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人を喰らうカミサマと少年の話
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僕の村にはカミサマがいます。カミサマは僕たちを洪水や飢饉、あらゆるものから守ってくれます。ただし10年に1度、満月の夜になると人を喰らいます。それは満月が4度登るまでかもしれませんし、1度の満月で終わることもあります。1番長かった時には2年ほど続いたと言います。ですがカミサマは優しいので、10年に1度の暴走中、僕たち人間を1人しか食べません。ですから、1度の満月で終わった時はその人は1度で食べられてしまい、4度の満月で終わった時は4回に分けて食べられるのです。今夜僕は、村の偉い人に選ばれて、そのカミサマの元へと行きます。
そこは暗い暗い地下でした。血の匂いがします。ガシャンと大きな音を立てて、僕の後ろの扉が閉まりました。
僕はそこで座って、満月が来るのを待ちます。
1度目の満月がやってきました。高いところにある格子状の窓から、空だけは見えるのです。月の下で見るカミサマはとても雄々しく、いつかの昔話で聞いた、龍という生物がそれを1番正しく表現する気がしました。
僕は右足を食べられました。ですが痛みはありません。僕は昔っからいくら転んでも怪我をしても、痛みというものを感じたことがないのです。ツウカクが鈍いんだそうです。それが僕がイケニエ、カミサマの元へ行くという立派なお仕事を与えられた理由でした。痛くないだけで楽ちんだというのに、加えてカミサマの元へ行かせてもらえるなんて、僕は幸運です。父さんも母さんもたくさん泣いていました。この世には嬉し泣きというものがあるので、きっとそれだろうと偉い人達は言っていました。2人も隣のおばさんも、顔も知らない人までもが、僕のイケニエを喜んでくれました。僕は自分がとても誇らしかったです。
2度目の満月が来ました。今度は僕は左足を食べられました。美味しいみたいで、カミサマはすごい勢いで食べていました。よかったです。ただしこれでは動けずご飯が食べられません。僕はそのことに、食べられて初めて気付きました。これは大変です。ここで貰えるご飯はすごく美味しいのに。そう困っていると、カミサマが僕をご飯のところまで連れて行ってくれました。満月の夜以外にカミサマを見たのはこれが初めてでした。カミサマはいつも奥の方にいるからです。僕は入口の近くです。絶対に動くなと偉い人達に言われていましたので、これまで見たことがなかったのです。カミサマは村で見たどんな立派な男の人より背が高く、逞しかったです。けれど表情がありませんでした。わざわざ僕を運ぶのがきっと面倒くさいからでしょう。それでも運んでくれるカミサマはとても優しい人です。
3度目の満月が来ました。カミサマは僕の右腕を食べました。その次の朝、カミサマが僕に言いました。
「お前は泣かないのか?」
声をあげるなと偉い人達には言われていましたが、思わず僕は答えてしまいました。久々に誰かと話しをしたくなってしまったのです。僕は悪い子です。
「どうしてですか?」
カミサマは言葉につまりました。なにか失礼なことをしてしまったのかと僕が心配していると、カミサマは静かに言いました。
「……痛くて怖いだろう」
「僕は痛みを感じません。それにカミサマに食べられることは立派なことだと聞きました。立派だとみんな喜んでくれるのです。みんなが喜んでくれたら僕は嬉しいです」
カミサマはそうかとだけ答えてまた奥の方へ行ってしまいました。
4度目の満月が来ました。カミサマは僕の左腕を食べました。
その次の朝からは、カミサマがてづから僕にご飯を食べさせてくれました。カミサマは本当に優しい方です。カミサマはまた僕に話しかけてくれました。
「次の満月で俺はお前を食い終わってしまうだろう」
そう宣言してから、カミサマはもう一度同じことを聞きました。怖くはないのか、と。僕はいいえと答えました。
「家族やトモダチに会いたくはないのか」
「家族はたくさん僕を抱き締めてくれたので寂しくないですし、友達はもういなくなってしまったので、会わなくても大丈夫です」
いなくなったと言った時にカミサマは怪訝そうな顔をしました。なのでお話することにしました。
