雑記 城のある町にて

犬束

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呪物

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 日常会話において、フェティシズム、なる語や、それを呪物崇拝の意味で使うことは、ほとんどなくて、“フェチ”と短縮し、魅力を感じる身体の部位、程度のカジュアルな意味で使われているわけですが、それで言うと、私は脚フェチで、脚のつけ根からくるぶしまでまっすぐの脚を見るとうっとりしまして、しかしながら、普段からそんな脚ばかりジロジロすることはできないので、うっかり発見すると大喜びするばかり、過日、ミニスカートの色白の女子がアーケード街において私の前を歩いていて、その皮膚にキズや虫刺され跡、黒ずんだ箇所もなくて、これは驚異的な、と思いつつ追い越しざま、息を無意識に吸い込んでしまったのは、その女子の匂いではなく、その脚のフォルムの匂いをかぎたかったからだ、と気がついた時、自分に対して狼狽えました。

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