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これこそ幸せ!!!

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結局あの日から、ぎりぎりまでリーシェンは2人の勉強をみていたらしい。見事な世話焼き。今日はその結果発表だ。人だかりの奥。そこに、成績が書いてある。

「俺が一個も赤点とんなかったら夏休み、全員で出かけるって約束、忘れてねえよな?」
「ああ、とらなければ、な」
「あんなに頑張ったんだもの、きっと大丈夫よ!」
「うん、今回は僕も、ちょっとは自信ある」
「じゃあ……行きましょ!」

結果(400人中)
リーシェン:学年1位
私:学年8位
レフラル:学年190位
フィリちゃん:赤点回避、学年350位
アンジエ:赤点3つ、学年378位

「あああ!くっそおおお!!!」

アンジエは見てるこっちまでその感情が伝わってくるくらい、悔しがっている。頭をガシガシとかいて、叫んでいる。

「……まあ、上等な方じゃない!全教科赤点に比べれば」
「そうよ!私も回避した中には結構ぎりぎりなものが多いし……」
「うん、アンジエ、すっごく頑張ってたよ!」

私達の必死の励ましもむなしく、アンジエのうつろな瞳はもとに戻らない。触覚も心なしかしおれている。アンジエが、よろよろとリーシェンの方へ近づいた。

「リーシェン……」
「俺のせいだとでも言いたいのか?アンタの責……」
「ごめん!!!」

リーシェンの言葉を遮り、フロント全体に響き渡るほどの声で、アンジエが腰を折る。

「あんなに教えてくれたのに……期待に応えられなくて、本当にわりい」
「……ふん、もとから期待なんてしていない。それに……次があるだろ」
「でも、もうお前と出かけられない……」
「~~~っ、だからっ夏休みまで定期テストはもう一度あるだろ!!!」

アンジエが勢いよく顔を上げる。その顔は、みるみるうちに満面の笑みに染まっていく。

「……おう!またよろしく頼むぜ!!!」
「別にまた勉強を見るとは一言も言っていないだろ!」
「?そんなつもりなかったけど……もしかして、また教えてくれるのか!?」
「~~~っああ!もう!!!」

失言に気付いたらしい。こちらはみるみるうちに耳まで真っ赤に染まっていく。

「へへっ、ありがとな!リーシェン!」

笑い合う2人……見守る生徒……リーシェンのガチ照れ……あ、ダメだこれ。私泣くわ。というか心はもう既に全力で泣いてるわ。はああああ……何この神イベ。本当にありがとうございます、全世界に感謝したい。首筋まで赤いよリーシェン……肩抱いちゃってるよアンジエ……はああああ……今ならなんでも受け入れられる。私はこのイベントのために生まれてきたんだ……その空間全てが幸せに満ち満ちたその時。耳に入ってきたのは、その幸せを全力でぶち壊しにくる言葉だった。
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