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夕食

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翌日からは目が回るような忙しさだった。次から次からへとやってくる学者の相手をして、やっと夜になったと思えば、何故かザキと一緒に食べることになって。しかも何故か膝の上で食べることになっていて。

「いやあの、本当になんでですか???」
「何がだ」
「なんで私も一緒に夕食とってるんですか。私そんなにこの王宮内で身分高くないでしょう」

どころかまだ刺客の疑惑すら持たれていそうだ。そんな私をなんで膝にすら乗せてんだこいつ。

「お前の話を聞くのは統治に役立つ。だがお互い多忙だろう。こうして夕食、まあしばらくは夜もだな。その時に話を聞かせてもらう。それにこれなら毒も仕込めんだろう」
「……案外真面目なんですね」
「俺のこの手に民の命はかかっている。一人でも多く救えるならなんにだって縋る、それこそ本当かも分からない異世界の知識にもな」
「本当ですって……あ、これ美味しい」

つまんだのは小さなフルーツ。甘酸っぱくてキュンとしている。
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