雑記 城のある町にて

犬束

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葛藤

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 いよいよ、第11回BL小説大賞の募集要項が発表された訳でありまして、応募される皆さまにおかれましては、すでに前回の終了と共に今回の準備をされてる方も多数いらっしゃるのであろうと推察され、こちらとしても、5万文字は無理でも、文庫本の三分の一くらいの長さくらいは文章を連ねたいと思い、対策を考えたりしていて、例えば、ブニュエルの映画『自由の幻想』みたいに、最初の話はAとBが登場し、次がBとC、次はCとD…と言う具合に進行し、最後のシーンが最初に繋がる、とか、グランドホテル形式で短編を積み上げる、とか、ホテルを舞台にするっていいよね、とか、ぼんやり考え、応募要項を斜めでなく読んでみたら、今回から『アンダルシュノベルズb賞』が新設され、それは、読んで楽しくなる、少年たちのプラトニックな恋愛を描いた作風らしく、それならハードルが少し下がったかも、しかも樋口美沙緒先生の小説執筆法コラム『小説書こうよ!BL小説の書き方』も連載されているので読んでみたら、『第1回キャラクターはBL小説の命!』の「『葛藤』が主人公の心臓」でさっそく躓き、プロの洗礼を受けた気分でもう読み進めるのも、応募自体も諦めかけたのは何故かと言えば、いやはや、大好きな吉田健一の小説について、その特徴は葛藤がないこと、みたいなことを金井美恵子の対談で読み、そうだ、葛藤なんてイカンわ、だって小説は気持ちよくなればいいんだもの、ロメールの映画だって、コンプレックスやルサンチマンなんてものがなくて、心地よくて、そこを目指したいのに、いや、もちろん樋口先生の小説がそうだと批判しているのでは全然なくて、こちらは子供の時分から成長物語も苦手だった事情もあり、目指すのならば、主人公の葛藤を描いて受賞するくらいの技術がないと、きっと無理で、そもそもカテゴリーエラー認定されたら、エントリーから除外されてしまうし、だって少年同士のプラトニックって何なん? ブロマンス的な? 稲垣足穂の短編にも男の子二人が登場する作品があるけど、アレも含まれるん? どこまでが許容範囲か分からんし、と、すっかりしょんぼりして、やっぱり諦めかけて、それでも一旦そんななんやかんやを忘れて、『ムッシュー・コクトー』を読んでいるうちに、なんかどうでもよくなり、結局は自分が好きなように書けばいい、と言うか、書けんよね、て所に落ち着きました、けれども、正解は、そんなことより早よプロット書けや、ですね。ハイ。


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