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後日談

クローダム家による「歓迎」3

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「ルディー君、あの行動の意図を聞いてもいいかな?」
「えーっとですね……ははは」
「まさかその場限りの勢いだったとは言わないわよね……?」
「ち、違います!なんというか、愛おしさが爆発したといいますか、口を塞ぎたかった、んでしょうね……」

説明しているうちにルディーの顔も熱を帯びていく。ここまで紅くなるルディーは珍しいが、そんなことに構っていられる心の余裕などなかった。彼の心境を聞いて、余計に頬が熱くなる。

「つまりー、娘のことが大好きでしちゃったのね!」
「ええっと、その、っ……そうですね!!!はい!!!」

もう取り繕うのはやめたのか、というより諦めたのか、ルディーが勢いよく叫んだ。
無理。はずい。涙すら出てきそうになる。ああ~誰かこの地獄から私を救って……そんな願いもむなしく。現状はさらに悪化する。

「やだ~ラブラブじゃない!!!ヴィーのお婿さん早くも決定ね!」
「「お婿っ……!?!?」」

思わずそろって声をあげた私達2人と、ぴきりと青筋を立てるみんな。

「あら、違うの?」

呑気に尋ねるママ。

「いや、オレ達まだ学生で……!」
「ルディー君、君は結婚する気もないのに私の娘と仲を深めたのかね?」
「いやっ、ちがっ、そういう意味じゃなくてですね……!」

みんなからの視線が痛い。でも多分、ルディーはもっと痛い。そこでひとつ、気付く。

「……結婚したいって言ったら、許してくれるの?」

つまりはそういうことじゃないか?責任もないのにキスするなってことはつまり責任を取る気があれば……?

「それはっ、だな……」
「……こんな若造が言っても信じられないと思いますが、オレはヴィーとの将来に対しても真剣です」

ルディーが、真っ直ぐ前を見て言った……きゅんとしたのは、気のせいだ。

「きゃー!!!ですってあなた!」
「ええい、もうわかった、わかったから娘と街へでも行ってこい!」

行った行ったと仕草で示される。
一礼して部屋を出て、2人で深呼吸してからこそこそ喋る。

「なんとかクリア……?」
「ええ、多分ね」
「ぎりぎりってとこだね、あれは」

さあ、街に降りてショッピングでもしますかねえ、なんて背筋を伸ばすルディーに私はそっと問いかける。

「最後の言葉……本気?」
「キミにまで疑われるとはね~」

オレ信用なさすぎでしょ、なんてルディーが笑った。そして、真面目な顔で一言、言った。

「本気だよ」

嬉しくて、嬉しくて。思わず抱きついて唇を奪う。
ルディーもそっと答えてくれた。

「パパ!!!あの2人屋敷の中でキスしてるんだけど!!!」

お姉ちゃんのその声を聴いた瞬間、私達は2人、無言で超特急で屋敷から逃げた。あの時なら余裕で自己ベスト更新出来てたと思う。屋敷から逃げ出した後、顔を見合わせて笑った。
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