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2人との出会い
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キーンコーンカーンコーン。
チャイムの音と共にダッシュ!!!
昼休みなだけあって、一気に人が集中する。フィリちゃんはどこだ、フィリちゃんは……
「あっ、ヴィー!」
なんて優しいんだ……!遠くから私を見つけたらしいフィリとレフラルが人混みを分けてこちらへ駆け寄ってくる。
フィリ!そう名を呼んだ瞬間だった。
「失礼、そこの金髪のレディ」
色っぽい、ゆったりとした、なのにどこか耳に残る声が聞こえた。
その声に、周囲が、フィリが、自然と振り返る。
ルディーだ。
「ハンカチを落としましたよ、ほら」
「あ、ありがとうございます」
「キミは新入生の子だね……なんでわかるかって?だって、こんなに可愛らしい子、いたらとっくに気づいているはずだからね」
いたずらっぽくウインクするルディー。
いや、誰も理由聞いてないから。
というか!!!フィリちゃんのハンカチは白レースなんですね!?解釈一致~~しかもあの隅の刺繍絶対フィリちゃん作だよ~~
「は、はえ……」
思わず真っ赤になるフィリちゃん可愛いかよ。って違う!そんなこと言ってる場合じゃない。早くフィリちゃんのもとへ行かなきゃ。このままじゃ、ルディーに食事に誘われてしまう。
「フィリ!」
強引に腕を引っ張る。
「ご飯食べましょ。さ、先輩ありがとうございました」
きっとルディーに対する視線は鋭くなってしまっている。けれどその視線を受けたルディーはと言うと……
「おや、そちらのキミも可愛らしいね」
堂々と言ってみせる。はああああ……腹たって来た。どうしよう。お前今フィリちゃん口説いてんじゃねえのか。
「オレはルデレ・ヴィシャディー。君たちは……」
「フィリ・オシェリタに、ヴィヴェルーナ・クローダム。久しぶりだな」
言葉を遮って、ルディーの後ろからレウザン様が堂々と現れる。はい来ましたーーーー!!!ああ、壇上で見た時より距離近い無理。というか画面越しよりも雄みつよい……好き……必死に荒ぶる感情を抑えて、腰から体を折る。
「お久しぶりです。レウザン様。名前を覚えていただき光栄です」
「お、お久しぶりです!」
そんな私を見てフィリちゃんも慌てて頭を下げる。周囲がどよめくのを肌で感じる。無理もない。この王国の王族、レウザン様に、双璧の娘2人、私とフィリちゃん、名の知れた高位の貴族、ルディーとレフラル。その一同が会しているのだから。
「へえ、キミたちがそうだったんだね……レウザンってばお前やるじゃーん。こんな可愛い子侍らしてたんだ?」
「……会うのはこれが二度目だ」
馴れ馴れしく肩を組むルディーにレウザン様はきっぱり言ってのける。この2人の関係性いいよなあ……と、そこで思い出したようにルディーが肩を離してこちらにもう一歩歩み寄る。そして、フィリちゃんの手を恭しく取り口付ける。
「そのランチ、オレ達もご一緒しても?」
レフラルも、フィリちゃんも真っ赤だ。周囲の女子の頬も心なしか赤らんでいる。
はあ、これだけは防ぎたかったのに……その手はリーシェン君のためにあるんだよ!!!
なんて、ため息をつきたくなるのをグッと堪える。相手は上級生。それに全キャラと友好を深めると決めたんだ。この程度で怯んでどうする。
「おい、俺は何も言ってないぞ」
「まあまあ、いいじゃん?可愛い子と食べるランチの方が美味しいよ」
「はあ、お前のそのセリフは何度目だ」
もう一度レウザン様のそばに戻って軽口を叩き合う2人。くっそ、絵になる。
「フィリ、レフラル、せっかくの先輩からのお誘いなんだし、行きましょう?」
「……あっ、え、ええ、そうね!」
「う、うん」
私の声掛けでようやく2人とも意識を取り戻したらしい。フィリちゃんはパタパタと顔を仰いでいる。その仕草すら可愛いとはどういうことか。
チャイムの音と共にダッシュ!!!
