41 / 163
ヴィーの日記
しおりを挟む
5月某日 ~ヴィーの日記~
今日は共通イベントである薬草狩りがあった。が、私の目標であったリーシェンとフィリちゃん、それに私というグループを形成することはかなわなかった。
進展が1つ。不思議なことが2つ。
まず、確実にリーシェンとの仲が深まった。これは大きな進展だ。それに何よりただただ嬉しい!!!これ、前世の私が知ったら卒倒するだろうなあ……前世といえば、また1つ。最近前世のことを思い出す回数が減った、明らかに。羽村美穂音として生きた15年間という数字は変わらないのに、ヴィーとして生きた時間は増え続けるばかりだからだろう。そう思えば、当然だが、やはり抵抗感はあった。生まれ年、日本の文化、風習、少しづつ薄らいでいく。両親の声は、もう朧げだ。東京、大阪、名古屋。ああ、沖縄とか行けなかったなあ。本州出たことない私が世界から飛び出したってどういうことよ。意味不明。
そう、で、不思議なことは、一に私の魔法が効かなかったこと。二にあの不気味な声。そもそも魔法の成否の条件としては、本人の慣れ、想いの込め方、自身に残存する魔力量、それに周辺に漂う魔力がある。まず慣れは、完璧にクリア。前日に練習したときも、番号は上手く切り替わったし、全く同じ方法でくじも作った。想いも込めた。十分すぎるくらい。自身の魔力量も問題なし。あの日魔法を使ったのはあれが初めてだったし、前日も魔法を使うのをセーブして、魔力の回復をした。最後に辺りに漂う魔力。この世界は魔力が動力源となってインフラが整備されている。ぶっちゃけた話、魔力量底なしという隠しキャラがこの原動力なのだが、まあそれは置いておいて。そのため節々から漏れ出した魔力が常にその辺りを漂っている。反対に人口的に供給されない魔力は自然の多いところから発生する。薬草狩りの舞台である学校裏の森。ここは魔力濃度が高く、初心者でも魔法が成功しやすいと教師が前に言っていた。だから、最後の条件もクリア。
さて、やはり失敗する原因は思い当たらない。たまたま?でもそんな理由で魔法は失敗するものなのか?……まあだが、起きたことはどうしようもない。私は魔法に失敗した。そして原作通りのグループ分けとなった。
あと、学園長に褒められた!話は長いが学園長は大変すごい方で、この国の根幹を支える者の一人だ。この薬草狩りは毎年の事なのでもう一種の行事と化しているのだが、見回りついでに学園長もふらっと立ち寄る。その学園長に、薬草狩りが終わった後、君たちのグループは良く連携が取れていたし、獲得量も一番だった、すばらしい、と言われたのだ。原作では描かれなかったキャラだが、普通にいい人で私は好きだ。
次に、第二の不可解なことだが……これは本当に、わけがわからない。カウントダウン3。その言葉は今もはっきり思い出せるが、あの時私以外に動きが止まった者も、違和感を唱える者もいなかった。立ち眩みとかそのあたりか……?まあ、一瞬動けなくなった程度でそれ以外の害はなし。今後も似たようなことが起こらない限り、気のせいだと思っておいていいだろう。
今日は共通イベントである薬草狩りがあった。が、私の目標であったリーシェンとフィリちゃん、それに私というグループを形成することはかなわなかった。
進展が1つ。不思議なことが2つ。
まず、確実にリーシェンとの仲が深まった。これは大きな進展だ。それに何よりただただ嬉しい!!!これ、前世の私が知ったら卒倒するだろうなあ……前世といえば、また1つ。最近前世のことを思い出す回数が減った、明らかに。羽村美穂音として生きた15年間という数字は変わらないのに、ヴィーとして生きた時間は増え続けるばかりだからだろう。そう思えば、当然だが、やはり抵抗感はあった。生まれ年、日本の文化、風習、少しづつ薄らいでいく。両親の声は、もう朧げだ。東京、大阪、名古屋。ああ、沖縄とか行けなかったなあ。本州出たことない私が世界から飛び出したってどういうことよ。意味不明。
