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国家会議

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「王よ、此度の件、一体何が?あの男の状態に異常はなかったはず。むしろ、最近は前にもまして好調でした」

全員が思っているであろう疑問を1人が言う。中には、私の父も、フィリの母もいた。シエンの存在を、知っていたのか。他にも年齢を問わずざっと10人程度。見知った顔による安堵よりも、その見知った顔が緊迫感に満ちていることの方が印象深かった。

「クローダム家の娘によると、シエンは昨夜、何か異常があって今このような事態になっているらしい……異常とはなんだ。詳しく話せ」

私の娘が!?とパパが驚いた顔をする。ごめんね。嘘つきな娘でごめんね。

「はい、彼は昨晩、最近力が抑えられなくなっていると私に話しました」

嘘しかない。でも、ばれてもいい。今だけは信じて。

「それに、以前から彼の口から暴走という言葉は幾度か出ていました。今回の件、彼の魔力コントロールが上手くいかなくなり、魔力を生産し続けているのではないかと思います」

学園長が私の言葉を引き継いだ。

「私もそうかと。学園の者を地下へ向かわせましたところ、あまりに濃い魔力が漂いすぎて、彼のもとへ行くことは不可能だったようです」
「ライフラインでは、いくつかの家でキッチンの炎が突然燃え上がる、電車が急に止まった、動き出した、など不可解な現象が多発しています。とにかく今各器具へ繋がる配線の大元を切ったところです」

報告が、次々に上がる。生々しい数字に、思わず眩暈がする。ゲームでは描かれなかった、事情。でも、確実に起こっていたであろう事象。でも、ここはゲームじゃない。今この瞬間、現実で、これらの出来事は起こっている。

「王、どうされるおつもりですか」

王はしばし目を閉じた後、静かに言い放った。
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