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後日談
予見された日
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その日はいつか来ることが予見された日だった。そう、わかっていた。わかっていたのだ。
「えっ!ルディーが1位!?おめでとう!!!」
「ヴィー!オレも信じられなくて……!」
抱き合って笑う2人。その姿は心底幸せそうで、俺の介入する場所なんてない。それでいいとは思う。数少ない友人に大切な人が出来た。しかもその人は俺の友人でもある。なんて、最高じゃないか。
周りからヒソヒソと噂話が聞こえる。
「ヴィシャディー家に負けた王族かよ」
「なんでも出来て憧れてたんだけどなあ」
「あのルディーですら超えられるって、案外王族もちょろ……」
最後だけは、違った。
「おい」
話したことも無い相手。つかつかと歩み寄る。
「お前はルディーの何を知ってる?彼の努力を一部でも知っていて言うのか」
ルディーは隠したがる。努力のあとも、何もかも。それでも分かりきってしまうくらい、ルディーはずっと努力していた。ボロボロの教科書、取り寄せた補助教材の山。寝落ちしたのだろう、頬に残る跡。
「レーウザン」
後ろから気配もなく、ルディーが肩を回してきた……正直に言うと、少し居心地は悪かった。おめでとうとたどたどしく伝える。それ以外は、浮かばなかった。すると、ルディーが笑った。にっと、歯を見せて。
「これで終わり……なわけないよね?レウザン」
「!」
そうか、俺たちは……
「だってオレら、ライバルだもん」
にやりと笑ってやった。
「当たり前だろ。次は覚えておけよ」
「おお~怖」
ヴィーが尊いとか言いながら泣いていたが、とにかく気分がよかった。そうか、競う仲間。俺にも気付けば、出来ていたんだ。何においても頭ひとつ飛び抜けていた子供時代。何をしても褒めてはくれるが、遠巻きにされてきた過去も何も関係無い。俺にはこいつがいる。高めあえる仲間がいる。
「……ヴィーを幸せにしてやれよ」
「急に何?」
「俺に一度でも勝ったんだ、それなりの人生を送れってことだ」
「ははっ!いいねその自信!……当たり前。でもヴィーの強さ舐めないでよ?あの子は一人でも勝手に幸せになる子だから」
「はっ、違いない」
ヴィーはと言えば、今度はフィリにぐりぐりと抱きついている。よく聞き取れないが、何やら「混ざってしまった~あの空間に」とか何とか呻いている。ルディーを変えたのは、変えてくれたのは、こいつだ。ありがとう、なんて柄にも無い言葉が心に浮かんだ。
「えっ!ルディーが1位!?おめでとう!!!」
「ヴィー!オレも信じられなくて……!」
抱き合って笑う2人。その姿は心底幸せそうで、俺の介入する場所なんてない。それでいいとは思う。数少ない友人に大切な人が出来た。しかもその人は俺の友人でもある。なんて、最高じゃないか。
周りからヒソヒソと噂話が聞こえる。
「ヴィシャディー家に負けた王族かよ」
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「あのルディーですら超えられるって、案外王族もちょろ……」
最後だけは、違った。
「おい」
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「これで終わり……なわけないよね?レウザン」
「!」
そうか、俺たちは……
「だってオレら、ライバルだもん」
にやりと笑ってやった。
「当たり前だろ。次は覚えておけよ」
「おお~怖」
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「……ヴィーを幸せにしてやれよ」
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「ははっ!いいねその自信!……当たり前。でもヴィーの強さ舐めないでよ?あの子は一人でも勝手に幸せになる子だから」
「はっ、違いない」
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