昼休みなだけあって、一気に人が集中する。フィリちゃんはどこだ、フィリちゃんは……
「あっ、ヴィー!」
なんて優しいんだ……!遠くから私を見つけたらしいフィリとレフラルが人混みを分けてこちらへ駆け寄ってくる。
フィリ!そう名を呼んだ瞬間だった。
「失礼、そこの金髪のレディ」
色っぽい、ゆったりとした、なのにどこか耳に残る声が聞こえた。
その声に、周囲が、フィリが、自然と振り返る。
ルディーだ。
「ハンカチを落としましたよ、ほら」
「あ、ありがとうございます」
「キミは新入生の子だね……なんでわかるかって?だって、こんなに可愛らしい子、いたらとっくに気づいているはずだからね」
いたずらっぽくウインクするルディー。
いや、誰も理由聞いてないから。
というか!!!フィリちゃんのハンカチは白レースなんですね!?解釈一致~~しかもあの隅の刺繍絶対フィリちゃん作だよ~~
「は、はえ……」
思わず真っ赤になるフィリちゃん可愛いかよ。って違う!そんなこと言ってる場合じゃない。早くフィリちゃんのもとへ行かなきゃ。このままじゃ、ルディーに食事に誘われてしまう。
「フィリ!」
強引に腕を引っ張る。
「ご飯食べましょ。さ、先輩ありがとうございました」
きっとルディーに対する視線は鋭くなってしまっている。けれどその視線を受けたルディーはと言うと……
「おや、そちらのキミも可愛らしいね」
堂々と言ってみせる。はああああ……腹たって来た。どうしよう。お前今フィリちゃん口説いてんじゃねえのか。
「オレはルデレ・ヴィシャディー。君たちは……」
「フィリ・オシェリタに、ヴィヴェルーナ・クローダム。久しぶりだな」
言葉を遮って、ルディーの後ろからレウザン様が堂々と現れる。はい来ましたーーーー!!!ああ、壇上で見た時より距離近い無理。というか画面越しよりも雄みつよい……好き……必死に荒ぶる感情を抑えて、腰から体を折る。
「お久しぶりです。レウザン様。名前を覚えていただき光栄です」
「お、お久しぶりです!」
そんな私を見てフィリちゃんも慌てて頭を下げる。周囲がどよめくのを肌で感じる。無理もない。この王国の王族、レウザン様に、双璧の娘2人、私とフィリちゃん、名の知れた高位の貴族、ルディーとレフラル。その一同が会しているのだから。
「へえ、キミたちがそうだったんだね……レウザンってばお前やるじゃーん。こんな可愛い子侍らしてたんだ?」
「……会うのはこれが二度目だ」
馴れ馴れしく肩を組むルディーにレウザン様はきっぱり言ってのける。この2人の関係性いいよなあ……と、そこで思い出したようにルディーが肩を離してこちらにもう一歩歩み寄る。そして、フィリちゃんの手を恭しく取り口付ける。
「そのランチ、オレ達もご一緒しても?」
レフラルも、フィリちゃんも真っ赤だ。周囲の女子の頬も心なしか赤らんでいる。
はあ、これだけは防ぎたかったのに……その手はリーシェン君のためにあるんだよ!!!
なんて、ため息をつきたくなるのをグッと堪える。相手は上級生。それに全キャラと友好を深めると決めたんだ。この程度で怯んでどうする。
「おい、俺は何も言ってないぞ」
「まあまあ、いいじゃん?可愛い子と食べるランチの方が美味しいよ」
「はあ、お前のそのセリフは何度目だ」
もう一度レウザン様のそばに戻って軽口を叩き合う2人。くっそ、絵になる。
「フィリ、レフラル、せっかくの先輩からのお誘いなんだし、行きましょう?」
「……あっ、え、ええ、そうね!」
「う、うん」
私の声掛けでようやく2人とも意識を取り戻したらしい。フィリちゃんはパタパタと顔を仰いでいる。その仕草すら可愛いとはどういうことか。
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