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テレビ放送
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シルヴィは寝込んでいるということだったので、俺も大事を取って現世界に戻った。
十分寝ているのだが、まだなんとなくダルさは残っている。
けれど、動画やトゥイッターの反響が相変わらず凄くて、それらのコメントを読むだけでワクワクした。
ひょっとして、動画に広告を入れたらそれだけで結構な稼ぎになるのでは……。
いやいや、俺はただ撮影しただけで、魔物退治を頑張ったのはあの三人の少女たちだ。そんなお金儲けを考えるのは良くない。
そう思って、白ネコのトゥエルに相談したところ、
「前に選ばれた人は、自分の体験を小説にして出版して、大金持ちになったニャ。それが君の並行世界紹介のモチベーションになるなら、全然問題ないと思うニャ」
と、意外にも金儲けを推奨してくれた。
そう言われると俄然やる気が出てくる。
今までのデジカメやスマホの映像ではどうしても構えたり、胸ポケットに入れて無理やりレンズを出してしか撮影できなかったものを、もっとアクティブに撮影したいという衝動にかられた。
そう考えるといても立ってもいられなくなり、大型家電ショップに飛び込んで耐水・耐衝撃高性能ウェアブルカメラ2種類、強力アクティブフラッシュライト、プロ仕様高性能ドローン、ミラーレスフルサイズ一眼レフカメラなどを爆買いした。
また、撮影した映像確認用のタブレット端末も購入。これでシルヴィたちにも、スマホの小さな画面ではなくもっと大きな画像や動画を見せてあげることができる。
それらの買い物と開梱作業、動作テストなどでこの日の夕方までかかってしまった。
シルヴィの様子が気になったので、もう一度ゲートをくぐり館に向かうと、彼女は起きてきており、夕食のパンとスープを食べられるようになっていた。
まだちょっとチーズケーキは早いかな……と思ったが、匂いを嗅いだだけで反応し、
「私、食べます! それ食べたら元気になります!」
と反応してくれたので、苦笑いしながら、ソフィアが4分の1ほどに切って食べさせてあげた。
「……おいしーぃ! 甘いだけじゃなくて、すっごくコクがあります! 美味しすぎますっ!」
耳をピコピコ動かして大喜び。
想像以上のリアクションだ。なかなかいい。
ちなみに、このシーンもこっそりウェアブルカメラで撮影しており、早速タブレットで再生してみんなで鑑賞。
その映りの良さに驚かれると共に、彼女は自分のオーバーリアクションに照れ、みんなで笑い合った。
まあ、みんなのその笑顔は、シルヴィが元気を取り戻したことによる安心が大きな要因だったんだろうな……。
ちなみにそのチーズケーキ、ソフィアやミクにも好評で(ミクは表情の変化が乏しいが、「すごくおいしい」と言っていた)、さらにはアイゼンまでもが、これは自分の口にもよく合うものだと絶賛してくれた。
その後、自分の部屋に戻った俺は、今までスマホで撮りためていた他の動画よりも先に、シルヴィがチーズケーキを食べて喜ぶシーンを、広告入りで動画サイトにアップした。
すると、バトル動画というわけでもないのに、瞬く間に再生回数が上がっていく。
もちろん、前の動画の続きということもあるのだが、それとは別の、俺が意図していなかった、視聴者の興味を引く映像が映りこんでいたからだった。
ソフィアがチーズケーキを切るところから撮影していたため、そのチーズケーキの全容が見えていた。
「ショウの新作動画キター!」
「前回より明らかに画質が上がってる!」
「例のエルフと獣人のコスプレ動画か……どうせどっかからのパクリだろう。それにしてもかわいいな……」
「タイトル『シルヴィ、チーズケーキデビュー』か……この娘、シルヴィっていうのか。可愛いな」
「……ちょっと待て! これ、『トーソン』の新作チーズケーキじゃないか! 今日発売されたばっかりのやつだぞ!」
「……え!? ちょ……マジで!? これ、日本で撮影されたのか?」
「まさか! 合成だろう?」
「いや、ショウにこんな高度な動画合成技術あったのか? ものすごく自然だぞ!」
「オリジナル動画だったか……ということは、今までのも全部、ショウのオリジナルなのか?」
「ずげえっ! ショウって何者なんだ!?」
……なんかよく分からないけど、刻まれていたマークが特徴的で、コンビニで売ってたものとバレたらしい。
しかも発売初日だったようで……まあ、それでオリジナル動画だと認められたならいいか。
早速撮影機材が役に立った。
そしてこの日は、やっぱりまだだるさが少々あったので寝てしまった。
翌朝。
情報番組「ザップ」で、ついにあの3人娘の壮絶なスライムバトルが公開された!