「昔は友達がたくさんいました。とっつかみあいごっこや馬乗りごっこをして遊びました。でもある日、何しても笑ってばかりでお前気持ち悪いんだよ、と言われて。それ以降は話しかけてもらえませんでしたし、答えてもくれませんでした。お母さんに気持ち悪いってどういうことと聞いてもお母さんは僕を抱き締めるだけでした。だから僕はなんで友達がいなくなってしまったのか未だに分からないんです。カミサマは気持ち悪いってどういう意味かわかりますか?」
もう何年も前、言われた時からずっと気になっていたので僕はつい聞いてしまいました。僕はとても悪い子です。でもお母さんでも知らないこともカミサマなら知っているかと思ったのです。でもカミサマも知らないようで、さあな、と言うだけでした。そんなカミサマも知らないような言葉を知っている僕の友達はなんて賢いのだと僕は誇らしくなりました。
5度目の満月がやってくる前日、カミサマはまた話しかけてくれました。
「次で最後だ。何か言い残したいことはないのか」
言いたいことかは分からないけど、謝りたいことならひとつありました。
「カミサマ、ごめんなさい。僕は村の中の子供たちの中でもうんと小さかったので、食べるところが少なくて美味しくないです。それなのにこんな立派なことが出来て、僕は嬉しいですけど、カミサマは残念ですよね」
ごめんなさいと僕はぺこりともう一度頭を下げました。カミサマは怒ったようにそんなこと言うなと言いました。その声は今まで聞いたどんな音より低く深く、僕は驚いて思わず泣いてしまいました。ああ、3回もルールを破ってしまうなんて僕はなんて悪い子なんでしょう。カミサマは驚いたように言いました。
「なぜ普段泣かぬのに、今泣くのだ」
「びっくりしてしまいました。ごめんなさい。」
なんだか今日は謝ってばかりです。でもそれも僕が悪いからです。
カミサマはつらそうな顔で悪かったと謝ってくれました。でもカミサマは何も悪くないので僕は慌てて首を振りました。
ついに5度目の満月がやってきました。僕はじっとカミサマが来るのを待ちました。けれどいくら待てどもカミサマは来てくれません。やっぱり昨日のことを怒っているのでしょうか。ごめんなさいと謝りたかったけれど、これ以上規則を破るのはよくないと思ったので我慢しました。結局その夜、カミサマは来てくれませんでした。
次の日のご飯のとき。僕はとてもびっくりしまして、思わず声をあげました。
「カミサマ、その腕、どうしたんですか」
カミサマの左腕がなくなっていたのです。カミサマは何も答えず、片手で僕を抱き上げて、入口の方へ歩いていきました。そしてびっくりすることに、カミサマは扉を激しく叩き始めました。
「この子は解放してくれ!!!俺はいい!この子を助けろ!!!」
あまりに大きい声でした。それに難しい言葉もあって、全部は聞き取れませんでしたが、ひとつわかったのは、どうやらカミサマが僕をここから出そうとしているということでした。
「やっぱり僕じゃだめですか?美味しくないですか?」
僕を軽々と抱えあげるその暖かい腕に無意識のうちに擦り寄って、僕はそう言っていました。ここから出たら僕は立派じゃなくなってしまいます。そうやって村の偉い人達が言っていました。僕を立派だと褒めてくれたみんなの笑顔が消えるのは悲しいです。
カミサマは呆然として、僕を見ました。初めて目が会いました。カミサマの瞳はとても綺麗で、まるで昔話で聞いた金剛石のようでした。
「……お前は俺に食われたいのか」
「?はい、だってそうするのが僕のお仕事だって言っていました」
「お前はどうしたい。お前の気持ちを聞いているんだ」
ますますよくわからなくなりました。僕の気持ち?いくら考えても意味がわからなくて僕は首を傾げることしか出来ませんでした。それを見たカミサマは苦しそうな顔をして、また奥へと戻っていきました。また僕は何かしてしまったようです。ごめんなさい、カミサマ。
6度目の満月が登ろうとする頃。まだ、登り切っていないとき。カミサマが僕のもとへやってきました。その姿は龍とも人ともつかないなんとも言えないものでした。でも決して怖くはありません。綺麗でした。とても、とても。
「俺は暴走中でも、本能のままでもなく、まだ理性の残っている今この時、自分の意思で、お前を食らう」
最後の一言だけやけにはっきり聞こえて。僕は食べてもらえる安心感からにっこりと笑ってお礼を言いました。
硬い鱗、長く鋭い爪。少しでも角度が違えば僕の肌なんて簡単に突き破れそうなのに、カミサマは上手に僕の頬を包み込んで、僕を持ち上げました。そして目を合わせて微笑みあって、一瞬。ほんの一瞬。唇に暖かなものがあたったと思うと、僕の意識は暗黒へと落ちて、二度と戻ることはありませんでした。
