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告白
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それから半年。相変わらず私は彼と友人関係でいた。周りもそれをようやく察したのか、私を奥方にしようとする動きや、変に媚びを売ってくる使用人はいなくなった。そこに亀裂が入ったのは、いつだったか。今思えば、あの一言からかもしれない。
「好きです」
中庭に呼び出された私と、呼び出した騎士。よく訓練で飛びかかっている熱心な子だ。風がさあと吹き抜けた。
「ずっと、初めて見た時から惹かれていました。ハレムには入っていないんですよね?どうか俺と、一緒になってください」
頭を下げられる。正直、困惑していた。彼を、いや男性をそういう目で見た事なんてなかったし、結婚、という言葉も昔からどこか縁遠かった。でも、彼がいい人なのは知っていた。けど、彼がいい人だというだけでこの告白を了承していいものか?彼の気持ちはきっともっとしっかりしている。
「……時間をください。一週間後、またここで」
そう告げるのが、精一杯だった。
「それで、今日はどんなことがあったんだ?」
胡座をかくザキの上に座って。髪を梳きながらザキが聞いてくる。友達というより、兄弟というか。きっと歳の近い兄弟がいたらこんな感じだったんだろうなと思う。と同時に、今日の昼のことを思い出す。
「あ、私告白されたの」
「……お前にか?相手の頭は大丈夫か?」
「失礼な!オファリ君だよ。真剣そのものだった」
「……して、どう答えるつもりだ?」
そうだ、それを考えなきゃいけないんだ。軽い気持ちで話したが、続きが出てこない。でも、とふと思う。この話を受けたら、家族ができるんだろうか。この私にも、この世界にいていい理由ができるんだろうか。
「?チヨ、それで、答えはなんだ」
「あっ、うん、その……受けようかなって。このままずっとザキのお世話になるのも申し訳ないし、それに、彼いい子でしょ?」
「……そう、か。は、はは、お前もそんな気遣いが出来たんだな」
それからは、言葉が続かなくて。2人背を向けて、眠った。
次の日から、ザキは変わった。私に一人部屋を与えて、毎晩ハレムの女性を部屋に呼ぶようになった。夕食も、一緒にとらなくなった。
「好きです」
中庭に呼び出された私と、呼び出した騎士。よく訓練で飛びかかっている熱心な子だ。風がさあと吹き抜けた。
「ずっと、初めて見た時から惹かれていました。ハレムには入っていないんですよね?どうか俺と、一緒になってください」
頭を下げられる。正直、困惑していた。彼を、いや男性をそういう目で見た事なんてなかったし、結婚、という言葉も昔からどこか縁遠かった。でも、彼がいい人なのは知っていた。けど、彼がいい人だというだけでこの告白を了承していいものか?彼の気持ちはきっともっとしっかりしている。
「……時間をください。一週間後、またここで」
そう告げるのが、精一杯だった。
「それで、今日はどんなことがあったんだ?」
胡座をかくザキの上に座って。髪を梳きながらザキが聞いてくる。友達というより、兄弟というか。きっと歳の近い兄弟がいたらこんな感じだったんだろうなと思う。と同時に、今日の昼のことを思い出す。
「あ、私告白されたの」
「……お前にか?相手の頭は大丈夫か?」
「失礼な!オファリ君だよ。真剣そのものだった」
「……して、どう答えるつもりだ?」
そうだ、それを考えなきゃいけないんだ。軽い気持ちで話したが、続きが出てこない。でも、とふと思う。この話を受けたら、家族ができるんだろうか。この私にも、この世界にいていい理由ができるんだろうか。
「?チヨ、それで、答えはなんだ」
「あっ、うん、その……受けようかなって。このままずっとザキのお世話になるのも申し訳ないし、それに、彼いい子でしょ?」
「……そう、か。は、はは、お前もそんな気遣いが出来たんだな」
それからは、言葉が続かなくて。2人背を向けて、眠った。
次の日から、ザキは変わった。私に一人部屋を与えて、毎晩ハレムの女性を部屋に呼ぶようになった。夕食も、一緒にとらなくなった。
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