小助くんの小さなぼうけん

ケンタシノリ

文字の大きさ
57 / 347
小助くんとなかよしどうぶつ

あなの中へ入った小助くんとモグまるくん

しおりを挟む
「さあ、おいらの後についてきて!」

 先にあなの中へ入ったモグまるは、自分たちがくらすところへ行こうと小助をよんでいます。小助も、モグまるの後をおうようにあなからとびこんでいきました。

「ねえねえ! どこへ行くの?」
「おいらたちモグラがどんなことをしているのか、これから小助にも見せてあげるから」
「どんなことをちゅるの(どんなことをするの)?」
「ははは! おいらたちは、土の中であなをほることがしごとなんだ。ここも、おいらがいっしょうけんめいにほったところさ」

 モグラたちはあなほり名人なので、土の中を思いどおりにほりつづけるのはお手のものです。小助は、モグまるの話を聞くうちに自分もやりたくなりました。

「ねえ! ぼくもやりたい! やりたい!」
「やりたいって言うけど、あなほりはかんたんにいくものじゃないぞ」
「やりたい! やりたい!」

 だだをこねる小助のすがたに、モグまるはおくのほうまでつれていくことにしました。モグまるは、土かべを自分の手でさわりながらたしかめています。

「さあ、やってごらん」
「えいえいっ! えいえいえいっ……」

 小助は、モグまるがたしかめた土かべを自分の力でほろうといっしょうけんめいです。しかし、どんなにほってもなかなか先へすすむことができません。

「やれやれ、これじゃあいつまでたってもほりすすむことができないぜ」
「え~っ! まだやりたい! やりたい!」
「あとでやらせてあげるから」

 モグまるは、だだをこねる小助にかわってあなほりをすることにしました。一気にほりすすんでいくモグまるのすごさに、小助もおどろくばかりです。

「わあ~っ! モグまるくん、ちゅごいちゅごい(すごいすごい)!」

 小助は、モグまるがほりつづけるあなのとおり道をすすんでいます。目の前には、モグまるが土をたやすくほっているすがたが見えます。

 ところが、モグまるがほっているあなから水がいきおいよくふき出してきました。とつぜんのできごとに、モグまるはあわてたようすでにげようとします。

「ねえねえ! どうちたの(どうしたの)?」
「小助! 小助! 早くここからにげろ!」

 大声でなんどもさけぶモグまるですが、小助には何のことなのか分かりません。すると、小助はモグまるがほりすすんだ先までかけ出しました。

「そっちへ行ったらダメ!」

 モグまるのさけび声をよそに、小助はあなからふき出した水に体でうけ止めています。小助がつけているはらがけは、たくさんの水をあびてびしょぬれになっています。

 それでも、小助はその場をうごこうとはしません。夏のあつい時とあって、小助は水あびをするのが楽しくてたまらないようすです。

「わ~い! わ~い! 水あび! 水あび!」



 つぎの日の朝、山おくの小さな家のにわにあるものほしにでっかいおねしょのおふとんがほされています。そのよこでは、かわいいえがおを見せる小助のすがたがあります。

「小助くん、今日もいっぱいおねしょをしちゃったね」
「てへへ、おねちょちちゃった(おねしょしちゃった)」

 お母さんがりょう手でもっているのは、おねしょをしたばかりの小助のはらがけです。おふとんへのおねしょと同じように、はらがけのほうもおねしょでいっぱいぬれています。

「ふふふ、小助くんはいつも元気いっぱいだね。だって、これだけのおねしょをするぐらいだもの」

 おにわでにぎやかな声がひびきわたる中、その近くではモグまるが土の中からあなをほって出てきました。

「ははは! 小助ったら、でっかいおねしょをやってしまったのか。ゆめの中で、小助があなからいっぱいふき出した水をずっとあびていたからなあ」

 小助と同じゆめを見たモグまるは、おねしょぶとんのそばにいる小助のはしゃぐようすをずっとながめています。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

まほうのマカロン

もちっぱち
絵本
ちいさなおんなのこは 貧しい家庭で暮らしていました。 ある日、おんなのこは森に迷い込み、 優しいおばあちゃんに出会います。 おばあちゃんは特別なポットから 美味しいものが出てくる呪文を教え、 おんなのこはわくわくしながら帰宅します。 おうちに戻り、ポットの呪文を唱えると、 驚くべき出来事が待っていました

はじめて言葉を話した青年

藤本夏実
絵本
言葉はどうやってうまれたかを考えたことはありますか?言葉の起源を考え、人との交わり方を気にしながら、書きました。はじめて言葉を話しだしたら、こんな感じかなと思います。

宇宙人は恋をする!

山碕田鶴
児童書・童話
【第2回きずな児童書大賞/奨励賞を受賞しました。ありがとうございました。】 私が呼んでいると勘違いして現れて、部屋でアイスを食べている宇宙人・銀太郎(仮名)。 全身銀色でツルツルなのがキモチワルイ。どうせなら、大大大好きなアイドルの滝川蓮君そっくりだったら良かったのに。……え? 変身できるの? 中学一年生・川上葵とナゾの宇宙人との、家族ぐるみのおつきあい。これは、国家機密です⁉ (表紙絵:山碕田鶴/人物色塗りして下さった「ごんざぶろ」様に感謝)

神ちゃま

吉高雅己
絵本
☆神ちゃま☆は どんな願いも 叶えることができる 神の力を失っていた

ちびりゅうと びゃっこくんの ふしぎな てんらんかい

関谷俊博
絵本
これも いつもの だましえです。タイトルは「てんらんかい」としましたが、かなり くるしまぎれです。

冒険者ではない、世界一のトレジャーハンターになる!

克全
児童書・童話
「第1回きずな児童書大賞参加作」宝船竜也は先祖代々宝探しに人生を賭けるトレジャーハンターの家に生まれた。竜也の夢は両親や祖父母のような世界1番のトレジャーハンターになる事だ。だが41年前、曾祖父が現役の時代に、世界に突然ダンジョンが現れた。ダンジョンの中でだけレベルアップしたり魔術が使えたりする上に、現れるモンスターを倒すと金銀財宝貴金属を落とす分かって、世は大ダンジョン時代となった。その時代に流行っていたアニメやラノベの影響で、ダンジョンで一攫千金を狙う人たちは冒険者と呼ばれるようになった。だが、宝船家の人たちは頑なに自分たちはトレジャーハンターだと名乗っていた。

瑠璃の姫君と鉄黒の騎士

石河 翠
児童書・童話
可愛いフェリシアはひとりぼっち。部屋の中に閉じ込められ、放置されています。彼女の楽しみは、窓の隙間から空を眺めながら歌うことだけ。 そんなある日フェリシアは、貧しい身なりの男の子にさらわれてしまいました。彼は本来自分が受け取るべきだった幸せを、フェリシアが台無しにしたのだと責め立てます。 突然のことに困惑しつつも、男の子のためにできることはないかと悩んだあげく、彼女は一本の羽を渡すことに決めました。 大好きな友達に似た男の子に笑ってほしい、ただその一心で。けれどそれは、彼女の命を削る行為で……。 記憶を失くしたヒロインと、幸せになりたいヒーローの物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID:249286)をお借りしています。

処理中です...