醜い獣は月光だけが差し込む暗い暗い地下で、一人の少年の頭をそれはそれは美味しそうに食らう。
ただ一筋の涙をこぼして。
まだ発達しきっていない未成熟な子供の体をそれはそれは美味しそうに食らう。
大粒の涙を流しながら。
そこは暗い暗い地下でした。血の匂いがします。ガシャンと大きな音を立てて、僕の後ろの扉が閉まりました。
僕はそこで座って、満月が来るのを待ちます。
1度目の満月がやってきました。高いところにある格子状の窓から、空だけは見えるのです。月の下で見るカミサマはとても雄々しく、いつかの昔話で聞いた、龍という生物がそれを1番正しく表現する気がしました。
僕は右足を食べられました。ですが痛みはありません。僕は昔っからいくら転んでも怪我をしても、痛みというものを感じたことがないのです。ツウカクが鈍いんだそうです。それが僕がイケニエ、カミサマの元へ行くという立派なお仕事を与えられた理由でした。痛くないだけで楽ちんだというのに、加えてカミサマの元へ行かせてもらえるなんて、僕は幸運です。父さんも母さんもたくさん泣いていました。この世には嬉し泣きというものがあるので、きっとそれだろうと偉い人達は言っていました。2人も隣のおばさんも、顔も知らない人までもが、僕のイケニエを喜んでくれました。僕は自分がとても誇らしかったです。
2度目の満月が来ました。今度は僕は左足を食べられました。美味しいみたいで、カミサマはすごい勢いで食べていました。よかったです。ただしこれでは動けずご飯が食べられません。僕はそのことに、食べられて初めて気付きました。これは大変です。ここで貰えるご飯はすごく美味しいのに。そう困っていると、カミサマが僕をご飯のところまで連れて行ってくれました。満月の夜以外にカミサマを見たのはこれが初めてでした。カミサマはいつも奥の方にいるからです。僕は入口の近くです。絶対に動くなと偉い人達に言われていましたので、これまで見たことがなかったのです。カミサマは村で見たどんな立派な男の人より背が高く、逞しかったです。けれど表情がありませんでした。わざわざ僕を運ぶのがきっと面倒くさいからでしょう。それでも運んでくれるカミサマはとても優しい人です。
3度目の満月が来ました。カミサマは僕の右腕を食べました。その次の朝、カミサマが僕に言いました。
「お前は泣かないのか?」
声をあげるなと偉い人達には言われていましたが、思わず僕は答えてしまいました。久々に誰かと話しをしたくなってしまったのです。僕は悪い子です。
「どうしてですか?」
カミサマは言葉につまりました。なにか失礼なことをしてしまったのかと僕が心配していると、カミサマは静かに言いました。
「……痛くて怖いだろう」
「僕は痛みを感じません。それにカミサマに食べられることは立派なことだと聞きました。立派だとみんな喜んでくれるのです。みんなが喜んでくれたら僕は嬉しいです」
カミサマはそうかとだけ答えてまた奥の方へ行ってしまいました。
4度目の満月が来ました。カミサマは僕の左腕を食べました。
その次の朝からは、カミサマがてづから僕にご飯を食べさせてくれました。カミサマは本当に優しい方です。カミサマはまた僕に話しかけてくれました。
「次の満月で俺はお前を食い終わってしまうだろう」
そう宣言してから、カミサマはもう一度同じことを聞きました。怖くはないのか、と。僕はいいえと答えました。
「家族やトモダチに会いたくはないのか」
「家族はたくさん僕を抱き締めてくれたので寂しくないですし、友達はもういなくなってしまったので、会わなくても大丈夫です」
いなくなったと言った時にカミサマは怪訝そうな顔をしました。なのでお話することにしました。
「昔は友達がたくさんいました。とっつかみあいごっこや馬乗りごっこをして遊びました。でもある日、何しても笑ってばかりでお前気持ち悪いんだよ、と言われて。それ以降は話しかけてもらえませんでしたし、答えてもくれませんでした。お母さんに気持ち悪いってどういうことと聞いてもお母さんは僕を抱き締めるだけでした。だから僕はなんで友達がいなくなってしまったのか未だに分からないんです。カミサマは気持ち悪いってどういう意味かわかりますか?」