三本爪でアクロバティックにスライムを切り刻むシルヴィ、百発百中の弓を披露するソフィア、そしてすさまじい雷撃魔法を操るミク。
その映像が放送されると、ゲストで超人気アイドルの狭瀬鈴が
「これって、ハリウッド映画のプロモーションですか?」
と、可愛い目を大きく見開いて驚いていた……彼女のファンである俺、大興奮。
「いえ、大学生のショウさんが作成した、オリジナル動画だということです」
という女子アナウンサーの徳本さんの解説に、
「ええっ! マジですか! CGか何かなのでしょうか……凄いクオリティですね!」
人気の男性アナウンサーである増田さんも大絶賛だ。
俺の動画が、本当にテレビで紹介されている……。
なんか、夢と現実がごちゃ混ぜになったような奇妙な感覚だった。
「この動画の作成方法は、秘密だということです。なお、続編も投稿されているということで、今後も番組では追いかけていきたいと思います!」
と、嬉しい案内までしてくれた。
数分後、ショウの正体が俺だと知る大学の友人や、高校の時の同級生から、ひっきりなしに電話やレインメッセージが届き、嬉しいプチパニック状態になった。
そしてこの日のうちに、バトル動画再生回数は500万回を超え、トィッターや動画のメッセージは読むだけで数時間かかるほどのすさまじい状況になったのだった。
十分寝ているのだが、まだなんとなくダルさは残っている。
けれど、動画やトゥイッターの反響が相変わらず凄くて、それらのコメントを読むだけでワクワクした。
ひょっとして、動画に広告を入れたらそれだけで結構な稼ぎになるのでは……。
いやいや、俺はただ撮影しただけで、魔物退治を頑張ったのはあの三人の少女たちだ。そんなお金儲けを考えるのは良くない。
そう思って、白ネコのトゥエルに相談したところ、
「前に選ばれた人は、自分の体験を小説にして出版して、大金持ちになったニャ。それが君の並行世界紹介のモチベーションになるなら、全然問題ないと思うニャ」
と、意外にも金儲けを推奨してくれた。
そう言われると俄然やる気が出てくる。
今までのデジカメやスマホの映像ではどうしても構えたり、胸ポケットに入れて無理やりレンズを出してしか撮影できなかったものを、もっとアクティブに撮影したいという衝動にかられた。
そう考えるといても立ってもいられなくなり、大型家電ショップに飛び込んで耐水・耐衝撃高性能ウェアブルカメラ2種類、強力アクティブフラッシュライト、プロ仕様高性能ドローン、ミラーレスフルサイズ一眼レフカメラなどを爆買いした。
また、撮影した映像確認用のタブレット端末も購入。これでシルヴィたちにも、スマホの小さな画面ではなくもっと大きな画像や動画を見せてあげることができる。
それらの買い物と開梱作業、動作テストなどでこの日の夕方までかかってしまった。
シルヴィの様子が気になったので、もう一度ゲートをくぐり館に向かうと、彼女は起きてきており、夕食のパンとスープを食べられるようになっていた。
まだちょっとチーズケーキは早いかな……と思ったが、匂いを嗅いだだけで反応し、
「私、食べます! それ食べたら元気になります!」
と反応してくれたので、苦笑いしながら、ソフィアが4分の1ほどに切って食べさせてあげた。
「……おいしーぃ! 甘いだけじゃなくて、すっごくコクがあります! 美味しすぎますっ!」
耳をピコピコ動かして大喜び。
想像以上のリアクションだ。なかなかいい。
ちなみに、このシーンもこっそりウェアブルカメラで撮影しており、早速タブレットで再生してみんなで鑑賞。
その映りの良さに驚かれると共に、彼女は自分のオーバーリアクションに照れ、みんなで笑い合った。
まあ、みんなのその笑顔は、シルヴィが元気を取り戻したことによる安心が大きな要因だったんだろうな……。
ちなみにそのチーズケーキ、ソフィアやミクにも好評で(ミクは表情の変化が乏しいが、「すごくおいしい」と言っていた)、さらにはアイゼンまでもが、これは自分の口にもよく合うものだと絶賛してくれた。
その後、自分の部屋に戻った俺は、今までスマホで撮りためていた他の動画よりも先に、シルヴィがチーズケーキを食べて喜ぶシーンを、広告入りで動画サイトにアップした。
すると、バトル動画というわけでもないのに、瞬く間に再生回数が上がっていく。
もちろん、前の動画の続きということもあるのだが、それとは別の、俺が意図していなかった、視聴者の興味を引く映像が映りこんでいたからだった。
ソフィアがチーズケーキを切るところから撮影していたため、そのチーズケーキの全容が見えていた。
「ショウの新作動画キター!」
「前回より明らかに画質が上がってる!」
「例のエルフと獣人のコスプレ動画か……どうせどっかからのパクリだろう。それにしてもかわいいな……」
「タイトル『シルヴィ、チーズケーキデビュー』か……この娘、シルヴィっていうのか。可愛いな」
「……ちょっと待て! これ、『トーソン』の新作チーズケーキじゃないか! 今日発売されたばっかりのやつだぞ!」
「……え!? ちょ……マジで!? これ、日本で撮影されたのか?」
「まさか! 合成だろう?」
「いや、ショウにこんな高度な動画合成技術あったのか? ものすごく自然だぞ!」
「オリジナル動画だったか……ということは、今までのも全部、ショウのオリジナルなのか?」
「ずげえっ! ショウって何者なんだ!?」
……なんかよく分からないけど、刻まれていたマークが特徴的で、コンビニで売ってたものとバレたらしい。
しかも発売初日だったようで……まあ、それでオリジナル動画だと認められたならいいか。
早速撮影機材が役に立った。
そしてこの日は、やっぱりまだだるさが少々あったので寝てしまった。
翌朝。
情報番組「ザップ」で、ついにあの3人娘の壮絶なスライムバトルが公開された!
三本爪でアクロバティックにスライムを切り刻むシルヴィ、百発百中の弓を披露するソフィア、そしてすさまじい雷撃魔法を操るミク。
その映像が放送されると、ゲストで超人気アイドルの狭瀬鈴が
「これって、ハリウッド映画のプロモーションですか?」
と、可愛い目を大きく見開いて驚いていた……彼女のファンである俺、大興奮。
「いえ、大学生のショウさんが作成した、オリジナル動画だということです」
という女子アナウンサーの徳本さんの解説に、
「ええっ! マジですか! CGか何かなのでしょうか……凄いクオリティですね!」
人気の男性アナウンサーである増田さんも大絶賛だ。
俺の動画が、本当にテレビで紹介されている……。
なんか、夢と現実がごちゃ混ぜになったような奇妙な感覚だった。
「この動画の作成方法は、秘密だということです。なお、続編も投稿されているということで、今後も番組では追いかけていきたいと思います!」
と、嬉しい案内までしてくれた。
数分後、ショウの正体が俺だと知る大学の友人や、高校の時の同級生から、ひっきりなしに電話やレインメッセージが届き、嬉しいプチパニック状態になった。
そしてこの日のうちに、バトル動画再生回数は500万回を超え、トィッターや動画のメッセージは読むだけで数時間かかるほどのすさまじい状況になったのだった。
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楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
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