人の間で言葉が交わされることはない。とっくに暖かさは失われた、歳のわりにくたびれたの恋人の手を握り直して、男は1人、祈り続ける。恋人が望まないとわかっていても。どうしようもないとわかっていても。だって、それ以外に何ができるかなぞ、知らないのだから。
それからは、全てが色鮮やかで美しく見えた。今まで当たり前にあったものが、初めて視界に入ってきたみたいな新鮮さを持ってた。そうやってお前に話したら、お前はおかしそうに笑って、でも自分もだと、頬にキスしてくれた。覚えてる、全部、全部。
2人で流星群を見に山へ行った日。あの時俺はたいして寒くもないのに、寒いと言ってお前の上着に入り込んだ。それならしょうがないって、お前は言ってたけど、多分気づいてたよな。それで、流星に、2人でずっと一緒にいられますように、ってガキくさい願いをして。お前は、キミらしくて良いとかなんとか言ってたか。でも、お前はなかなか願いを教えてくれなくて。教えろ教えろって駄々をこねたら、最終的には折れて、正しい順番で時が進みますように、って願ったんだって教えてくれた。まあ、そんなわがままを通しておきながらも、俺は本命の願いは言わなかったけど。お前が先に逝ってしまいませんように、なんて縁起でもないこと、言えるわけないだろ? でも、お前はわかってたんだよな。覚えているよ、あの時のお前の痛々しい表情、繋いだ手の温もり。
なあ神様。そんなもんがいるなんて思ってもなかった。でも、今から信じるから、なんでもするから。お願いだ、お願いだ。俺からこの人を奪わないでくれ。沢山の人を傷つけてきた。沢山の罪を犯してきた。全部、これからちゃんと償うから。死んで償えって言うならもちろんそうするよ。俺ならどんな死に方だって構わないから。だから、だから……
「……どうか、この人だけは」
病室には2人の男がいた。ベッドに安らかな表情で横たわる男と、その傍で肩を震わす男。静かな室内に響くのは一方的な言葉。もう、この先一度だって、2人の間で言葉が交わされることはない。とっくに暖かさは失われた、歳のわりにくたびれたの恋人の手を握り直して、男は1人、祈り続ける。恋人が望まないとわかっていても。どうしようもないとわかっていても。だって、それ以外に何ができるかなぞ、知らないのだから。
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