もう何年も前、言われた時からずっと気になっていたので僕はつい聞いてしまいました。僕はとても悪い子です。でもお母さんでも知らないこともカミサマなら知っているかと思ったのです。でもカミサマも知らないようで、さあな、と言うだけでした。そんなカミサマも知らないような言葉を知っている僕の友達はなんて賢いのだと僕は誇らしくなりました。
5度目の満月がやってくる前日、カミサマはまた話しかけてくれました。
「次で最後だ。何か言い残したいことはないのか」
言いたいことかは分からないけど、謝りたいことならひとつありました。
「カミサマ、ごめんなさい。僕は村の中の子供たちの中でもうんと小さかったので、食べるところが少なくて美味しくないです。それなのにこんな立派なことが出来て、僕は嬉しいですけど、カミサマは残念ですよね」
ごめんなさいと僕はぺこりともう一度頭を下げました。カミサマは怒ったようにそんなこと言うなと言いました。その声は今まで聞いたどんな音より低く深く、僕は驚いて思わず泣いてしまいました。ああ、3回もルールを破ってしまうなんて僕はなんて悪い子なんでしょう。カミサマは驚いたように言いました。
「なぜ普段泣かぬのに、今泣くのだ」
「びっくりしてしまいました。ごめんなさい。」
なんだか今日は謝ってばかりです。でもそれも僕が悪いからです。
カミサマはつらそうな顔で悪かったと謝ってくれました。でもカミサマは何も悪くないので僕は慌てて首を振りました。
ついに5度目の満月がやってきました。僕はじっとカミサマが来るのを待ちました。けれどいくら待てどもカミサマは来てくれません。やっぱり昨日のことを怒っているのでしょうか。ごめんなさいと謝りたかったけれど、これ以上規則を破るのはよくないと思ったので我慢しました。結局その夜、カミサマは来てくれませんでした。
次の日のご飯のとき。僕はとてもびっくりしまして、思わず声をあげました。
「カミサマ、その腕、どうしたんですか」
カミサマの左腕がなくなっていたのです。カミサマは何も答えず、片手で僕を抱き上げて、入口の方へ歩いていきました。そしてびっくりすることに、カミサマは扉を激しく叩き始めました。
「この子は解放してくれ!!!俺はいい!この子を助けろ!!!」
あまりに大きい声でした。それに難しい言葉もあって、全部は聞き取れませんでしたが、ひとつわかったのは、どうやらカミサマが僕をここから出そうとしているということでした。
「やっぱり僕じゃだめですか?美味しくないですか?」
僕を軽々と抱えあげるその暖かい腕に無意識のうちに擦り寄って、僕はそう言っていました。ここから出たら僕は立派じゃなくなってしまいます。そうやって村の偉い人達が言っていました。僕を立派だと褒めてくれたみんなの笑顔が消えるのは悲しいです。
カミサマは呆然として、僕を見ました。初めて目が会いました。カミサマの瞳はとても綺麗で、まるで昔話で聞いた金剛石のようでした。
「……お前は俺に食われたいのか」
「?はい、だってそうするのが僕のお仕事だって言っていました」
「お前はどうしたい。お前の気持ちを聞いているんだ」
ますますよくわからなくなりました。僕の気持ち?いくら考えても意味がわからなくて僕は首を傾げることしか出来ませんでした。それを見たカミサマは苦しそうな顔をして、また奥へと戻っていきました。また僕は何かしてしまったようです。ごめんなさい、カミサマ。
6度目の満月が登ろうとする頃。まだ、登り切っていないとき。カミサマが僕のもとへやってきました。その姿は龍とも人ともつかないなんとも言えないものでした。でも決して怖くはありません。綺麗でした。とても、とても。
「俺は暴走中でも、本能のままでもなく、まだ理性の残っている今この時、自分の意思で、お前を食らう」
最後の一言だけやけにはっきり聞こえて。僕は食べてもらえる安心感からにっこりと笑ってお礼を言いました。
硬い鱗、長く鋭い爪。少しでも角度が違えば僕の肌なんて簡単に突き破れそうなのに、カミサマは上手に僕の頬を包み込んで、僕を持ち上げました。そして目を合わせて微笑みあって、一瞬。ほんの一瞬。唇に暖かなものがあたったと思うと、僕の意識は暗黒へと落ちて、二度と戻ることはありませんでした。
醜い獣は月光だけが差し込む暗い暗い地下で、一人の少年の頭をそれはそれは美味しそうに食らう。
ただ一筋の涙をこぼして。
まだ発達しきっていない未成熟な子供の体をそれはそれは美味しそうに食らう。
大粒の涙を流しながら。
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