そう、で、不思議なことは、一に私の魔法が効かなかったこと。二にあの不気味な声。そもそも魔法の成否の条件としては、本人の慣れ、想いの込め方、自身に残存する魔力量、それに周辺に漂う魔力がある。まず慣れは、完璧にクリア。前日に練習したときも、番号は上手く切り替わったし、全く同じ方法でくじも作った。想いも込めた。十分すぎるくらい。自身の魔力量も問題なし。あの日魔法を使ったのはあれが初めてだったし、前日も魔法を使うのをセーブして、魔力の回復をした。最後に辺りに漂う魔力。この世界は魔力が動力源となってインフラが整備されている。ぶっちゃけた話、魔力量底なしという隠しキャラがこの原動力なのだが、まあそれは置いておいて。そのため節々から漏れ出した魔力が常にその辺りを漂っている。反対に人口的に供給されない魔力は自然の多いところから発生する。薬草狩りの舞台である学校裏の森。ここは魔力濃度が高く、初心者でも魔法が成功しやすいと教師が前に言っていた。だから、最後の条件もクリア。
さて、やはり失敗する原因は思い当たらない。たまたま?でもそんな理由で魔法は失敗するものなのか?……まあだが、起きたことはどうしようもない。私は魔法に失敗した。そして原作通りのグループ分けとなった。
あと、学園長に褒められた!話は長いが学園長は大変すごい方で、この国の根幹を支える者の一人だ。この薬草狩りは毎年の事なのでもう一種の行事と化しているのだが、見回りついでに学園長もふらっと立ち寄る。その学園長に、薬草狩りが終わった後、君たちのグループは良く連携が取れていたし、獲得量も一番だった、すばらしい、と言われたのだ。原作では描かれなかったキャラだが、普通にいい人で私は好きだ。
次に、第二の不可解なことだが……これは本当に、わけがわからない。カウントダウン3。その言葉は今もはっきり思い出せるが、あの時私以外に動きが止まった者も、違和感を唱える者もいなかった。立ち眩みとかそのあたりか……?まあ、一瞬動けなくなった程度でそれ以外の害はなし。今後も似たようなことが起こらない限り、気のせいだと思っておいていいだろう。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
異世界転生した私は甘味のものがないことを知り前世の記憶をフル活用したら、甘味長者になっていた~悪役令嬢なんて知りません(嘘)~
詩河とんぼ
恋愛
とあるゲームの病弱悪役令嬢に異世界転生した甘味大好きな私。しかし、転生した世界には甘味のものないことを知る―――ないなら、作ろう!と考え、この世界の人に食べてもらうと大好評で――気づけば甘味長者になっていた!?
小説家になろう様でも投稿させていただいております
8月29日 HOT女性向けランキングで10位、恋愛で49位、全体で74位
8月30日 HOT女性向けランキングで6位、恋愛で24位、全体で26位
8月31日 HOT女性向けランキングで4位、恋愛で20位、全体で23位
に……凄すぎてびっくりしてます!ありがとうございますm(_ _)m
悪役令嬢に転生したけど、知らぬ間にバッドエンド回避してました
神村結美
恋愛
クローデット・アルトー公爵令嬢は、お菓子が大好きで、他の令嬢達のように宝石やドレスに興味はない。
5歳の第一王子の婚約者選定のお茶会に参加した時も目的は王子ではなく、お菓子だった。そんな彼女は肌荒れや体型から人々に醜いと思われていた。
お茶会後に、第一王子の婚約者が侯爵令嬢が決まり、クローデットは幼馴染のエルネスト・ジュリオ公爵子息との婚約が決まる。
その後、クローデットは体調を崩して寝込み、目覚めた時には前世の記憶を思い出し、前世でハマった乙女ゲームの世界の悪役令嬢に転生している事に気づく。
でも、クローデットは第一王子の婚約者ではない。
すでにゲームの設定とは違う状況である。それならゲームの事は気にしなくても大丈夫……?
悪役令嬢が気付かない内にバッドエンドを回避していたお話しです。
※溺れるような描写がありますので、苦手な方はご注意ください。
※少し設定が緩いところがあるかもしれません。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる