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(閑話)結婚相談所、再開!(後編)
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クルトさんから伸びる運命の糸は、一直線に港の方へと伸びていた。
ということは、距離はそれほど離れていないということになる。
ただ、船に乗せられて運ばれたりすると追跡が厄介だ。
俺とユナは、大急ぎで彼と共に港を目指して走り出した。
幸いにも、タクヤ結婚相談所は高台にあるため、港までは下り坂。走れば十分以内でたどり着ける距離だ。
とはいっても、冒険慣れしている俺達に比べれば、彼の足は遅いのだが……それでも、必死になって走ってくれた。
そしてたどり着いたのは、今はもうほとんど使われていない、古い倉庫が密集している区画だった。
一応、漁民達の組合の土地、ということで立ち入り禁止なのだが、そんな事を言っている場合ではない。
幸か不幸か、見張りがいるような場所もなく、お飾り程度の区割りのロープをすんなりとくぐり抜け、運命の糸を追い続けていく。
そしてとりわけ古い、一番奥の倉庫が見えてきたとき、男の悲鳴が聞こえた。
俺とユナは顔を見合わせ、息を切らせて走っていたクルトさんを止めた。
「……何か声が聞こえた……男のわめき声のようだった……」
と、俺が彼に話したところ、
「えっ……女性……カリーナの悲鳴ではなく?」
と意外そうな顔をされた。
それも当然か、と思っていると、また『男性の』悲鳴が聞こえた。
「……やっぱり、あの倉庫だわ!」
ユナがその声の方向、一番奥の倉庫を目指して全力で走る。
そしてそれは糸が指し示す方向と、ピタリと一致していた。
そっと窓に近づき、のぞき込むと……男が三人ほど、床に倒れている。
一人はガタガタと震えており、もう一人は泡を吹いて、さらにもう一人は白目をむいて倒れていた。
さらに奥には、もっと衝撃的な光景が待っていた。
顔中から汗を吹き出しながら、大きなナイフを、震えながら手にしている細身の男。
その前に立っているのは、ボロボロになった服を纏い、目を赤く光らせ、ぞっとするようなオーラを放っている女性だった。
そしてその彼女に向って、クルトさんから糸が伸び、繋がっている……雰囲気は三日前と全く異なるが、間違いなくカリーナさんだ。
「信じられない……あの人、強い『恐慌』の魔法を使ってる……多分、無意識で……」
ユナは、窓越しに彼女の魔力を感じ取り、そして驚いていた。
「こ……虚仮威しをかましやがって……俺はだまされねえぞ……化け物め……切り刻んでやる……」
そう虚勢を張っている男だが、明らかに目は怯えていた。
「あの男……ビョルンですっ!」
クルトさんの声も、若干震えていた。
「いけない……あの男、たぶん追い詰められたのが災いして、ヤケになっているわ……本気で彼女の事、切りつけかねない……」
と、ユナは短く呪文を唱えた。
「……タク、窓を割って!」
ユナの言葉に、俺は即座に反応し、持っていた短剣で窓をたたき割った。
その大きな音に、ビクン、と肩を上げ、驚いてこちらを見るビョルン。
次の瞬間、ユナの手から矢のような、一筋の光が放たれ、ビョルンに命中。
彼は、
「ヒイイィ!」
というような情けない声を上げ、ナイフを取り落として卒倒した。
しかし、彼女……カリーナの目は、恐ろしげな赤い光を放ったまま変化がない。
そして、すうっと右手を上げ、ゾクっとするような不気味なオーラを放ち出した。
「……いけない、魔力を貯めている……何か攻撃をするつもりだわ。普通の人間が受けたら、怪我だけじゃすまない……ちょっと強引にでも、止めなきゃ……」
ユナはそう言って、また呪文を唱え始めた。
「だめだっ!」
そう叫び、壊れた窓をさらに突き破って、クルトさんは倉庫の中に突入していき、そして右手を挙げたままのカリーナさんを抱き締めた。
「カリーナ、もういい……もう、終わったんだ……」
「……えっ……クルト……クルトなの? どうしてここに?」
カリーナさんは、一瞬、きょとんとした顔つきになって……そして、目の赤い発光は治まっていた。
「……なんか、君がヤバそうだったから、助けに来た……それだけだよ……」
クルトさんは彼女を抱き締めながら、落ち着かせるように優しく語りかける。
「……そう……なんだ……でも、見られ……ちゃったね……私、化け物なの……ビョルンの……あの人の言うとおりの……今回の件で、はっきり分かった……」
彼女は、呆然とした表情に変化し……そして大粒の涙を流し始めた。
「……私、バカだった……あんな人を好きになって……騙されてて……気付いたら、縛られて、こんな目にあって……いつの間にか、私、化け物になってた……もう、何もかも、終わりよ……」
「いや、そんなことないよ……君はただ、あいつらを怖がらせただけだ。ただの被害者だ、何にも悪い事してないっ!」
「……ごめん、そうじゃないの……私、分かっちゃった……自分が、魔女だってこと……薄々、そうかもしれないって思ってはいたけど……もう駄目……生きていけない……」
「……どうして?」
「どうしてって……みんな、私の事を怖がって……誰も近寄らなくなるに違いない……クルトも……クルトだって、そうなんでしょう……」
彼に抱き締められている小柄なカリーナは、涙声でそう話す。
「そんなことないさ……それに、僕はずっと小さい頃から知ってた……君が、不思議な魔力、持ってるって事……」
「……えっ?」
彼女が、驚きで目を見開く。
「覚えてるかな……君が八歳、僕が六歳ぐらいのとき……こっそり育てていたネコが、近所の子供達にいじめられて、怪我したとき……君は、さっきみたいに目を赤く光らせて、その子供達を気絶させたんだ……そのときは、原因が分からなくて、その子達も、なぜ倒れたのか訳が分からなかったみたいで、大きな問題にはならなかったけど……その時から、僕は決めたんだ……君を、限界以上に怒らせないようにしようって。……けど、ゴメン……今回は、間に合わなかった……」
「……それじゃあ、まさか……いつも私と一緒にいて、何かあっても、『まあまあ、そんなに怒らずに』って言ってくれてたのって……自分がケンカが弱いから、嫌いだからって言ってたけど、そうじゃなくて……私を、怒らせないようにするためだったの?」
「……まあ、ケンカも弱いし、嫌いなのはその通りだけど……それより、君がまた限界以上に怒って、目を赤く光らせて、みんなを怖がらせるのが嫌だったんだ……」
これは、彼女にとって想像もしていなかった言葉だったようで……。
「……クルト、ごめんね……私、子供の頃、ずっと貴方のこと、弱虫って思ってた……本当は、私を守ってくれてたんだね……」
彼女はまた涙を溢れさせ、そして彼女の方からも、今は自分より大きくなった、ずっと弟のように思っていたという彼に、抱きついたのだった。
「……くそっ……俺としたことが、あんな化け物を売り飛ばそうとしていたのか……」
ビョルンは吐き捨てるようにそう言って、這うようにその場を逃れようとしていたが……ユナは、それをみすみす見逃すような四つ星ハンターではない。
男の喉元に短剣を突きつけ、
「……どこに行こうとしているの? 売り飛ばすって、どういうこと?」
と、恐ろしげな声で脅した。
「……いや、ただの悔し紛れの、独り言だ……」
しかし、男のその言葉に、嘘を見破る指輪が赤く光った。
「私に嘘は通じないわ……もう一人の……いえ、他の何人もの女性達を、どこへやったの?」
「……なんの事か、わからねえな……」
シラを切るビョルンの言葉を聞いて、ユナは左手の親指と人差し指の間に、バチバチと小さな電撃をスパークさせた。
「言っておくけど、私は、カリーナさんとは違って、本物の魔女、化け物よ……ユナって名前、知らない?」
「……まさか……あの、竜殺しのユナか?」
男は、真っ青になっていた――。
――その後、ビョルンとその仲間は、誘拐・監禁・人身売買の罪で役人に連れて行かれた。
そしてさらに数日後、クルトさんとカリーナさんは、揃って俺達にお礼を言いに来た。
彼女の方は、まだ、クルトさんの事を弟のように考えていたというが……それでも、気がつくと、少しずつ彼の良い所ばかりを考えるようになり始めた、と言うことだった。
そしてクルトさんはと言えば、子供の頃からずっとカリーナさんの事を好きだったわけで……俺の目には、しっかりと二人を直結する運命の糸が見えていたのだった。
ということは、距離はそれほど離れていないということになる。
ただ、船に乗せられて運ばれたりすると追跡が厄介だ。
俺とユナは、大急ぎで彼と共に港を目指して走り出した。
幸いにも、タクヤ結婚相談所は高台にあるため、港までは下り坂。走れば十分以内でたどり着ける距離だ。
とはいっても、冒険慣れしている俺達に比べれば、彼の足は遅いのだが……それでも、必死になって走ってくれた。
そしてたどり着いたのは、今はもうほとんど使われていない、古い倉庫が密集している区画だった。
一応、漁民達の組合の土地、ということで立ち入り禁止なのだが、そんな事を言っている場合ではない。
幸か不幸か、見張りがいるような場所もなく、お飾り程度の区割りのロープをすんなりとくぐり抜け、運命の糸を追い続けていく。
そしてとりわけ古い、一番奥の倉庫が見えてきたとき、男の悲鳴が聞こえた。
俺とユナは顔を見合わせ、息を切らせて走っていたクルトさんを止めた。
「……何か声が聞こえた……男のわめき声のようだった……」
と、俺が彼に話したところ、
「えっ……女性……カリーナの悲鳴ではなく?」
と意外そうな顔をされた。
それも当然か、と思っていると、また『男性の』悲鳴が聞こえた。
「……やっぱり、あの倉庫だわ!」
ユナがその声の方向、一番奥の倉庫を目指して全力で走る。
そしてそれは糸が指し示す方向と、ピタリと一致していた。
そっと窓に近づき、のぞき込むと……男が三人ほど、床に倒れている。
一人はガタガタと震えており、もう一人は泡を吹いて、さらにもう一人は白目をむいて倒れていた。
さらに奥には、もっと衝撃的な光景が待っていた。
顔中から汗を吹き出しながら、大きなナイフを、震えながら手にしている細身の男。
その前に立っているのは、ボロボロになった服を纏い、目を赤く光らせ、ぞっとするようなオーラを放っている女性だった。
そしてその彼女に向って、クルトさんから糸が伸び、繋がっている……雰囲気は三日前と全く異なるが、間違いなくカリーナさんだ。
「信じられない……あの人、強い『恐慌』の魔法を使ってる……多分、無意識で……」
ユナは、窓越しに彼女の魔力を感じ取り、そして驚いていた。
「こ……虚仮威しをかましやがって……俺はだまされねえぞ……化け物め……切り刻んでやる……」
そう虚勢を張っている男だが、明らかに目は怯えていた。
「あの男……ビョルンですっ!」
クルトさんの声も、若干震えていた。
「いけない……あの男、たぶん追い詰められたのが災いして、ヤケになっているわ……本気で彼女の事、切りつけかねない……」
と、ユナは短く呪文を唱えた。
「……タク、窓を割って!」
ユナの言葉に、俺は即座に反応し、持っていた短剣で窓をたたき割った。
その大きな音に、ビクン、と肩を上げ、驚いてこちらを見るビョルン。
次の瞬間、ユナの手から矢のような、一筋の光が放たれ、ビョルンに命中。
彼は、
「ヒイイィ!」
というような情けない声を上げ、ナイフを取り落として卒倒した。
しかし、彼女……カリーナの目は、恐ろしげな赤い光を放ったまま変化がない。
そして、すうっと右手を上げ、ゾクっとするような不気味なオーラを放ち出した。
「……いけない、魔力を貯めている……何か攻撃をするつもりだわ。普通の人間が受けたら、怪我だけじゃすまない……ちょっと強引にでも、止めなきゃ……」
ユナはそう言って、また呪文を唱え始めた。
「だめだっ!」
そう叫び、壊れた窓をさらに突き破って、クルトさんは倉庫の中に突入していき、そして右手を挙げたままのカリーナさんを抱き締めた。
「カリーナ、もういい……もう、終わったんだ……」
「……えっ……クルト……クルトなの? どうしてここに?」
カリーナさんは、一瞬、きょとんとした顔つきになって……そして、目の赤い発光は治まっていた。
「……なんか、君がヤバそうだったから、助けに来た……それだけだよ……」
クルトさんは彼女を抱き締めながら、落ち着かせるように優しく語りかける。
「……そう……なんだ……でも、見られ……ちゃったね……私、化け物なの……ビョルンの……あの人の言うとおりの……今回の件で、はっきり分かった……」
彼女は、呆然とした表情に変化し……そして大粒の涙を流し始めた。
「……私、バカだった……あんな人を好きになって……騙されてて……気付いたら、縛られて、こんな目にあって……いつの間にか、私、化け物になってた……もう、何もかも、終わりよ……」
「いや、そんなことないよ……君はただ、あいつらを怖がらせただけだ。ただの被害者だ、何にも悪い事してないっ!」
「……ごめん、そうじゃないの……私、分かっちゃった……自分が、魔女だってこと……薄々、そうかもしれないって思ってはいたけど……もう駄目……生きていけない……」
「……どうして?」
「どうしてって……みんな、私の事を怖がって……誰も近寄らなくなるに違いない……クルトも……クルトだって、そうなんでしょう……」
彼に抱き締められている小柄なカリーナは、涙声でそう話す。
「そんなことないさ……それに、僕はずっと小さい頃から知ってた……君が、不思議な魔力、持ってるって事……」
「……えっ?」
彼女が、驚きで目を見開く。
「覚えてるかな……君が八歳、僕が六歳ぐらいのとき……こっそり育てていたネコが、近所の子供達にいじめられて、怪我したとき……君は、さっきみたいに目を赤く光らせて、その子供達を気絶させたんだ……そのときは、原因が分からなくて、その子達も、なぜ倒れたのか訳が分からなかったみたいで、大きな問題にはならなかったけど……その時から、僕は決めたんだ……君を、限界以上に怒らせないようにしようって。……けど、ゴメン……今回は、間に合わなかった……」
「……それじゃあ、まさか……いつも私と一緒にいて、何かあっても、『まあまあ、そんなに怒らずに』って言ってくれてたのって……自分がケンカが弱いから、嫌いだからって言ってたけど、そうじゃなくて……私を、怒らせないようにするためだったの?」
「……まあ、ケンカも弱いし、嫌いなのはその通りだけど……それより、君がまた限界以上に怒って、目を赤く光らせて、みんなを怖がらせるのが嫌だったんだ……」
これは、彼女にとって想像もしていなかった言葉だったようで……。
「……クルト、ごめんね……私、子供の頃、ずっと貴方のこと、弱虫って思ってた……本当は、私を守ってくれてたんだね……」
彼女はまた涙を溢れさせ、そして彼女の方からも、今は自分より大きくなった、ずっと弟のように思っていたという彼に、抱きついたのだった。
「……くそっ……俺としたことが、あんな化け物を売り飛ばそうとしていたのか……」
ビョルンは吐き捨てるようにそう言って、這うようにその場を逃れようとしていたが……ユナは、それをみすみす見逃すような四つ星ハンターではない。
男の喉元に短剣を突きつけ、
「……どこに行こうとしているの? 売り飛ばすって、どういうこと?」
と、恐ろしげな声で脅した。
「……いや、ただの悔し紛れの、独り言だ……」
しかし、男のその言葉に、嘘を見破る指輪が赤く光った。
「私に嘘は通じないわ……もう一人の……いえ、他の何人もの女性達を、どこへやったの?」
「……なんの事か、わからねえな……」
シラを切るビョルンの言葉を聞いて、ユナは左手の親指と人差し指の間に、バチバチと小さな電撃をスパークさせた。
「言っておくけど、私は、カリーナさんとは違って、本物の魔女、化け物よ……ユナって名前、知らない?」
「……まさか……あの、竜殺しのユナか?」
男は、真っ青になっていた――。
――その後、ビョルンとその仲間は、誘拐・監禁・人身売買の罪で役人に連れて行かれた。
そしてさらに数日後、クルトさんとカリーナさんは、揃って俺達にお礼を言いに来た。
彼女の方は、まだ、クルトさんの事を弟のように考えていたというが……それでも、気がつくと、少しずつ彼の良い所ばかりを考えるようになり始めた、と言うことだった。
そしてクルトさんはと言えば、子供の頃からずっとカリーナさんの事を好きだったわけで……俺の目には、しっかりと二人を直結する運命の糸が見えていたのだった。
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